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2016年7月に作成された記事

「改憲勢力3分の2」の罠にはまった2016年参院選挙 広原盛明(都市計画・まちづくり研究者)

改憲勢力3分の2」の罠にはまった2016年参院選挙、改憲勢力が序盤戦から終盤戦まで野党を圧倒した、改憲勢力の動向を中心に(その2)

~関西から(187)~

http://d.hatena.ne.jp/hiroharablog/20160712/1468265292

                広原盛明(都市計画・まちづくり研究者)

 今回の参院選は、最初から最後までほとんど流れ(情勢)が変わらなかった点が大きな特徴だ。まず序盤戦で「改憲勢力3分の2うかがう」との選挙情勢が一斉に報道されて、世論の大きな流れがつくられた。次に、終盤戦には「改憲勢力3分の2強まる」の大合唱が起り、形勢逆転の動きが封じられて大勢が固まった。そして、選挙結果は文字通り「改憲勢力3分の2超」となり、改憲勢力が予定通り粛々と勝利したのである。

選挙戦は、最初から最後までいっこうに盛り上がることなく、選挙が行われているかどうかもわからないほど街頭は静かだった(大都市中心部ではそうでなかったかもしれないが)。自公両党の間では「改憲隠し」が徹底され、候補者が連呼したのは安定政権による「アベノミクス」の続行と、野党共闘に対する口汚い中傷と悪罵だけだった。組織力に勝る自公両党は、選挙争点を徹底的に避けて選挙戦を無風状態に持ち込み、陣地戦に持ち込んで圧勝したのである。

 ここでは、選挙結果全般についての解説はもう繰り返さない。各紙とも選挙結果自体はこと細かく報道しているので、詳細はそちらの方に譲りたいと思う。私に求められているのは、その中から幾つかの注目点を見つけ出し、今後の戦いに備えるためだと思うからだ。以下、幾つかの論点を提起したい。

 第1は、自公両党の「改憲隠し」に対して、岡田民進党代表や志位共産党委員長が、彼らが「3分の2」を取れば必ず改憲を実行すると批判した戦法についてである。両氏は「改憲隠し」こそが最大の選挙争点だとして、オーソドックスな安倍政権批判を展開した。これは、改憲問題を重視する知識層や大都市リベラル層にアピールしたことは間違いない。東京で民進小川氏が辛うじて最下位当選したのは、この戦法が効を奏したからだと聞いている。

 だが、関西ではどうか。近畿2府4県(京都大阪兵庫滋賀奈良和歌山)の選挙区では、自民6議席、公明2議席、おおさか維新3議席と全員が当選し、改憲勢力が12議席のうち実に11議席を独占した。僅か残る1議席を、京都の民進が確保したにすぎない。民進は大阪兵庫滋賀奈良で現職4議席を失い、共産党も有力とされていた京都大阪で議席を得ることができなかった(大きく水をあけられた)。改憲勢力がここまで民進、共産を圧倒したのは、全国広しといえども近畿地方だけではないのか。

 改憲勢力が圧勝した背景には、実利を尊ぶ(重視する)関西の政治風土がある。「身を切る改革」を叫んで3議席をもぎ取ったおおさか維新の戦法は、この点を鋭く衝いたものだ。政党交付金には一切触れず、議員・職員定数の削減や報酬・給与カットだけを力説する彼らの公約は、議会制民主主義や市民福祉サービスの足元を掘り崩す危険な主張にもかかわらず、「議員や役人は無駄遣いばかりしている」と思い込んでいる大阪人には受けるのだ。だが、この大衆心理を理解できずに「大所高所」の演説をぶつだけでは、大阪での勝利は難しい。

 私が言いたいことは、改憲勢力に対する「原理主義」的批判だけでは有権者の心を掴むことができないということだ。自公両党が徹底的な「改憲隠し」で臨んできているときに、その意図を暴露して批判することは一定程度必要だとしても、それ以上の深みにはまると「暖簾に腕押し」状態になって、有権者は関心を失ってしまう。なにしろ相手は土俵に上がらないのだから、喧嘩のし様がないのである。「国民の怒り」が泡沫政党並みの得票しかできなかったのは、そのためである。

