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障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案

平成25年4月26日(金)定例閣議案件
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2013/kakugi-2013042601.html
法律案
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案



障害者差別解消推進法の状況(その1)
http://aoinoatama.friendship-web.com/?eid=1017876

法律の名称が「障害者差別禁止法」から「障害者差別解消法」へ変わりそうですよ・・という速報でしたが、いよいよ法案審議の予定が見えつつあります。
具体的には今週末(4月26日ころ)には法律案を閣議決定して、国会への提出準備が整う段階まで来ているようです。
もちろん、この法律は与野党ともに必要性は認識していますので、閣議決定されるまでの間には与野党ともにある程度の党内議論を行っているでしょうから、国会へ提出されれば(他の案件でバタバタしない限りは)見込みどおり今国会で法案成立となるものと予想されます。

以下、前回からもう少し見えてきた法律の全体像です。

★ 法律の名称
「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が正式名称となりそうです。略称は、おそらく「障害(者)差別解消推進法」でしょう。

★ 障害者定義
障害者基本法の定義を用います。すなわち、何らかの障害があり、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある人のことを「障害者」と定義します。(手帳の有無は基本的に問いません)

★ 基本方針
国は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策を総合的かつ一体的に実施するため、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針を策定します。その際には、障害者政策委員会(改正障害者基本法で新設された、障害当事者が半数を占める会議体)の意見を聴くことが求められています。

★ 差別の禁止
行政機関や事業者が、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることを禁じます。

★ 合理的配慮
社会的障壁の除去、解消のための「合理的配慮」については、行政機関等は義務、事業者は努力義務となりました。行政機関は必ず実施、民間事業者はできるだけ実施に努める・・という感じです。

★ 行政職員の対応要領
国や自治体は、職員の対応方法などを定めた「対応要領」を作成します。国は義務、自治体は努力義務となっています。

★ 紛争の防止等のための体制整備
国や自治体は、障害を理由とする差別に関する相談に応じ、紛争の防止や解決のために必要な体制整備を図ります。

★ 情報収集
国は、国内外の障害を理由とする差別に関する情報収集を行ない、内容整理や情報提供を行います。

★ 協議会
自治体は、差別に関する相談や事例を踏まえた差別解消のためのに「障害者差別解消支援地域協議会」を置くことができます。

★ 施行日
法律の施行は平成28年4月1日です。

★ 見直し
法律の施行から3年をメドに、法律の施行状況を検証し、必要に応じて見直しします。



障害者差別解消法案:法施行「3年後」 政府が概要提示
http://mainichi.jp/select/news/20130410ddm041010116000c.html
毎日新聞 2013年04月10日 東京朝刊

 障害者差別解消の法制化に関し、政府は9日、自民、公明、民主3党の担当者に法案の概要を提示した。差別解消の法的義務化の対象となる公的機関の分野について教育、公共交通、医療などに加え「刑事手続き」も挙げた。法施行時期については2016年4月とし、施行3年後をめどに見直すとしている。政府は26日に閣議決定し、今国会に提出する方針。

 政府が提示したのは「障害者差別解消推進法案」(仮称)。過重な負担が無い限り、日常生活や社会参加に関する障壁を取り除く配慮を行うよう、国や自治体など行政機関や公立学校に義務付ける。警察・司法をどこまで義務化の対象にするかは議論が分かれており、「刑事手続き」を対象として挙げる一方、取材に対して内閣府の担当者は「刑確定後の刑務所の処遇は対象だが、『行政機関』の範囲から外れる裁判所や国会は対象外」との考えを示した。

 禁止される具体的事項については、施行後に具体例をまとめ、法律に明記することを検討する。新たな紛争解決機関は設置せず、地域ごとに関係機関が連携を図る協議会を設置する。



「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案(仮称)」についての与党ワーキングチーム報告
掲載日:2013/04/22
http://www.jfd.or.jp/2013/04/22/pid10734

 2013年4月10日(水)公明党内閣部会、厚生労働部会、障がい者福祉委員会合同会議による「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案(仮称)」について与党ワーキングチームの取りまとめの報告があり、石野理事長と久松事務局長が出席しました。

 公明党からは、内閣部会長・障がい者福祉委員会委員長の高木美智代氏をはじめ、厚生労働部会長の渡辺孝男氏、障がい者福祉委員会事務局長の山本博司氏が出席、法案の説明のため、内閣府からも内閣府大臣官房審議官の伊奈川秀和氏が同席しました。

 当事者及び関係団体からは、全日本ろうあ連盟のほか、日本身体障害者団体連合会、日本盲人会連合、日本障害者協議会、日本弁護士連合会など、16団体が出席し、法案の基本的な考え方や骨子案の説明を受けました。





「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案(仮称)」の現状についての説明会
掲載日:2013/04/22
http://www.jfd.or.jp/2013/04/22/pid10738

 2013年4月15日(月)自民党障害者特別委員会による「与党・障害者の差別禁止に関する立法措置ワーキングチーム」などでの検討を踏まえた「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案(仮称)」の現状について、関係団体への説明会があり、石野理事長と長谷川副理事長、久松事務局長が出席しました。

 自民党からは、障害者特別委員委員長の衛藤晟一氏をはじめ、同委員会事務局長の松本純氏他7名の議員が出席しました。また法案の説明のため、内閣府からも内閣府大臣官房審議官の伊奈川秀和氏が同席しました。

