法務大臣閣議後記者会見の概要
平成24年9月19日(水)
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00332.html
人権委員会設置法案に関する質疑について
【記者】
今日,人権委員会設置法案がようやく閣議決定されたことについての受け止めと,この時期に閣議決定されたことの理由があれば教えてください。
【大臣】
通常国会の会期末までに何とか閣議決定をしたいという考えもあったのですが,各種手続がずれ込み,なかなか審議日程の確保もできず,閣議決定ができなかったというのが実態です。したがって,次の国会がどういったものになるかはこれからの問題ですけれど,法案審議ができるようであれば,それを目指して今のうちに中身を固めておきたいというのが今回の閣議決定の趣旨です。
人権委員会設置法案及び人権擁護委員法の一部を改正する法律案について
平成24年9月19日
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken03_00141.html
法務省人権擁護局
平成24年9月19日,内閣は,次期国会に提出することを前提として,人権委員会設置法案及び人権擁護委員法の一部を改正する法律案の内容を確認する閣議決定を行いました。
Q&A(人権委員会設置法案等について)
平成24年9月19日
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken03_00041.html
Q&A(人権委員会設置法案等について)
平成24年9月19日に人権委員会設置法案[PDF](以下「設置法」といいます。)及び人権擁護委員法の一部を改正する法律案[PDF](以下,同法律による改正後の人権擁護委員法を「改正委員法案」と,同法律による改正前の人権擁護委員法を「現行委員法」といいます。)が閣議決定されました。新たな人権救済機関の設置に関しては,これまで様々な御意見やお問い合わせが数多く寄せられましたので,今回閣議決定された両法案に関し,幾つかの点について,一問一答の形で御説明をさせていただくこととしました。(人権擁護局)
人権委設置法案 理解に苦しむ唐突な閣議決定(9月23日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120922-OYT1T00994.htm
問題点が多い法案の閣議決定を、国会閉会中になぜ急ぐ必要があったのか、理解に苦しむ。
政府が、新たな人権救済機関を設けるための人権委員会設置法案を閣議決定した。
藤村官房長官は「次期国会への提出を前提に法案内容を確認するものだ」と説明する。
不当な差別や虐待を受けた被害者の救済は重要だ。だが、この法案については、人権侵害を理由として、通常の言論や表現活動まで調査対象になるのではないか、との懸念から、反対論が根強い。
民主党は人権救済機関の創設を政権公約に掲げてきた。唐突な閣議決定は、次期衆院選を意識し、公約違反との批判をかわす思惑があるのだろう。
人権救済機関を巡る法案は、小泉内閣時代の2002年にも人権擁護法案として国会提出された。その際は、調査拒否に罰則を科す点や報道機関への取材停止勧告を可能にする内容などが批判を浴び、最終的に廃案となった。
今回の人権委設置法案は人権委の調査に強制力を持たせず、メディア規制条項も設けていない。
それでも、なお、法案への疑問は消えない。
最大の問題は、人権侵害行為の定義があいまいなことだ。
法務省は「特定の人の人権を侵害する、民法や刑法に照らして違法となる行為」との見解を示している。だが、他人に対する批判的な言動が名誉毀損に当たるかどうかは、司法判断が分かれる微妙なケースも少なくない。
人権委が恣意的に拡大解釈する余地を残せば、表現の自由の制約につながりかねない。
人権委は、国家行政組織法上の「3条委員会」と位置づけられている。独立性が強いため、国会によるチェックが及びにくい点を問題視する声もある。
政府は人権委を法務省の外局とする方針だ。人権委の地方組織として、全国の法務局や地方法務局の活用を想定しているからだ。
しかし、刑務所や入管施設など、同じ法務省傘下の施設で起きる入所者への人権侵害に厳しく対処できるだろうか。
