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公明党 ヘイトスピーチ 04月13日

    公明党
    2016年04月13日 00:00
http://blogos.com/article/171655/
ヘイトスピーチ
特定の民族などを攻撃し、憎悪をあおる言動は絶対に許されない。ヘイトスピーチに対する画期的な法案に注目したい。
自民、公明の与党両党は8日、在日韓国人などを差別するヘイトスピーチ(憎悪表現)の解消に向けた法案を議員立法で参院に提出した。ヘイトスピーチを、日本以外の国や地域の出身であることを理由として、「地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動」と定義した。
現行の法律では、不特定多数の人への誹謗・中傷を罪に問うのは難しい。今回の法案は罰則規定がない「理念法」ではあるが、差別的言動は悪であり許されないとする姿勢をはっきりと示した。
ヘイトスピーチをめぐっては、国連人種差別撤廃委員会が2014年8月、日本政府に法規制を勧告。公明党は対策プロジェクトチームを設置し、関係者などから意見を聴取して、実態調査を早急に行うよう政府に求めた。これを受けて、初の調査の結果、12年4月からの約3年半で計1152件にも上るヘイトスピーチに関するデモの発生などが判明。法案策定が急ピッチで進んだ。
今後、議論の場は国会へと移る。最大の焦点は、憲法で保障された表現の自由との整合性だ。この点、昨年に民主党(当時)などが提出した野党案では、差別的言動を「禁止」するとしている。だが、これでは、公権力が国民の言動内容に介入する恐れがあり、表現の自由の中核である言論の自由を脅かしてしまう。
そこで与党案では、公明党の主張により、ヘイトスピーチの解消へ向けて、国民が理解を深め、不当な差別的言動のない社会の実現に寄与すべきと訴えた。国民の良識と意志に基づく主体的な努力で人権社会を築いていくことこそが、最善の道であるからだ。こうした環境をいかに形成していくか、法案審議の中でしっかりと議論を深めてほしい。
こうした経緯から明らかなように、公明党が法制化の流れをけん引してきた。生命・生活・生存を最大に尊重する人間主義を貫き、どこまでも人権を重視してきた公明党の存在感が、また一つ発揮されたのではないか。法案の早期成立をめざしたい。
民団 ヘイトスピーチ対策法案を批判「実効性に疑問」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/04/13/2016041302231.html
【東京聯合ニュース】在日本大韓民国民団(民団)は13日、地方本部幹部らが出席する会議を開き、自民、公明の両党が参院に共同提出したヘイトスピーチ(差別扇動表現)の対策法案について、「(内容に)深く失望」「承服できない」などの文言を盛り込んだ決議文を採択したと発表した。
 決議文で民団は自公の法案について、「罰則規定を設けない、いわゆる『理念法』と位置付けたとしても、ヘイトスピーチが違法という明確な規定がない」と指摘した。
 また法案が前文で、不当な差別的言動がない社会の実現に寄与すべきだとしていることについて、単純な努力義務を明記しているにすぎないと主張した。
 さらに「ヘイトスピーチの温床といえるインターネット上での対策について言及していない」と指摘した上で、「この内容でヘイトスピーチの暴力にどの程度対応できるのか、どのような実効性を得ることができるのか非常に疑問だ」と批判した。
    猪野 亨
    2016年04月06日 08:40
http://blogos.com/article/170680/
ヘイトスピーチにどう向き合うべきなのか 規制は警察権力の肥大化と表裏の関係 ヘイト抗議の女性の首を絞める
自民、公明両党が、ヘイトスピーチに対する法案を提出することになりました。
 内容は、禁止も罰則もなし、というものです。
「ヘイトスピーチ 与党、罰則盛らず…法案提出へ」(毎日新聞2016年4月5日)
「自民、公明両党は5日、特定の人種や民族に対する差別的言動を街頭で繰り返すヘイトスピーチの解消に向けた法案をまとめた。憲法が保障する表現の自由の重要性に配慮し、禁止や罰則の規定は盛り込まない理念法にとどめた。近く国会に提出する方針だ。」
 禁止や罰則を設けない理由については次のように述べられています。
「禁止・罰則規定を見送ったことについて、規制の実効性を疑問視する声もあるが、法案をとりまとめた公明党の遠山清彦座長代理は会合後、記者団に「公権力が特定言動を取り締まることは、憲法との整合性に疑義があるため」と説明した。 」
