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2011年12月に作成された記事

全国人権連2011年度政府各省交渉要求書

全国人権連2011年度政府各省交渉要求書(11年12月26日付け)
テーマ 貧困と格差、不平等の解消で
     人間らしい暮らしのできる地域社会の実現を求める

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法務大臣閣議後記者会見の概要12月16日(金)

法務大臣閣議後記者会見の概要
平成23年12月16日(金)
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00234.html

 本日の閣議における当省案件としては,司法試験受験手数料令の一部を改正する政令,裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律施行令の一部を改正する政令,これは電子出願制度を廃止することに伴う改正ということで,関係する受験手数料の規定を削除するといったような中身であります。それから,民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令ということで,施行期日を平成24年4月1日とするという中身のものでございます。あといくつか当省関係の質問主意書の答弁書が閣議決定をされているということでございます。
 それから,今日の私からの発言としては,昨日,「人権委員会の設置等に関する検討中の法案の概要」を公表いたしました。法務省におきましては,新たな人権救済機関として人権委員会を設置することについて,様々な御意見や御提言を踏まえ,人権委員会の組織・権限,救済手続の在り方等について整理・検討等を続けてまいりました。その内容については,平成22年6月22日の法務省政務三役「新たな人権救済機関の設置について(中間報告)」を出し,本年8月2日の法務省政務三役で「新たな人権救済機関の設置について(基本方針)」を公表してきたところです。その後も,法務省において,引き続き検討を行ってまいりましたけれども,この度,その検討結果を,「人権委員会の設置等に関する検討中の法案の概要」という形で取りまとめて公表することといたしました。人権委員会の設置については,従来から様々な議論がありましたが,できるだけ多くの方に御理解いただき,歓迎される組織にしてまいりたいと考えています。人権委員会の設置に向けた法務省の取組につきまして,国民の皆様の御理解をいただきますよう,よろしくお願いいたします。

山口・広島の法務省所管施設視察に関する質疑について
【記者】
 昨日までの2日間,中国地方で法務省が所管する各施設を視察されていましたけれども,御感想や気付いた点がございましたらお願いします。
【大臣】
 一つは,それぞれの法務省の関係する施設,あるいは職場に参りまして,それぞれの施設,あるいは職場の中でどういうふうに職務が遂行されているかということを見るとともに,職員を激励してまいりまして,その場でも申し上げましたけれども,風通しの良い職場環境を作っていくということの大事さ,あるいは国民の目線に立った業務の実施ということの重要性,こういうことについても関係する職員の皆さんに話をしてまいりまして,前向きに受け止めていただいたのではないかと思います。
 それともう一つは,職員というよりは我々の行政に協力をしていただいている篤志面接委員の方とか,あるいは保護司の方であるとか,そういう方々にもお会いさせていただいて,現在の活動面において,いろいろな問題点があるなら是非御教示いただきたいということで,お話を伺い,意見交換もさせていただきました。今私が申し上げたような方々というのは善意によって活動していただいている方々がほとんどでありますけれども,そういう方々の中では高齢化が進んでいるとか,あるいはなかなか新しい人たちが入ってきていないといったような問題も指摘されまして,法務省としてもそういった課題にしっかりと取り組んでいかなければならないと感じたところでございます。

次期通常国会に関する質疑について
【記者】
 子ども手当や国家公務員の給与引き下げの関係で,自民,公明,民主の三党での協議が難航しているのですけれども,このままだと次期通常国会にも影響を及ぼすのではないかと言われていますが,その状況について大臣のお考えをお聞かせください。
【大臣】
 このままでいけば,確かに通常国会の審議にも影響が出てくるということだろうとは思いますけれども,一度記者会見でも申し上げたことがありますが,今の参議院でのねじれ現象というものをなんとか与野党間の知恵で克服していかないと,ひいては国民の皆さんから,国会の在り方とか,あるいは既存政党の活動とかに対して,不信感といいますか,閉塞感というものを感じられてしまって,国民から見放されてしまうのではないかということを私としては懸念しております。そういう意味で是非,与野党間,あるいは三党協議については結論が出せるような形で進めていってほしいと思っています。

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人権救済法案 危険な本質は変わらない (産経)

人権救済機関 なお懸念がぬぐえない 12月18日(日)信濃毎日新聞社
http://www.shinmai.co.jp/news/20111218/KT111217ETI090004000.html

 差別や虐待など人権侵害の解決に取り組むための「人権委員会」の概要を、法務省が発表した。

 かねて検討されていたメディア規制条項を見送ったのはいいとしても、何が人権侵害に当たるのか曖昧で、言論統制につながる心配が解消されていない。概要に沿った形の法制化には賛成できない。

 長年の課題である。旧自民党政権が2002年に法制化を試みたものの、廃案になった。

 日の目を見なかった理由の一つは、深刻化していた集団的過熱取材(メディアスクラム)の問題を背景に、メディア規制を盛り込んだことにあった。言論統制の懸念から慎重論が強まった。

 メディアスクラムについてはその後、新聞やテレビ業界で自主的な取り組みが進んでいる。規制を見送るのは当然だ。

 問題はなお残る。第一は、何が人権侵害に当たるか詰め切れていないことだ。

 法務省の発表資料によると、人権侵害とは「特定の者の人権を侵害する行為であり、司法手続きにおいても違法と評価される行為」を指す。

 委員会は人権侵害に加え「差別助長行為」も扱う。差別助長行為とは「差別的取り扱いを助長、誘発することを目的として文書を公然と摘示すること」だという。

 この規定では曖昧すぎる。拡大解釈され「報道の自由」が侵害される結果を招きかねない。

 民主党内には陸山会事件などにからみ、報道規制の動きがしばしば浮上する。人権救済の問題でも、われわれメディアとしては慎重に構えざるを得ない。

 問題の第二は委員会を法務省の外局とする考えでいることだ。

 そもそも人権救済機関が浮上したのは、警察、刑務所、入国管理局などで容疑者らの虐待が相次ぐ実態を是正するよう、国連の機関が日本政府に勧告したことがきっかけだった。救済機関を法務省に置くと身内が身内を監視する形になる。これでは国外からの目に対し説得力がない。

 委員会は法務省ではなく内閣府に置くべきだ。公正取引委員会、中央労働委員会などと同様、人事面で政府からの独立度が高く、強い権限を持つ「三条委員会」とするのがいいだろう。

 人権侵害は後を絶たない。迅速、丁寧に対応してくれる窓口の設置は急務である。弱い立場の人たちの権利を守るためにはどんな仕組みにしたらいいか、細部の詰めを急ぎたい。





【主張】
人権救済法案 危険な本質は変わらない

2011.12.19 03:18
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111219/plc11121903190002-n1.htm

 法務省が新たな人権救済機関「人権委員会」の設置を柱とする「人権救済機関設置法案」の概要を発表した。

 メディア規制条項を削り、人権侵害の調査は任意とするなど強制力を弱めたというが、過去に指摘されてきた本質的な問題は変わらず、民間の言論表現活動に公権力が介入し、言論統制を招く危険性も消えていない。法務省は方針を撤回し国会提出も断念すべきだ。

 新たな人権救済機関は自公政権下でも検討されたが、多くの問題が指摘されて不成立に終わった。しかし、民主党は先の衆院選の政権公約で「人権侵害救済機関の創設」を掲げ、今年8月、江田五月法相がその基本方針を公表した。今回の法案概要は、この方針に沿ってまとめられたものだ。

 法案の最大の問題点は、肝心の人権侵害に関する定義が曖昧なことだ。「特定の者」の「人権」を「侵害する行為」とし、憲法違反や違法行為が対象というが、これでは何も定義しないに等しい。