 そんなことよりも若者の関心事である就職や奨学金の問題、主婦が日々直面している物価上昇や預金金利の問題、高齢者が不安にさいなまされている年金や介護の問題などを具体的に取り上げ、「アベノミクス」ですべてが解決できるとする安倍政権の虚構を徹底的に追求すべきだった。同時に具体的な対案を示し、財源と方法を詳しく説明して有権者の心を掴む戦法に逸早く切り替えるべきだった。ところが、「改憲勢力3分の2」の罠にはまった民進・共産両党は、最後の最後までその罠から抜け出すことができなかった。

 「西高東低」といわれるように、今回の選挙野党共闘が成果を上げたのは、東北地方選挙区だ。1人区では秋田を除いて、青森岩手宮城山形、福島で野党統一候補が5勝1敗で自民候補に競り勝った。北海道(3人区)では、民進が3議席のうち2議席を確保して気勢を上げた。西日本、関西での野党共闘の惨敗にくらべて、北海道東北野党統一候補が勝利したのはなぜか。それはTPP問題など農業政策に的を絞り、復興問題や原発問題など具体的政策に重点を置いて選挙戦を戦ったからだ。安倍政権の政策では地域や家庭生活がなりたたなくなることを具体的に説明し、自分たちが生きていくためには野党統一候補の勝利がどうしても必要だと訴えたことが、有権者の心を強く掴んだのである。

 沖縄と福島で現職の大臣が落選したことも象徴的だった。もともと両大臣は国会答弁もままならないなど、政治家としての資質に欠けることは周知の事実だったが、それ以上に、安倍政権の閣僚である彼らでは沖縄の米軍基地問題も福島原発問題も解決不可能であることが、選挙戦を通じて明らかになったのである。とりわけ沖縄選挙区の10万票以上大差をつけての野党統一候補の圧勝は、沖縄県民の意思の強靭さを示すもので、安倍政権ではもはや米軍基地問題の解決が不可能なことを全国に知らしめた。この勝利は、他選挙区での自民勝利を帳消しするほどの一大壮挙となった。

 だが、それ以上に私を驚かせたのは、選挙中には一瞥もされなかった鹿児島県知事選で、「脱原発」を掲げる新人候補が4期目の再選を目指す保守系現職知事を破ったというニュースだった。東京都知事選についてはあれほど騒ぎ立てたマスメディアが鹿児島知事選については一度も取り上げなかったのに、川内原発を抱える鹿児島では一部の保守も含めて革新系が結束し、「原発の再稼働審査など難しいことは一般の人には理解できない」とうそぶいた伊藤知事に痛撃を食らわせたのである。安倍政権が、福島原発事故などまるでなかったかのように原発再稼働を着々と進めている現在、鹿児島県知事選の勝利は、沖縄選挙区に勝るとも劣らない衝撃を安倍政権に与えるものとなった。

改憲問題が国政の基本問題であることは変わりない。立憲主義を否定して戦後体制を根本から変えようとする安倍政権に対して、断固たる批判を加え、改憲阻止の固い決意を示すことは今後とも変わらない原則だ。だが、そのことと「改憲勢力3分の2」も罠にはまって、それだけで選挙を戦うこととは別問題だ。選挙はいつも大衆とともにある。知識層や大都市リベラル層の価値観だけでは国政選挙は戦えない。そのことを示したのが2016年夏の参院選だった。

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都知事選 護憲か壊憲。

2016729

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ヘイトスピーチを未然に防ぐ「事前規制」でも議論は分かれる。