児童や高齢者の虐待対策には、個別の法律が整備されている。また、現在でも法務省の人権擁護部門は、人権侵害を受けた人からの申告に基づき、毎年約2万件の任意調査を実施し、ほとんど救済措置がとられている。
まずは、現行制度の改善を重ね、人権侵害救済の実効性を高めることが大切である。
人権救済機関の設置 法案決定
9月19日 16時10分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120919/k10015129611000.html
政府は、19日の閣議で、いじめや差別などの人権侵害に対する新たな人権救済機関として「人権委員会」を設置するための法案を決定しました。
法案によりますと「人権委員会」は、いじめや差別、インターネット上でのひぼう中傷などの人権侵害について、政府からの独立性が高い新たな救済機関として設置されます。
「人権委員会」は、法務省の外局として発足し、調査権限を与えられ、調停や仲裁、勧告などを行うことができるとしています。
また、公務員が人権侵害を行った場合には、その公務員が所属する機関にも勧告し、従わなければ機関の名称などを公表するとしています。
法務省は、先の国会への法案提出を目指していましたが、「委員会の権限が強すぎて、国民の知る権利を侵す可能性がある」などとして、与野党に慎重な意見が根強く調整は難航し提出は見送られました。
このため、法案から報道の規制につながる内容を削除するなどして、民主党から了承されました。
法務省は、次の国会に法案を提出したいとしています。
人権救済法案閣議決定 慎重派の松原氏「内閣の一員として受けとめる」
2012.9.21 14:33 [野田内閣]
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120921/plc12092114340019-n1.htm
松原仁拉致問題担当相は21日の記者会見で、新たな人権侵害救済機関「人権委員会」を法務省の外局に新設する人権救済機関設置法案(人権救済法案)が閣議決定されたことについて、「自由に意見を述べられた一議員のときは慎重に議論すべき問題と発言してきたが、内閣の一員としては閣議決定されたことは受け止めていきたい」と述べた。
同法案をめぐっては、民主党の保守系議員から「人権侵害の定義が曖昧だ」などと批判が上がっていた。慎重な姿勢だった松原氏が海外出張中の19日に閣議決定された。
松原氏は「自民党政権時代から何回か出されてはつぶされてきた経緯を見て、内容にさまざまな意見があると認識している」と、ぶぜんとした表情で語った。
人権救済法案を閣議決定 解散にらみ“実績作り” 人権団体へのアピール急ぐ
2012.9.19 11:17
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120919/plc12091911190018-n1.htm
政府は19日、新たな人権侵害救済機関「人権委員会」を法務省の外局に新設する人権救済機関設置法案(人権救済法案)を閣議決定した。今秋の臨時国会への提出を目指す。ただ、同法案には「人権侵害の定義が曖昧で、拡大解釈により言論統制につながりかねない」との批判が政府・民主党内でも強く、成立の見通しは立っていない。
藤村修官房長官は閣議後の記者会見で「政府として人権擁護の問題に積極的に取り組む姿勢を示す必要がある。次期国会提出を前提に、法案の内容を確認する閣議決定だ」と述べた。
閣議決定に際し、慎重派の松原仁国家公安委員長は海外出張のため不在。野田佳彦首相側近も「慎重な閣僚がいないから(閣議決定しても)いいじゃないか」と言明するように、民主党のマニフェスト事項に加え、衆院解散・総選挙をにらみ、支持基盤である人権団体へのアピールを急いだ格好だ。
新たな機関は、差別や虐待などの解決を目的にうたっており、政府から独立した権限を持つ「三条委員会」として設置。委員長や委員は国会の同意を得て首相が任命する。市町村に置く人権擁護委員には日本国籍の有無について規定がなく、地方参政権が付与されれば外国人でも就任できる。
【主張】
人権救済法案 強引な閣議決定おかしい
2012.9.20 03:16
