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2014年9月に作成された記事

ヘイトスピーチ 15都道府県で確認

ヘイトスピーチ 15都道府県で確認
9月23日 20時09分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140923/k10014816511000.html

ヘイトスピーチと呼ばれる民族差別的な言動や行為が、少なくとも全国15の都道府県で確認されていることがNHKの調査で分かりました。
また、ヘイトスピーチは問題だと認識している自治体が9割以上に上る一方、規制については、必要とするところがおよそ4割、「国で慎重に検討されるべき」などとして、必要か分からないとするところがおよそ5割で、意見が分かれています。

ヘイトスピーチと呼ばれる民族差別的な言動や行為が問題となるなか、NHKは今月、全国の都道府県と政令指定都市、それに東京23区の合わせて90の自治体を対象に調査を行い、すべてから回答を得ました。
ヘイトスピーチについて、政府は「人種や国籍、ジェンダーなどの特定の属性を有する集団をおとしめたり、差別や暴力行為をあおったりする言動や表現行為」などと説明していて、これに当てはまる行為が去年からことしにかけてあったか聞きました。
その結果、「ある」と答えたのは、13の都府県と6つの政令指定都市、それに東京23区のうち6つの区で、少なくとも15の都道府県でヘイトスピーチが確認されていたことが分かりました。
また、ヘイトスピーチについて問題だと思うか聞いたところ、「問題だ」が94%、「分からない」が4%で、「問題ではない」と答えたところはありませんでした。
一方、ヘイトスピーチに対して、何らかの規制が必要だと思うか聞いたところ、「必要」が41%、「必要ではない」が2%、「分からない」が53%、「いずれにも当てはまらない」が3%でした。
それぞれに回答の理由を聞いたところ、規制が必要とした自治体からは、「人権侵害であるのみならず、犯罪にもつながる恐れがあり、歯止めが必要だ」とか、「差別を助長するような発言は放置すべきではない」といった意見が出されました。
一方、規制が必要か分からないとした自治体からは、「国で慎重に検討されるべき」とか、「表現の自由との兼ね合いが難しい」といった意見が出されました。
さらに、ヘイトスピーチに国や自治体がどう対応すべきか聞いたところ、国が統一した方針を決めて対応すべきといった意見や、規制だけでは解決できず、自治体として人権意識の啓発に粘り強く取り組んでいく必要があるといった意見が出されました。

「自治体もやめさせる義務がある」

ヘイトスピーチの法的な規制に積極的な立場で、憲法や人権の問題に詳しい東京造形大学の前田朗教授は「ヘイトスピーチは被害者の人権の問題であり、自治体は住民の生活や権利を守るため、悪質なヘイトスピーチをやめさせる義務がある」と、政府だけでなく自治体もヘイトスピーチを規制していくべきだと指摘しています。
そのうえで前田教授は、「規制は処罰だけではなく、民事規制や行政指導などさまざまな規制がありえる。社会が人種差別にどう向き合うのかを定めた基本法を作り、それに基づく調査や研究を行って、将来的に本当に処罰が必要かどうか議論を行っていく必要がある」と話しています。
「法的な規制である必要はない」

ヘイトスピーチの法的な規制に慎重な立場で、表現の自由や規制の問題に詳しい専修大学の山田健太教授は「ヘイトスピーチに対して、国や自治体ができるかぎり早く具体的なアクションを取るべきだが、それが法的な規制である必要はない」と指摘しています。
そのうえで、山田教授は「法的な規制をすることによって、表面的には差別的な言動がなくなるかもしれないが、一番大事なのは差別をしている人が納得してこうした言動をやめることだ。もっと教育や啓もうに力を入れるべきで、『差別はよくない』という社会的な合意を作っていくことが大事だ」と話しています。
ヘイトスピーチの定義は

ヘイトスピーチについて、政府は、概念や定義が確立されていないとしていますが、去年5月、当時の谷垣法務大臣は、参議院法務委員会の答弁で「人種や国籍、ジェンダーなどの特定の属性を有する集団をおとしめたり、差別や暴力行為をあおったりする言動、あるいは少数者集団に対する侮辱、名誉毀損、憎悪、排斥、差別などを内容とする表現行為」と説明しています。
また、安倍総理大臣は去年5月、参議院の予算委員会でヘイトスピーチについて「憎しみをあおるような、人種的な、あるいは性差に基づくひぼう中傷のたぐいだろうと思います」としたうえで、「一部の国、民族を排除しようという言動のあることは極めて残念だ」と答弁しています。
ヘイトスピーチ巡りさまざまな動き