認定なら発言者公表 大阪市条例(考 民主主義はいま)
http://digital.asahi.com/articles/ASJ7444MFJ74PTIL01H.html?rm=505
井上裕一、染田屋竜太、編集委員・中野晃
2016年7月22日12時43分
写真・図版
繁華街で街頭宣伝するグループに対し、ヘイトスピーチに反対する人たちも抗議に訪れた=17日午後、大阪市中央区
 大阪市で今月、特定の人種や民族を標的に差別をあおる「ヘイトスピーチ」の抑止を目指す全国初の条例が全面施行された。国会でも5月、ヘイトスピーチ解消に向け、国や自治体に相談体制の整備や人権教育の充実を求める対策法が成立したが、実効性を疑う声がある。施設の利用を拒否するなどし、ヘイトスピーチを未然に防ぐ「事前規制」でも議論は分かれる。
 17日午後3時。大阪市中心部の御堂筋で「行動する保守運動 関西」主催の街頭宣伝活動が始まった。
 大阪府警の警察官数十人が列になり、東側の歩道の一部をがっちり囲む。中で十数人がプラカードや横断幕を持って立っていた。男性が拡声機を持ち、「本日はルールを守り、きれいなナショナリズム、きれいな大嫌韓(けんかん)をさせていただこうと思います」と話した。
 車道を隔てた西側には韓国総領事館。男性は「反日外交をする韓国と今こそ縁を切るべきだ」と声を上げた。「韓国こそがレイシスト、差別国家」「極左暴力集団が朝鮮系犯罪集団、韓国人のテロ集団と一緒になって原発反対や安保反対運動をやっている」「犯罪を犯すのが韓国・朝鮮人なんですよ」――。グループは交代で拡声機を持ち、罵声を連ねていく。
 ガードする警察官の列から1~2メートルほどの場所では、「カウンター」と呼ばれ、反ヘイトスピーチを主張する十数人が「差別した人たちに謝れ」などと声を張り上げた。興奮した両者の間に警察官が割って入る。約1時間半、両者の直接の接触はなかった。
 在日コリアンらでつくる市民団体「ヘイトスピーチを許さない!大阪の会」はこの街宣がヘイトスピーチにあたるとの認定を求め、条例に基づき大阪市に申し立てる予定だ。すでにインターネット上のデモ動画など計13件の申し立てがあり、市は25日に初の審査会を開き、数カ月かけて判断するという。ただ、ヘイトスピーチと認定され、発言者の名が公表されても、本人が意に介さなければ、事態は繰り返されるだけだ。
 目の前で街宣を聞いていた在日朝鮮人のフリーライター李信恵(リシネ)さん(44)は「条例ができたためか、極端な差別発言は以前と比べて減った気がする」と話す。それでも市の中心部で、在日外国人を侮蔑する言葉は飛び交い続けた。
 「ヘイトスピーチを繰り返す人を街宣に参加させないなど、市はもっと踏み込んだ対応をしてほしい」
■「表現の自由」事前規制に慎重
 事前規制は可能なのか。
 3月13日。大阪市東住吉区にある「市立東住吉会館」は、数十人の警察官や警備員らに囲まれ、物々しい雰囲気となった。
 「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の元幹部を含むグループが、大阪市のヘイトスピーチ条例を「在日特権条例」などと批判し、討論会を開いた。
 大阪市生野区のNPO法人「多民族共生人権教育センター」の文公輝(ムンゴンフィ)事務局次長は2月に市役所を訪れ、「市の施設でヘイトスピーチが行われるのは明らかだ」と使用許可の取り消しを求めた。だが市の担当者は「憲法で表現の自由が保障されている」と拒んだ。
 約70人が参加した討論会は3時間に及んだ。終盤、主催者側の一人が「朝鮮人は犯罪率が高い」などと言い放ち、別の男性が「ケンカするしかないんや」と叫ぶと、会場にいた在日コリアンらが反発してもみ合いとなり、警察官が制止する騒ぎとなった。
 大阪市では条例案づくりの段階で、公共施設の使用制限も議論したが、弁護士や大学教授らでつくる検討部会では「事前規制は表現の自由の侵害につながる」とする意見が大半だったという。ヘイトスピーチの発言者と公表された当人にも、公園や公共施設の利用は断れないとの立場だ。
 弁護士でもある吉村洋文・大阪市長も「ヘイトスピーチは表現の自由の範囲を超えている」としつつ、今月21日の記者会見で「公権力が事前に市民活動を禁止するのは、非常に抑制的であるべきだ」と慎重な構えをみせた。「条例でヘイトスピーチをしっかり認定し、『駄目なことである』という認識を広げていくことで、ヘイトスピーチの減少につなげていく」
 川崎市は逆に5月、在日コリアンの排斥を訴える団体側が申請した市内の公園の使用について、不許可とした。市はこの団体がこれまでもヘイトスピーチを繰り返しており、インターネット上の情報などから、「同様の言動が行われる可能性が高い」と判断した。
 国連の人種差別撤廃条約は「すべての適当な方法(状況により必要とされるときは立法を含む)により、いかなる個人、集団または団体による人種差別も禁止し、終了させる」と定め、日本を含む締約国に対策を義務づけている。(井上裕一、染田屋竜太、編集委員・中野晃)
     ◇
 〈国際人権法に詳しい丹羽雅雄弁護士(大阪弁護士会)の話〉 日本は人種差別撤廃条約に加盟しており、現行の法制度でも、人種差別的な言動が行われるおそれが認められれば、公共施設の利用を拒否できると考える。活動歴や言動、集会の位置づけから判断し、公共の場での人種差別的言動による人権侵害を防ぐ必要がある。大阪市の抑止条例の改正や、公共施設利用に関する特別条例の策定などで、判断の基準を明確にすればよい。
     ◇
 〈田島泰彦・上智大教授(メディア法)の話〉 ヘイトスピーチといえどもあくまでも言論であり、行為(アクション)とは異なる。規制するとしても、情報が市民に届いた上で、他の権利や利害との調整を図る事後的措置にとどめるべきだ。事前規制は市民の判断の余地を遮断し、表現の自由の観点からも望ましくない。ヘイトスピーチの概念そのものもあいまいな部分があり、条例の仕組みが妥当かどうかも含めて検討すべきだ。
     ◇
 〈大阪市のヘイトスピーチ抑止条例〉 ヘイトスピーチを「特定の人種もしくは民族の個人や集団を社会から排除し、憎悪や差別意識をあおる目的で侮蔑や誹謗(ひぼう)中傷するもの」などと定義。被害を受けた市民からの申し立てにより、大学教授と弁護士の計5人でつくる審査会がデモなどの発言内容を審査し、大阪市がヘイトスピーチと認定すれば、発言者名を公表する。過去のデモなどもインターネット上に動画が投稿され、現在も閲覧できる状態であれば、認定後に市は投稿者名を公表し、プロバイダーに削除を要請する。

