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大震災1年<5> 「重大な人権侵害」 気持ちくんだ解決策を

大震災1年<5>

「重大な人権侵害」 気持ちくんだ解決策を

2012年3月10日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20120310/CK2012031002000075.html

 「一企業のために多くの被害者が強制移住を強いられるという、重大な人権侵害が発生している」

 東京電力福島第一原発事故の被害者の損害賠償をめぐり、東電側とせめぎ合いを続ける原子力損害賠償群馬弁護団の事務局長で弁護士の関夕三郎さん(40)は語気を強める。

 県内では、福島県の被災者を中心に昨年三月のピーク時に三千七百三十人、震災から一年が近づく今月七日現在でも二千八十四人が避難生活を送る。群馬弁護士会は昨年四月から避難者を対象に無料の電話・出張相談会を開催。同年九月中旬、有志による弁護団を発足させ、避難者支援はもちろん、東電や国へ申し入れ活動を行ってきた。現在六十四人の弁護士が活動する。

 今年一月、避難先での生活費増加額を調べるアンケートを実施。県内の避難世帯の約二割に当たる百三十五世帯分を回収した。分析は終わっていないが、約三割が買い物を控えていることや、家族が離れ離れになり携帯電話料金が増える-などの傾向があったという。

 関さんは「予想したより生活費が増えていない。相当に切り詰めた生活を強いられている」とし、避難先の住宅が狭いことや将来の見込みが立たないことも背景にあるとみる。

 この調査は、全国各地の同様の弁護団や賠償を仲介する「原子力損害賠償紛争解決センター」からも注目を集める。「何人の世帯でどのくらいかかったのか定量的に示すことで、賠償の目安になるし、請求の際の武器にもなる」と関さん。

 避難者は、自宅が避難区域にあるのか、自主避難か、家族構成や育児、介護の有無など状況がみな違う。だが賠償金の受け取りを急ぐと、細やかに吟味されないまま東電側から画一的な支払い基準に基づく賠償額が提示され、個々人にとって不十分な賠償になりかねない。

 群馬弁護団を通じた請求は、県内の被害企業なども含んで約六十件と多くはない。一方、東電から個人への賠償金支払いは、一月末で全国二万一千五百三十件、約二百七十九億円に上り、賠償額を東電側に委ねる人も多数いる。

 四月になれば避難区域が再編され、移住や帰郷を迫られる。避難者の気持ちをくんだ解決策を目指す弁護団。関さんは「避難者が賠償金を受け取ったらそれで終わりとはならない活動がしたい」と静かに話し、その後の生活にも目配りしていく考えを示した。 

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