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120920/plc12092003160006-n1.htm
野田佳彦政権は、新たな人権侵害や言論統制を招きかねないとの批判が出ていた人権侵害救済機関「人権委員会」を法務省外局として設置する法案を閣議決定した。
今回の閣議決定は不可解な部分が少なくない。藤村修官房長官は「政府として人権擁護の問題に積極的に取り組む姿勢を示す必要がある。次期国会提出を前提に、法案内容を確認する閣議決定だ」と強調した。
だが、国会提出時には再度、閣議決定を経る必要がある。人権救済法成立に前のめりな党内グループに過度に配慮しただけではないのか。同法案に慎重な松原仁国家公安委員長の外遊中を狙った節もあり、疑念がつきまとう。
人権委員会は政府から独立した「三条委員会」で、公正取引委員会と同様の強大な権限を持つ。調査の結果、人権侵害と認められると告発や調停、仲裁などの措置が取られる。
最大の問題は、人権侵害の定義が相変わらず曖昧なことだ。「特定の者」の「人権」を「侵害する行為」で憲法違反や違法行為を対象とするというが、これでは何も定義していないに等しい。恣意(しい)的な解釈を許し、言論統制や萎縮、密告による新たな人権侵害を招きかねない。
こうした法案への疑念や危惧、抵抗感は国民は無論、与党や閣内にも根強い。にもかかわらず、いま行われている民主党代表選、自民党総裁選で、この問題が問われていないのは重大な欠落だ。
閣議決定に対し、自民党の林芳正政調会長代理は「なぜ、この時期なのか」と政府の意図に疑問を投げた。安倍晋三元首相も法案に対し「大切な言論の自由の弾圧につながる」と指摘した。石破茂前政調会長は以前、法案に反対としながらも、救済組織の必要性は認めていた。
政府・与党は先の通常国会終盤にも法案提出に意欲を示したが、批判を受けて見送ったばかりだ。国論が二分している法案を閣議決定して既成事実化するやり方は、到底適切な手続きといえない。
自民党内にも人権法案に前向きな意見もあるが、言論統制とは無縁の自由な社会を維持するために果たしてこの種の法案が必要なのか。民主、自民両党首選の立候補者は少なくともこの問題への立場を鮮明にし、国民的な議論を積み重ねてもらいたい。
人権救済法案閣議決定、選挙に向け「どさくさ紛れ」で実績作り 保守系から強い懸念
2012.9.20 00:31
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120920/plc12092000320000-n1.htm
政府が19日、「言論統制につながる」との批判が絶えない人権救済機関設置法案(人権救済法案)の閣議決定に踏み切ったのは、衆院解散・総選挙をにらみ、人権団体など民主党の支持基盤にアピールするための「実績作り」が狙いだ。民主党代表選や中国による沖縄県・尖閣諸島での挑発行為のさなかに「どさくさ紛れ」で既成事実を作ったと指摘されても仕方がない。(千葉倫之)
法案の最大の問題点は、救済対象となる人権侵害の定義が「不当な差別、虐待その他の人権を違法に侵害する行為」とあいまいで、拡大解釈の恐れがあることだ。これまで全国の弁護士会が行った人権救済勧告では、学校の生徒指導や国旗・国歌に関する指導、警察官の職務質問が「人権侵害」とされた事例もある。
新設される人権委員会が偏った思想・信条に基づく申し立てに公正な判断を下す保証もない。法案は人種や信条などを理由に「不当な差別的取り扱いを助長・誘発」する目的での文書配布なども禁じているが、これでは北朝鮮による拉致問題への抗議活動も「不当な差別」とされかねない。
ましてや、公正取引委員会などと同じ「三条委員会」として政府からの独立性と強い権限が与えられるため、「人権の擁護に関する施策」を推進する人権委員会が人権侵害の片棒を担ぐ可能性もゼロではない。
「人権委を一度設置すれば、将来、法改正することもできる。『小さく産んで大きく育てる』のが推進派の狙いだ。人権侵害の定義もあいまいで、権力による言論弾圧につながる」
人権救済機関設置問題に詳しい日本大学の百地章教授(憲法学)はこう述べ、閣議決定を強く批判した。
国会閉会中を狙った唐突な閣議決定も、与野党に波紋を広げた。
