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関電金品問題、県職員109人も受領 小判や商品券も

関電金品問題、県職員109人も受領 小判や商品券も
2019年11月21日16時27分
https://digital.asahi.com/articles/ASMCP56R3MCPPTIL01F.html?iref=com_flash

 関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役・森山栄治氏(故人)から多額の金品を受領した問題で、県の顧問弁護士でつくる調査委員会は21日、退職者を含む県職員ら計109人が森山氏から金品などを受領していたとする調査結果をまとめた。同日夕、発表する。一部の職員は約10万円相当の純金小判や現金10万円、10万円相当の商品券など高額の金品を受け取っていた。
 調査報告書によると、377人を対象に面接や書面で調査を行った。回答のあった313人のうち、109人が金品などの受領があったと回答した。就任祝いや餞別(せんべつ)として10万円(商品券を含む)を受け取った職員が5人、5万円(同)以下が10人。また、受領したお菓子の下に2万円分の商品券が入っていたケースもあったとされる。
 関電役員らの金品受領問題を受け、県は10月15日、弁護士3人による調査委員会を発足。森山氏から金品や贈答品などを受領していないか調べるとともに、森山氏が役員などを務めた関連会社について、県発注工事・業務が適正だったかどうかについても精査していた。

 

 

 


関電報告書の詳細判明 1億円超受領でも厳重注意のみ
2019年10月2日12時40分

 関西電力の役員ら20人が、高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役の森山栄治氏(故人)から計約3億2千万円分の金品を受け取っていた問題で、関電が昨秋にまとめた社内調査報告書の詳細が分かった。役員のうち2人の受領額は1億円を超えていた。受け取った金品は現金や商品券、米ドルなどで、数千万円単位のケースもあった。これに対する社内処分は、報酬の一部返上などにとどまっていた。
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 20人の役員らのうち、受領額が最も多かったのは鈴木聡常務執行役員で約1・2億円。福井県美浜町にある原子力事業本部で本部長代理を務める。現金で約7800万円、3・5万米ドル、金500グラム、スーツ14着などを受け取っていた。前の本部長である豊松秀己元副社長も約1・1億円を受け取り、内訳は現金約4100万円、商品券2300万円、7万米ドル、金杯1セットなど。
 本部長の経験がある八木誠会長にも金貨約60枚、金杯7セットなど800万円超が渡っていた。現在の本部長である森中郁雄副社長も4千万円超を受け取っており、不適切な金品の受領はこうした原子力畑の役員を中心に広がっていたことが明らかになった。岩根茂樹社長は金貨10枚で150万円だった。
 関電によると、同社にはこうした贈答や接待について「節度をもって良識の範囲内にとどめるように」と定めた社内ルールがある。関電は、幹部らが受け取りの日時を記したメモを貼り付けるなどして個人で保管し、「儀礼的な範囲を除いて全てを返却した」としているが、いったん受領したことは社会通念だけでなく、社内ルールにも違反している可能性が強い。
 また、報告書によると、関電は森山氏との面談で、原発関連工事について工事概算額などの規模感について資料を手渡すなど手厚い対応をとっていた。今回の問題の資金元とされる土木建築会社「吉田開発」が森山氏に随行したこともあった。だが、情報提供時には席を外しており、関電から吉田開発に直接情報提供はしていなかった。森山氏は情報提供を受けなかった面談でも、かなりの頻度で金品を持ってきていたことなどから、情報提供は森山氏からの金品の見返りとは認められないとしている。
 関電はこうした実態を税務当局の指摘を受けて調査し、昨年9月に報告書の作成と役員の処分を行った。ただ、処分の内容は会長、社長らが月額報酬の2割を1~2カ月返上することにとどまり、受領額の最も多かった鈴木氏は「厳重注意」だけだった。調査や処分の内容は取締役会にも報告せず、社内の一部だけにとどめていた。
 関電は2日午後2時から、大阪市内で八木会長と岩根社長が出席して会見を開く。社内調査報告書を公開し、役員20人の氏名や金品の内容、額などを原則すべて公表する。また、報告書自体の妥当性や、他原発や他部門で同様の事案がないかを調べる新たな第三者委員会を設置する方針も示す見通し。(西尾邦明、室矢英樹)
調査報告書の骨子
・役員ら20人が受領した金品の総額は約3億2千万円分。主な内訳は現金1億4501万円、商品券6322万円、金貨365枚(4949万円)、スーツ75着(3750万円)、米ドル1705万円相当
・大半は返却したが、3487万円分は未返却だった。内訳は、スーツ61着、商品券297万円、現金が170万円
・金品を返却した時期は2017年末までが約1億2千万円、18年が約1億6千万円
・菓子などの土産物の袋の底に見えないように金品を入れて渡されるケースが多く、昇進祝いの場合などは金品を包んで手渡されるケースもあった
・元助役に対しては、年始会や花見、誕生日会などを実施する慣例があり、幹部が多数出席した
・元助役には、工事物量や工事概算額などの規模感を記した資料を手渡すなどの情報提供をしていた。ただ、金品の見返りとしての発注関係の情報提供は認められなかった
・受け取った金品は、明らかに良識や社会的儀礼の範囲を超えている。元助役との関係を悪化させると原子力事業運営に悪影響を与える懸念がある中で、返却を押し通すのは困難だったが、コンプライアンス上は不適切との評価を免れ得ない
・問題発生の背景には、原発の立地地域の有力者である元助役との間で問題を起こすと、原子力事業に影響するという意識があった
・社内処分は、八木誠会長と豊松秀己元副社長が報酬の2割を2カ月返上、岩根茂樹社長が2割を1カ月返上。ほか3人に厳重注意
関西電力幹部が受け取った主な金品
 名 前         合計額   (主な金品)
八木 誠会長        859万円(金貨63枚、スーツ2着)
岩根茂樹社長        150万円(金貨10枚)
豊松秀己元副社長   1億1057万円(現金4100万円、7万米ドル、金貨189枚)
森中郁雄副社長      4060万円(商品券700万円、金貨4枚)
鈴木 聡常務執行役員 1億2367万円(現金7831万円、金貨83枚、金500グラム)
大塚茂樹常務執行役員    720万円(現金200万円、商品券210万円)
ほか14人あわせて計約3億2千万円

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