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「人権救済法案」に関する質問主意書  提出者 城内実

「人権救済法案」に関する質問主意書
http://www.m-kiuchi.com/2012/08/31/jinkenkyuusaihouannikansurushitsumonsyisyowoteisyutsu/

 右の質問主意書を提出する。


 平成二十四年八月三十一日


 提出者  城 内  実


 衆議院議長 横 路 孝 弘 殿


「人権救済法案」に関する質問主意書


 平成二十三年十二月、「人権委員会の設置等に関する検討中の法案の概要」が発表され、また、平成二十四年二月には法案の骨子が発表された。八月現在、法案がまとめられ、与党内の了承を経て国会への提出が近いとされる。

 「人権委員会設置法案」と「人権擁護委員法の改正案」の二つによって成るこの法案のうち(二法案をあわせて「人権救済法案」と呼ぶ)、人権委員会設置法案によれば、国家行政組織法第三条第二項の規定に基づき、いわゆる「三条委員会」として法務省の外局として人権委員会を設置、同委員会は人権侵害による被害の救済及び予防に関する事務について、政府から独立した形で所掌する。

 また、人権擁護委員法の改正案によれば、人権擁護委員を人権委員会の指揮監督のもとで、人権啓発、人権相談、対象事件に関する調査及び措置等の職務を行うものとする一方、法改正により身分を非常勤国家公務員とする。

 あらゆる人権問題を扱う包括的な人権救済機関を、非常に強力な権限と政府からの独立性を持つ三条委員会として設置することには、私を含め多くの国会議員、識者、国民一般から強い懸念が寄せられているところである。平成二十一年以降の歴代法務大臣は同機関について、「国民の理解を得られる」ものとする旨の見解を表明している。しかしながら、国会答弁および法務省による説明は乏しく、また説得力にも欠ける。よって、現状でこのような機関を設置することはきわめて拙速であり、また不要であると考え、以下、質問する。


一、   現在の法務省内部の人権擁護機関の取り組みによって、平成二十三年の人権侵犯事件のうち約九九.六%(二万二一六八件の新規救済手続き開始件数のうち、二万二〇七二件の処理件数)が処理されている。現在の人権擁護機関はきわめて有効に機能していると判断でき、したがって、この数字から見れば、現状の体制を変更するだけの必要性は認められないものと考える。にもかかわらず、政府から独立した人権救済機関を新設する必要がある理由について明確に示されたい。

二、   法務省のホームページに平成二十四年五月一一日掲載された『Q&A(新たな人権救済機関の設置について)」(以下、Q&A)では、新たに人権救済機関を設ける理由のひとつとして「我が国では、差別、虐待などの人権問題が起きており、公権力による人権侵害への対処も含めて実効的な救済をする必要があります」と述べている。私人間における人権侵害と公権力による人権侵害を同一の機関において取り扱うものとしているが、仮に政府から独立した人権救済機関を設置する必要があるとすれば、対象を私人間の人権侵害ではなく、刑務所等の公権力による人権侵害に限定するべきではないか。

三、   二に関連して、私人間の人権侵害事案について、個別法がすでに充実しているにもかかわらず、人権救済機関による対処が必要な理由について示されたい。

四、   人権委員会の委員の選任に関する中立性について、これまでの国会答弁や前掲『Q&A』においては国会の同意人事によって中立性は担保されるとする。しかし、任務と権限のおよぶ対象が限定されている既存の三条委員会と比べ、人権委員会は「人権侵害に関する各般の問題」という非常にあいまいかつ広範な任務をもって、全国民、全住民を調査対象とする包括的な機関であり、国会同意人事といえど担保として不十分であると考えるが如何。

五、   四に関連して、任務と手続きの対象があいまいで広範な機関が政府から独立した三条委員会として設置されるのは不適当であると考えるが如何。

六、   四に関連して、人権救済機関がその調査等職権の対象とする範囲に、皇室は含まれるか。皇室の扱いに関し、法的根拠をお示しいただきたい。

七、   四に関連し、人権救済機関の調査及び手続きについて、法案では現時点で強制調査権や調査拒否した場合の過料は設けないとするが、強制権がなく現行と同じ任意調査のみをするならば、三条委員会とするに足る根拠に欠けると考えられるが如何。

八、   人権擁護委員法の改正に際しても、その資格については現行のまま「市町村議会の議員の選挙権を有する住民」、すなわち地方参政権を持つ者とされる。外国人に地方参政権が付与されれば、外国人にも人権擁護委員に就任する資格が付与されるということでよろしいか。

九、   前述のとおり、人権擁護委員は法改正により非常勤国家公務員としての身分を与えられるものとされる。他方、八の通り、外国人が人権擁護委員に就任する場合、自動的に非常勤国家公務員の身分が付与されることになるが、公務員の選定を国民固有の権利とする憲法十五条に抵触するのではないか。そうでないとすれば、その論拠をお示しいただきたい。

十、   八に関連し、人権擁護委員法改正に伴い、その資格要件を裁判員制度と同様、「日本国籍を有する者」に限定しないのはなぜか。

十一、法案では、人権救済機関の規模について言及がない。与党民主党内においても無駄削減など行政改革の必要性が叫ばれ、また野田政権は来年度の新規国家公務員採用を四〇%削減するとの意向を示しているところであり、税収が減少し国債増発に頼る財政状況の中で、新しい行政機関を設置することに対しては、きわめて慎重であるべきである。よって、設置前に法案の段階で、予算、人員の数等について当然示しておくべきであると考えるが、これらにつき算定は進んでいるのか。もし進んでいるなら、お示しいただきたい。進んでいないなら、法案提出の段階において、算定を行っていない理由をお示しいただきたい。

十二、滝実法務大臣をはじめ、民主党の歴代法務大臣は所信等で、人権救済機関設置の検討にあたり、「国民の理解を得られるような制度の構築」を図ってきたとするが、設置に向けた法案提出に向けて「国民の理解」は得られたと認識しているか。また、得られたという認識をするなら、いかなる根拠をもってそのように認識するのかお示しいただきたい。

十三、滝実法務大臣は本年八月七日の私の質問に対し、郵便やファクス等の形で法務省に届いている人権救済機関の設置について慎重な立場からの要望書等につき、「法務省に届いているかどうかわかりません」と答弁された。法務大臣は法務省を所管する大臣であるにもかかわらず、要望書等に目を通していないのか、お示しいただきたい。また、法務省内における要望書等の扱いにつき、お示しいただきたい。


右質問する。

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