三重県伊賀市議会
令和元年 第 3回定例会(第4日 6月17日)議事録より
百上真奈議員(日本共産党)
2 市営住宅の駐車場管理について
⑴ 行政財産の目的外使用と管理方法
⑵ 使用料の減免
⑶ 駐車場料金の徴収
⑷ 駐車場管理の直営化
No.148 百上真奈君(日本共産党)
市営住宅の駐車場管理についてお尋ねをいたします。
これは、八幡町の市営住宅の駐車場についての質問なんですけれども、八幡町の市営住宅は昭和40年代から50年代にかけて建設され、他の市営住宅同様、駐車場は整備されていませんでしたが、一部、地域改善対策で駐車場を整備したとも聞いております。情報公開で取り寄せました資料によりますと、現在、八幡町管理組合から伊賀市の土地を駐車場として行政財産目的外使用する申請が出され、伊賀市が許可をしています。
まず、行政財産を市営住宅の駐車場として目的外使用にした理由と駐車場の管理方法として八幡町自治会の中にある管理組合に管理を任せることにしたのはいつからで、管理組合との取り決めがあるのか、その経緯をお答えください。
No.150 人権生活環境部長(田中克典君)
人権生活環境部田中です。
同和課の行政財産である事業残地でございますが、1カ所ずつの面積が狭いところが多いということで、なかなか活用が難しいというまま管理するためには、一定の経費を要するところでございます。
市が直接管理をせず、使用許可を出して、管理組合が駐車場契約者から駐車場料金を徴収し、またその管理を行っていただく、また施設の管理も行っていただくということで、経費、労務時間の軽減も図れますし、地区内の防犯対策、それから衛生面での環境保全の動きということも向上につながっているところでございます。
この事案につきましては、市が住宅を建設するに当たりまして、駐車場を整備していなかったものの、その後、自動車の普及があってということで駐車場が必要になってきたというのが背景にございます。
ただ、その場合に市で整備するということになりますと、土地であったり予算であったりということで、なかなか確保が難しいということで、今あります公有財産の残地を使用許可を出しまして、それを利用するということで駐車場の機能を代替していくということで始まったものでございます。
その管理方法につきましては、先ほど申し上げましたとおり、地域の実情を熟知して苦情などの緊急対応にも迅速に対応していただける地元の方々で組織する団体であります管理組合さんのほうにお願いをしているとこでございます。
それから、いつからというところが、承知しておりますのは平成17年ぐらいから、この資料がちょっとございましたんですけど、ちょっと何年からスタートしたというのは、ちょっと今持ち合わせてございません。
No.152 百上真奈君
管理組合に任せる理由として、資料には、市が直営で駐車場管理を行うより経費の大幅な軽減が図れるとありますけども、直営での試算は幾らでしたか。直営より経費削減になっているかを検証されていますか。
No.154 人権生活環境部長(田中克典君)
例えば、この上野丸之内にあります市営駐車場の場合ですと、委託料から算定させていただいて、人件費の関係だけでお一人当たり年間260万円程度かかっております。この当該地域の駐車場におきましては、駐車場の箇所が20カ所以上ございます。そして、場所も点在しておりまして、約1キロぐらいの幅でばらばらという状態でありまして、そのほか、草刈り、それからフェンスや白線の補修、それから舗装も割れてくるということで直したり、それからごみや雑木が置かれていたりするものも気がついたらどけていただくという清掃の費用等も当然かかってまいりますので、数百万ぐらい以上はかかるというふうに考えております。
そして、これが1人ではなくやはり複数人の対応もお願いしないとできないということで、それだけ経費も増加すると考えております。
現在、管理組合では、管理費、整備費合わせて年間、昨年度の決算ベースで大体600万程度の支出があったんですけども、やはり先ほど申し上げましたとおり市直営で行うよりは随分費用、労務時間の軽減は図れると考えてます。
No.156 百上真奈君
驚く答弁ですね。市営住宅の駐車場のことを言ってるんですよ。そういう観光地なりとかほかの駐車場とは全く違うにもかかわらず、そんなところと比較してどうするんですか。私、次の使用料の減免についてお尋ねします。本当に驚きました。
行政財産目的外使用の場合は、目的外使用に対する使用料を許可を受けた者は納めなければなりません。その額は条例に規定されています。八幡町の駐車場用面積は平成30年度で7,912.86平米、土地評価額は1億9,365万3,265円で、条例に規定されている使用料の算定額は774万6,131円になります。本来、この額を管理組合は市におさめるのですが、そのうち728万6,131円も減免され、実際の使用料は46万円でした。条例に基づく使用料の減免根拠となぜ46万円なのか、短く簡潔にお答えください。