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「議会と自治体」8月号

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東京都知事選挙・鳥越俊太郎候補への支援を要請します

東京都知事選挙・鳥越俊太郎候補への支援を要請します

東京人権と生活運動連合会

2016720

 全国の人権連の皆さん!

東京都知事選挙が始まりました。

 争点は①「納税者意識」を胸にとめ、不祥事を起こさない都政にする②公共事業で経済をよくするというやり方をやめ、高齢化社会の問題、待機児童の問題、介護の問題などにきちんとお金を充てて経済を良くしていく③首都の政治戦で、憲法改定の動きに審判を下す―となっています。

 自民党陣営は2候補に分裂し、野党は鳥越俊太郎候補で一本化しました。都政を都民に取り戻す絶好のチャンスです。

 鳥越候補は知名度は高いものの、20~30代の人には知られていません。

 鳥越候補の政治姿勢と人柄を伝え、人権連にゆかりある皆さんに確実に支持していただくことが重要になっています。

 ●知り合いの東京の有権者に働きかけをお願いします。

●資料(①「地域と人権」東京版1面②政策宣伝資料)を添付します。

●財政支援もよろしくお願いします。振込先は、みずほ銀行稲荷町支店

普通預金 1717567 東京人権と生活運動連合会です。


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二階派は新潟を担当。

参院選 自民党派閥の戦績は? 細田派、岸田派などは「担当選挙区」落とす
2016.7.13 00:01
http://www.iza.ne.jp/kiji/politics/news/160713/plt16071300010002-n1.html
 参院選では、自民党の各派派閥やグループの戦績も明暗が分かれた。
 激戦だった東北6県では党から割り振られた「担当選挙区」として、細田派が福島、額賀派が青森と秋田、岸田派が宮城、石破派が岩手、谷垣グループが山形を受け持ち、てこ入れした。派閥領袖から若手まで総動員し、知名度の高い幹部に街頭で、若手には企業回りをさせて票の掘り起こしをさせる作戦だった。特に細田派は、福島で同派所属の岩城光英法相が改選だったこともあり、派閥領袖の細田博之幹事長代行らが現地で支援に回った。
 しかし結果は、秋田以外で自民党候補が敗れる1勝5敗。宮城を受け持つ岸田派も岸田文雄外相が3度にわたって選挙区入りしたが、自民党の熊谷大氏は敗北。二階派は新潟を担当。二階俊博総務会長や林幹雄経済産業相ら派幹部が何度も現地に入ったが、自民党の中原八一氏は約2300票差で競り負けた。額賀派は青森で落としたものの、秋田で勝利した。
 一方、神奈川では、党の担当割り振りとは別に、麻生派が支援した党推薦候補の中西健治氏が当選。麻生太郎副総理兼財務相や河野太郎行政改革担当相ら同派幹部の徹底支援が実った。