 全国の弁護士会の人権救済勧告では、過去に学校の生徒指導・校則指導や国旗・国歌に関する指導が「思想信条の自由を奪った」とされ、警察官の正当な職務質問が「人権侵害」として訴えられた例もある。何が人権侵害かが明確にされないまま警察活動や学校教育を萎縮させる恐れが消えない。

 さらに、法務省外局に新設される人権委員会を、国家行政組織法3条に基づく「三条委員会」と位置づけていることも問題だ。

 「三条委」は公正取引委員会や国家公安委員会と同様の強大な権限を与えられる。人権侵害の調査は任意で行われるが、「深刻な侵害事案」と判定すれば対象者を刑事告発できる権限も付与されている。人権侵害の定義が曖昧なことと併せて、恣意的に運用される重大な懸念を指摘したい。

 地方に置く人権擁護委員は「地方参政権を持つ人」としている。民主党は結党時の基本政策で定住外国人への地方参政権付与を掲げた。外国人の選任に道を開きかねないのは極めて問題である。

 法務省は法案提出をめざす以前に、これらの懸念や疑問について国民に説明すべきだ。北朝鮮の拉致問題など本来なすべき課題も多い。そもそも、既存の人権侵害の大半は現行制度の下で解決しているという。こうした法案をつくる必要性は初めからないのだ。








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新たな人権救済機関の設置動向に係わって 立法根拠そのものから国民的な検討を求める(談話)

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2011年12月16日
全国人権連事務局長 新井直樹

新たな人権救済機関の設置動向に係わって
立法根拠そのものから国民的な検討を求める(談話)

1,2003年8月末「郵政解散」にともない廃案となった人権擁護法案は、審議会答申を踏襲し次のような問題を持っていた。①政府からの独立性など国連が示す国内人権機構のあり方(パリ原則)とは異なる、②公権力や大企業による人権侵害を除外しており、もっとも必要性の高い救済ができない、③報道によるプライバシー侵害を特別救済手続きの対象としており、表現・報道の自由と国民の知る権利を奪う、④「人権」や「差別」についての明確な規定なしに、「差別的言動」を「特別救済手続」として規制の対象としたことが、国民の言論表現活動への抑圧であり憲法に抵触する、点である。
  こうした問題を含む法案の廃案運動を進め、人権審議会答申の問題を克服し国民の真の人権擁護を図るために民主団体と5団体連絡会を結成し取り組んだ。自公政権下で幾たびか法案提案に係わる策動があったが阻止してきた。

2,自公に替わり政権与党となった民主党の千葉法務大臣は、09年9月17日未明の就任記者会見で、人権救済機関を内閣府の外局に設置することを内閣提出法案で早急に実現したい旨発言、政務3役の名前による2010年6月の「中間報告」では、所管を内閣府とする他具体的な記述はなかった。

3,2011年8月2日の法務省「基本方針」は、6月8日民主党プロジェクトチーム(PT)が様々な批判をかわし法案が成立しやすいようにした「中間とりまとめ案」を踏襲している。基本的な枠組みはかつての人権擁護法案である。8月2日江田法務大臣の閣議後会見で、法案化作業を急ぐのは、国連からの度重なる「勧告」と政権交代を機にしていることをあげた。また9月2日法務大臣に就任した平岡氏は新たな人権救済機関設置を総理指示の重要案件であると表明、2012年1月からの通常国会に提案したい旨を発言。

4,民主党の「人権侵害救済機関検討プロジェクトチーム(PT)」(座長・川端達夫衆院議院運営委員長)が6月8日「人権侵害救済機関設置法案」に関する中間とりまとめ案を明らかにした。骨子は以下の通り。
 一、人権救済機関は強い権限を持つ三条委員会として設置する。
 一、同機関は内閣府ではなく法務省に設置する。
 一、人権擁護委員の国籍条項は地方参政権を有する者に限定する。
 一、調査拒否に対する過料の制裁は当面設けない。
 一、報道機関などによる人権侵害について特別の規定は設けない。
 一、5年をめどの見直し条項を設ける。

5,法務省が12月15日に示した法案概要は、8月2日の「基本方針」、12月6日付け新たな人権救済機関の設置についてのQ&Aを内容とする。人権委員会を法務省所管とするなど懸念事項に対し納得のいくものではない。

6,法務省や「解同」の狙い
①法務省は権益保持と、私人間の問題に介入し国民の言論表現活動抑圧を狙う意図がある。2002年11月7日の参議院法務委員会で、政府参考人の吉戒人権擁護局長は、「本法案は、同和地区の出身であるという社会的身分に基づくものも含めまして、人種等を理由とした社会生活における不当な差別的取扱いをこれは明確に禁止いたしております。とともに、いわゆる部落地名総鑑の頒布でありますとか、あるいは差別的取扱いを行う意思を表示する広告の配布等の不当な差別的取扱いにつながるおそれの極めて高い一定の行為を禁止するものである」と、部落解放同盟が1985年から展開している部落解放基本法にある差別禁止規定と「全く軌を一にする」との発言からも明らかである。

②部落解放同盟は組織と利権温存のため、人事掌握により、運動の生命線と位置づける「差別糾弾闘争」の合法化で国民分断・人権侵害の継続を狙っている。部落解放・人権政策確立要求中央集会基調提案(2004.02.03)では「パリ原則に基づく人権委員会創設を中心とする『人権侵害救済法」の早期制定を』で、『第4に、国や都道府県において設置される人権委員会の委員および事務局には、人権問題・差別問題に精通した人材を、それぞれの人権委員会が多様性・多元性に配慮して独自に採用すること』とし、本年に入っての要請行動でも同様の点を強調している。

7,全国人権連は、部落解放同盟の狙いを明らかにするとともに、以下の内容で法務省交渉を進めてきた。
①新たな人権侵害救済法案は国会で全会一致の可決となるようにする
②人権委員会は権力や大企業による人権侵害のみを強制救済の対象にする
③報道や表現規制を強制措置の対象からはずす
④言論や出版の領域は言論の自由を尊重する
⑤国連パリ原則にのっとった独立性と実効性が確保されるものにする
⑥国内人権機関の設置に関わる議論は、その必要性・有用性を国民公開で行い、拙速に提案すべきではない

7,いま地域社会には、超高齢社会に向かうなかで貧困と格差が極めて深刻な問題として現れている。また東日本大震災・原発問題が及ぼしている重大な人権侵害がいまも続いている。人権諸課題の解決に向けた住民の取り組みは広がっているが、行政による条件整備や住民への支援・調整が今ほど求められている時はない。政府にはこうした人権侵害に係わる救済措置を十分な予算をもって対応することが求められる。問題の多い人権機関設置を急ぐことや「差別と虐待」に人権侵害問題を限定することは許されない。

8,法務省「法案概要」に係わる疑問は依然と残り、要求も反映されていない。
① 新たな人権機関が必要なのかが不明である。人権侵犯事案で解決できない問題は司法でも解決できないのか。
② 法案で「差別」「人権侵害」「差別助長」をどう定義するのか。
③ 人権救済機関は公権力や大企業などでの人権侵害問題に対応できるのか。
④ 人権機関の所管について省は法務省としたが、私たちや多くのマスコミも内閣府の所管を求めている。基本骨格部分は5年後見直しとすべきではない。
⑤ 人権委員会の機構(中央、地方)について仕組みが不明である。
⑥ 国民間の言論や表現出版に係わる領域に「差別助長行為」などと介入せずに、国民の平等権侵害問題を救済対象とすべく列挙が必要と考える。

9,よって、新たな人権救済機関の設置に係わっては、人権施策推進審議会答申そのものもが同和対策終結以降を臨んだ事から来る重大な制約を持ち、「差別と虐待」からの救済を主としたことから、国際社会の動向や国民の願いとかけ離れたのであって、ここは原点に立ち返り、立法根拠とする、そのものから国民的な検討を行うことを求めるものである。