ヘイトスピーチを巡っては、ことしの夏以降、国の内外で規制や制限を巡るさまざまな動きが出ています。
ことし7月、京都の朝鮮学校を運営する学校法人が、ヘイトスピーチと呼ばれる民族差別をあおる街宣活動で授業を妨害されたとして賠償などを求めた裁判で、2審の大阪高等裁判所は、1審に続いて、被告の団体に、学校周辺での街宣活動の禁止と賠償を命じました。
また、先月、東京都の舛添知事が安倍総理大臣との会談で、ヘイトスピーチについて「オリンピックの開催都市でこういう言論がまかり通るのは極めて恥ずかしい」と述べ、何らかの形の規制が必要だという考えを示しました。
これに対し、安倍総理大臣が規制を検討する考えを示したのを受けて、自民党は先月、ヘイトスピーチの対策を巡って作業チームの初会合を開き、法律で規制する必要があるかどうかも含めて議論していくことを確認しました。
また、今月、大阪市の橋下市長は、ヘイトスピーチは許されない行為だとして、市内で行うのを制限するための具体策を検討するよう市の審議会に諮問しました。
一方、国連の人種差別撤廃委員会は先月、日本での在日韓国・朝鮮人らに対する差別的な言動について法律で規制するよう日本政府に勧告しました。










国立市議会「ヘイトスピーチ禁止に」
9月22日 11時53分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140922/k10014779901000.html

東京・国立市の市議会はヘイトスピーチと呼ばれる民族差別的な言動など、人種や社会的マイノリティーへの差別を禁止する法整備を国に対して求める意見書を可決し、今週中に、安倍総理大臣などに宛てて提出することにしています。

国連の人種差別撤廃委員会は先月29日、日本で在日韓国・朝鮮人らに対するヘイトスピーチがデモやインターネットを通じて広がっていることに懸念を示し、法律の整備を進めてヘイトスピーチを規制するよう日本政府に勧告しました。
これを受けて、東京・国立市の市議会に議員から、ヘイトスピーチなど人種や社会的マイノリティーへの差別を禁止する法整備を国に対して求める意見書案が提出され、今月19日に開かれた本会議での採決の結果、賛成多数で可決されました。
意見書では、人種差別撤廃委員会が「弱者がヘイトスピーチから身を守る権利」を再認識するよう指摘しているなどとして、委員会の勧告を誠実に受け止めるよう求めています。
意見書を提出した1人の上村和子議員は「国は法整備をすることで差別に反対する姿勢を国内外に示すべきだ」と話しています。
国立市議会では、この意見書を今週中に安倍総理大臣や松島法務大臣などに宛てて郵送で提出することにしています。

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松島みどり法相「ヘイトスピーチは絶対許さない」

松島みどり法相「ヘイトスピーチは絶対許さない」 在特会は?「何も言いようがない」

弁護士ドットコム 9月26日(金)20時20分配信

http://www.bengo4.com/topics/2099/

松島みどり法務大臣が9月26日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開き、大臣としての抱負を語った。記者たちからは、特定の民族や人種に対する「ヘイトスピーチ」への対処や、在日韓国・朝鮮人の排斥を主張する在特会(在日特権を許さない市民の会)についての質問が出た。

●ヘイトスピーチ「規制強化」には言及せず

「『韓国人を殺せ』『在日韓国人出て行け』というヘイトスピーチがたくさんある、法務大臣として、そういう問題にどう取り組むのか」

記者からこう問われると、松島大臣は「特定のマイノリティと呼ばれる方たち、特定の人種や民族、国籍の方たちに対する憎悪や侮蔑とか、そういう言動は絶対に許してはならない」と発言。その後、一拍おいて、「許してはならないのですが、それについてはいくつかの対応を考えています」と続けた。

それは、どんな「対応」なのか――。

「ひとつは、いまの法律の枠組みの中でも、民法の不法行為、名誉毀損に該当する場合には、損害賠償請求が発生します。

また、一定の場合には、刑法の名誉毀損罪であるとか、侮辱罪、業務妨害罪にあたってきます。そういったかたちで、罪になってまいります。

ただ、特定の個人や団体を、特定した行動でないと、そういう形は、なかなか難しい」

松島大臣はこのように述べ、法規制の強化には言及しなかった。しかし、松島大臣も触れたとおり、名誉棄損罪や侮辱罪などは、特定の個人や団体が対象でないと、罪に問うことが難しいと言われている。その「対象外」とされる差別的な発言については、どう対応するのだろうか。

松島大臣はそうしたものも「あってはいけない」としつつ、「私たち法務省としては、人権擁護という観点に立って、いろんなテーマで啓発活動をおこなっています。その啓発活動のテーマのなかの重点項目の一つが、『外国人の人権を尊重しよう』というのがあります」と述べた。

●在特会の言動を「子細に承知しているわけでない」

一方、会見では、記者から「在特会について、どう思うか」という質問も投げかけられた。

すると、松島大臣は慎重に言葉を選びながら、次のように答えた。

「憲法に結社の自由が認められています。そして、それに該当するとしたら、良い点・悪い点という判断材料はありませんし、結社の自由があることと、そういう会があることを知っている程度にすぎないので、何とも言いようがありません。

