ヘイトスピーチ、与党が修正案
ヘイトスピーチ、与党が修正案
時事通信 / 2016年4月26日 20時23分
http://news.infoseek.co.jp/article/160426jijiX443/
自民、公明両党は26日、参院で審議中のヘイトスピーチ(憎悪表現)対策法案に関する合同作業チームの会合で、ヘイトスピーチの定義を変更した修正案をまとめた。既に規制法案を提出している野党側から与野党案の一本化に向け修正を求められていた。27日に修正案を提示する。
与党案は定義を「他国の出身者を地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動」としていたが、修正案では「著しく侮辱する」との趣旨の文言を追加した。野党はインターネットを通じた不当な差別的言動の解消に向けた取り組みを追加するなどの修正も求めているが、与党は付帯決議で対応する方針。
(社説)ヘイト法案 反差別の姿勢を明確に
2016年4月27日05時00分
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12330171.html?rm=150
乱暴な言葉で特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチを、どうなくしていくか。
自民、公明の両与党が国会に出した対策法案の審議が、参院法務委員会で続いている。
野党側はすでに昨年、独自案を出しており、少なくとも与野党は、法整備の必要性では一致したことになる。
運用次第では「表現の自由」を脅かしかねないとして、法学者らの間には慎重論も根強い。確かに、何を対象にどう規制するか難しい問題をはらむ。
だが近年、ヘイトスピーチは収まる気配がない。高松高裁は一昨日、朝鮮学校に寄付をした徳島県教組を攻撃した団体の活動を「人種差別的思想の現れ」と認め、賠償を命じた。
少数派を標的に「日本から出て行け」といった差別をあおる言説は各地でみられる。人権侵害をもはや放置するわけにはいかない。何らかの立法措置も必要な段階に至ったと考える。
与野党両案ともに罰則規定はなく、理念法にとどまる。社会の最低限のルールとして差別は許されないことを明記すべきだが、一方で「表現の自由」を侵さないよう最大限の配慮をする姿勢は崩してはなるまい。
国連は、人種差別撤廃条約を21年前に批准した日本で国内法が整っていないことを問題視している。人種や国籍を問わず、差別に反対する姿勢を明示するのは国際的な要請でもある。
与野党は、狭い政治的利害を超え、普遍的な人権を守る見地から透明性のある議論を重ね、合意を築いてほしい。
今後の審議は与党案が軸になるだろうが、問題点がある。
与党案は差別的言動を受けている対象者を「本邦外出身者とその子孫」としている。だが、これまでアイヌ民族なども標的となってきた。ここは「人種や民族」と対象を広げた野党案を採り入れるべきだ。
また、与党案が「適法に居住する(本邦外)出身者」と対象を限定しているのも理解に苦しむ。在留資格の有無は本来、差別と無関係であり、難民申請者らに被害がおよびかねない。
自民党ではこれまで、ヘイトスピーチを本来の趣旨とは異なる形で利用しようとする言動があった。脱原発デモや米軍基地への反対運動への法の適用を示唆するような発言があった。
懸念されるのは、まさにそうした政治や行政による乱用である。人種や民族に対する差別行為をなくす本来の目的のために、恣意(しい)的でない的確な運用をいかに担保するか。その監視のあり方も十分論議すべきだ。
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