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たちあがれ日本代表談話 断固反対

新たな人権救済機関設置に関する法案概要への代表談話(談話)
http://www.tachiagare.jp/pressinfo.php

 わが党はかねてより、言論・表現の自由を損なう恐れがあることから、いわゆる人権侵害救済法案(仮称)の制定には反対してきた。
 にもかかわらず、本日、法務省は新たな人権救済機関(人権委員会)設置に関する法案の概要を発表した。
 法務省は、すでに様々な人権侵害事案については、現在の法体系で99%以上が解決済みになっている現状を認めながら、新たに人権救済機関(人権委員会)を設置するとしているが、行政改革に逆行して公務員を増員するような新たな組織の必要性について納得できる説明をしていない。しかも、この機関は「3条委員会」と言われる政府から独立した組織であるため、委員が強権的な運営を行っても内閣が是正する手段がない。
 また、人権委員の資格として国籍条項がなく、外国人に日本国内での取り締まり権限を付不する危険性や、「不当な差別的取扱い」の拡大解釈により、日本の国益を主張する行為も「差別助長行為」と認定されて処罰の対象となる危険性も指摘しておきたい。
 たちあがれ日本は、このような問題点が存在する人権救済機関の設置には言論・表現の自由と人権を守る立場から重ねて断固反対する。
 東日本大震災から9ヶ月が過ぎ、被災地は冬を迎えたが、復興は遅々として進んでいない。いまだに被災者たちを、厳しい状況下に放置している民主党政権に果たして「人権」を語る資格があるのか。政府はまず、東日本大震災の復興に全力を尽くすべきである。

平成二十三年十二月十五日
 たちあがれ日本
 代表 平沼赳夫

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「人権委員会の設置等に関する検討中の法案の概要」の公表 法務省

「人権委員会の設置等に関する検討中の法案の概要」の公表について
              http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken03_00062.html
平成23年12月15日
法務省人権擁護局

新しい人権救済機関(人権委員会)の設置については,本年8月2日に法務省政務三役が公表した「新たな人権救済機関の設置について(基本方針)」【PDF】に基づいて,具体的な作業を進めているところですが,現在検討中の法案の概要を以下のとおり掲載します。

・ 「人権委員会の設置等に関する検討中の法案の概要」の公表について             【PDF】

「000082630.pdf」をダウンロード


・ 人権委員会の設置等に関する検討中の法案の概要
              【PDF】

「000082631.pdf」をダウンロード







法務省が人権救済機関設置法案の概要を発表
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111215/plc11121523150017-n1.htm
2011.12.15 23:15

 法務省は15日、差別や虐待などの人権侵害の是正を図る人権救済機関「人権委員会」を法務省の外局として設置する「人権救済機関設置法案」(仮称)の概要を発表した。来年の通常国会への提出を目指す。

 野党時代に民主党が提出した人権救済法案を修正した内容で、深刻な人権侵害事案を刑事告発できる強力な権限を人権委に付与した。人権侵害や差別助長行為の定義は曖昧で、拡大解釈して運用され、憲法21条(表現の自由)を侵害する恐れがある。

 法案概要によると、人権委員会は、独立性の高い国家行政組織法3条に基づく「三条委員会」とする。

 人権委は、幅広い事案で当事者間の調停・仲裁を行い、重大な人権侵害には勧告を実施。行政機関の措置や刑事処分が必要になれば通告や告発を行う。公務員による人権侵害には、所属組織に勧告できる仕組みも盛り込んだ。軽微な事案は既存の人権擁護委員が業務を引き継ぐ。

 民主党案と違い、人権委による調査は任意とし、過料などの制裁措置を伴う権限を削除した。メディア規制条項も削除した。

 調査対象となる人権侵害は「違法と評価される行為」、差別助長行為は「不特定多数の者への不当な差別的取り扱いの助長・誘発を目的に識別可能とする情報を公然と摘(てき)示(し)すること」と位置付けた。

 人権擁護委員は「地方参政権を持つ人」としており、永住外国人に地方参政権が付与されれば外国人も就任できるようになる。



人権救済機関設置法案の骨子
2011.12.15 23:17
 ■人権救済機関設置法案(仮称)概要の骨子

 一、不当な差別、虐待その他の人権侵害、差別助長行為をしてはならない旨を規定する

 一、法務省の外局として「人権委員会」を設置。政府から独立した権限を持つ「三条委員会」とする

 一、人権侵害の調査を任意で実施。対象者が拒否した場合の罰則は設けない

 一、人権侵害が認められた場合、告発、要請などの措置ができる。公務員の場合、勧告、公表が可能

 一、人権委員会が委嘱する人権擁護委員に現行では外国人は就けない

 一、メディア規制条項は設けない





「定義」なき人権救済機関、新たな人権侵害の恐れも 
2011.12.15 23:17
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111215/trl11121523170026-n1.htm

 15日公表した「人権救済機関設置法案」について、法務省は裁判所の令状なしで調査できるとした特別調査や報道に関する規定をなくし、「今までの人権救済機関とは性格が大きく異なる組織」と強調した。だが、識者からは「批判をかわし、とにかく組織を作ろうとの意図が見え隠れし、新たな人権侵害の恐れが依然払拭できない」との指摘があがった。

 ■定義なき人権侵害

 法案の最大の問題は「人権侵害」の定義だ。強大な権限を持つ救済機関が私人間の出来事を調査して人権侵害と認定するにあたって、肝心の「何を『人権侵害』とするか」が依然として曖昧だからだ。

 法案の概要では「人権侵害」を「特定の者の、その有する人権を侵害する行為で司法手続きで違法と評価される行為」としたうえで、「憲法の人権規定に抵触する公権力などによる侵害行為のほか、私人間においては、刑法、民法その他の人権に関わる法令の規定に照らして違法とされる侵害行為」と説明した。

 法務省は「女性は…」「障害者は…」といった個人を特定できない表現では差別や人権侵害にはあたらず、原則誰を指すのかが特定できる場合のみを人権侵害にあたると説明した。

 人権救済機関の設置はこれまで何度も議論が繰り返されたが、そのたびに「人権侵害の定義が曖昧」などとして法制化が見送られてきた経緯がある。法務省も「人権侵害の例示は不可能」としており、百地章日本大学教授(憲法学)は「人権侵害とは『人権を侵害することだ』では定義していないに等しく、今までの議論から全く進んでいない。これでは公権力が恣意(しい)的に解釈する恐れは払拭できず、恐怖社会の到来が依然危惧される内容だ」と警鐘を鳴らす。

「定義」なき人権救済機関、新たな人権侵害の恐れも 
2011.12.15 23:17 
 ■不透明な権限

 人権救済機関の持つ権限にも疑問が残る。法案の概要では機関は法務省の外局として設置。人権委員の任命を国会の同意人事とし、事務局に弁護士を充てる。機関の権限には、人権侵害の申し立てに対する調査のほか、「援助」「調整」、人権侵害が認められた場合には「説示」「勧告」「通告」「告発」「要請」などが可能とあるが、それぞれの詳しい説明はない。

 調査拒否時に過料などの制裁を科すことが可能な「特別調査に関連する規定は設けない」として調査は任意調査のみに一本化したが、委員長と委員の職権行使にあたっては「独立性を保証」とした。

 韓国では2001年に設置された国家人権委が、死刑廃止を勧告したり、03年のイラク戦争で米国支持の政府の判断に真っ向から反対姿勢を示すといった事態が起きている。機関自体が政治的に偏向した場合や恣意的に暴走した場合の歯止めはない。

 公務員による人権侵害が認められた場合には「勧告」「公表」「資料提供」などの権限が定めてあり、警察活動や捜査活動、教育現場での教師の指導などに足かせとなる恐れもある。