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【談話】2016年参議院選挙の結果について 全国人権連

【談話】2016年参議院選挙の結果について

 

 710日投開票でたたかわれた参議院選挙は、改選121議席のうち、与党が過半数を上回る70議席(追加公認含めて)を獲得し、改憲勢力は参議院でも改憲の発議が可能となる162議席を占める結果となった。

 一方、戦争法廃止・立憲主義擁護を掲げた野党勢力は、与党による卑劣な「野合」批判が繰り返される中、42議席を獲得した。戦争法廃止を求める広範な市民と結んで、32の一人区で前回の2人から11人当選へと前進し、他の選挙区でも接戦に持ち込んだ。このなかで福島と沖縄では現職大臣を落選させ、東北5県でも野党統一候補が勝利した。市民と野党の共同の確かな可能性を示している。

 安倍首相は選挙が終わったとたん、争点隠しに終始した改憲論議を野党を巻き込んですすめる強い意欲を示した。自民党改憲草案が示すとおり、安倍首相がねらう改憲の本丸は、9条の制約を外し「国防軍の創設」で海外でアメリカ追随の戦争ができる国にすることにあり、また、そのための緊急事態条項の創設や基本的人権の制約を狙う。平和と民主主義、国民主権にかかわるこの国の在り方そのものが根底から問われる、かつてない事態に直面している。

 安倍首相は、大企業と富裕層に富を集中させるアベノミクスの乱暴な推進をはじめ、戦争法の具体化、沖縄名護市辺野古への米軍新基地建設、原発再稼働の推進、労働法制の改悪と雇用破壊、社会保障の削減と貧困層の拡大など、世論に反する政策の強権的な加速をも狙っている。

 全国人権連は、「いつまでも住み続けられ、平和で人間らしく、幸福に暮らせる地域社会」実現のために、安倍政権の改憲策動と戦争する国づくりに反対し、暮らしと福祉、教育、雇用をまもり改善するために、切実な要求を前面に掲げて、たたかいをすすめる。

 そのためにも、歴史の前進に逆行し、国民分断の人権侵害となる「『部落差別』固定化法」の成立を断固阻止するものである。

 日本国憲法と立憲政治、そして国民の日々の暮らしは、戦後最大の危機に直面している。そのことを改めて確認し、戦争法廃止、立憲主義の擁護で培った市民と野党の共同をさらに前進させて、安倍政権の「暴走」をなんとしてもくい止めよう。