 当事者及び施設関係団体からは、全日本ろうあ連盟のほか、日本身体障害者団体連合会、日本盲人会連合、DPI日本会議など、18団体が出席し、法案の基本的な考え方や骨子案の説明を受けました。また、質疑応答も行われ、出席の議員からも活発な質問がなされました。






連本第120611号
2013年3月21日
http://www.jfd.or.jp/2013/03/22/pid10705

自由民主党 政務調査会
障害者特別委員長 衛藤晟一様

財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野 富志三郎

「障害を理由とする差別を禁止する法制」について

 日頃より、聴覚障害者の福祉向上について、格別のご理解とご協力を賜り、厚くお礼申しあげます。
 昨年9月14日、内閣府障害者政策委員会差別禁止部会から「障害を理由とする差別の禁止に関する法制」についての差別禁止部会の意見が発表されました。障害者の社会参加には、障害を理由としての排除をなくし、その障害による不利益をなくすための「合理的配慮」を取り入れることが必要な条件となります。私たち聴覚障害者の社会参加に必要な「情報アクセス・コミュニケーション」も含まれる「障害者差別禁止法」についてその成立を求めたく以下の意見を提出いたします。

① 「障害者差別禁止法」の早期制定・今後のガイドライン策定について
 内閣府障害者政策委員会差別禁止部会の意見を最大限反映し、本法律を一日も早く成立させていただくと共に、今後、国や地方で行われる「差別禁止にかかるガイドライン策定」について、必ず障害当事者を含めるようにしてください。

② 紛争解決にあたる機関の在り方
 紛争解決の機関は、すべての障害者に対し開かれたものにする必要があります。差別禁止法を運用するにあたり、紛争解決のために設置される機関とその役割については、裁判所と同様に、内閣からの独立性を担保しつつ、この場面においても、当事者間の情報アクセスやコミュニケーションの保障がなされることを明記してください。

③ 横断的に存在する「情報・アクセス」の明記
 各則「情報・コミュニケーション」では、「情報提供・意思疎通」という枠組みで提言されています。しかしながら、コミュニケーションには常に相手方が存在し、どの分野においても必ず発生します。情報保障やコミュニケーション保障が不要な分野は存在しません。各則に明記されるあらゆる分野の差別をなくすためにも、どの項目にも「情報・コミュニケーション」の「合理的配慮」について明記してください。

④ 言語及びコミュニケーション手段の自己選択
 聴覚障害者は音声からの情報を得ることができないため、手話言語や文字情報といった視覚的手段から情報を入手することも少なくありません。しかし、残存聴力の程度も個々人によって異なるように、手話通訳を選択する人もいれば、要約筆記や文字通訳を選択する人もいます。盲ろう者も同様です。コミュニケーション手段は当事者自らが選択できるよう明確に記載されることを求めます。

⑤ 情報・コミュニケーションでの「差別をしてはならないとされる相手方の範囲」
 部会意見では「一般公衆へ情報を提供する相手方」の中に事業者も含めた記述となっていますが、中でも「電気通信事業法(昭和59年法律86号)に基づき電気通信役務を行う事業者」については、音声通信のみならず、それに代わる通信手段(電話リレーサービス等)も提供することが、音声通信手段へのアクセスが制限されている障害者にとって合理的配慮となることを明確にするためにも、「差別をしてはならない相手方」として記載する必要があると考えます。

⑥ 教育分野における「環境」について
 部会意見では「インクルーシブ教育」に主眼が置かれていますが、聴覚障害教育の分野では、聴覚障害児には、おかれる環境が非常に重要なものであることも指摘されています。聴覚障害児にとって、地域の学校の一般学級はもちろん、選択しうる環境の1つとしてろう学校や難聴学級があり、そういった情報を保護者や本人へ提供しないことは差別であることを踏まえ、インクルーシブ教育と併記して、こういった障害特性に合わせた教育環境を整備する場があることを明記していく必要があると考えます。

⑦ 合理的配慮の不提供についての制約
 医療や司法等、個人の生命や人権を脅かす可能性のあるものについては「合理的配慮の不提供」について、「過度の負担」を容易に認めることのないよう一定の制約を設けてください。

⑧ 「合理的配慮」の実行を担保する財源の明記
「合理的配慮」が国民の理解が得られ広く実行するためには、財源の保障が必要です。「合理的配慮」の実行を確実にするためにも財源を明記してください。

⑨ 法的救済と損害賠償請求権
 部会意見では、法的救済については、差別禁止法ではなく民法等の一般法によって定められるとなっています。「合理的配慮を行わないことは違法(差別)である」ということをより明確に打ち出すためにも、損害賠償請求権については、差別禁止法の施行後、段階的に検討すべき事項として取り組んでいただきたいと考えます。

⑩ 既存の法律に点在する権利制限について
 成年後見人制度では、被後見人となった場合、判断能力がないということで選挙権が剥奪されています。障害者の保護という名の下に、本人が本来持つ権利を国が制限することは、障害者の意思決定支援の観点から見ても再考すべき内容です。障害者差別禁止法と併せ、既存の法律に点在する権利制限についても見直しをしてください。

以 上

 

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