 ■批判回避

 法案からは報道統制につながると批判が強かった「報道条項」は消えた。しかしメディアの言論が「差別助長行為」と認定されうる恐れは否定できない。

 差別助長行為について法務省は「被差別部落地などをまとめた出版などを指し、メディアの言論はあたらない」と強調したが、百地教授は「差別や人権侵害を助長・誘発する文書と認定するのはあくまで公権力で、言論規制につながる本質は変わらない。法務省は人権事案について現行の制度で99%は解決してきたとしており、あえてこのような法を作る必然性はない」と話す。




人権救済機関設置 民主の関心は低調
2011.12.15 23:17
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111215/stt11121523170010-n1.htm

 民主党は15日、国会内で法務部門会議を開き、法務省から「人権救済機関設置法案」(仮称)の説明を受けた。先の衆院選マニフェスト(政権公約)で「人権侵害救済機関の創設」を掲げただけに出席議員約15人は推進論者ばかり。法案に反対する発言はほとんどなく、報道機関の取材活動を制約する「メディア規制」条項を導入すべきだという意見まで飛び出した。

 ただ、党内の保守派には法案への反対・慎重論が根強い。自民党には安倍晋三元首相や古屋圭司衆院議員ら反対論者が少なくなく連携を模索する動きもある。

 反対派の議連「真の人権擁護を考える会」会長をかつて務めていたたちあがれ日本の平沼赳夫代表は15日、「人権救済機関の設置には言論・表現の自由と人権を守る立場から重ねて断固反対する」との談話を発表した。





人権侵害調査などは任意で 人権委設置法案、法務省が概要発表
2011/12/15 22:14
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E3E7E2E1838DE3E7E3E0E0E2E3E39180EAE2E2E2;at=DGXZZO0195166008122009000000

 法務省は15日、来年の通常国会への提出を目指している新たな人権救済機関の設置法案の概要を公表した。人権委員会を法務省の外局として設置、公正取引委員会などと同様の「三条委員会」とすることで独立性を高める。委員長や委員の任命は国会同意人事とする。

 世論への配慮から、人権侵害や差別助長行為に対する調査には強制力を持たせず、すべて相手の同意に基づく任意で行うほか、メディア規制の規定も見送った。

 概要によると、人権委員会は被害の申し立てに基づく調査のほか、人権啓発活動や政府への意見提出などを行う。

 調査の対象は人権侵害と差別助長行為の2つ。調査で人権侵害などが認められた場合には「勧告」や「要請」などの措置がとれる。事案の性質に関わらず相手との調停や仲裁も広く利用できるようにする。公務員による人権侵害は、対象機関が勧告に従わなかった場合、経緯や機関名などを公表することとした。

 人権救済法案を巡っては、自民党政権下の2002年に法案が提出されたが、調査拒否への罰則規定やメディア規定が盛り込まれたため「権限が強すぎる」との批判を招き廃案となっている。




人権侵害行為を調査・勧告 救済法案概要 報道規制せず
http://www.asahi.com/politics/update/1215/TKY201112150665.html

 法務省は15日、公権力などによる人権侵害からの救済を目的とする人権侵害救済法案(仮称)の概要を明らかにした。禁止行為を「人権侵害」と「差別助長行為」と明示。法務省外局に置く救済機関が違法行為かどうかを調べ、改善要請や勧告を出すことが柱だ。

 自公政権時代の人権擁護法案(2003年に廃案)に盛り込まれた報道機関に対する規制条項は設けない。法務省は来年の通常国会への法案提出をめざす。

 新たに設置する救済機関「人権委員会」の調査対象となる人権侵害は「特定の者の人権を侵害する行為」、差別助長行為は「不特定多数の人々の属性を容易に識別する情報を公表すること」などと定める。調査には強制力はなく、人権侵害が確認された場合は勧告や説示を行うとした。公務員が人権を侵害したと認定した場合には、本人だけでなく所属組織にも勧告を出せるとし、勧告に従わなかった場合には人権侵害の事実を公表するとしている。





公務員、勧告従わねば公表=メディア規制は外す―人権委設置法案2011年12月15日21時6分
[時事通信社]

 法務省は15日、不当な差別や虐待があった場合に調査し、勧告などを行う「人権委員会」の設置法案の概要を発表した。人権委は、独立性を確保するため法務省の外局とする。加害者が公務員で、その公務員が勧告に従わなければ内容を公表できる。また、報道機関による行き過ぎた取材活動を制限する「メディア規制条項」は盛り込まなかった。来年の通常国会への提出を目指している。

 人権救済機関の設置を盛り込んだ法案は、2002年に小泉内閣が「人権擁護法案」として提出。しかし、メディア規制に対する異論などで審議が進まず、廃案となった。 





「人権委員会」設置法案の概要、法務省が発表

 法務省は15日、不当な差別や虐待で人権侵害を受けた被害者の救済を目的とする「人権委員会」の設置に関する法案の概要を発表した。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111215-OYT1T00944.htm

 小泉内閣時代の2002年に国会に提出され、廃案となった人権擁護法案の内容を大幅に修正したもので、メディア規制条項は「報道機関等による自主的取り組みに期待する」として盛り込んでいない。来年の通常国会に法案を提出する方針だ。

 法案の概要によると、人権委員会を独自の規則制定権や人事権を持つ国家行政組織法上の「3条委員会」と位置づけ、法務省の外局として設ける。人権委員会の委員は、国会同意人事とする。同委による調査には強制力を持たせず、調査拒否に対する罰則規定も設けない。

 各地域では、引き続き人権擁護委員が調査や救済に当たるが、公務員による人権侵害の調査については、現地担当官として派遣された同委の事務局の職員が行うとしている。

(2011年12月15日19時59分  読売新聞)











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DCI日本および「第3回つくる会」 外務省との準備打ち合わせ

「関連省庁交渉のための外務省との準備打ち合わせ」報告

人権人道課長、最終所見のフォローアップを全面否定
福田雅章・世取山洋介

DCI日本および「第3回つくる会」

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衆議院法務委員会議事録第2~4号 城内委員質疑

平成23年10月25日         
衆議院法務委員会第2号

○城内委員 城内実でございます。

 本日は、平岡大臣に、人権侵害救済機関の設置の問題について、そして、時間がありましたら、司法修習生の給費制の存続の問題について質問させていただきたいと思います。

 私は、平成十七年、自民党の国会議員でありまして、その年の三月十日に自民党法務部会・人権問題等調査会合同会議に出席しました。反対の立場で私は発言をいたしました。その後、平沼赳夫先生とともに真の人権擁護を考える懇談会を創設いたしまして、その事務局長として本件に携わってまいりました。

 これまで人権救済機関設置に係るさまざまな問題について、昨年来、千葉大臣、柳田大臣、江田大臣と同じ質問を繰り返ししてまいりましたが、いまだに明確な答弁をいただいておりません。平岡大臣は人権派の弁護士でいらっしゃるわけですから、当然、きょうは明確な答弁をいただけると確信しております。

 では、大臣、私のような慎重派、反対派が、どういった立場から、あるいはどういった懸念を持って反対なのか、慎重なのか、まずお答えしていただきたいと思います。

○平岡国務大臣 いろいろあろうかとは思いますけれども、当時議論されていたところから、また今まで議論されているところまでいくと、それが我々が今提案しようとしているものと必ずしも一致するものではありませんけれども、例えば、人権委員会の委員あるいは人権擁護委員の方々に外国籍の方が入るのではないかというようなこととか、あるいは人権委員会の権限が強過ぎるのではないかとか、あるいは人権侵害というものの定義といいますか考え方自体が、これはちゃんとしたものではなくて、過大な行政権の介入になるのではないかとか、あるいは人権委員会が行う行為というものが表現の自由等に対して影響を与えるのではないかとか、そのようなさまざまな御指摘があったというふうに私としては承知しておるところでございます。

