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ヘイトスピーチ、3年半で1152件 政府が初の調査

ヘイトスピーチ、3年半で1152件 政府が初の調査
http://digital.asahi.com/articles/ASJ3X7WYZJ3XUUPI004.html?rm=483
2016年3月29日17時19分
 
 
 特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチについて、政府が初めて実施した実態調査の概要がわかった。2012年4月~15年9月に計1152件の発生を確認し、「減少傾向にあるが、沈静化したとは言えない」と結論づけた。この結果を受け、自民、公明両党は野党案の対案となる抑止法案づくりを急ぐ。
 結果の概要によると、ヘイトスピーチをしているとされる団体の公開情報に基づき件数を調べ、12年4~12月は237件、13年は347件、14年は378件、15年1~9月は190件を確認。「15年に相当程度減少する傾向にあるが、沈静化したとは言えない状況」とまとめた。
 さらにインターネットに投稿されたヘイトデモなどの動画から、72件(再生時間計約98時間)を調査。特定の民族に対し①一律に排斥する②危害を加える③蔑称で呼ぶなど殊更に誹謗(ひぼう)中傷する――発言を抽出したところ、計1803回だった。14年の「3・2分に1回」から15年は「6・3分に1回」に減り、「それらに該当しない政治的主張も多数」としながらも、「いまだ相当数あり、沈静化したとは言えない」と結論づけた。
 ログイン前の続きヘイトデモなどのテーマも調べたところ、「大多数が拉致など外交問題などに関するもの」と指摘。①②がテーマのものは、12年の5・9%に対し、15年は1・1%になったとして、「減少する傾向」とした。
 減少傾向について、概要では、京都朝鮮第一初級学校(当時)周辺の街宣を巡る民事訴訟で「在日特権を許さない市民の会」(在特会)側が敗訴したことや社会的関心の高まりが影響したと分析している。
 調査は菅義偉官房長官が15年7月に表明し、法務省と「人権教育啓発推進センター」に設けた有識者会議が、同年8月~今年3月に実施。在日コリアンら26人や、地方公共団体からのヒアリングも行った。
ヘイトスピーチ抑制へ初会合=今国会に法案提出目指す—与党
2016 年 3 月 29 日 20:00 JST 更新
http://jp.wsj.com/articles/JJ10918545627258053430620344524193761322532 
 自民、公明両党は29日、ヘイトスピーチ(憎悪表現)の抑制に向けた議員立法を検討するワーキングチームの初会合を、衆院議員会館で開いた。座長の平沢勝栄自民党衆院議員は、「ヘイトスピーチは絶対許されない、というのはみんなの共通認識だ。早く私たちの案をまとめて提出したい」と述べ、法案策定作業を急ぐ考えを強調した。
 与党は今国会への法案提出を目指しており、同日は法務省の担当者から実態を聴取するとともに、自民、公明それぞれの原案を擦り合わせた。31日の次回会合では、与党案のたたき台を提示して議論する予定だ。 
[時事通信社]
ヘイトスピーチ
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解消へ与党議論
 
http://mainichi.jp/articles/20160330/ddm/005/010/066000c
毎日新聞2016年3月30日 東京朝刊
 自民、公明両党は29日、国会内でヘイトスピーチ解消に向けた与党ワーキングチーム(座長・平沢勝栄衆院議員)の初会合を開いた。議員立法の提出に向けて論点を整理したが、法案の条文に具体的な禁止行為を盛り込むかについては意見が分かれ、次回会合に結論を持ち越した。自民党は憲法が「表現の自由」を保障していることから、禁止行為については条文化を避けて理念的な法案にしたい考え。公明党側は、一定の禁止行為の例示は必要だとの見解を示した。【
ヘイトスピーチの横行
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人種差別的言動、法規制どこまで
 
