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4党がヘイトスピーチ規制法案協議 定義曖昧、表現の自由侵害…自民は「第2の人権擁護法案」懸念

4党がヘイトスピーチ規制法案協議 定義曖昧、表現の自由侵害…自民は「第2の人権擁護法案」懸念
http://www.sankei.com/politics/news/150819/plt1508190030-n1.html
 民主、社民両党などが参院に提出した特定の民族などへのヘイトスピーチを規制する法案をめぐり、自民、公明、民主、維新の4党は19日、法案への対応を国会内で協議した。「ヘイトスピーチは良くない」との認識で一致したが、自民、維新両党からは定義が曖昧だなどの慎重論が続出。表現の自由を規制する恐れもあり、「第2の人権擁護法案」との懸念も出ている。
 4党の参院法務委員会理事らが参加した協議では、「何がヘイトスピーチか」が焦点となった。自民党の熊谷大氏は「(解釈の)間口が広がり、表現内容に踏み込むところもなきにしもあらずだ」と述べ、拡大解釈や表現の自由の規制につながることへの懸念を表明。民主党以外に法案に全面的に賛同する党はなく、定期的に協議を継続することを確認して終わった。
 今月参院で審議入りした法案の名称は「人種差別撤廃施策推進法案」。特定の国籍や民族などを差別する言動を禁じる基本原則を策定する理念法で、罰則はない。政府が差別防止に向けた基本方針を作り、首相が任命した有識者による審議会を内閣府に設ける。
 だが法案の「人種等を理由とする差別」の定義は曖昧で「不当な差別的扱い」「侮辱、嫌がらせ」も解釈が分かれる余地がある。自民党には法規制に慎重な意見が多く、党幹部は「人権擁護法案のようなことにしてはいけない」と警戒する。
自公政権がかつて検討した人権擁護法案は、差別や虐待などからの救済を目的に新たな人権救済機関を作る内容だった。ただ、与党内からも人権侵害の定義が曖昧で、恣(し)意(い)的な運用や表現の自由の規制などへの懸念が噴出。民主党政権もメディア規制を排除した人権救済法案を国会に提出したが、廃案になった。
 「定義が曖昧」「表現の自由の規制」は今回の法案にも共通するが、民主党は19日の協議で「法案がズタズタになっても受け入れる覚悟だ」と主張。同党の有田芳生氏は協議後、法案修正について「全くこだわらず検討したい」と語った。
 なりふり構わず、とにかく「ヘイトスピーチは法律違反」としたい民主党に対し、公明党も法規制には前向きで、石井啓一政調会長は19日の記者会見で「ヘイトスピーチは許されないと法律に位置付けることは重要だ」と強調した。法成立の可否を握る与党間の調整がカギとなる。
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 ヘイトスピーチ
 特定の国籍や人種、民族などに差別意識や偏見を持ち、排斥や憎しみをあおるような言動。憎悪表現とも翻訳される。海外では法律で規制している国もあるが、日本では直接的な法規制はない。国連の人種差別撤廃委員会は昨年8月、日本に改善を勧告。最高裁は同年12月、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の朝鮮学校に対するヘイトスピーチを差別と認定し、損害賠償を認めた。
民主党
    2015年08月19日 16:18
http://blogos.com/article/129049/
ヘイトスピーチ法案「自民党はまとまって対応して欲しい」榛葉参院国対委員長
ヘイトスピーチ法案の扱いについての質問には、「野党提出の議員立法ながら採決直前までいっている。与党としてどういう形で処理をしたいのかということで、与党内協議があり、今日午前に与野党実務者での協議に入った。推移を見守りながら、今後の対応を考える」と答えた。この問題での自民党の対応について「バラバラと言われないように(党内を)しっかりとまとめて欲しい」と、注文を付けた。
『ヘイト・スピーチ法 研究序説』 憲法の根本規範を啓蒙2015年8月16日 14:21
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-247368-storytopic-6.html
『ヘイト・スピーチ法 研究序説』 前田朗著 三一書房・8000円+税
 日本国憲法103カ条の条項は、憲法制定の萌芽(ほうが)となる憲法の「根本規範」に基づいて制定されている。民法、刑法、その他の全ての法令は、人々の外部的な言動、社会生活について、網の目のように張りめぐらし、人々の家庭・社会生活を規律している。
 明治憲法の根本規範は、同憲法一条に定める「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」で個人の尊重は重んじられなかった。言論の自由は制限され、富国強兵策を掲げて太平洋戦争の遠因になった。
 敗戦に伴って、ポツダム宣言の求める「民主主義的傾向の復活」と「基本的人権の尊重」は新憲法制定の中核になった。同宣言を受け入れて制定された日本国憲法の萌芽である根本規範は「個人の尊重(尊厳)」(憲法13条)である。
 本書は、憲法12、13条などに基づいて表現の自由を乱用するヘイト・スピーチを刑事規制することが、日本国憲法の根本理念に従った正当な解釈であることに関する詳細な研究書である。
 ヘイト・スピーチ、ヘイト・クライムに関する法的定義は、日本には存在しない。師岡康子はヘイト・スピーチの本質は、マイノリティーに対する表現による「暴力、攻撃、迫害である」と指摘している(本書21ページ)。現行法では、言葉による表現が、威力業務妨害、脅迫、名誉毀損(きそん)、侮辱罪などに該当する場合は、それぞれの犯罪行為として処罰され、差別扇動犯罪としては、規制していない。在特会会員らによる京都朝鮮学校に対する「朝鮮学校を日本から叩き出せ」などの暴言に対して、京都地裁は威力業務妨害罪などを認定している。
 憲法の基本規範「個人の尊重」は日本国民に浸透していない。百田尚樹氏の「琉球新報、沖縄タイムスをつぶせ」との沖縄県民に対するヘイト・スピーチは、その一例である。自民党憲法改正草案13条は、個人の尊重よりも公益を重視し、「個人として尊重される」は「人として尊重される」に改正されることを定めている。
 本書は表現の自由の乱用であるヘイト・スピーチをヘイト・クライムとして刑事規制することを求める点で、憲法の根本規範に関する啓蒙(けいもう)書でもある。(垣花豊順・琉球大名誉教授)
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 まえだ・あきら 1955年、札幌生まれ。中央大学法学部、同大学院法学研究科を経て、現在、東京造形大学教授。刑事人権論、戦争犯罪論専攻。著書に「ヘイト・クライム」など多数。
ヘイトスピーチに表現の自由はあるのか アメリカにおける法規制の背景とは
http://logmi.jp/83807
ヘイトスピーチとは特定の人種、宗教、性的指向などの少数者に対して、暴力や差別を煽動する発言をいう。また差別や偏見を動機とした暴力や殺人といった憎悪犯罪にまでつながる場合をヘイトクライムといい、それらの法規制が欧米社会を中心に進んでいる。今回は弁護士の山口真由氏がヘイトスピーチとヘイトクライムの概念について説明したうえで、ヘイトスピーチを法律で規制することが表現の自由との兼ね合いで許されるのかを解説しました。(TOKYO MXとの共同企画でニュース番組『モーニングCROSS』を書き起こしています)

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