No.158 人権生活環境部長(田中克典君)
市の、先ほど言われました使用許可の減免基準でございます市・行政保管推進する事業で、特に公共性・公益性が高いと認められる場合に該当する場合ということで判断させていただいて使用料の一部を減額させていただいております。
先ほど言いましたとおり、この駐車場につきましては、自家用車の利用が拡大した中で置き場所がないという事態で、路上駐車等によります道路占有による通行障害という問題も発生しておりました。また、交通事故の発生も懸念されておりました。ということで、こういったことも解決しなければいけないということもありまして、駐車場契約者の管理の問題もあります。ということで、現在では、収支を計算していただいて、その差額に当たる部分について、納入をお願いするという形で運用をしております。
No.160 百上真奈君
そしたら、お尋ねしますけど、当初の契約台数と料金収入は幾らで、使用料は幾らだったのか、現在の駐車場の契約台数と料金収入は幾ら入っていますか。しかも決算のことをおっしゃっていますが、決算の詳細な監査はされておられますか。
No.162 人権生活環境部長(田中克典君)
平成30年度でございますが、これは、私どもの同和課で管理している土地と住宅課で管理している土地がございますが、合わせましてですけども使用料収入、利用料収入として612万9,000円収入をしていただいているということでございます。台数が322台だったと思いますが、ちょっと済みません、台数については確実な台数は、今お答えはできません。
それと、監査の関係でおっしゃっていただきました。今まで、決算の報告はいただいていたのですが、監査については、やはりもう一度私どももこの管理組合さんのほうにちょっと申し出をさせていただきまして、今年度からではありますけれども、監査に入らせていただくことと、住民の皆さんへの理解も進んでいない部分も見えましたので、この自治協の会合等できちんと事業の内容と決算について報告をしていただきたいということで話をさせていただきまして、相手方のほうもそのようにしたいということで回答をいただいておるとこです。
No.164 百上真奈君
今、重大な発言されたと思います。監査をされてこなかったと、しかも決算書はずっとなかったわけですよ。平成29年度、30年度でようやく決算が出されました。だから、監査もされていないから、今おっしゃった駐車場料金とか駐車台数も全くそれが事実かどうかはわからないという状況ですよね。整備状況、現地確認されていないと思います。
当初の契約台数も今明確な答えがありませんでした。ちなみに、この使用料は私が取り寄せた資料の中で平成25年度は65万円、平成26年度は55万円、平成27年度が50万円、28年度以降は毎年46万円しか納めておられません。しかも駐車料金はようやく決算書が出てきた29年度で710万9,100円の収入があり、30年度が612万9,000円、これだけ収入があると、多分当初よりも随分ふえてると思いますが、使用料は逆に減ったままです。これなぜ使用料、上げないんですか。
No.166 人権生活環境部長(田中克典君)
29年度と30年度につきまして、金額が上がっているということでございます。
実は、この2年間につきましては、地元の方々からまだ台数が足りない、路上駐車が多いということで、残地を駐車場にしてなかった部分をきちんと線を引いて砂利を入れてということで整備をかなりしていただきまして、実際、工事のほうも進んでいるのは見させていただきましたので、経費もそれだけいってこれだけの会計がふくらんだということですが、また、今年度から、例えば前年比100万円程度下がっておりますが、その費用も少なくなってくれば決算自体も下がってくるというふうに考えておりますし、基本的に収支の残額を納めていただくということで、お願いしております。
No.168 百上真奈君
とにかく決算見てないんですからわからないはずなんです、今の答弁されていますけれども、それで、30年度からは管理組合から今度は、住宅課が持っている土地の使用申請と使用料減免申請も出ています。そこには、使用料は同和課で許可してもらっているのと同様の平米当たり75円になる額になるよう減免を求めています。つまり、この使用料46万円というのは、減免規定に基づく額ではなく、管理組合の求めた額であり、言われるがままに減免したわけですよね。この平米当たり75円というのは、伊賀市と管理組合との間で了解事項になってて、この金額でこれから公有地を使わせることになっているということじゃないですか。これ行政財産目的外使用による有効な公有地の活用には、全くなってませんし、特別な扱いは、これ本当に大問題だと思います。これから管理組合が借りたいと申請すれば、幾らでも46万円で公有地が借りれるという、こんなやり方誰が決めているんですか、教えてください。