つまり、どんな言動をしているか子細に承知しているわけでないし、評価のしようがない、何とも言いようがないです」

ここで司会の男性が「もっと情報を入手したいと思いますか?」と口を挟むと、元新聞記者でもある松島大臣は次のように返答した。

「新聞情報を勉強したかぎり、京都のある民族の学校での周辺の行動について、在特会のメンバーの人に対する判決が出たことは承知していますが、その会の目的については知らないというか、法務大臣の所管する会でもないので、わかりません」

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山谷えり子大臣に「在特会」の質問集中――外国特派員協会の会見でどう答えたか

山谷えり子大臣に「在特会」の質問集中――外国特派員協会の会見でどう答えたか

http://www.bengo4.com/topics/2089/


在日韓国・朝鮮人の排斥を主張する「在特会」の幹部だった男性と記念撮影をしていたとして、議論を呼んでいる山谷えり子国家公安委員長・拉致問題担当大臣が9月25日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。

山谷大臣は会見冒頭のスピーチで、北朝鮮による拉致問題の解決に向けた熱意を強調した。しかし、会見に集まった記者たちからは、在特会(在日特権を許さない市民の会)との関わりや、特定の民族や人種などに対する「ヘイトスピーチ」をどう考えるかといった質問が、相次いで投げかけられた。

●「存じ上げない」「記憶にない」

「(在特会の)関係者とは存じ上げていません」「何回会ったのか、記憶にありません」。山谷大臣は在特会の幹部だった男性との関係を繰り返し問われ、ときおり声の調子を変えながら、こう繰り返した。

また、在特会の主張についての考えを問われると、「一般論として、いろいろな組織について、コメントをするというのは適切ではない」と、言葉を濁した。

ヘイトスピーチについては、「平和で愛し合う世の中を作りたい人々に対するチャレンジ」「差別的な決め付けをしたり、また名誉毀損をしたり、あるいは侮蔑的な感情を煽ったり、憎悪の感情を煽るということで、憂慮にたえない」と言葉を選びながら述べた。

さらに、国家公安委員会のトップとして、ヘイトスピーチにどう取り組むか問われると、「警察としては必要な警備をおこない、そして違法行為があれば、法と証拠にもとづいて厳正に対処していかなければならない」と述べていた。


【動画】山谷えり子大臣に「在特会」の質問集中――外国特派員協会の記者会見

https://www.youtube.com/watch?v=Hug43bzWUGQ

●「ヘイトスピーチは憂慮にたえない」

「在特会」やヘイトスピーチをめぐる記者とのやり取りは、以下のとおり。

――記念撮影した男性は在特会と深い関連を持っているということですが、大臣は、彼が在特会と関係していることを知らなかったとおっしゃったと思います。しかし、彼は15年前から大臣を存じ上げているというふうに言っているそうです。いろんな疑問があります。その疑問を晴らすという意味でうかがいます。何年前から彼をご存じなのか。何回くらいお会いしているのか。そして、在特会についての気持ちをはっきりとお話いただけますか。

山谷:私は選挙区が全国でありまして、たくさんの人々とお会いをします。その方が、在特会の関係者ということは存じ上げておりません。

――何回会ったか。最初に会ったのはいつか?

山谷:それはですね、記憶にありませんね。何回かというのは。たくさんの人といろんな機会にお会いしながら、いろいろな意見を聞いているところであります。

――在特会が訴えるような政策に反対したか?

山谷:一般論として、いろいろな組織について、コメントをするというのは適切ではないというふうに考えております。

――国連も、米国の国務省も、また大臣がご担当されている警察庁もそうですが、この3つの組織はすべて、在特会は「憎悪」、ヘイトクライムのグループであると指摘しています。つまり、彼らは差別的な気持ちを扇動して、在日韓国人、朝鮮人に対する差別を促すような組織であると言っているわけです。警察のトップとしてやはり、はっきりとこの場でヘイトクライム、ヘイトスピーチなど差別的な行為は、絶対に許すべきではない、人種差別はよくないということをおっしゃっていただきたいと思います。

山谷:さきほど「サインを」とお願いされまして、私は「和をもって尊しとす」と揮毫(きごう)させていただきました。日本というのは、「和をもって尊しとす」、一人ひとりの人権を大切にしてきた国柄でございます。ヘイトスピーチに関しましては、特定の集団や人々に対して、非常に差別的な決め付けをしたり、また名誉毀損をしたり、あるいは侮蔑的な感情を煽ったり、憎悪の感情をあおるということで、それは誠によくない。憂慮にたえないことであります。

また、昨今の日本で、ヘイトスピーチをする人、そしてそれに反対する人々との間で暴力行為すら起きているということで、遺憾に思っております。

警察としては、必要な警備をおこない、そしてまた、違法行為があれば、法と証拠にもとづいて厳正に対処していかなければならないと思っております。

●「違法行為・暴力行為には厳正に対処する」

――大臣は、「週刊文春」記者のインタビューで、「在特会は知らない」と答えられています。そして今、イギリスの記者の質問に対しても、「いつごろ付き合いがあったとか、名前もしらない」とおっしゃいました。それで、警察行政のトップは務まるのでしょうか。今これだけ、国連から問題にされている団体のことを知らなくて、警察行政のトップが務まるのでしょうか。それこそ辞任に値しないでしょうか?

