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国公法2事件最高裁判決 国民の基本的人権を保障せよ

2012年12月8日(土)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-12-08/2012120801_05_1.html
日本共産党中央委員会

主張
国公法2事件最高裁判決
国民の基本的人権を保障せよ

 国家公務員だった堀越明男さん(当時の社会保険庁職員)と宇治橋眞一さん(同厚生労働省課長補佐)が、休日に職場と関係ない自宅周辺で「しんぶん赤旗」号外を配布したのは国公法違反の政治活動にあたると逮捕・起訴された事件について、最高裁判決が出ました。堀越さんは無罪、宇治橋さんは不当な有罪(罰金)です。

 政治的行為の禁止は憲法違反という主張は採用されませんでしたが、「政治的中立性を損なう恐れが実質的に認められない行為は禁止されない」と認め、堀越さんの無罪を確定したのは画期的です。

通用しない異常な規制
 およそ人の基本的人権というものは、憲法や法律によって与えられるものではなく、人が生まれながらに持っているものだというのが憲法学説上の常識です。しかしながら日本では、国家公務員法によって公務員の政治的行為(選挙運動や政治活動)がきわめて制限されています。人権を侵害し国際的に通用しない異常な状態です。

 これまでこの問題では、郵便局員が掲示板に政党のポスターを張ったことなどを政治的行為で違法とした北海道の猿払(さるふつ)事件の最高裁判決(1974年)が、異常な制限を公認する基準として使われてきました。今回最高裁で判決のあった堀越さん、宇治橋さん(地名から世田谷事件と呼ばれる)の事件は、こうした不当な束縛を打ち破る機会として、広く取り組まれてきました。

 いまどき公務員といえども、休日に職場と離れた場所で号外ビラを配布するだけの行為を処罰する非常識はもうやめたらどうかと、世論でも注目をあび、国民の支持を集めてきたものです。

 判決は、堀越事件=無罪、世田谷事件=有罪で、残念ながら国公法の政治的行為の禁止の規定を合憲とするもので、猿払事件の判例を変更するものとはなりませんでした。しかしその目的には至らなかったものの、実質的に中立性を損なう恐れがない行為は自由と認め、堀越事件を無罪にしたことは、部分的にも国公法の政治的行為の規制の不合理性を明らかにしたものとして、今後のたたかいにとって重要な意義があります。

 そもそも公務員にたいする政治的行為規制の本来の目的は、行政の中立性、公平性の確保です。一般の公務員は国家(地方)公務員法で政治的行為が規制されています。一方、首相はじめ各省大臣や知事、市区町村長などは法律の規制から除外されていますが、行政にたずさわる時には、その中立性、公平性を厳守しなければなりません。それは、憲法第15条の「公務員は全体の奉仕者」との規定は何よりも公選の首長らに求められているものだからです。

自由を守るたたかいを
 特別公務員は公然たる政治活動を大いに展開しながら「行政の公平性」が守れ、一般の公務員はささいな政治活動をしても「行政の公平性」を侵すなどという奇妙な理屈は通用しません。

 一般公務員も行政に携わるときに公平性を守れば、政治活動は全く自由のはずです。

 総選挙もさなかです。判決の積極面を生かし、今後とも公務員を含むすべての国民の人権である言論、表現、結社の自由を守るため、あらゆる機会を生かして、たたかっていくことが重要です。

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