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差別なき社会目指す契機に  2月16日 読売新聞

差別なき社会目指す契機に<209>

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/feature/kyoto1213456260857_02/news/20140215-OYT8T01350.htm?from=popin

 <人の世に熱あれ、人間に光あれ>――。部落差別の解消を目指し、1922年3月3日、京都市公会堂で開かれた全国水平社創立大会で採択された創立宣言など15件が来月、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録申請される見通しです。

 申請者は、奈良県御所市の水平社博物館と下京区の崇仁自治連合会。近現代史の教科書にはほとんど載っている有名な宣言ですが、当時の宣言文書は京都市立崇仁小学校(廃校)に2部残っており、同博物館と同自治連合会が1部ずつ保管していました。

 会場で熱気をもって読み上げられた宣言文書も、実際の大きさは縦18センチ、横39センチと、思ったより小ぶりです。しかし、格調高い文章に凝縮された思想は今日でも輝きを放っています。登録作業に尽力する崇仁自治連合会役員の山内政夫さん(63)は「日本で最初の人権宣言で、未来に引き継ぐ普遍的な価値がある。記憶遺産への登録活動を通じて人権運動の原点を見つめたい」と話します。

 高らかな宣言から90有余年。果たして、私たちが生きる人の世は、真に熱あるものになったでしょうか。人間は、光あふれる存在になったでしょうか。

 肌の色や性別、出自、宗教、政治的立場などの違いによる差別は世界中でやみません。国内でも、学校や職場でのいじめ、在日韓国・朝鮮人の排除を訴えるヘイトスピーチ(憎悪表現)などが深刻な問題になっています。記憶遺産への登録申請を契機に、差別なき社会の実現を目指す機運が醸成されることを願います。

(2014年2月16日  読売新聞)

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