 一般論としては、この通りです。特定の表現を禁止し、さらにはそれに罰則が設けられるということになると、結局は、現場に臨場した警察官の判断によってデモなり集会なりが容易に規制できてしまうことになるからです。
 上記法案のヘイトスピーチに対する定義「日本以外の国または地域の出身者で適法に居住するものを、排除することを扇動する不当な差別的言動」は、在日朝鮮・韓国人の二世・三世が該当しないのではないかという問題もありますが、非常に狭いものです。色々な効果と結びつけることを目的としたものということから狭くなるのは一定、理解はできますが、ここませ狭いのであれば、あってもなくても同じです。むしろ、これに該当しなければ「適法」のお墨付きを与えかねません。
 これに対して民進党は、ヘイトスピーチの禁止規定を盛り込んだ人種差別撤廃施策推進法案を出しています。
 この法案の特徴は「禁止」されていることですが、法案の詳しい内容はわかりませんでした。
 昨年の夏に民主党が提出したものと同じでしょうか。
「ヘイト禁止法案、採決見送りへ 表現の自由で与野党に溝」(朝日新聞2015年8月28日)
 恐らく罰則はないものの、与党案に対して実効性がないと主張していることから、与党案に比べてヘイトスピーチを規制するための施策について、もう一歩、踏み込んでいるのでしょう。
 しかし、実際にヘイトスピーチを止めさせるという効果をどのように実現するのか、現実に可能なのかどうかが問題です。
 在特会は、確信犯です。氏名などが公表されようとも全く意に介さないでしょう。
 むしろ、さらに挑発的な行動を取ることが予想されます。
 また、ヘイトスピーチであることを理由にした集会、デモの禁止(公安条例での不許可とするための指針になること)は、それ自体、表現の自由に対する脅威になります。
 つまり、それらヘイトスピーチという言動が、さらに効果的な立法に「改正」させるための口実となり、罰則に結びついたり、警察権力により解散を命じることができるなどとしてしまっては政治的表現の自由に対する重大な脅威になりかねません。規制法の対象は拡大されていきます。
 在特会は確信犯であると同時に社会に対する挑発勢力だということです。
 しかも、このような警察の取り締まりをみてしまうと、かかるヘイトスピーチに対する規制法ができたりした場合、より警察の権力を肥大化させかねません。
「ヘイト野放し 有田議員「警察は抗議女性の首を絞めたのか」」(田中龍作ジャーナル)
「当時現場を見ていた有田氏にウソは通用しなかった。「何を言ってるんですか? 配布した写真を見ましたか? 警察官が首を絞めているじゃないですか」。有田氏は追及の手を緩めなかった。
 河野太郎・国家公安委員長は「警察の警備に行き過ぎがあったとしたら申し訳ないと思う」と謝罪した。」
 自民、公明案も同様です。在特会の異様なまでの挑発行為はさらにエスカレートするでしょうし、それが結局は「禁止」にもっていく口実にもなりかねず、ひいては権力による政治的表現の自由への抑制の第一歩に結びつくものです。
 それ以上に、自民、公明両党は、憲法「改正」による緊急事態条項の創設まで企んでいるのですから、権力の肥大化に歯止めが掛からなくなります。
「国家緊急事態条項とヘイトスピーチ規制 狙われているのはヘイトスピーチではなく、政府に反対する言動」
 私たちは、ヘイトスピーチに対して、どのように向き合えばよいのかが問われています。
 これらは、格差社会や閉鎖的な匿名社会などを背景に排外主義的な思想に結びついたり、あるいは極右思想と結びついたりします。
 在特会などのヘイトスピーチは、極端に少数派イジメであり、差別感むき出しの主張ですが、このようなことを本心から主張しているのは、決して在特会特有の問題ではなく、ネトウヨたちも同様の発想なのです。
 ツイッターへの炎上に参加する人たちには、裕福な層ではないかという分析があります。
「ネット分析 子供があって裕福な人ほど…「炎上」参加者はこんな人」(毎日新聞2016年4月2日)
 国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一助教の分析ですが、このように述べられています。
「(1)子供と同居している親は、そうでない人よりも、炎上行為に参加しやすい(2)個人年収や世帯年収が高くなるほど、炎上に参加する確率が高まる−−という結果が示された。「子供を持つ、裕福な人ほど炎上に参加している」」
 満たされぬ心が、集団的に1つのほころび(問題のあるツイート)に集中砲火を浴びせる行動に出るということになるわけですが、私は、山口氏の分析になるほどと思いました。