○城内委員 今大臣御指摘したとおりでありますし、さらに、人権侵害したとされる加害者の人権の保護が不十分という点もあります。先ほど平沢議員そして稲田朋美議員が、大臣が太田総理という番組で被害者よりも加害者の方に同情的な発言をされましたが、それは論外として、それにしても、人権を侵害された、私が被害者ですという人の救済措置はあるにもかかわらず、人権侵害をしたとされている者についての救済措置がないという非常に不平等な、そういう制度なんですね。

 もう一つ質問したいと思いますが、大臣、私は保守派ですが、いわゆるリベラルな日本共産党はどういう立場であるか御存じですか。わからなかったら私が答えますよ。

○平岡国務大臣 ちょっと、私自身は、具体的な共産党の主張については存じ上げておりません。

○城内委員 日本共産党は、部落解放同盟の利権の維持になる、だから反対、二つ目、法務省の外局で人権救済機関をつくるということは権限が強過ぎるので反対、三つ目、差別の定義があいまいであり、表現の自由を侵害する。日本共産党ですら反対なんですよ。

 平岡大臣は、どうしてこの人権救済機関をつくるんですか。どういう理由か、ちょっと私に納得いく説明をしていただきたい。

○平岡国務大臣 共産党さんが反対しておられるということについては御指摘のとおりかとは思います。

 人権擁護の問題について言えば、法務省にも人権擁護局というのがある、人権問題についてこれまでも取り組んできたということでございますけれども、国際的な動向からすると、こうした人権擁護局のような、ある意味では一人の政治家の指揮下にあるというような形で人権問題を考えていくのではなくて、政府から独立性の高い組織が中立的あるいは公平に人権問題について取り組んでいくべきであるというような基本的な考え方に基づいて、今の我々の行おうとしている提案というものがあるというふうに考えているところでございます。

○城内委員 しかし、今、中立、独立の機関とおっしゃいましたけれども、法務省の外局に置くわけですよね。刑務官による人権侵害の問題もありますし、また、人権委員会のメンバーは国会の同意人事ですから、もし衆参でねじれていなければ、民主党さんが国会同意人事で自分たちの都合のよい、民主党寄りの人権派の学者や弁護士さんを委員に指名することができるじゃないですか。どこが中立で独立なんですか。

○平岡国務大臣 法務省の中にというか、法務省の外局として委員会を置くということではありますけれども、これはあくまでも委員会制度で合議制の組織としてやるわけでありますから、法務大臣の指揮命令下で行うということではございません。したがって、矯正施設等において行われているような人権侵害問題について、法務省の中にあるから影響を受けるのではないかということは当たらないというふうに思います。

 それから、国会同意人事について言えば、我が国には国会同意人事の仕組みはたくさんございます。今はたまたま民主党政権ということでございますけれども、参議院では、ある意味では与野党ねじれといいますか、必ずしも与党だけで多数を占めているわけでもない、こういう状況もございます。

 そういう中で、私は、今までの国会同意人事というものが、一党一派に偏した形で同意が行われてきたというふうには思っておりません。政府が提案する人事については、与党に対しても野党に対しても、私は、できる限りの同意が得られるような、そういう人材を選んでくる努力をしてきているというふうに承知しているところでございます。

○城内委員 例えばアメリカの場合は、そういった機関に、与党と野党で三対二とか、野党からもそういったメンバーを送れるような仕組みがあるというふうに聞いておりますけれども、実際、国会同意人事だったとしても、民主党が与党であれば、与党寄りの人間が委員に選ばれる、その結果、場合によっては不当な、表現の自由が侵害されるようなケースが起きてくるんじゃないかと私は思います。

 もう一つ質問ですけれども、では、大臣、人権侵害救済機関を設置しないと救済できない人権侵害事案の具体例を挙げていただきたいんです。私、一生懸命探しているんですけれども、なかなかないんですよね。どうか具体的に挙げてください、大臣は法務大臣なんですから。

○平岡国務大臣 一つの答弁のあり方として、今、個別法による救済というものが行われているものと、そういう個別法がないものとがあるという状況があろうかというふうに思います。そういう意味では、個別法による救済制度はそれはそれとして機能させていくわけでありますけれども、そういう個別法による救済制度が整備されていない分野、例えば雇用の場面以外の差別であるとか、あるいは学校における体罰、いじめとか、そういうような問題については、こうした人権救済制度というものがあるということが望ましいというふうに思います。

 その上に立って、それをどういう仕組みで行うのかという組織論的な問題、権限の所在の問題について言えば、先ほど来から申し上げているように、委員会制度という形でやることが中立性あるいは公平性といったようなものに適しているというふうに私は思っていまして、これが一つの国際的な原則のもとになっているというふうに考えています。

○城内委員 今、大臣、学校におけるいじめの問題と。では、そういう個別法をまたつくればいいじゃないですか。実際、個別法をつくって対応するというのが一番きめ細かくていいんですよ、お金もかかりませんし。私も何度もこの場で申し上げているように、ネズミはネズミ取り、ゴキブリはネズミ取りじゃなくて、ゴキブリはごきぶりホイホイとか、そうやって個別具体的にきめ細かく対応していけばいいわけであって、そんな人権委員会というお化けみたいな、下手すると暴走しかねないそういう機関をつくる必要はあるんでしょうか。

 では、もう一つ質問させていただきたいんですけれども、国際的な要請、国際的な要請といいますけれども、大臣がつくろうとしている巨大な権限を持った人権救済機関を持っている国を先進国の中で挙げていただきたい。どこの国が持っているんですか。

○平岡国務大臣 先ほどの個別法による対応の問題でありますけれども、これは、いろいろな人権侵害については、新しい態様の人権侵害というものが出てくるわけで、その都度、個別法による対応ということであるとするならば、迅速な対応が不可能であるという問題もあろうかというふうに思います。

 さらに、個別法で対応するという形にした場合は、それぞれに個別の救済機関みたいなものをつくらなければいけないといったような課題もあろうかというふうに思います。そういう意味での行政のスリム化というような問題もあろうかというふうに思います。

 各国のものについては、ちょっと持ち合わせがないので、調べてまた御答弁申し上げます。

○城内委員 今、大臣、行政のスリム化とおっしゃいましたけれども、人権委員会をつくることが逆行しているんですよ。今まさに民主党さんは事業仕分けをしているわけですよね。

 これは、例えば公正取引委員会はいわゆる三条委員会、今、政府・民主党、与党民主党がつくろうとしている人権救済機関も三条委員会ということですが、例えば公正取引委員会は予算が年間どれだけかかるか御存じですか。答えられなきゃ私がお答えしますよ。約八十億円です。

 では、今まさに事業仕分けなどをやって無駄を排している政権与党が、人権委員会を設置した場合にかかる予算、経費、人員について、私は当然、計算して準備して制度設計していると思いますが、その具体的な数字、大まかで結構ですから教えていただきたいと思います。

○平岡国務大臣 コストについては、現在、制度設計の詳細を詰めているところなので、具体的な費用の検討までには至っていないというふうに報告を受けているところでありますけれども、今、法務省の人権擁護局で行っている人権擁護施策について言えば、人件費を除いたところで約三十億円の費用がかかっているというふうに承知しているところでございます。

○城内委員 私は、法務省の人権擁護局、人権啓発等の活動で、まさに地方の法務局や地域でボランティアで頑張っていらっしゃる人権擁護委員の草の根の活動で、関係者は本当に頑張っていると思うんですよ。ですから、むしろ、そういった人権啓発に予算を振り向けたり、あるいは人権擁護委員の方々が、無給ではありますけれども、人権問題を解決するに際してのいろいろな経費を負担するとか、それをまずやるべきであって、何か巨大な組織をつくって、それをつくったことによって一体どれだけの効果があるのか、大臣だってお答えできていないじゃないですか。それは、何か最初から結論ありきで、おかしいと思いませんか、大臣。どうですか。

