« 同和対策貸付2.9億円、大阪府が債権放棄へ | トップページ | 山谷えり子大臣に「在特会」の質問集中――外国特派員協会の会見でどう答えたか »

結婚差別6割強「見聞き」/同和問題県政世論調査 四国新聞

結婚差別6割強「見聞き」/同和問題県政世論調査  四国新聞

2014/09/18 09:34

http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/social/20140918000141

 同和問題に関して、「結婚」にまつわる差別を見聞きしたことのある県民が6割強に上ることが、2014年度の香川県政世論調査で明らかになった。「差別的な言動」や「身元調査」についても、4割近くが何らかの形で経験したことがあると答えている。

 県政世論調査は、無作為に抽出した20歳以上の県民3千人を対象に毎年実施。14年度はことし6、7月に行い、1522人から回答を得た(有効回答率50・7%)。

 結果によると、同和問題に関して、見聞きしたことのある差別(三つまで選択)として最も多かったのは「結婚問題での周囲の反対」で、回答者の62・0%に上った。次いで「差別的な言動」が38・0%、「身元調査の実施」が37・4%、「土地差別調査の実施」が19・4%など。「(差別が)特に起きているとは思わない」は9・6%だった。

 同和問題の存在については、全体の90・5%が「知っている」と回答。問題を知ったきっかけは「家族から聞いた」(36・9%)と「学校の授業」(26・9%)が目立った。

 問題を解決するために必要なことを尋ねた質問(複数回答)では、「人権全般にわたって意識を高める」(60・8%)や「家庭で子どもに差別しないように教える」(40・6%)などが挙がった一方、「どのようにしても差別はなくならない」を選んだ回答者が21・1%に上った。

 県人権・同和政策課は「県民の意識が従来とあまり変わっていないと言わざるを得ない。差別のない社会へ、引き続き粘り強い啓発を行う」としている。

身元調査、条例で禁止 県民の意識向上が急務
 結婚にまつわる差別を見聞きしたことのある県民が6割を超えた今回の県政世論調査。差別的な言動の経験などと合わせ、負の慣習の根深さが浮き彫りになった。問題の解決を妨げる要因の一つが結婚や就職時の身元調査だ。県条例が差別につながる調査を禁止してすでに20年近くになるが、市町レベルの住民アンケートが示す身元調査への認識は低く、県民の意識向上が急務といえる。

■   ■

 「県部落差別事象の発生の防止に関する条例」が施行されたのは1996年7月。結婚や就職時の差別につながる調査は同条例で明確に禁じられている。

 条例によると、自治体や県民、事業者は特定の個人や親族について、差別につながる調査を自ら行ったり、業者などに依頼したり、依頼を受けたりしてはならない。違反した場合、知事は指導・助言を行うほか、勧告に従わない事業者名を公表できる。

 「同和地区に居住しているか、居住していたか」を調査すること自体が差別を引き起こす―。条例はそうした前提に立ち、県民などの責務を定めたものだ。

■   ■

 条例の趣旨は浸透したのか。県内の市町が独自に行った意識調査からは悲観的な現状が浮かぶ。

 東かがわ市が2012年度に行った調査では、結婚や就職時の身元調査を「絶対にやめるべき」と答えたのは15・9%。対して「必要なこと」が11・3%、「やむを得ないこと」が44・9%に上り、半数以上が因習に流されていた。

 観音寺市の12年度調査でも、身元調査について28・7%が「必要」、17・7%が「みんながやっているからやむを得ない」と回答。肯定する人が半数近くを占め、「するべきでない」の25・3%を上回った。

 両市は結果を踏まえ市民への啓発事業を強化。また、2年前から県内全市町で始まった「登録型本人通知制度」への登録も呼び掛けている。代理人や第三者が戸籍謄本などを取得した際、本人に通知する制度で、差別につながる身元調査などを防ぐ狙いだ。

■   ■

 県条例の施行以来、違反行為に対する指導・勧告といった「発動事例」はこれまで1件もない。

 だが現実には、差別を助長する調査が“許容”される風潮は残っているといえる。縁談の際に「釣書」と呼ばれる身上書や家族書に本人や親の出身地を記す風習も、事実上の身元調査にほかならない。

 今回の県政世論調査で、県条例について「知っている」と答えたのは2割弱だった。県人権・同和政策課の担当者は「条例の認知度の低さは大きな課題。あらためて趣旨を周知する必要がある」と受け止める。一層の啓発とともに、県民一人一人にも差別の担い手になるまいとの自覚が必要だ。

|

« 同和対策貸付2.9億円、大阪府が債権放棄へ | トップページ | 山谷えり子大臣に「在特会」の質問集中――外国特派員協会の会見でどう答えたか »

つれずれ」カテゴリの記事