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カースト越えた恋、悲劇の結末=根強い差別、最下層の男性死亡-印

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013080400077

 【ニューデリー時事】インド南部タミルナド州で7月、線路脇で男性の遺体が見つかった。男性の名はイラバラサンさん(19)。身分制度カースト制の底辺に属する「不可触民」出身だ。上位カーストの女性(22)と恋に落ちて結婚したが、今年6月に離別。暴動にまで発展した結婚だっただけに遺族は他殺を主張するが、社会学者は「他殺でも自殺として処理されるだろう。悲しいがこの国には身分差別が根強く残っている」と語る。
 イラバラサンさんは2012年10月、周囲の反対を押し切り、四つの階級に大別されるカーストで上から2番目に位置するクシャトリア(王侯・武人)の女性と結婚した。
 地方ではいまだ禁忌とされるカースト間の結婚に、上位カーストは猛反発。追い詰められた女性の父親は数日後に自殺し、不可触民の村数カ所が焼き打ちに遭った。
 その後も2人に対する社会の圧力は弱まらず、女性は13年6月にイラバラサンさんの元を去り、母親と暮らし始めた。7月に入り、地元テレビのインタビューで「もう二度と彼の元に戻るつもりはない」と打ち明けた。
 イラバラサンさんの遺体が見つかったのはその翌日。遺族は身分差別を肯定するグループに殺害されたと主張し、新聞紙上でも自殺か他殺かをめぐり議論が沸き起こった。
 警察は遺体発見から約1週間たって、女性宛ての遺書が見つかったと発表。4ページにわたる遺書には「生まれ変わっても君と結婚したい」などと記されており、鑑定の結果、本人の直筆と断定された。自殺をほのめかす発言をしていたとの友人の証言も飛び出した。
 事件は自殺として処理されつつある。しかし、イラバラサンさんの父親は「捜査には不審な点がある」として、法廷で戦う決意を固めている。
 カルカッタ大のアビジット・ミトラ教授は「政府機関上層部を占める上位カーストは、自らの優位性を保つためならどんな手も打つ」と指摘。「不可触民が死亡しても、上位カーストに有利に処理されるだけだ」と語る。カースト差別廃止を定めた憲法の施行から63年。いまだ残るインド社会の闇に、1人の男性の死がのみ込まれつつある。(2013/08/04-14:40)

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