山谷:ヘイトスピーチ、ヘイトクライムに関しましては、さきほども申しましたが、憂慮にたえない、遺憾に思います。平和で愛し合う世の中を作りたい、そんな21世紀を作りたいと思う人々、私も当然でございますが、それに対するチャレンジだと思っています。

週刊誌のやりとりに関しましては、事実ではございません。

――現状では、警察がヘイトスピーチをしている人たちを守っているかのように見える映像や、まったく無抵抗の老人をヘイトスピーチをしている人たちが殴る蹴るの暴行をしているのに、警察官がとくに取り締まる様子もない映像がインターネットで流れて、日本のイメージを著しくそこなっていると思います。そういう現状を踏まえて、警察を管轄する大臣として、ヘイトスピーチの問題に対して、警察がきちっと対応していくと、現行法でできる限りのことをやっていくという考えは、ここで提示していただけるでしょうか。

山谷:私もですね、その、いろいろなグループがぶつかっているという映像をですね、いくつか見ております。で、違法行為があれば、暴力行為、違法行為があれば、当然、法と証拠にもとづいて、厳正に対処しなければならないというふうに思っております。警察を督励していきたいと思っています。

●「週刊誌の書きぶりは正しくなかった」

――さきほどの問題人物について、お会いにはなったけれど、団体についてはよくわからない、あるいは組織についてはよくわからないという話があったと思うが、大臣は警察組織のトップなので、やはり、あらゆることについて知っておくべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。つまり、それを知らなかったというのは、問題ではないでしょうか。

山谷:知らなかったとは言っておりません。ですから、週刊誌の書きぶりは正しくなかったと、さきほどお答えいたしました。ヘイトスピーチ、ヘイトクライムというのは良くないことだ、ということも申しました。そして、違法行為があるならば、法と証拠にもとづいて、警察としては厳正に対処していきたいと思っています。

――先日(TBSラジオの)番組のほうから、いくつか質問をして、コメントをいただいたものがあるんですけど。このなかで、「在特会につきまして、どのような団体という認識をお持ちですか?」という質問をさせていただいたのですが、それに対するお答えが、「同団体については、在日韓国人・朝鮮人問題を広く一般に提起し、彼等に付与されている『特別永住資格』の廃止を主張するなど、『在日特権』をなくすことを目的として活動している組織と承知しています」とお答えいただきました。この場合の在日韓国人、朝鮮人問題、ならびに在日特権とは何を指しているのか?

山谷:たくさんの取材をうけて、たくさん回答をしております。今お読みになられた部分は、おそらく全体をお示しくださっていないので、ちょっと、たしかではありませんけども、今お読みになられた部分は、おそらく在特会のホームページから引用したものをそのまま記しているのだろうというふうに思います。ということであります。

――在日特権とはなにか?

山谷:在特会が言っている在日特権というのは、詳しくは何を示すのか・・・。在日特権の定義というのは、いろいろなグループがいろいろなことをカギカッコで言っているんだと思いますが、法律やいろいろなルールにもとづいて特別な権利があるというのは、それはそれで、私が答えるべきことではないと思っています。

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結婚差別6割強「見聞き」/同和問題県政世論調査 四国新聞

結婚差別6割強「見聞き」/同和問題県政世論調査  四国新聞

2014/09/18 09:34

http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/social/20140918000141

 同和問題に関して、「結婚」にまつわる差別を見聞きしたことのある県民が6割強に上ることが、2014年度の香川県政世論調査で明らかになった。「差別的な言動」や「身元調査」についても、4割近くが何らかの形で経験したことがあると答えている。

 県政世論調査は、無作為に抽出した20歳以上の県民3千人を対象に毎年実施。14年度はことし6、7月に行い、1522人から回答を得た(有効回答率50・7%)。

 結果によると、同和問題に関して、見聞きしたことのある差別(三つまで選択)として最も多かったのは「結婚問題での周囲の反対」で、回答者の62・0%に上った。次いで「差別的な言動」が38・0%、「身元調査の実施」が37・4%、「土地差別調査の実施」が19・4%など。「(差別が)特に起きているとは思わない」は9・6%だった。

 同和問題の存在については、全体の90・5%が「知っている」と回答。問題を知ったきっかけは「家族から聞いた」(36・9%)と「学校の授業」(26・9%)が目立った。

 問題を解決するために必要なことを尋ねた質問(複数回答)では、「人権全般にわたって意識を高める」(60・8%)や「家庭で子どもに差別しないように教える」(40・6%)などが挙がった一方、「どのようにしても差別はなくならない」を選んだ回答者が21・1%に上った。