No.170 人権生活環境部長(田中克典君)
今、おっしゃっていただいた部分ですけども、情報公開でとっていただいたところにそのような記述があったということでございますが、必ずしも46万円がばしっとした原則として決まっているというわけではありません。決算において当然余ってくれば、余剰金が出れば、当然納めていただくということで運用をさせていただくわけで、当初の許可を出すときの算定においてそのような算定をされたというふうに考えております。
No.172 百上真奈君
今、答弁されたことは、平成29年当たりで突然出てきた条件です、それも、情報公開によりますと。しかも結局、決算見ますと29年も30年も赤字決算でした。だから46万円になっているだけなんですね。
もう一点、3つ目の駐車場料金の徴収についてもちょっと聞きたいと思うんですけど、駐車場を借りておられる住民は、市民館の職員に駐車料金を渡し、職員が受け取って台帳に領収したことをチェックするための印鑑を押しています。集まったお金は職員が金融機関に入金していると聞きました。なので、市は本当に駐車台数をここでしっかり把握しているはずなんですよね、今の、正確な。以前、私は職員が管理組合に委託しているのに、徴収業務しているのは問題だと指摘したら、よくないことなのでやめますと当時の同和課長がおっしゃっていました。今も続いていますか。これ続いていたら公務員の職務専念義務違反になると思うのですが、いかがですか。
No.174 人権生活環境部長(田中克典君)
今おっしゃっていただいた部分ですけども、市民館のほうには、市営住宅の家賃とか水道代の金額をたくさん持ってきていただいておりまして、そのときに一緒に使用料も持って来られる方が多いということでございまして、住民の利便性を考えて駐車場代金についても一時的に預かるということもありましたが、今おっしゃっていただいたとおり、市に納めているという誤解を招いているというか、住民さんにそのように感じられてしまっているということもありました。現在は、ちょっと組合さんとも協議させていただいて、徴収事務を適切に行っていただくために、市民館内に事務局を設置していただいてる自治協の職員さんが事務局員も兼ねていただくということで、料金のほうを徴収をそこでしていただけるようにお願いをしております。
No.176 百上真奈君
それ、先週からですよね。私が一般質問を通告してからだというふうに思うんですけれども、だからおかしいんですよ。管理組合の決算には、事務管理経費が29年度で306万6,243円、30年度で334万3,351円が計上されているんですよ。管理組合の仕事は、そういうことをやることでしょう。だけど、それを今までずっと長年、市の職員がやってたんです。そしたら、この300万円余りのお金、一体何に使われているのかというふうに住民の方が疑問を持つのは当然じゃないですか。私も本当にそう思いました。このお金って一体何に使ったのか。
しかし、行政は監査をしていないから、これも多分何に使われているかわからないんじゃないですか。それ答えてください。この住民の疑問に対して市は答えなければならないと思います。答弁してください。
No.178 人権生活環境部長(田中克典君)
その中身については、当然、聞かせてもらいに行こうと考えておりますが、基本的にこれは地元で集めていただいた自分たちのお金で駐車場を運営して、そして、残金が出れば市のほうに納めていただくというふうで今まで運用をさせていただいております。組合のほうから、きちんとした決算なり事業内容を住民の方々に説明をきちっとしていただくというのが原則と考えております。
No.180 百上真奈君
だから、住民には全く説明されてないんですよ。
この責任者は、でも伊賀市ですやんか。市営住宅の駐車場ということと、それから公有財産を使ってるということは、全て伊賀市が責任なわけですよ。だから、伊賀市が説明責任を果たさなければならないし、伊賀市が本当のことというか現状をきちっと明らかにしなければいけないんですよね。
この行政財産目的外使用だからこそ、慎重に協議や評価をすべきなのにもかかわらず、同和課は、この行政財産の使用についての決裁手続、決裁規定どおりにしていません。平成25年と平成30年は、行政財産の決裁者である財務部長や管財課長の決裁がありますが、26年から29年までの間は、使用と減免の許可を同和課がやってるだけなんですよね。これも本当にずさんなやり方だと言わざるを得ないわけなんです。