自民党総裁選候補者は19日、「言論の自由の弾圧につながる」(安倍晋三元首相)、「なぜこのタイミングなのか」(林芳正政調会長代理)などと一斉に批判を始めた。民主党からも「慎重派の松原仁国家公安委員長が外遊中の閣議決定は理解に苦しむ」(長尾敬衆院議員)との反発の声が上がったが、野田佳彦首相の周辺は「慎重な閣僚がいないから閣議決定してもいいではないか」と話した。
法案には選挙で影響力を持つ人権団体のほか、公明党も法整備に前向きだ。「解散風」が強まる中、今秋の臨時国会で成立する可能性は否定できない。
【熱血弁護士・堀内恭彦の一筆両断】
「人権救済法案」潜む危うさ
2012.9.20 13:56
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120920/fkk12092013570004-n1.htm
尖閣・竹島騒動のどさくさに紛れて、政府・民主党は、天下の悪法「人権救済機関設置法案」(人権救済法案)の成立に向けた動きを加速させている。この法案が成立してしまうと、国民の「表現の自由」「言論の自由」が大きく制限されるのであるから非常に緊迫した状況だといえよう。
この法案は、人権侵害や差別を監視するために、国家行政組織法3条に基づく「人権委員会」を作り、国民の言動を取り締まることを目的としている。
人権委員会は「人権侵害、差別を受けた」との申し出があれば、そのような言動をしたとされる者に出頭を求め、質問し、関係書類を提出させ、立ち入り調査し、人権侵害の被害を回復するように勧告できる。もし勧告に従わなければ氏名などを公表できる。つまり裁判を経ずに人権委員会から「お前は人権侵害をした!」「差別をした!」とレッテルを貼られ、世間に晒(さら)されるのである。
もっとも大きな問題は人権侵害の定義がないことだろう。法案では「人権侵害とは、不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為」と定めるのみ。これは「人権侵害とは人権侵害である」と言っているに等しく、何が人権侵害なのかまったくはっきりしない。
このように人権侵害の定義が曖昧なまま「表現の自由」を厳しく規制することは明らかに憲法違反だといえる。また、警察でも裁判所でもない組織に立ち入り調査権などの強制権や人権侵害の判断権を与えることは三権分立にも反する。
さらに人権委員会の構成メンバーである人権委員には国籍条項がない。つまり日本人でない者が人権委員になる余地を残しているのである。
しかも委員の任命に関して「委員のうちに人権の擁護を目的とする団体もしくは人権の擁護を支持する団体の構成員、または人権侵害による被害を受けたことのあるものが含まれるように努めなければならない」と定められている。
要するに特定の思想、背景、傾向を持った人々を優先的に委員に選ぶということである。そんな委員たちからなる人権委員会に中立・公正な判断など期待できるはずもない。
もし、この法案が成立したら、尖閣・竹島問題で揺れるかの国民に批判的な発言をしようものなら、それこそ「人権侵害者!」「差別者!」のレッテルを貼られることになりかねない。
こうしてみると、この人権救済法案、一体誰が何のために推進しているのか、おのずと明らかではないだろうか。「規制(法律)あるところに利権あり」。特定の団体の特定の意図を見抜かなくてはならない。
「人権」はマジックワードである。「人権」という言葉自体には何の具体性もない。問題はその中身である。私自身、民暴対策の中で「人権」「差別」をネタにした脅迫、恐喝事件に数多く対応してきた。「人権、差別は飯のタネ」とうそぶく不逞(ふてい)の輩(やから)がいることも現実である。日本人は悪しき戦後教育によって「人権」を無条件に受け入れ、礼賛してきたが、そろそろ中身を吟味する視点を持たないと取り返しのつかないことになるのではないか。
◎ 人権救済法案に関する質問主意書 by 城内 実
2012年9月20日 14:58 カテゴリ : ピックアップ, 政治
http://www.m-kiuchi.com/2012/09/20/jinkenkyuusaihouanshitsumonsyuisyo/
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