○平岡国務大臣 今、巨大な組織という表現をされましたけれども、我々としては、基本的には、法務省にある既存の人員といったようなものを活用するということを考えておりますので、今回、委員会制度になったからといって、巨大な組織になるというような認識は持っていないところでございます。

 先ほど、ほかの国で人権委員会制度を持っているのはどこかという御質問がありましたけれども、イギリス、カナダ、フランスといったような国がこういう人権委員会の仕組みを持っているというふうに承知しております。

○城内委員 いや、巨大な組織ではないとおっしゃいましたけれども、現にいわゆる三条委員会でありますし、独立、中立の機関をつくるわけですから、当然やはり人的な措置が、では、法務省の中につくるんですか、そういうことも含めて、いろいろな意味でお金と人員がかかるわけですから、私はそれは、特に権限も入れれば本当に巨大な組織になるというふうに確信しております。

 そして、今、大臣、カナダとかアメリカ、フランスの例を挙げましたが、私の手元の資料には、確かにあるんですよ、例えばアメリカには、雇用機会均等委員会あるいは司法省公民権局。ただし、これはあくまでも、雇用の場で差別されない、いわゆる人種や皮膚の色、出身国、性別、宗教によって差別されない、あるいは、公共施設、住宅等において、皮膚の色や人種、宗教等で差別されない、そういう具体的な事案に対応する機関であって、今大臣がつくろうとしている、何でもかんでものみ込めるようなそういう機関を持っている国というのは、先進国では、ないんですよ。

 カナダだって、人権委員会、審判所、同じですよ。イギリスだって、例えば障害者権利委員会、障害者の差別をしてはならないということを監視する、あるいは人権平等委員会、同じく、アメリカ、カナダのように、人種、皮膚の色、出身国、宗教、国籍などによって、雇用等で差別されない。機会均等委員会というのもイギリスにありますけれども、これも雇用の機会と。

 そうやってピンポイントで委員会がつくられていて、もう何でも、それこそドメスティック・バイオレンスでも、高齢者虐待でも、刑務官の人権侵害でも、何でもかんでも対象になるなんという機関を持っている国というのは、私が調べた限り、先進国の中ではないんですよ。にもかかわらず、なぜそのような機関を日本だけがつくる必要があるんですか。明確な御答弁をいただきたいです。

○平岡国務大臣 個別法による対応の問題点というのは先ほども御説明申し上げましたけれども、さらにつけ加えて言うならば、やはり、国民にとって、見てわかりやすいといいますか窓口が一本化されている、ここに駆け込めば人権問題についてはとりあえず窓口となってくれるというところがあることの利便性というのもあるだろうというふうに思っております。

○城内委員 いや、窓口というのは、それは各市町村にもそういった人権関係の部署もありますし、人権擁護委員が全国に人権擁護委員という札を掲げて、もう身近な存在として存在しているんですよ。窓口といいますけれども、では、東京まで北海道や沖縄の人が出てくるんですか。そういう、何か詭弁を弄さないでいただきたい。

 そして、人権というと、むしろ、中国のチベットやウイグルといった少数民族、あるいは、きょうも議員会館の前で法輪功の皆さんが中国当局による虐待、拷問について訴えておられましたけれども、そういったものがまさに差し迫った喫緊の課題でありますよ。そして、北朝鮮による拉致被害者なんて、これなんか誘拐されているんですよ。これは人権侵害の最たるものですよね。こういったことにまさに国として限られた予算と人員を充てるべきではないかと思いますけれども、大臣はどう考えていらっしゃるんですか。

○平岡国務大臣 人権擁護委員の話をされましたけれども、人権擁護委員について言えば、我々の人権救済機関、人権委員会のようなものをつくるときには、この人権擁護委員の方々にもその組織の一つの重要な役割を担う方々として活動していただくということを考えていますので、既存の組織あるいは人員については十分に活用した中での窓口というようなイメージを持っていただければというふうに思います。

 それから、委員から御指摘のあった国際的なというよりはむしろそれぞれの諸国における人権侵害問題、あるいは国際的な人権侵害の問題については、我が国としても、それは国際的ないろいろな場面がございますので、そういう場面でしっかりと人権が救済されるような、人権が擁護されるような活動をしていくことは当然のことだというふうに思っておりますけれども、まずはこの人権侵害救済機関、人権擁護機関というようなものについては、国内に目を当てて、国内でしっかりと対応しようというところで今やっているということで、それと先ほど御指摘になった国際的な問題というものは、ちょっと分けて考えていただくということも必要ではないかというふうに思います。

○城内委員 いや、私は、人権侵害には日本人も中国の方も関係ないと思うんですよね。やはりこれは国籍を超えて、現に拷問を受けたり、虐待している人がいたら、それを助けてあげたりするのが人としての務めだと私は思いますから。何でそういった人たちにもっと目を向けないで、一生懸命人権侵害事案をつくり出すかのような、そういう機関をつくる必要があるのか。私は、本当に甚だ疑問でなりません。

 そこで、もう一つ質問ですけれども、例えば、私が国会議員としてこういった委員会の場で平岡大臣に、平岡大臣はもしかしたら部落解放同盟の回し者じゃないかと、回し者みたいなこういう表現、これは差別的表現と言えるんじゃないですか。これが差別的表現として、あるいは著しく不快になる人権侵害として、私のこの発言が将来人権委員会ができたときに問題とされる可能性があるのかないのか、ないとしたらその根拠はどこにあるのか、教えていただきたい。

○平岡国務大臣 個々の事案について、それが人権侵害に当たるか否かについては、やはり具体的な状況等がございますので、私がここで一概にそれが当たるとか当たらないとかというようなことを申し上げることは適当でないというふうに思います。

 ただ、一般論的に言いますと、例えば議会、委員会においての発言については、院外あるいは国会外で責任を問われることはないというようないろいろなルールがありますから、そういうようなルールに照らして今の御指摘の問題については考えていくということも必要ではないかというふうに思います。

○城内委員 いや、それはおかしいじゃないですか。国会議員と、あるいはメディア条項がないということですからメディアはよくて、一善良な市民がちょっと口が滑って、今私が申し上げたようなことを、根も葉もないうわさかもしれませんけれども発言して、それを著しく不快あるいは差別的言動である、そういうことを主張して、まさに合法的な恐喝、ゆすり、たかりをしたり、あるいは、本当に人権委員会にこの問題を取り上げてもらったりして、それが報道されたりすると、その人はもうおしまいですよね。

 だから、アメリカやカナダやイギリスですら、雇用とかあるいは住居の貸し借りとか、そういったものに限定して機関をつくっているにもかかわらず、何でもありですよ。これだったら、ちょっとしたさじかげんで、これは人権侵害、この人はそうじゃないとか、基準、定義が甚だあいまいですよ。この点についてどう思いますか。

○平岡国務大臣 個別の事案についての当てはめの問題については、先ほど言いましたように、それぞれ具体的状況が不明でありますから答えることは困難でありますけれども、基本的な考え方というふうな視点で申し上げれば、憲法の人権規定に抵触する公権力による人権侵害のほか、私人間においては、民法、刑法、その他の人権にかかわる法令の規定に照らして違法とされる行為というふうに我々としては考えているところでございます。

 したがいまして、この人権救済機関で取り扱う話としては、司法救済を補完するものとして位置づけられますことから、救済の対象は司法手続においても違法と評価される行為であることを前提としているということでございます。

○城内委員 いや、それでもやはりあいまいですから、まず、ぜひ、ちゃんとリストをつくって、具体的な事例を挙げて、それをまさに国民とともに、法務委員会のみならず、やはり国民の理解をいただいた上で進めていただきたいと私は思います。もしそれを進めれば、国民は、こんな機関は必要ない、そういう結論を必ず下すと私は思います。