 県人権・同和政策課は「県民の意識が従来とあまり変わっていないと言わざるを得ない。差別のない社会へ、引き続き粘り強い啓発を行う」としている。

身元調査、条例で禁止 県民の意識向上が急務
 結婚にまつわる差別を見聞きしたことのある県民が6割を超えた今回の県政世論調査。差別的な言動の経験などと合わせ、負の慣習の根深さが浮き彫りになった。問題の解決を妨げる要因の一つが結婚や就職時の身元調査だ。県条例が差別につながる調査を禁止してすでに20年近くになるが、市町レベルの住民アンケートが示す身元調査への認識は低く、県民の意識向上が急務といえる。

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 「県部落差別事象の発生の防止に関する条例」が施行されたのは1996年7月。結婚や就職時の差別につながる調査は同条例で明確に禁じられている。

 条例によると、自治体や県民、事業者は特定の個人や親族について、差別につながる調査を自ら行ったり、業者などに依頼したり、依頼を受けたりしてはならない。違反した場合、知事は指導・助言を行うほか、勧告に従わない事業者名を公表できる。

 「同和地区に居住しているか、居住していたか」を調査すること自体が差別を引き起こす―。条例はそうした前提に立ち、県民などの責務を定めたものだ。

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 条例の趣旨は浸透したのか。県内の市町が独自に行った意識調査からは悲観的な現状が浮かぶ。

 東かがわ市が2012年度に行った調査では、結婚や就職時の身元調査を「絶対にやめるべき」と答えたのは15・9%。対して「必要なこと」が11・3%、「やむを得ないこと」が44・9%に上り、半数以上が因習に流されていた。

 観音寺市の12年度調査でも、身元調査について28・7%が「必要」、17・7%が「みんながやっているからやむを得ない」と回答。肯定する人が半数近くを占め、「するべきでない」の25・3%を上回った。

 両市は結果を踏まえ市民への啓発事業を強化。また、2年前から県内全市町で始まった「登録型本人通知制度」への登録も呼び掛けている。代理人や第三者が戸籍謄本などを取得した際、本人に通知する制度で、差別につながる身元調査などを防ぐ狙いだ。

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 県条例の施行以来、違反行為に対する指導・勧告といった「発動事例」はこれまで1件もない。

 だが現実には、差別を助長する調査が“許容”される風潮は残っているといえる。縁談の際に「釣書」と呼ばれる身上書や家族書に本人や親の出身地を記す風習も、事実上の身元調査にほかならない。

 今回の県政世論調査で、県条例について「知っている」と答えたのは2割弱だった。県人権・同和政策課の担当者は「条例の認知度の低さは大きな課題。あらためて趣旨を周知する必要がある」と受け止める。一層の啓発とともに、県民一人一人にも差別の担い手になるまいとの自覚が必要だ。

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同和対策貸付2.9億円、大阪府が債権放棄へ

1世帯30万円・・・同和対策貸付2.9億円、大阪府が債権放棄へ
同和地区の世帯を対象とした大阪府の同和更正資金貸付金事業をめぐり、府が回収の見込みがなくなったとして、未回収の貸付金約2億8800万円を債権放棄する方針を固めたことが11日、分かった。今月開会する9月定例府議会に関連議案を提出する。
府は昭和39(1964)~平成5(1993)年度、就職支援などの資金として、大阪市を含む20市町を通じ、1世帯当たり30万円を上限に貸し付ける事業を実施。6年以内の返済が条件だったが、多くの債務者と連絡が取れなくなり、25年度時点で約3億円が未回収となっていた。
債権放棄を進めていた府は昨年度、20市町のうち堺市など5市町と先行して調整がついたとして、債権放棄を決定。今年度は東大阪市や富田林市など残りの15市町についても債権整理した。このうち、大阪市や豊中市など10市町で回収が見込める約1200万円については引き続き回収する。
府の担当者は「回収の努力は尽くしてきたが、回収見込みのない債権をこのまま管理し続けるにも人件費などの費用がかかる。どこかで区切りをつけなければならなかった」としている。
(9月11日産経新聞)


南大阪食肉市場に25億円の返還命令(府貸付金・地裁)
第三セクターを清算して発足した「南大阪食肉市場」(松原市)に対して府が貸付金の返還を求めた訴訟で、大阪地裁(井上博喜裁判官)は4日、府の請求通り25億3900万円の返還を命じた。
判決によると、南大阪食肉市場は2002年、経営難に陥った府の第三セクターを民間会社などと統合して設立。府は02~04 年、運転資金として同社に25億3900万円を無利子で貸し付けた。昨年3月から10 年かけて完済される計画だったが、同社は経営が厳しいことを理由に全く返済していない。松井一郎知事は「直ちに全額返済をもとめる」、同社は「答えられる者がいない」とコメントした。(9 月5日毎日新聞)

