解放運動の拠点全廃方針貫く 橋下市長
【激動!橋下維新】
「歴史的に終止符打つべき」解放運動の拠点全廃方針貫く 橋下市長
2012.6.25 12:39
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120625/waf12062512430006-n1.htm
大阪市が策定中の「市政改革プラン」で、市内10カ所にある市民交流センターを平成26年度に全廃する方針を打ち出し、波紋を呼んでいる。いずれも市が同和対策事業で建設し、部落解放運動の拠点となった歴史を持つ施設。利用者や部落解放同盟大阪府連は廃止に強く反発しているが、橋下徹市長は「歴史的に終止符を打つべきだ」として方針を変えない構えだ。
国の同対事業が終了後、10年以上も市職員を派遣
廃止対象は、旧人権文化センター(解放会館)5施設▽旧青少年会館4施設▽旧地域老人福祉センター1施設-の計10施設でいずれも市が同和対策事業で建設。市は全廃の理由として、センターの利用率が全館平均で約50%にとどまっていることや、60代以上の利用が約4割を占め、多世代の交流が図られていないなどと説明。指定管理期間が終了する26年度に廃止し、年間約10億円の経費削減を見込んでいる。
市は昭和30(1955)~50(1975)年代、「同和地区」に指定された市内12地区で、同様の拠点施設を40カ所以上建設。平成13(2001)年度に国の同和対策事業が終了した後も、市職員を派遣するなどして、これらの施設を運営していた。
しかし18年に、同和行政を巡る不祥事が相次いで問題化。関淳一市長(当時)は18年度予算で68億円計上していた同和対策関連事業費を、19年度予算で半減し、施設の運営についても見直す方針を打ち出した。
平松邦夫市長(当時)も22年度から、残っていた32施設を、10施設に再編統合して市民交流センターに衣替えし、交流促進事業や貸室事業を実施していた。
元解放同盟中央執行委員で、部落解放同盟大阪府連日之出支部の初代支部長を務めた大賀正行さん(74)は「50年かけてやってきたものがすべて壊されていくようで悲しい。ただ、同和事業にあぐらをかいていたわれわれの方にも反省点はある。今の流れは止められないかもしれないが、お年寄りの居場所だけは残してほしい」と訴える。
一方、橋下市長は「いわゆる被差別部落の問題をひとつひとつ解決していこうと思えば、役割を終えたものはできる限りなくし、普通の地域にしていくのが僕の手法。これからの時代、あのような形でハードを残す必要ない。むしろ残してはいけないと思っている」と話している。
◇
【用語解説】同和対策事業
被差別部落の環境改善や差別解消を目的に「同和地区」指定された地域で行われた事業。昭和44(1969)年に同和対策事業特別措置法に基づいて開始。後継の法律によって引き継がれ、平成13(2001)年度まで33年間続いた。社会福祉施設、公営住宅などの建設、同和教育の推進、奨学金支給など内容は多岐に渡る。財政措置を伴う国策としての同和対策事業は終了したが、同和行政は継続しており、関連事業を引き続き実施している自治体もある。
解放同盟が市長に反撃宣言 拠点全廃めぐり
2012.6.25 13:22 [west政治]
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120625/waf12062513240007-n1.htm
「今日は反撃を開始する闘いのスタートの日です。市民交流センターは差別の壁を越えるための大事な大事な施設。廃止を許すわけにはいかない」
6月5日、大阪市北区の大阪市中央公会堂で開かれた開かれた決起集会で、部落解放同盟大阪府連の赤井隆史書記長はそう語気を強めた。集会には府連の全支部から高齢者を中心に約500人が出席。終了後、市役所を「人間の鎖」で取り囲むなど、利用者らは、センター廃止に激しく反発している。
パブコメ最多2938件…ほぼ「存続を」
センター廃止を決めた市政改革プラン(素案)に対するパブリックコメントでは、全ての事業で1番多い2938件の意見が寄せられた。ほとんどが存続を求める声だった。
市民センターでは現在、パソコン教室や料理教室といった市民向け講座が開催されている。住吉区で週3回、未就園児をもつ親子を対象に教室を開く柴真(ま)咲(さき)さん(31)は「約50組の親子が通っており、若い世代が高齢者と交流できる重要な場所。地域の歴史を知ってもらえる意味でも重要」と話す。
また、浪速区で「読み書き教室」を開く岡山琴恵さん(66)も「市の施策が変わる度に場所を転々としている。戦時中に学べなかった高齢者や日本語習得を求める外国人も多く、居場所を必要としている人がいることを理解してほしい」と話していた。
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