« 安倍政権批判をしていた柿崎明二・共同通信論説委員を首相補佐官に! | トップページ | 菅首相が学術会議の任命を拒否した6人はこんな人 »

「前例ない決定、菅首相がなぜしたかが問題」

「前例ない決定、菅首相がなぜしたかが問題」
学術会議任命外された加藤陽子氏コメント

毎日新聞2020年10月1日 21時38分(最終更新 10月1日 21時44分)

https://mainichi.jp/articles/20201001/k00/00m/010/354000c


 政府から独立した立場で政策提言をする「科学者の国会」とも呼ばれる「日本学術会議」の新会員の任期が、1日始まった。しかし、菅義偉首相は学術会議が推薦した候補者105人のうち、6人を任命から外した。その一人の加藤陽子・東京大教授が、毎日新聞にコメントを寄せた。

 加藤教授は小泉純一郎政権での政府の公文書管理についての有識者懇談会に参加し、公文書管理について政権にアドバイスをしてきた日本の第一人者だ。2010年に設置された内閣府公文書管理委員会委員だったほか、現在は「国立公文書館の機能・施設の在り方等に関する調査検討会議」の委員を務める。皇室にも熱心な読者を持つ、日本近代史の有力な研究者でもある。

 今、多くのメディアは、任命されなかった私たち6人に「なぜ任命されなかったのか」を尋ねている。いかなる研究者の、いかなる研究内容が官邸に忌避されたのかを、国民の知る権利についての付託に応えるために探るのは、もちろん理解できる。

 しかし、「なぜ任命されなかったと考えているか」を被推薦者に尋ねる思考回路は本末転倒でもある。首相が学術会議の推薦名簿の一部を拒否するという、前例のない決定をなぜしたのか、それを問題にすべきだ。この決定の背景を説明できる協議文書や決裁文書は存在するのだろうか。

 私は学問の自由という観点からだけでなく、この決定の経緯を知りたい。有識者として、小泉政権で福田康夫官房長官が始めた公文書管理についての有識者懇談会に参加し、公文書の作成管理についての政府の統一ルールを定めた公文書管理法の成立を福田元首相や上川陽子法相とともに見届けた人間として、この異例の決定の経緯を注視したいのだ。

 学術会議は、新会員の推薦を極めて早くから準備していた。今年2月初旬の段階で、内閣府は被推薦人の名前、業績などをつかんでいたはずである。8月末には内閣府から官邸へ名簿と写真もあがっていたはずだ。にもかかわらず、新しい学術会議が発足する2日前の9月29日夕に、任命拒否を連絡してくるというのは、どうしたことだろうか。これは、多くの分科会を抱えており、国際会議も主催すべき学術会議会員の、国民から負託された任務の円滑な遂行を妨害することにほかならないのではないか。学術会議の担う任務について、官邸は考慮に入れていなかったのか。人事の話だから公にできないというのであっても、早期に内閣府や学術会議へ連絡し、より適切な、優れた学術の成果のある人に代えればよいだけの話だ。

 なぜ、この1カ月もの間、(学術会議会員の人事を)たなざらしにしたのか。その理由が知りたい。そのうえで、官邸が従来通りに、推薦された会員をそのまま承認しようとしていたにもかかわらず、もし仮に、最終盤の確認段階で止めた政治的な主体がいるのだとすれば、それは「任命」に関しての裁量権の範囲を超えた対応である。念のため、付言しておく。

|

« 安倍政権批判をしていた柿崎明二・共同通信論説委員を首相補佐官に! | トップページ | 菅首相が学術会議の任命を拒否した6人はこんな人 »

つれずれ」カテゴリの記事