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特集 地域はいま-「法」失効後の実態 「人権と部落問題9月増刊号

Kenkiyujyo

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ヘイトスピーチに関する質疑について

ヘイトスピーチに関する質疑について
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00557.html
平成26年8月15日(金)
【記者】
 ヘイトスピーチに関する法整備を議員立法で作ろうという動きが自民党の中でありますけれども,法務省としてこれをどのようにお考えでしょうか。
【谷垣大臣】
 これは2020年の東京オリンピック・パラリンピックを考えると,やはりこういうことが横行しているのは問題ではないかということで,東京都知事の舛添氏が総理に何とか手を打ってほしいと要請されたようです。それで,そういう指示が政調会長に下り,政務調査会で勉強会が開かれていると承知しています。当然,我々もそういう政務調査会の議論には全力を挙げて協力をしていかなければならないと思っています。1回目の勉強会の様子を伺いましても,どこに議論の焦点を当てていくのかというのは実はなかなか容易ではないというか,相当論点をきちんと整理する必要があると思います。ですから,前回は今の日本の取締法規の状況であるとか,その実際の運用の問題などが主な議論になったようですけれども,今後の方向性についてはもう少し議論を詰めないといけないのかもしれません。我々も十分情報を集めて協力をしたいと思います。


http://diamond.jp/articles/print/58621
【第36回】 2014年9月4日 田岡俊次 [軍事ジャーナリスト]
国連が「ヘイトスピーチ」の法的規制を勧告
どうすれば「言論の自由」と両立するか

国連人種差別撤廃委員会は、日本政府に対しヘイトスピーチ(憎悪表現)に、法的規制を勧告する最終見解を発表した。ヘイトスピーチは日本の安全保障、国益にも有害だ。だが、法律はひとたびつくられると、その立法趣旨と違う目的に利用されることもある。「ヘイトスピーチの禁止」と「言論の自由の確保」を両立させるために、どのような条文の法案を作るのかを考えてみたい。

難しい言論の自由との兼ね合い

 国連人種差別撤廃委員会は8月29日、日本政府に対しヘイトスピーチ(憎悪表現)に毅然と対処し、法的規制を行うよう勧告する最終見解を発表した。自民党はその前日の28日「ヘイトスピーチ対策等に関する検討プロジェクトチーム」(座長・平沢勝栄政調会長代理)の初会合を開き、法整備を含む防止策の検討を始めた。

だがこの会合では国会周辺で大音量のスピーカーを使うなどの街頭宣伝活動の規制にも議論が及んだため、「原発反対活動などの規制にも使われるのでは」との疑問が出ており、「ヘイトスピーチの禁止」と「言論の自由の確保」を両立させるために、どのような条文の法案を作るのか注目される。

 日本が1995年12月に加入した人種差別撤廃条約はその第4条で「人種的優越又は憎悪に基づく思想の流布、人種差別の煽動、暴力行為、それに対する資金援助」などを法律で処罰すべき犯罪であることを宣言することを締結国に求めている。だが日本政府は加入に際し「日本国憲法の下における集会、結社、及び表現の自由、その他の権利と抵触しない限度においてこれらの規定に基づく義務を履行する」と第4条については留保している。

 とは言え、東京・新大久保や大阪・鶴橋などで「韓国は敵、よって殺せ」といったプラカードを掲げ、「出て来い、殺すぞ」と叫ぶデモ行進が行われていることに対しては、安倍首相は2013年5月に参議院で「他国人々を誹謗中傷する言動は極めて残念」と述べ、谷垣法相(当時)も「品格のある国家、という方向に真っ向から反する」と語った。国連で人種差別として論じられ、規制法制定の勧告を受けるような愚劣な行為が日本の品位をおとしめることは言うまでもない。

 それだけでなく、ヘイトスピーチは日本の安全保障、国益にも有害だ。安全保障の要諦の一つは出来る限り敵を作らないことにある。敵対関係になりかねない国をなるべく中立に近付け、できれば味方にし、友好国や中立的な国とはより親交を深めることが大事で、豊臣秀吉、徳川家康は「調略」(政治工作)にたけていたし、「天下布武」を呼号した織田信長の勢力圏の拡大も、詳しく見れば「調略」によることが少くない。

日本人は優秀だから排斥された

 戦前の日本で反米感情が生じた最初の契機は、アメリカ西海岸での日本人移民に対するヘイトスピーチだった。カリフォルニア州など米本土への集団移民は1890年に始まったが、当時のアメリカでは人種差別が横行し、1870年の移民・帰化法は「自由なる白人およびアフリカ人」のみを帰化可能、とし中国人の移民は1882年から禁止していた。そこに低賃金で誠実に働く日本人移民が流入すると、下層の白人労働者からは「賃金切り下
げを招く」などの反感が強く、1893年、サンフランシスコ市教育委員会は日本人の公立学校入学を拒否した。このときは珍田捨巳領事の奔走で市教委は決定を取り消したが、排日を叫ぶヘイトスピーチは止まなかった。