 何か政務三役が密室でいろいろと法務省の官僚の皆さんと議論してやっていたみたいですけれども、これは、公正取引委員会や公害等調整委員会のように特定の企業あるいは団体を対象にしているんじゃなくて、日本に住んでいるすべての日本国民及び外国人が対象となる極めて重要な機関でありますから、なおさら、そういった定義をきちっとつくる、限定的に適用するといったことをやっていただかないと、将来、独裁的な政権が誕生した場合に、この人権救済機関を使って、こいつは人権侵害だといって政治的にその人を抹殺することが容易にできる。

 私はドイツで十年生活しておりましたけれども、ドイツはナチスの経験がありますから、闘う民主主義ということで、何でもかんでも自由に認めるんじゃなくて、やはりそういった、特に人権という問題については非常に定義をはっきりとさせてやっておりますので、そこら辺はやはりきちっとやっていただきたいと思います。

 もう時間が余りありませんので、この人権侵害救済機関については、私は質問したいことがまだたくさん残っているので、ぜひ次回は、大ざっぱでいいですから、どれだけ人員と予算がかかるのかというのをお答えしていただきたいと思います。
















平成23年12月2日         
衆議院法務委員会第3号

○城内委員 何かもう全く理解のできない答弁で、これ以上時間を消費したくないので、この問題については、また質問させていただきたいと思います。

 前回、十月二十五日の法務委員会で、私は人権救済機関について質問させていただきました。残念ながら、大臣が余りこの問題について詳しくない、大変失礼な言い方をしますと、勉強不足であるというような印象を受けました。その間、一カ月以上たっているわけですけれども、この問題については、大臣も所信で非常に重要な案件だとお認めになっているわけですから、かなり深く勉強されたと思うんですが、いま一度、前回と繰り返しになりますけれども、この問題について質問させていただきたいと思います。

 まず、大臣に質問ですが、人権救済機関を設置する必要性について、政府としての見解を質問したいと思います。所信の立場と現在もお変わりないのでしょうか。

○平岡国務大臣 変わっておりません。

○城内委員 では、大臣は記者会見で、これは九月二日の大臣就任の記者会見です。先ほど野田総理から六点の重要課題について御指示を受けたと。その中の三番目の項目として、新たな人権救済機関の設置というふうにおっしゃっておりましたけれども、野田総理からどういう指示を受けたのでしょうか。お答えできますでしょうか。

○平岡国務大臣 正確な一言一言を覚えているわけではございませんけれども、新たな人権救済機関の設置に向けて仕事をしてくれということであったというふうに思います。

○城内委員 私は、野田総理は常々、この問題については、どちらかというと慎重派であったというふうに理解しているんですけれども、本当にそういう指示が総理からあったとはにわかに信じられないんですが、具体的にはどういう形式で指示を受けたのですか。口頭ですか、それとも文書ですか。

○平岡国務大臣 これは文書に基づいて、口頭で指示もいただきました。今、ちょっと手元に、そのときのものが入りましたので、申し上げたいと思います。

 総理からは、国民の人権が保障され、安心して暮らせる社会をつくるため、新たな人権救済機関の設置に向けた具体的作業を進めるということの指示をいただいたわけであります。

○城内委員 要するに、野田総理から、そういう文書で指示を受けたということですね。

 次の質問に移りますけれども、大臣が以前、記者会見で、来年の通常国会での法案提出に向けて今作業を進めているというようなことをおっしゃっておりましたけれども、その中で、国民の理解を得られるような制度の構築を目指しというふうにも述べておられるんですが、私も国民の一人なんですが、全く理解が得られていないんですね。

 この点について、現在の進捗状況というのをお答えいただきたいんですけれども、今どういう状況なんでしょうか。

○平岡国務大臣 これは前の政務三役の体制でございましたけれども、人権救済機関についての基本方針というものが出されました。それに基づいて、今、関係する省庁あるいは関係する団体等との間でいろいろな具体的な詰めを行っているというような状況でございます。

 先ほど委員の方から法案提出の話にちょっと触れられましたけれども、そのときは、個人的には遅くとも来年の通常国会には提出したいというふうに申し上げたような記憶がございますけれども、この段階に至っておりますと、遅くともという言葉が多分もう実務的にも事実上も難しい状況になってきているのかなというふうには考えております。

○城内委員 TPPもそうなんですけれども、私も手元に法務省政務三役の基本方針がありますけれども、プロセスを全部明らかにしろとは言いませんけれども、この政務三役の基本方針の二枚紙が公開されただけで、全く、だれがどこでどのような議論をしているかというのがわからないんですね。これは、まさに先般のAPECにおけるTPP参加表明と同じように、もう最初から結論ありきで、そのプロセスについては一切知らされてない。私は、どちらかというとこの人権救済機関については常にアンテナを張って情報収集をしているんですけれども、本当に断片的なものすら入ってこないんですね。

 ですから、これは本当に、一億二千万人を超える日本に住んでいる国民あるいは外国人すべてが対象となるわけですから、こういった議論というのはむしろ積極的にオープンにして、今法務省ではこういうふうに検討しています、どうでしょうかということを、今ホームページ、インターネットの時代ですから、一般の国民の皆さんに意見を問うたらどうですか。大臣、それをおやりになりますか。

○平岡国務大臣 委員御指摘の点については、私も、できる限り、国民の皆さんにこの議論に参加していただけるようにといいますか、議論が深まっていくような努力をすべきであるというふうに思っています。

 実は、基本方針を出しましてから、いろいろな問い合わせが法務当局の方に来ているようでございまして、そういう問い合わせの中で、ちゃんとこれは、もう少し詳しく説明しなければならないんじゃないかとか、あるいは、場合によっては誤解をされている面があるかもしれないので、もうちょっときちんと説明しなければいけないんじゃないかということについては、この基本方針をしっかりと説明するようなものをつくりました。たしか来週の初めぐらいにでもそれをホームページに立ち上げて、この基本方針で考えていることが具体的にどういうことなのかということをもっと説明するものを出したいというふうに思っております。

 ぜひ、そういう作業も通じて、国民の皆さんとしっかりと対話といいますか議論を深めていきたいというふうに思っておりますし、これはいずれ法案という形で国会で御審議をしていただくということにしたいというふうに思っていますけれども、その立法作業の過程の中でも、できる限り国民の皆さんの意見が聞けるような、そういう努力はしてまいりたいというふうに思います。

○城内委員 重ねて申し上げますけれども、この問題というのは国民すべてが対象になる非常に重要な案件ですので、十分やはり議論をしていただきたいと思います。

 今、基本方針のお話をされましたけれども、ちょうど九月二日の大臣の初登庁後の記者会見で、大臣はこういうことをおっしゃっているんですね。野党の方々に理解をしていただけるような内容に、少しマイルドなものにしていくというようなことも考えなければならないと。マイルドなものにするというのは、そもそも原案が劇薬のように大変危険であるから、野党ものんでもらうためにマイルドにしたというふうにしかとれないんですね。

 私、基本方針を持っておりまして、見たところ、七の特別調査については、本来ならば調査拒否に対する過料等の制裁を想定されていたんでしょうけれども、当面置かないこととする、改めて検討すると。八の救済措置についても、訴訟参加及び差しとめ請求訴訟の提起については当面導入をしないということで、マイルドなものにしたと。一番問題なのは九の「その他」で、「制度発足後五年の実績を踏まえて、必要な見直しをすることとする。」と。

 これはもう要するに、子供だましじゃないですけれども、マイルドなものにして野党にも賛成させて、何か民主党のPTでも発言があったらしいですが、小さく産んで大きく育てると。最初はマイルドなようなものに見せておきながら後で劇薬にするということじゃないかと思うんですが、この点について、大臣、どのようにお考えですか。

