検察、厳罰から更生へ…釈放後の受け皿探しも
検察、厳罰から更生へ…釈放後の受け皿探しも
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130513-00000662-yom-soci
読売新聞 5月13日(月)18時26分
再犯者率が過去最悪の43・8%を記録する中、検察が再犯防止の取り組みに力を入れ始めた。
立ち直る可能性がある被告に執行猶予を求刑したり、釈放しても行き場のない容疑者らの受け入れ先を探したりしている。市民が参加する裁判員裁判で保護観察付きの執行猶予判決が増えていることもあり、検察は犯罪者の処遇で厳罰から更生へとかじを切っている。
◆検事総長が指示
「薬物処遇プログラムを受けさせるため、保護観察付きの判決が相当だ」
昨年12月18日、長崎地裁であった覚醒剤取締法違反事件の初公判。覚醒剤の使用と所持の罪に問われた男性被告(45)について、検察側は保護観察官から薬物を断つための指導を受けることを条件に、異例の執行猶予を求刑した。9日後の判決は求刑通り、懲役1年6月、保護観察付き執行猶予3年。男は保護観察所で指導を受けているという。
検察はこれまで厳罰が犯罪抑止につながると考え、執行猶予を求めることはほとんどなかった。しかし、小津博司検事総長が昨年9月、全国の地検トップを集めた会議で「犯罪者の社会復帰にも目を向けよう」と指示して以降、執行猶予を求めるケースが増えた。
背景には、検察の意識の変化がある。2010年に大阪地検特捜部の証拠改ざん事件が発覚。検察改革の過程で、有罪獲得だけを目的とせず、適切な処罰も使命と考えられるようになった。高齢者らの再犯率の高さも問題視され、犯罪者をただ刑務所に入れるのではなく、住居や就労先の確保こそが再犯防止に有効だと認識されるようにもなった。
裁判員裁判の判決では、執行猶予に保護観察を付ける割合が55・7%と、裁判官だけの裁判(35・8%)と比べて増えており、実刑の一部期間を猶予して保護観察付きの判決などを言い渡すことができる法案も国会で審議中だ。
◆福祉との連携
犯罪者が刑の執行や起訴を猶予され釈放されても、「受け皿」が整っていなければ、再犯防止の成果は出ない。
東京地検は今年4月、「社会復帰支援室」を発足。非常勤職員として新たに採用した社会福祉士から、容疑者らの処遇について助言を得ている。取り扱ったケースは準備段階の同1月から80件以上を数え、寒さをしのぐため他人の家に不法侵入したホームレスの施設への入所につなげるなどした。
最終更新:5月13日(月)18時26分
読売新聞
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