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取り調べ可視化3% 法制審部会試が案

警察 取り調べ可視化3% 法制審部会試が案

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014050102000118.html

2014年5月1日 朝刊


 捜査と公判の在り方を見直す法制審議会の特別部会が三十日に開かれ、事務局を務める法務省が審議会の最終答申のたたき台になる試案を示した。取り調べの録音・録画(可視化)は原則、逮捕から起訴までの全過程で行うよう義務付けた。しかし暴力団犯罪や容疑者が拒否した場合など録音・録画しなくてよいとする例外も多く、警察については裁判員裁判になる事件でのみ、取り調べを録音・録画すればよいとした。

 録音・録画を義務付ける事件は、A案「(警察、検察ともに)裁判員裁判対象事件」と、B案「A案に加え、全ての逮捕事件での検察官の取り調べ」の二案を併記。答申がどちらの案でまとまっても、警察が録音・録画しなければならないのは裁判員裁判の対象事件だけになる。

 裁判員裁判になる事件は殺人、傷害致死、放火などで、その数は起訴された全ての事件の3%にすぎない。警察に録音・録画を求める事件をこれらに限定した一方で、電話や電子メールを傍受できる犯罪を大幅に追加するなど、捜査手法の強化を認める内容になっている。

 捜査への障害を主張する警察に配慮した形だが、部会委員の一人の村木厚子・厚生労働次官らは原則、警察でも全事件の録音・録画を求めている。特別部会は今後、試案を基に法相への答申をまとめる。法務省は来年の通常国会に関連法案を提出したい考え。

 新たな捜査手法では、現在は四つある通信傍受の対象犯罪を、組織性が疑われる殺人、詐欺、窃盗など十四に拡大。他人の犯罪を明らかにした容疑者に不起訴を約束する「司法取引」、捜査機関が知らない犯罪の重要事実を明かした場合の「刑の減軽制度」などの導入にも触れている。

 録音・録画と並ぶ冤罪(えんざい)防止策として日本弁護士連合会が求めた、捜査機関側の証拠の全面開示では、検察が保管する全証拠のリスト(一覧表)を弁護側に交付する案にとどめた。

 警察の取り調べの問題では、一家四人殺害事件で袴田巌(はかまだいわお)さん(78)の再審開始決定を認めた静岡地裁は、逮捕当時の取り調べを「人権を顧みることがなかった」と批判。捜査機関による証拠捏造(ねつぞう)の疑いも指摘した。

 他の冤罪事件でも、誘導や脅しで自白を迫る警察、検察の取り調べを、司法が繰り返し批判している。

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