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自民、理念なき妥協の産物 ヘイトスピーチ法案 将来、不当な規制可能性も

2016.5.13 05:02
【主張】ヘイト法案 拡大解釈招く懸念がある
http://www.sankei.com/column/print/160513/clm1605130001-c.html
 熊本地震の発生後、ツイッターに「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んでいる」などの書き込みがあった。意図はどうあれ、極めて不快だった。
 これもヘイトスピーチ(憎悪表現)の一種だろう。声高に差別的言辞を叫んで練り歩く集団なども同様だ。ことさらに憎しみや差別感情をあおるような発言やデマが許されないのは当然である。
 このことを大前提として、自民、公明両党が提出したヘイトスピーチ解消法案には問題が多い。法案の修正案は13日に参院本会議を通過し、月内に衆院でも可決される見通しだが、成立後も見直しの検討を続ける必要がある。
 法案の正式名称は「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」であり、例えば日本人に対する差別表現は対象としない。
 「『本邦外出身者に対する不当な差別的言動』以外のものであれば、いかなる差別的言動であっても許されるとの理解は誤り」とする付帯決議も採択されたが、本則を付帯でひっくり返したようなもので、いかにも出来が悪い。
 ヘイトスピーチについても、他国の出身者を「地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動」などと定義したが、民進党の修正要求により「著しく侮蔑する」などの文言が追加された。
 「不当な」「著しく」といった言葉は解釈があいまいで、恣意(しい)的な拡大解釈を生む懸念がある。正当な批判や言論がその対象となる可能性もある。
 朝鮮学校などを対象に「朝鮮人を保健所で処分しろ」「日本からたたき出せ」といった街宣活動を行った団体は刑事裁判で有罪判決を受け、損害賠償を命じられてきた。判決は、国連の人種差別撤廃条約が禁止する「人種差別」に該当すると断じてきた。
 日本の司法は、これまでも差別問題に概(おおむ)ねまっとうに向き合ってきた。定義もあいまいな理念法の成立を急ぐことで、新たな混乱を招くことにならないか。
 ヘイトスピーチについて、安倍晋三首相は平成25年5月の国会で「結果として自分たちを辱めている」と指摘し、「日本人は和を重んじ、排他的な国民ではなかったはずだ」と述べた。
 そうした道徳心の再確認や、機運の醸成こそ重要だ。これは、日本人のあり方の問題でもある。
©2016 The Sankei Shimbun




2016.5.13 05:00
自民、理念なき妥協の産物 ヘイトスピーチ法案 将来、不当な規制可能性も 
http://www.sankei.com/politics/print/160513/plt1605130005-c.html
 参院法務委員会で12日に可決されたヘイトスピーチ解消法案は、自民党の理念なき妥協の産物といえる。当初は憲法が保障する「表現の自由」を重視し、法規制には慎重だったが、他法案の処理を“人質”に審議促進を迫る野党に屈した形だ。今回は罰則規定を見送ったが、付則には内容の再検討に道を開く規定も盛り込まれた。不当な規制を求める動きにつながりかねず、禍根を残したといえる。
 「ヘイトスピーチは恥ずべきものだという共通認識でやってきた。ぜひその趣旨を多くの国民に共有してもらいたい」
 法案提出者の自民党の西田昌司氏は、12日の同委で法案の必要性をこう答弁。質問で「一緒にヘイトスピーチ根絶のため、国会の内外で力を尽くそう」と呼びかけた共産党の仁比聡平氏と、共闘ぶりを演出した。
 さらに仁比氏が与党案への賛成討論を終えると、与党の委員はこぞって拍手。参院選前の対決ムードはみじんもなく、全会一致の可決は一見スムーズにみえた。
 しかし、自民党内には、「不当な規制につながりかねない法律が必要なのか」との不満がくすぶる。新法を作らなくとも、刑法の侮辱罪など現行法で対応できるとの意見も根強い。
 法規制に慎重な自民党が方針転換したのは、取り調べの録音・録画(可視化)の義務化などを盛り込んだ刑事訴訟法改正案の今国会成立を“人質”に取られたからだ。6月1日の国会会期末が迫る中、民進党に水面下で「解消法案を成立させれば、刑訴法改正案の審議に応じる」と打診され、自民党は取引をのんだ。
 与野党の法案修正協議では、ヘイトスピーチを明確に禁止する規定の追加を求めた民進党に対し、与党は「表現の自由の規制につながりかねない」と拒否。今回可決した与党案は罰則規定のない「理念法」にとどめたが、不安は残る。
 与党案で明示している「不当な差別的言動」を拡大解釈すれば、“被害者”と位置付けられた者が国や自治体に過剰な「教育」や「啓発」を求める懸念がある。
 さらに与党案では、野党の求めに応じ、解消に向けた取り組みについて「必要に応じて検討を加える」との付則も追加。今後罰則規定が復活する可能性も残った。将来、「軽い一言」が刑事罰を科せられる芽も消えたわけではない。(清宮真一、力武崇樹)
©2016 The Sankei Shimbun




