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ヘイトスピーチ 根絶へ慎重に法整備を

http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0054251.html
ヘイトスピーチ 根絶へ慎重に法整備を
04/10 08:55
 自民、公明両党は特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)対策の法案をまとめ、国会に提出した。
 昨年5月には、当時の民主党など野党も法案を提出している。
 在日韓国・朝鮮人などに対し聞くに堪えない言葉を浴びせ、人間の尊厳を侵害するヘイトスピーチは、言語道断の恥ずべき行為だ。
 対策の法整備は、そうした認識を社会に広げ、根絶への取り組みを推進する効果はあるだろう。
 国連人種差別撤廃委員会は対策を勧告しており、被害者の声も真剣に受け止める必要がある。
 重要なのは、憲法が保障する「表現の自由」を抑圧してはならないことだ。与党案、野党案とも罰則はないが、慎重な対応が求められる。議論を尽くしてほしい。
 与党案はヘイトスピーチを、外国出身者や子孫を「地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動」と定義し、解消のための相談体制整備や教育・啓発活動の充実を国や自治体に求めた。
 ヘイトスピーチ自体の禁止規定や財政措置は盛り込まなかった。
 野党案は人種や民族を理由とする差別的言動は「してはならない」と禁止を明記した。財政措置を講じ、実態調査のため内閣府に審議会を設置する。
 国会審議は実効性、禁止の明記の是非などが論点になりそうだ。
 ヘイトスピーチのような暴力的言動は、表現の自由の範囲を超えると指摘する専門家もいる。
 だが、与野党いずれの案でも、「差別的言動」が次第に拡大解釈され、正当なデモや集会まで問題視される―。そんなことには絶対ならないよう、厳密に議論しておかなければならない。
 自民党の憲法改正草案は、表現の自由を定めた現行憲法21条に「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動、結社は認められない」とする規定を新設した。
 言論統制になりかねない重大な懸念があり、基本的人権の価値を尊重しているのか疑わせるような党の体質が見え隠れする。これではヘイトスピーチ対策の法案であっても無条件には賛成しかねる。
 差別は、法律ができただけではなくならない。教育などで、差別を生む社会の土壌を変える粘り強い取り組みが求められる。
 核実験やミサイル発射を繰り返す北朝鮮への断固たる対応は当然だが、それが在日朝鮮人や子供たちへのいわれのない偏見につながっていないだろうか。わたしたち一人一人が目を凝らしたい。
ヘイトスピーチに関する与党法案に対する緊急声明
https://gjinkenh.wordpress.com/
 4月8日、自民・公明両党から「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」が参議院に提出された。
 与党が、近年外国などの「出身であることを理由として……不当な差別的言動が行われ」ている事実、ならびにそれにより対象者が「多大な苦痛を強いられるとともに、当該地域社会に深刻な亀裂を生じさせている」(前文)というヘイトスピーチの害悪を認め、「喫緊の課題」(1条)であるとして許さないことを宣言する(前文)法案を提出した意義は大きい。また、与野党で協議の上、各会派一致で、今国会で成立させることをめざす姿勢も、国がヘイトスピーチ対策をとるべき事態の緊急性の点から評価しうる。
 他方、差別的言動は差別の一形態であり、差別的言動をなくすためには、本来、差別全体に対して取り組む必要がある。日本も加入している人種差別撤廃条約は、ヘイトスピーチを含む人種差別を禁止し、終了させることを求めており、国連の人種差別撤廃委員会が最優先で求めているのは人種差別禁止法である。
 仮に、緊急対策として、与党案のようにヘイトスピーチ対策に限定するなら、何より実効性が求められる。そのためには少なくともヘイトスピーチを違法と宣言することが不可欠である。違法としないと、地方公共団体が具体的な制限を躊躇する危険性が高い。前文で指摘されている極めて深刻な害悪を許さないなら、法治国家においては違法とすることが筋である。また、日本は自由権規約および人種差別撤廃条約により、ヘイトスピーチを違法とする国際法上の義務を負っており、かつ、その旨何度も勧告されているのである。
 明確な定義規定を定めれば、違法とすることは違憲とはならない。また、禁止規定をおくとグレーゾーンの表現を適法とする危険性があるとの指摘もあるが、実効性ある措置をとれない不利益のほうが大きい。緊急対策法として、特に深刻なものに限定してでも、それらに対する実効性ある対処にすぐに取り組むことを要請する。
 このヘイトスピーチ対策法は、差別のない社会を作るため、国際人権基準に合致する包括的な法制度整備に向けた第一歩として明確に位置付けるべきである。法務省も2016年度方針として「新たな人権擁護施策の推進」を掲げた背景として国連の自由権規約委員会等からの是正勧告をあげている。
定義規定については、「適法に居住する」との要件は、「不法滞在者」とされた外国人に対する差別の煽動を促す危険性がある。また、ヘイトスピーチの実態から見ると「本邦外出身者」では狭すぎ、人種、皮膚の色、世系もしくは社会的身分、または民族的もしくは種族的出身を理由とするものも対象とすべきである。さらに、実態に即して「著しく侮蔑」する場合も、「不当な差別的言動」の対象に含めるべきである。そして、「日本から出ていけ」とのヘイトを除外しないよう、「地域」社会に限定せず、社会一般からの排除を対象とすることを求める。
 実効性を確保するためには、地方公共団体の責務は努力義務では足りない。人種差別撤廃条約上も、国のみならず地方公共団体も差別撤廃義務を負っているからである。
 以上のほか、取組を推進する審議会の設置、定期的な実態調査の実施、被害当事者の意見の聴取、警察への人種差別撤廃教育、インターネット対策など、いくつかの点の検討を求めたい。
与野党の協議の上、この国会で、実効性あるヘイトスピーチ緊急対策法を成立させることを、私たちは強く要請するものである。
2016年4月9日 外国人人権法連絡会
自公、ヘイトスピーチ法案提出 与野党修正協議へ
http://digital.asahi.com/articles/ASJ484SB3J48UTFK00J.html?rm=343
2016年4月8日23時57分
 
 自民、公明両党は8日、特定の民族や人種を標的にして差別をあおる「ヘイトスピーチ」をなくすための法案を参院に共同提出した。すでに独自案を提出している民進党など野党との修正協議に入り、今国会での成立をめざす。修正協議では、ヘイトスピーチの範囲や禁止規定を盛り込むかどうかが焦点になる。
 与党案ではヘイトスピーチについて、在日外国人や家族に対する「差別的意識を助長または誘発する目的で、地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動」と定義。差別解消のため、国や自治体の取り組みの必要性も盛り込んだ。
 一方、旧民主党など野党が昨年提出した法案では、「人種などを理由とする差別」全般を禁止するとした。内閣府に審議会を置き、ヘイトスピーチに対する調査や勧告の権限を与えることも規定した。
 ログイン前の続き自民、民進両党の参院国会対策委員長は8日の会談で、修正協議に入ることを確認。民進の加藤敏幸委員長は記者会見で「(両案は)内容的には相当差があるが、一本化できるか、できないかを含めて調整に入りたい」と語った。
 また会談では、参院法務委員会で、ヘイトスピーチ法案の採決を刑事司法改革の関連法案より先行させることでも合意した。
 取り調べの録音・録画(可視化)を柱とする司法改革関連法案は昨年の通常国会で、自民や旧民主など与野党4党による修正を経て衆院本会議で可決された。だが、参院法務委でヘイトスピーチの野党案の扱いについて与野党が対立したため、司法改革関連法案の審議が中断していた。ヘイトスピーチ法案の修正協議が難航すれば、司法改革関連法案の成立に影響が出る可能性もある。

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