本当にとんでもないことが起こってるなということで思ったわけなんですが、同和課が許可している八幡町の駐車場管理のあり方として、このままでいいと私は本当に思っていません。実際に他の市営住宅は住宅課が管理をしてて、逆に住民から駐車料金はいただいておりません。駐車場を整備したとこだけいただいてるだけです。また、ほかの自治会では、やはり安全の面も考えて普通財産の公有地を借りて、駐車場をされておりますけど、そこは、きちっと4%に当たる使用料を納めているわけなんです。ここだけが特別扱いをしてると言わざるを得ません。
この場合、市は有効かつ市の利益になる形で管理しなきゃいけないにもかかわらず、入ってくるべき700万円を超える土地の使用料は入ってきていません。駐車場管理を直営にすれば入ってくるはずの700万円を超える駐車料金も伊賀市には入っていません。全て八幡町管理組合に入っていて、その使い道を伊賀市はわからない、そして、管理組合にしかわからないような形に、これ一体何年間してきたわけですかね。本当に。
このやり方は、本当に伊賀市にとっても、それから市民にとっても八幡住民にとっても、駐車場を利用している方にとっても納得できるものではありません。
先ほど、変な比較をされました。伊賀市にあるほかの駐車場、公営の駐車場と、それ全く意味違いますよ。市営住宅の駐車場ですから、そんなところと比較しないで、そのほうが経費がとにかく何百万もかかるんだと、市営住宅の駐車場、他の市営住宅で24時間監視するような形でやってませんよ、どこも。自治会のほうできちっとされてるわけですからね。そんな比較は全く通らない話だと思います。
こういった公営駐車場の駐車場管理、特にここについては、直営にして、草刈りなど地元や業者に委託する形のほうが、私はいいと思うんですけれども、答弁願いたいと思います。
No.182 人権生活環境部長(田中克典君)
種々御提案いただきましたが、私どもとしては、やはり直営でやって、今おっしゃっていたように経費をまた別に発注すればということでございますが、なかなか管理もさまざまな苦情もありますし、迅速に対応できない部分もありますし、直営でやるよりは、やはり地元の方々にやっていただいたほうが、結局は財政的には安価であがるというふうには考えております。ただ、おっしゃっていただいたとおり、公有財産の使用許可をしている立場としての、もう少し運営の管理をしっかりやらせていただけてなかった部分は反省させていただいて、これから取り組ませていただきたいと思います。
No.184 百上真奈君
最後に市長に聞きますけども、その前に、これ本当に莫大な不明金をそのままにしとくわけにはいきません。それと住民の方が疑問に思っている、怒っておられる。そして、駐車場にするんだからといって草刈りもされていないんだと、ここは駐車場にするから草刈りはできないというふうなこともおっしゃってるんですよ。だから、これは住民の中からも、このやり方については変えてほしいという声が出てるということを伝えます。
その上で、市長は、平成25年度と平成30年度の使用許可、減免許可に決裁の印を押されてますので、私はこの問題は市長が決断すべきだと、本当にやり方を変えるということを決断すべきだと思いますけども、答弁願います。
No.186 市長(岡本栄君)
従前からの何かいろいろなことがあったんだろうなというふうには思いますけれども、やはり大事なことは、しっかりといろいろな人に説明ができるということが一番大事でありますから、その辺のところは担当のほうにしっかりと精査をさせて、どういうふうにすればよいのかということは、また考えていかなければならないというふうには思っております。
No.188 百上真奈君
テレビを見ている市民の皆さんも、そして駐車場を利用されている皆さんも、本当に、私は本当に、逆につらい思いもされてるかと思っていますし、こんな問題を放置している伊賀市はとんでもない、本当に行政だというふうに思います。
私は、このことは、もっと私自身も調査を進めていきたいと思っていますし、また、いろんな情報をいただいている市民、それからこのやり方おかしいと思っている市民の皆さんと一緒に、さらに声を上げていきたいし、まともな形に変えていくということをしていきたいと思っています。
今後、さらに住民からの声が顕在化してきたときには、本当に市が責任をとらなければなりません。きょうの質問は、第一歩だと思っておりますので、これらも引き続きさせていただきます。
時間が参りましたので、質問を終わらせていただきます。
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