http://mainichi.jp/articles/20160330/ddm/004/010/016000c
毎日新聞2016年3月30日 東京朝刊
 
大勢の警察官に囲まれる中で「朝鮮人をたたき出せ」などと叫びながら歩くヘイトスピーチデモの一団=川崎市川崎区で2016年1月31日、後藤由耶撮影
 
 
 人種差別的な言動を街頭で繰り広げるヘイトスピーチが続いている。民主(現・民進)、社民両党などは人種、民族を理由とした差別的取り扱いや言動を禁じる「人種差別撤廃施策推進法案」を国会に提出し、参院法務委員会で審議されている。ただ、禁じる範囲を明確にすることは難しく、憲法が保障する「表現の自由」を侵害しかねないとの議論もある。自民、公明両党は対案として関連法案を今国会に提出する方針を明らかにした。【和田武士】
野党法案に与党が対案
 自民、公明両党は今月25日、ヘイトスピーチの解消に向けたワーキングチームを設置した。メンバーは自民党の平沢勝栄衆院議員や公明党の遠山清彦衆院議員ら。自民党の稲田朋美政調会長は「ヘイトスピーチの定義が不明確であれば、それが表現の自由や言論、政治活動の自由に関連する問題になると認識している。その中でどういう法案がまとめられるか。早急に公明党と議論したい」と話した。
 野党側の法案は、人種や民族などを理由とする差別的取り扱いや言動を禁じ、差別防止に向けて国、地方自治体に実態把握や相談態勢の整備などを求める内容で、罰則は設けていない。与党側には言動の禁止などは「表現の自由」を侵害する恐れがあるとして慎重論が根強く、法案の差別の定義などを巡って「規制対象が広くなりすぎる」との指摘も出ている。
 著書「ヘイト・スピーチとは何か」がある師岡康子弁護士は野党側の法案について「本来なら日本が国連人種差別撤廃条約に加入した21年前につくるべきだった」と指摘する。差別を違法とし、国・自治体が差別をなくす立場に立つ意義は大きいとして早期成立を求める。
 表現の自由との兼ね合いに関しては罰則がないことを踏まえ「『規制法』ではなく『理念法』であり、問題ない。被害が深刻で悪影響の大きい差別については規制が必要と考えるが、その対象や方法は規制の是非も含めて法成立後に議論を深めていけばいい」と強調した。
表現の自由と線引き困難
 これに対し、法規制に慎重な立場の西土彰一郎・成城大教授(憲法)は「ヘイトスピーチは表現の自由で保障される領域の外にある。しかし、保障される領域と外れる領域を明確に線引きすることはできない。あえて法律で線引きをすれば、『境界線』上にある表現の自己規制が進む恐れがある」と指摘する。
 さらに「萎縮するのはマイノリティー側の表現の自由で、『在日特権を許さない市民の会』(在特会)のような団体は、推進法があっても何らお構いなしにヘイトスピーチを繰り返すだろう。その結果、『罰則を設けよう』という議論につながっていくのではないか」と懸念している。
在特会元代表に初の勧告 法務当局、違法性認める
 ヘイトスピーチを巡っては東京法務局が昨年12月、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の元代表に同様の行為を行わないよう勧告した。勧告に強制力はないが、ヘイトスピーチ被害に対して法務省の人権擁護機関が初めて人権救済措置を講じたとして注目された。
 元代表は2008年11月、09年11月、11年11月の計3回、東京都小平市の朝鮮大学校の校門前で「朝鮮人を日本からたたき出せ」などと脅迫的な言動を繰り返した。学生2人からの被害申告を受けて法務省が調査し、勧告は元代表らの行為の違法性を認めた。
 インターネット上には街宣活動を撮影した動画も公開されていたが、法務省は勧告と合わせてサイト管理者に削除を要請し、複数のサイトが削除に応じたという。
 ヘイトスピーチへの対応について法務省はこれまで「現行法を適切に適用して対処するとともに、啓発活動を通じて社会全体の人権意識を高めていくことが重要」(岩城光英法相)との姿勢を取っている。朝鮮大学校のケースのように特定の団体や人物が標的となった場合は、刑法の脅迫罪や名誉毀損(きそん)罪での立件を検討したり、被害者側が民法の不法行為責任を問うたりすることも可能だが、不特定多数に向けられたものを直接的に規制するのは難しい。
 1965年に採択された国連人種差別撤廃条約は、各国に対しヘイトスピーチのような人種差別を助長する行為を刑事罰の対象とするよう求めている。日本は95年に加入したが、憲法が保障する「表現の自由」の観点から、この条項を留保している。
 ヘイトスピーチをやめさせるために法規制を求める声もあるが、法務省関係者は「ヘイトスピーチの範囲を絞って定義すれば、それ以外のものに『お墨付き』を与えることになりかねない」と懸念する。
 法務省は現在、ヘイトスピーチの実態調査を実施している。デモの発生状況や発言内容について情報収集するなどし、調査結果を近く公表する予定。

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