 このような言動とヘイトスピーチは似通っており、この社会の歪みそのものだということです。
 この社会が生み出したヘイトスピーチなのですから、力で抑えきることは最初から無理です。
 この歪んだ社会はむしろ政治によってもたらされたものであり、人に対する優しさを踏みにじってきた自公政権こそその差別意識が生み出される元凶です。
 建前ではヘイトスピーチはダメだという保守・反動派の議員たちもその内心は共感を寄せているとしか思えません。
 所詮、安倍自民党政権にはヘイトスピーチが生まれてくる社会を改革しようなんていう気はさらさらないのです。
 人に対する思いやり、優しさを教えていくような教育が前提になければ、ヘイトスピーチを抑止することはできませんが、そのような教育は自公政権では絶対にできません。
 政治そのものが弱者に対して冷たいからであり、人に対する思いやり、優しさを国民が強い意志で持つことになれば、ヘイトスピーチはなくなるかもしれませんが、しかし、他方でそれは政権批判そのものに直結してしまうという発想でしかありません。
 安倍自民党政権とその政策そのものを転換させること、これこそがヘイトスピーチに対するもっとも効果的な抑止方法です。
弁護士 猪野 亨のブログ
http://inotoru.blog.fc2.com/blog-entry-1948.html
国家緊急事態条項とヘイトスピーチ規制 狙われているのはヘイトスピーチではなく、政府に反対する言動
    2016/03/27 16:23
 安倍自民党安倍政権は、ヘイトスピーチを規制する法律を今年4月末までに法案を取りまとめると言い出し始めました。
「自公、ヘイトスピーチ抑止法案を今国会提出へ」(産経新聞2016年3月25日)
 このヘイトスピーチを規制する法律というものは表現の自由に対する規制であり、本来的に規制になじむものではありません。
 政府は、従前、この規制には消極でした。
 昨年、民主党が提出したヘイトスピーチを規制する法案に対しては、自民党、公明党から表現の自由への懸念が述べられ、結局、廃案になっています。
「ヘイトスピーチ規制法案は第2の人権擁護法案!? 民主など提出、自公民維が協議 「定義曖昧、表現の自由侵害」慎重論続出」(産経新聞2015年8月20日)
 ここにきて安倍自民党政権がヘイトスピーチを規制しようとはどういう了見でしょうか。
 安倍政権のヘイトスピーチに対する対応は、これまでほとんど黙認状態です。
 先般、大阪市議会では、ヘイトスピーチを規制する条例が制定されました。自民党会派のみの反対でした。
「大阪市のヘイトスピーチ(差別扇動行為)規制条例案が可決 極右思想は力だけで抑えられるものではない」
 ヘイトスピーチの規制に罰則をつけるのは論外です。あからさまな警察権力の介入を招きます。
 また罰則はなくても、デモや集会を禁止するものであれば、それ自体、権力の介入を招くことは、この間、戦争法案に反対するというだけで、安倍政権の顔色をみて会場などの使用許可が取り消されたりしたことを想起すれば、その危険性が具体的に理解できます。
「政権に気遣い、ピリピリする役人たち 制服向上委員会の自民批判に後援取消 全体主義に向かう日本」
 ヘイトスピーチの定義自体はできたとしても、それがヘイトスピーチに該当するかどうかの判断は決して一義的なものではないだけでなく、拡大解釈されていく性質のものだということです。
 権力は常に濫用される危険を含むもの、だからこそ憲法という枠組みで権力を押さえる仕組みが必要なのであり、これが立憲主義です。表現の自由、とりわけ政治的表現の自由は、極めて重みのあるものなのです。
 大阪市の地域としての特殊性からくる規制条例はともかく、今、法律としてヘイトスピーチを規制する法律が必要なのかどうかといえば、全く必要ないと言えます。
 他方で、安倍自民党が狙っているのが憲法に緊急事態条項を創設せよというものです。
 これほど危険な条項はありません。
「憲法に緊急事態条項は全く必要なし 恐ろしい人権侵害国家が誕生する」
 緊急事態条項は憲法の人権規定を停止してしまうものであり、権力が強大化します。
 この緊急事態条項とヘイトスピーチ規制とも重なれば、集会や結社(政党)などを禁止してしまうことも想定しなければなりません。
 権力とは常に濫用される危険があるものであり、規制は拡大解釈されていく性質のものであることを私たちは忘れてはなりません。
 特に、安倍自民党は危険な存在です。
 狙われているのは、韓国や中国に対して憎悪剥き出しのヘイトスピーチではなく、政府に反対する活動そのものです。

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