 2016712

全国地域人権運動総連合

事務局長  新井直樹

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「全国部落調査事件」7月5日初回口頭弁論

「全国部落調査事件」7月5日初回口頭弁論
http://jigensha.info/2016/07/06/zenkokuburaku-1/
By 鳥取ループ
7月5日、東京地方裁判所103号法廷で、全国部落調査事件の最初の口頭弁論が行われた。裁判所内は撮影、録音禁止なので、写真等は掲載できないのだが、法廷の様子を臨場感を持ってお伝えしようと思う。
当日は、裁判所の周囲にはテレビ局の中継車が何台が停まり、正門前の駐車場の出入り口にはカメラマンが陣取っていた。とは言っても、それは全国部落調査の件とは関係ない。当日はいわゆる「弁護士局部切断事件」の判決公判があったからだ。圧倒的に世間の関心の大きさとニュースバリューは局部切断事件だろう。
しかし、全国部落調査事件も傍聴人の数では負けていなかった。解放同盟から動員がかかっていたこともあり、約50席の一般傍聴席の傍聴券を求めて約200人が列をつくった。
開廷が近づいたので、筆者は一般来庁者の入り口から荷物チェックを受けて金属探知機をくぐった。裁判所の職員に案内されて被告席に着くと、傍聴席は満席、原告席にも解放同盟側の数十名が陣取っていた。また、裁判所の係員が多数傍聴席の前で警戒していた。
傍聴席も原告席も、やはり高齢者が多い。平穏ではあるのだが、あれが宮部かと指さしたり、じっと睨んでいる人がいるといった様子だ。
開廷前に、いくつか事務的な手続きがあり、裁判の書類の送達先の届けを書いて、さらに訴訟記録の一部の閲覧制限の決定書が渡された。この決定書は以前届いたのと同じものである。
さて、開廷した後、まず形式的に2つの事件になっているものを併合して1つの事件として審理することが決められた。そして、通常の裁判と同じように原告側の訴状の陳述と証拠の提出、被告側の答弁書の陳述の手続きが行われた。実際に書面を読み上げるわけではないので、これはあっさりしたものである。
しかし、これではあまりにも物足りないということなのか、解放同盟側は意見書の陳述を申し出て、片岡明幸副委員長と代理人の中井雅人弁護士がそれぞれ10分間意見書を読み上げた。
意見書とは言っても、人権作文か「糾弾要綱」のようなものである。
今回の口頭弁論の関係書類はこちらで見ることができる。
その後、次の裁判の日程が決められた。被告側の追加の書面の提出期限は8月5日で、裁判官からは訴状の内容に対する認否と反論を求められている。その後、それに対して原告側がさらなる反論の書面を提出することになり、特に裁判官からは、原告には「解放同盟関係人物一覧」に掲載されている人とそうでない人がいるので、その点を明らかにするように求められた。
次回期日は2016年9月26日11時 東京地方裁判所103号法廷である。
解放同盟側によれば、次回の傍聴者はおそらく半分くらいになるだろうとのこと。また、解放同盟側は午後の弁論を希望したものの、法廷の確保の都合上やむなく午前になった。そのため、次回は一般傍聴人も入りやすいと思われる。
さて、弁論が終わった後、筆者はすぐには外に出してもらえなかった。裁判所の係員は、まず原告と傍聴人を外に出した。この時、何やら大きな声で叫んでいる傍聴人がいた。
原告と傍聴人がすっかり出て行った後も、しばらく待つように言われた。そして、やっと出られると思ったら、5~6人の係員に囲まれて誘導されるという物々しさだった。
裁判所としては、万一何かあったら困るということなのだろう。こんなところからも、裁判所の「部落」に対する恐れを見ることになった。

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「部落差別の解消の推進に関する法律案」 緊急学習会の案内

「部落差別の解消の推進に関する法律案」 緊急学習会の案内

7月30日 大阪
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8月 7日   神戸
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8月24日 岡山(詳細後日。反対チラシ掲載を)
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「ヘイトスピーチ解消法」と似て非なる「部落差別解消法」

2016.06.30 Thursday
第186回 「ヘイトスピーチ解消法」と似て非なる「部落差別解消法」
小林健治
1950年、岡山県生まれ。解放出版社事務局長を務める。1980年から、部落解放同盟中央本部・マスコミ対策部文化対策部/糾弾闘争本部の一員として、出版・新聞・テレビにおける差別表現事件にとりくむ。にんげん出版代表。

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ヘイトスピーチ規制、受け付け開始=1日に条例施行-大阪市

ヘイトスピーチ規制、受け付け開始=1日に条例施行-大阪市
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016070100004&g=soc
 全国で初めてヘイトスピーチ(憎悪表現)の抑止策を盛り込んだ大阪市の条例が、1日に施行された。市民らの申し出を受け、審査会や市が表現内容をヘイトスピーチと判断した場合は団体名の公表や拡散防止措置を行う。吉村洋文市長は「大胆な一歩」と規制に期待感を示している。
 1月に成立した条例は、ヘイトスピーチを「特定の人種や民族の個人や集団を社会から排除し、憎悪や差別意識をあおる目的で、侮辱や誹謗(ひぼう)中傷する行為」などと定義。市内に居住、通勤・通学する人から、該当する可能性のある表現活動について申し出を受け付ける。 
 審査会の委員は憲法、行政法、国際法の各分野の学者3人と弁護士2人。申し出人が提出した表現内容の映像などを基に、加害者とされる側の意見も聞いて判断する。市はそれを踏まえ、ヘイトスピーチと認定した場合、発言した団体や個人名を公表。動画がインターネット上に掲載されていれば、プロバイダーに削除を依頼する。
 5月に成立した国の対策法より踏み込んだ内容で、NPO法人「コリアNGOセンター」(大阪市)の郭辰雄代表理事は「ヘイトスピーチはあかんという初の条例で歴史的に意味がある」と評価。一方で「事前抑止の措置がなく、申し出がないと市は何もしない」と課題を指摘し、さらなる対策を求めている。
 条例は橋下徹前市長が昨年5月に市議会に提案。後継の吉村市長の就任後、今年1月に成立した。

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