 米本土(主として西岸)の日本人移民は1900年には1万人に達し、1904年~05年の日露戦争で日本が白人大国ロシアに完勝すると、太平洋岸では日本の脅威が喧伝されて、1905年サンフランシスコでThe Japanese and Korean Exclusion League(日本人、韓国人排斥連盟)が結成され、他の都市、州にも拡がった。この組織は今日の日本の「在日特権を許さない市民の会」(在特会)に似た点があった。翌1906年サンフランシスコ教委はその声に押されて、全ての公立学校から日本人学童(93人)を隔離し、中国人などと同東洋人学校へ通わせる決定をした。日本は米国に対し、原則として相手国民に自国民と同等の待遇を与えることを定めた「日米通商航海条約」に違反すると抗議し、米国政府もサンフランシスコ市の教委の決定を批判したが、同市は「地方自治」を楯に抵抗し、セオドア・ルーズヴェルト大統領は日本との武力衝突を懸念して、太平洋の米軍艦を全て本国の港に引き揚げさせたほど緊張が高まった。

 翌1907年にこの学童隔離措置は撤回されたが、代わりに1908年の日米紳士協定で労働者のアメリカへの移民を日本が禁止、ハワイから米本土への移住も米大統領令で禁止となった。1913年にはカリフォルニア州で「外国人土地法」が成立、「帰化不能外国人」(白人、アフリカ人以外の者)の土地所有が禁止された。こうした移民制限は日本人だけを対象としたものではなく、1924年の移民法改正は東欧、南欧からの移民も制限し、アジアからの移民は全面禁止としたが、当時のアジアからの移民の大部分は日本人だったから、実質的には排斥法だった。日本人の農業、漁業の技術水準が高く、特にイタリア系の漁民やアイルランド系の農民らに嫉視されていたことが背景にあったようだ。親日的だったセオドア・ルーズヴェルト大統領は「日本人は劣等だからではなく、優秀だから排斥されている」と語ったこともある。

日米戦争の遠因となった米国の人種差別

 日露戦争の勝利で世界の大国に列し、誇りが高まっていた日本では、米国人の差別的言動と、それに迎合する米国の政策に対する憤りが高まり、さらに米国、カナダ、オーストラリア等が英国に対し日英同盟を解消するよう働きかけ、英国がそれに応じたことは、日本がドイツに接近し、第2次世界大戦で対米戦に向う遠因となった。昭和天皇は1990年に文藝春秋で公表された独白録(敗戦直後の1946年に側近に語った談話の記録)で「加州移民拒否の如きは日本国民を憤慨させるに十分なものである。かかる国民的憤慨を背景として、一度軍が立ち上がった時にこれを抑えることは容易な業ではない」と述べた。1911年11月、20歳で摂政になって以来、おそらく最も真剣かつ継続的に情勢を見つめて来た経験者である昭和天皇の言は、概して親米的だった日本人が反米に転じた契機が排日活動であったことの重要証言と言えよう。

 もし米国が日本人の排斥を行わず、移民を積極的に受け入れて米国の発展に活用していれば、友好関係は増進し、日露戦争後の満州の開発や、中国市場の門戸解放などでも日米の協力関係が成立し、第2次世界大戦でも第1次世界大戦と同様に日本が英米側に組みした可能性は十分あったのでは、と惜しまれる。

 日本は第1次世界大戦後、1920年に設立された国際連盟の常任理事国4ヵ国(英、仏、日、伊)の一つとなり、それに先立つ連立規約の制定に当たっては人種差別撤廃を明記すべきだ、と提案した。だが、他の主要戦勝国はこれを受け入れなかった。英国のおそらく最も高名な史家、A・J・P・ティラーは初版が1963年に出版された著書『第1次世界大戦』で「日本は悪意を持って(maliciously)連盟規約に人種平等の原則を書き込もうとした」と書いている。「人種平等」は当時の白人にとり、実に不都合な論だったろうから、興隆する日本
が人種差別を公然と行っていた米国等と連携することは結局は困難だったか、とも考える。だが、第2次世界大戦後になっても英国の比較的公平な史家が日本の人種差別の撤廃の提案を“malicious”(悪意がある)と書いているのは驚きだ。

ドイツではどのように規制しているか

 人種、民族、宗教などによる差別や排斥、その煽動などに相手が屈して融和的になることはまず期待できない。相手も敵意を募らせ、ヘイトスピーチや抗議活動を激化させ、双方で敵対感情が高まるのは当然だ。近隣国との国民感情の対立がエスカレートすると、双方の政府もそれに押されがちとなって非妥協的な姿勢、政策を取らざるを得なくなる。