2016.5.12 18:41
ヘイトスピーチ解消法案が衆院法務委で可決、来週にも成立へ
http://www.sankei.com/politics/print/160512/plt1605120029-c.html
参院法務委員会でヘイトスピーチ解消法案の修正案が可決した=12日午後、国会・参院第41委員会室(斎藤良雄撮影)
 参院法務委員会は12日、自民、公明両党が提出したヘイトスピーチ(憎悪表現)解消法案を全会一致で可決した。13日の参院本会議を通過した後、来週にも衆院で可決し、成立する見通し。
 与党案の採決に先立ち、同委は民進党などが提出した人種や民族を理由とした不当な差別的行為を禁止する法案を否決した。
 与党案は、憲法の「表現の自由」を尊重して禁止規定は設けず、「国外出身者に対する不当な差別的言動は許されない」と表現するにとどめた。国や自治体には相談体制の整備や啓発活動の充実を求める。
 ただ、与党案は野党の求めに応じて、差別的言動の定義を変更。「差別意識を助長する目的で公然と危害を加える旨を告知し、地域社会からの排除を扇動する」とした与党案の規定に「著しく侮蔑する」言動を加えた。付則では、差別的行為の解消に向けた取り組みについて「必要に応じて検討を加える」とした。
 また国や自治体に対し、憲法と人種差別撤廃条約の趣旨を踏まえた適切な対処や、インターネット上で差別的言動を助長する行為の解消に向けた取り組みを求める付帯決議も採択した。
©2016 The Sankei Shimbun




2016.5.11 19:03
ヘイトスピーチ法案、今国会成立へ 与党が譲歩、12日に委員会採決
http://www.sankei.com/politics/print/160511/plt1605110037-c.html
 参院法務委員会は11日の理事懇談会で、自民、公明両党が提出したヘイトスピーチ(憎悪表現)解消法案の修正案について12日に質疑と採決を行う日程を決めた。民進党を含む与野党の賛成多数により可決し、13日に参院本会議を通過。月内に衆院でも可決し、今国会で成立する見通しだ。
 修正案は野党側の求めに応じ、在日韓国人ら国外出身者に対する不当な差別的言動の定義を一部変更した。野党が主張してきた差別的言動の禁止規定は盛り込まないが、与党は付則で「差別的言動にかかる取り組みは施行後の実態などを勘案し、必要に応じて検討を加える」とし、野党に理解を求める。
 また、定義から外れた言動でも許されないものがあるとして、国や地方自治体に「憲法や人種差別撤廃条約の精神にかんがみ、適切に対処すること」を求める付帯決議案も提出する。
©2016 The Sankei Shimbun




ヘイト対策法案「人権問題ようやく出発点」民進・有田氏
http://www.asahi.com/articles/ASJ5D6SDMJ5DUTFK012.html
2016年5月12日21時11分
■有田芳生・民進党参院議員
(ヘイトスピーチ対策法案が参院法務委で可決されたことを受けて)専門家は「奇跡的だ」と表現するが、それが実感だと思う。この3年間、ヘイトスピーチの現場で体を張って差別反対をしている人たちの運動があり、被害当事者の人たちの現場で声をあげる努力があった。だけど、しみじみ思うのは、人種差別撤廃条約に日本が加入した当時から、人権問題を扱ってきた研究者や弁護士の努力がなければここまできていなかった。
 ただ、これは問題のない法案ではない。研究者たちはこの法案をきっかけに、どういう使い方ができるかという指針を近々作っていく。それに基づいて全国でさらに(反差別の)運動が高まっていくし、その人たちを支え励ますものになるだろうと思う。人権問題に終着点はない。これで終わりではなく、ここから次の地点に進んでいかなければならない。人種差別撤廃条約に加入して21年。ようやく、出発点にきたということではないでしょうか。(国会内で記者団に)




毎日動画
ヘイトスピーチ法案:参院委で可決 被害者らが会見
http://mainichi.jp/movie/?id=4890220721001
特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチを巡り、国や自治体に施策を講じることなどを求める対策法案が12日、参院法務委員会で全会一致で可決。今国会で成立する見通しとなった。これを受け、被害者支援を続けてきた弁護士や被害者である在日コリアンらが都内で会見。法案成立の意義などについて語った。

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