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大臣職と家庭との両立は(山形新聞)|能町みね子


大臣職と家庭との両立は(山形新聞)|能町みね子
言葉尻とらえ隊 第564回

2023/09/24

 岸田再改造内閣の女性閣僚は5人で過去最多タイだそうで、それが目玉だとか語られているけど、01年の第一次小泉内閣ですでに5人いたのです。20年以上も進んでいない。これが目玉だと胸を張れる人たちの神経が分からない。

 そして、女性の起用について「女性ならではの感性や、あるいは共感力」の発揮を期待するという、腐り果てるほど古いフレーズを持ってくる岸田文雄センス。衝撃です。

 起用した男に「男性ならではの感性に期待」なんて言わないのは、その男の個性を見ているからです。つまり、女を起用した男が「女性ならでは」なんて言うとき、その男は、対象者が女であるということ以外何も見ていない。岸田にはのっぺりとした一つの「女」像だけがあり、女性は誰でもだいたい同じものだと思っているのでしょう。

 そんな彼が言う「女性ならではの感性」なんて、所詮手垢のついた、男を癒やすための優しさとか母性みたいなものと結びついた観念です。20年、岸田文雄が総裁選への立候補時にツイッターに上げた、昭和の夫婦コントみたいな写真――夫(岸田)は座って妻の料理を食べ、妻はエプロン姿で自分は食べず立って夫を笑顔で見守るというもの――が岸田の理想の男女像。各家庭にはどんな形があったっていいけれど、こんな写真を政治家としてアップすることには確実に意味がある。5人の女性閣僚にエプロンを着けて料理を作ってもらったら彼は「女性ならではのサービスだ」と満足するかもね。

 ちなみに今回の女性閣僚は、上川陽子、高市早苗、加藤鮎子、自見英子、土屋品子の5名ですが、新しく登用された後者3人は、加藤鮎子は加藤紘一の娘、自見英子は元郵政大臣・自見庄三郎の娘、土屋品子は元参議院議長・土屋義彦の娘。100%世襲ですごい。「女性登用」と言っても所詮は父ちゃんに力がある人ばかり。登用する側のおじさんたちもこういう安心できる「準男性」みたいなのがいいんでしょう。彼女らは「女性ならではの感性・共感力」なんてものじゃなく、世襲ならではのコネ性、庶民への共感力の無さを武器に活動することになるんでしょうね。

 さて、加藤鮎子は今回の登用にあたり地元の山形新聞でインタビューを受けていますが、その記事で彼女は「大臣職と家庭との両立は」と聞かれています。

 おい、山形新聞よ! そんな質問を、新聞がするなよ!

 男にはこんな質問をしないでしょう。家庭のことは女がやるものと決めつけているからできる質問です。いやあ、この手の問題は岸田や自民党議員ばかりの話じゃないんだよねえ。新聞まで含め、日本に根を張りまくった深い厄介な問題だ。溜息が出る。

 加藤はこの質問自体のおかしさは問わず、「(夫と)二人三脚で頑張っていきたい」などと無難に答えていましたが、「女性活躍」について聞かれた質問では「(県内には)性別による役割分担意識も色濃く残っているように感じる」と答えていました。さっきの質問への当てつけかと思いましたよ。

(のうまちみねこ 物書きで絵描き。1979年北海道生まれ。茨城県出身。近刊に『私以外みんな不潔』『皆様、関係者の皆様』他。共著に『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ』。)

source : 週刊文春 2023年9月28日号

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