 大衆に心地よい強硬論を唱える政治家が自国、隣国で政権を握れば安全保障上危険な状況になる。その場合こちらが軍備を強化しても、相手も対抗して強化し、軍備競争に入り込むのが普通だ。金ばかり掛かって安全性は一向に高まらないばかりか、双方の破壊力が強まるから、危険はかえって大きくなる。相手が大国でなくても、他の大国と連携して対抗しようとする可能性は高い。ヘイトスピーチや人種、民族差別による対立が起きれば、他の諸国も同情してくれないから、孤立する結果となる。また経済関係でも国民感情の対立を煽ることは国益上有害無益であることは言うまでもない。

 これらの利害を考えれば、日本が国連に勧告されるまでもなく、ヘイトスピーチを防止する策を考えるのは当然だが、表現の自由との兼ね合いはなかなか難しい問題だ。法律は一旦できると当初言われた目的と異なる方向に使われる場合がある。刑法208条の3「凶器準備集合罪」はその例で、本来は暴力団が抗争のため凶器を持って集まることを禁ずる趣旨、と国会などで説明し、1958年に刑法に追加されたが、現実にはデモ隊が棒やプラカードを持つことを取り締まるのに使われることが多かった。

 ドイツ刑法130条の「民衆扇動罪」は「公の平穏を害しうるような方法で①民族的、人種的、宗教的または人種要素による特定のグループまたは住民の一部やそれに属する個人に対する憎悪をかき立て、もしくはこれに対する暴力的又は不当な措置を呼びかけた者、②上記の住民の一部あるいは個人を罵倒し、又は悪意を持って侮辱もしくは中傷することにより他人の尊厳を害した者」に対し3ヵ月以上5年以下の自由刑にするとしている。また、それらの行為を煽る文書を流布、提示、作成、輸出入したり、電気通信設備で流布した者は3ヵ月以下の自由刑または罰金に処す、となっている。仮にこれと同様な法律が日本で施行されたとしても、民族、人種、宗教とは無関係な、原発反対運動の規制には使えないだろうが、宗教団体や民族団体への批判は「公の平穏を害しうる」とか「憎悪をかき立てた」と見なされない方法で行うことが必要になるだろう。

 一方、他国の行動や自国の政策などに対する意見の表明は自由なはずで、拉致問題の解決や核実験の停止を求めたり、外国人に地方議会への参政権を認めることに対する賛否の表明などは「公の平穏を害しうる方法」ではなく、また「住民の一部や個人を罵倒、侮辱する」ような行為でなければ可能、と思われる。日本国憲法は「一切の表現の自由」を保証しているが、全く野放しではなく、名誉棄損や侮辱、脅迫、虚偽の風説流布による信用毀損、業務妨害などは罰する事が刑法で定められている。これらの行為は特定の個人や企業、施設に対して行われた場合しか処罰できず、○○人といった莫とした対象に対する脅迫、侮辱などには適用できないが、それを少し手直しし、「正当な理由がないのに、人種、民族を根拠に公然と人またはその集団を侮辱した者」といった条項を追加することでも対応可能か、と考える。

 ただ、これも条文の書き方によっては「○○県人はケチだ」とか「○○省の役人は無能だ」とネットに書くだけでも、「特定の集団を侮辱した」とされることになりかねないから、副作用の弊害がないか、法案の条文を詳しく検討する必要があるだろう。また日本でヘイトスピーチ規制の法律が作られれば、他国に対しても同様な措置を勧めることも考えてよいだろう。ヘイトスピーチはその国の利害の観点上百害あって一利もないからだ。

「社会的制裁」は恣意的になる

 ドイツ、イギリス、フランス、北欧諸国ではヘイトスピーチに対する法的規制があるのに対し、アメリカは1791年の憲法修正第1条で言論の自由を制限する法律を禁じているため、連邦法でのヘイトスピーチ規制はないが、人種対立の激しかったイリノイ州の州法でこれを規制したことについて、連邦最高裁判所が1952年に「正当な理由がなかったとは言えない」として合憲判決を出したことがある。「アメリカでは法律がなくても差別的言動に対しては厳しい批判が起こり社会的制裁を受ける」と言われるが、その対象はもっぱら黒人、ユダヤ人、同性愛者などに関するもので、日米経済摩擦が激しかった1980年代末から90年代初期には「Nuke Japan」(日本に核攻撃を)とのステッカーをバンパーに貼った車が走り回っていた。

 9・11テロ事件後にはイスラム教徒に対する監視や差別的表現は当然視されたし、2003年のイラク戦争に反対したフランスへの罵倒が流行するなど、そのときどきの世論によるだけに「社会的制裁」は恣意的にならざるをえない。ユダヤ系アメリカ人は510万人余で全人口の1.7%程度だが、政治家はイスラエルを批判すると“Anti-Semitism”(反ユダヤ主義)の烙印を押されて選挙で不利になることを恐れ、米国議会はガザ住民2100人余を殺した今回のイスラエルによる攻撃を上下院両院とも満場一致で支持する決議をしている。「社会的制裁」はそれ自身がヘイトスピーチ化する危険をはらんでいると言えよう。

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