谷垣さん、スパイ防止法反対でしたよね
谷垣さん、スパイ防止法反対でしたよね 87年「刑罰で保秘、人は萎縮」…今は沈黙
2013年11月9日05時00分
http://digital.asahi.com/articles/TKY201311080712.html?_requesturl=articles/TKY201311080712.html&ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201311080712
国会審議が始まった特定秘密保護法案。米ソ冷戦時代の1985年、内容が似た「国家秘密法案」が自民党により国会に提出されるが、廃案に追い込まれた。「スパイ防止法案」とも呼ばれた法案に自民党の若手議員らも反対の声を上げた。その一人、現法相の谷垣禎一氏(68)は新たな法案の中身に触れようとしない。
11月7日。記者会見で特定秘密保護法案について問われ、谷垣氏が答えた。「担当大臣ではない私があまり立ち入ったことを言うのは控える」
弁護士だった谷垣氏が衆院議員になって3年後の1986年。スパイ防止法案の修正案を批判する意見書を、党内の若手・中堅の11議員とともに発表した。
「国民が主権者として国政に関する情報を集め、利用する行為の例外としてこれを制限する以上、その権利が不当に干渉されてはならない」と主張した。
前年の85年に自民党が提出したスパイ防止法案は、スパイ活動を防止する目的で、防衛上秘匿を要する「国家機密」を外国に漏らした場合は、最高刑を死刑としていた。
「知る権利が侵害される」という世論の強い反発を受けて、同年末にいったん廃案に。自民党は、最高刑を無期懲役にし、「出版・報道の業務に従事する者が正当な方法で業務上行った行為は罰しない」ことを追加した修正案をまとめた。
しかし、谷垣氏ら若手議員はこの修正案にも強く反対したのだった。
さらに谷垣氏は87年、雑誌「中央公論」に「『スパイ防止法案』に反対する」と題した論文を寄稿した。
「国政に関する情報は、主権者たる国民に対し基本的に開かれていなければならない。この国政に関する情報に防衛情報が含まれることも論を俟(ま)たない」と述べ、「刑罰で秘密を守ろうという場合は、よくよく絞りをかけておかないと、人の活動をいたずらに萎縮させることになりかねない」と指摘した。
結局、修正案に対しても世論の反発は強く、再提出はされなかった。
スパイ防止法案に反対した理由を聞かれた谷垣氏は10月25日の会見で言った。「(秘密保護と情報公開は)車の両輪であり、片っぽだけでやっていくと間違うぞ、という考え方だった」
「両輪」はそろったのか。谷垣氏は今月7日の会見で、「当時は情報公開制度もほとんどなきに等しかったが、状況は変わってきている面がある」と答えた。(西山貴章)
■表明機会待つ?
<御厨貴・東京大名誉教授(政治学)の話> 谷垣法相は元々、リベラルの立場。表立って賛成していないことが彼の気持ちを表している。アベノミクスを掲げて登場し、安倍政権の人気が高い今、「右的な」価値観との違いだけで批判しても、自身の政治家としての展望が開けないからだろう。閣僚としての立場もある。意見を表明できるタイミングを待っているのでは、と私は思う。
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