○平岡国務大臣 委員が、もともとのものは劇薬でなかったのか、そういう御発言でございますけれども、実はまだ民主党政権になって具体的なものを発表したことはございません。あくまでも、この基本方針の中でいろいろるる語っているのは、平成十三年の人権擁護推進審議会の答申で出されたものを踏まえて、当時の政府から法案が提出されています。その法案の中に、ここに書いてあるような、今議員が御指摘になったようなことがるる書いてあるわけですね。そういうことについての議論もいろいろあったという理解のもとに、先回の、前の政権が出された法案で検討されていたこういうものについては、今回我々の法案の中ではこういうふうにしていこうよというふうにしたということであります。

 それともう一つ、九番目の、見直しなんですけれども、これは、小さく産んで大きく育てるという人もいるかもしれません。でも、そうじゃなくて、こういう仕組みをつくるときには、通常、何年間かたってしっかり見直しをするというのは従来からよく行われている話でございますし、こういう委員会制度をつくった前例となるものにもこうした見直し規定というものが入っているということなので、我々としても、やはり改めるべきは改めるという姿勢は常に持ちながら、こうした重要な法案について取り組んでいきたいということをお示しさせていただいたというふうに思います。

○城内委員 私は、とりあえずつくって見直しというんじゃなくて、そもそもこういう機関は必要ないんじゃないかということを極めてこれまで論理的に述べてきたつもりであるんですけれども、やはり最初から設置前提ありきで、小さく産んで大きく育てるということを大臣はまさにおっしゃったわけですけれども、違いますか。(平岡国務大臣「いやいや、そういう人もいるかもしれませんと言っただけです」と呼ぶ)

 まあ、もう時間が余りないので、次の質問に移らせていただきます。

 まず、人権救済機関を設置しないと救済できない人権侵害事案の具体例について、大臣は前回、十月二十五日の質問で、雇用の場面以外での差別とおっしゃいました。その一例として、大臣は、学校における体罰、いじめ、これはまさに私としても看過できない大きな人権侵害事案だと思いますけれども、これこそ、個別法をつくったり、あるいは教育の現場でしっかりと指導をするとか、そういう対応が私はより現実的だと思いますけれども、大臣はどのように考えていらっしゃいますか。

○平岡国務大臣 この前も、個別法による対応ということを委員の方からもいろいろと御指摘がございました。

 我々としては、個別法による救済制度が重要であるということは当然だとは思いますけれども、個別法による救済制度の整備されていない分野というのは、先ほどの御指摘があったような点については整備されていないということでございますけれども、これからどのような人権問題が発生してくるのかというのは、時代の推移によってもいろいろ変わってくるという点もあると思いますし、あるいは、この問題についてはどこに言ったらいいんだろうかというような点について、国民の皆さんにとって幅広い窓口となっている、利用のしやすさというような問題もあろうかというふうに思います。

 さらに言えば、例えば、個別問題でつくれば、それによって、またそれに対応する組織というものをつくっていかなければいけないといったような問題もあろうかというふうにも思います。そのこと自体は、行政のスリム化というような点からも問題があるというふうにも思います。

 そういうことを考えますと、やはり我々が今提案させていただこうとしている人権救済機関というのは存在意義があるというふうに考えているところでございます。

 なお、この点については、先ほど私が申し上げました人権擁護推進審議会、平成十三年の五月に答申をいただいておりますけれども、その場においても同じような考え方で指摘がされているところでございます。

○城内委員 今まさに、大臣、個別法をつくっていけばまた新たな組織をとおっしゃって、行政のスリム化が重要だと。私は、まさに、人権侵害救済機関をつくることが行政のスリム化に逆行するということをこれまで何度も指摘させていただいたんです。別に、個別法をつくっても、人権擁護局という立派な組織があるわけですから、そこで新たな組織をつくらずにきちっと対応できると私は思いますので、その点は、大臣がおっしゃっていることは全く理解に苦しみます。

 ですから、機関を設置しないと救済できない人権侵害というのは何かあるんですかね。そういうニーズがあればいいですけれども、これから将来そういうものが出てくるという非常に不確実な状況において、とりあえずつくっておこう、そして大きく育てていこうと、何かこれこそまさに行政のスリム化に逆行すると思います。

 では、いじめ以外に具体的に何かあるんですかね、そういう機関を設置しないと救済できないと大臣がおっしゃる人権侵害事案があるんでしょうか。あったら教えていただきたい。

○平岡国務大臣 個別法により救済制度が整備されていない分野としては、先ほど、雇用の場面以外の差別ということの例の一つとして、学校における体罰、いじめというふうに言われましたけれども、実は、学校における体罰、いじめという範疇も当然含まれる場面がありますけれども、雇用の場面以外の差別というものとして、例えば女性に対するもの、高齢者に対するもの、障害者に対するもの、同和関係者に対するもの、外国人に対するものといったようなもので、かつての人権侵犯事件として取り上げたものもございます。それから、名誉毀損、プライバシー侵害ということで、これまで人権侵犯事案として取り上げてきたものがあるということでございます。

○城内委員 今の御説明を聞いて、やはり人権侵害救済機関というのは設置する必要がないんじゃないかというふうにしか一般の国民は理解できないと思うんですね。

 差し迫った、次から次へと新たな形態の人権侵害というものが続出しているという現状があればまだしも、私の承知している限りでは、年に二万件ある人権侵犯事案のうち、ほとんど、九九%以上が適切に処理されて、それはやはり、全国に散らばっていらっしゃる人権擁護委員の方々が適切に対応しているし、また人権擁護局も人権啓発に努力しているから、こういう、国際標準でいえば非常にいい成績がある、状況であると私は思っています。

 本当に救済できない人権侵害というのは事実上ないと私は思うんですが、ちょっと質問の切り口を変えます。

 先般、外国における人権救済機関の点について、大臣は、よくわからないということで、事務方から何か紙をもらって読んでいましたけれども、その後、相当勉強されたと思います。例えば、米国やスウェーデンの人権救済機関というのは、人権侵害の被害者のタイプに応じてきちんと整理してやっていて、日本の、まさに大臣が目指している、何でもありの化け物のような人権侵害救済機関というのはほとんどないというふうに私は理解しているんですけれども、大臣、どうでしょうか。

○平岡国務大臣 その点についても、いろいろ調査もさせていただきました。

 委員が御指摘の、何でもありの化け物というのはないというお話なんですけれども、実は、人権委員会等については、どういう権限のもとにどういう分野を扱うのかという点がまさに重要でありまして、委員が御指摘になっているものについては、分野を限定して書いてあるような部分については、権限がかなり強い部分についてそういうふうに書いてあるというような状況になっておりました。

 手元に私が持っているものの中で、国連人権高等弁務官事務所、OHCHRが平成二十一年に調査結果を出したものを見ますと、これは、百カ国を超える国内人権機構にアンケートをし、六十一機関から回答を得たというものでございまして、それについては、その八五%、四十七機関が、個人からの申し立てを取り扱う権限というのはすべての個人の権利をカバーしているというふうに回答をしているというものがございます。

 諸外国の機関が取り扱う人権侵害の範囲を法律上限定しているような形で書いているのは、法律に明記された権限が限定されていることを意味するにすぎませんで、法律に列挙された人権侵害以外の人権侵害についても、行政指導等の任意的な手法により、個人からの申し立てに対応している機関が存在しているというふうに考えているところでございます。

○城内委員 であれば、大臣、諸外国でそういう機関がある、だから日本もそういう機関を設置する必要があるとおっしゃっているんですか。

○平岡国務大臣 これは諸外国の例を参考にして議論をしているということでありまして、諸外国がそうだから日本もこれがということじゃなくて、やはり日本においても、これまで、人権問題については法務省の人権擁護局というのが、まさに法務大臣の指揮下のもとに取り扱ってきたわけでございます。

 パリ原則によりましても、そういう人権を担当する組織というのは政府からできる限り独立した存在でやはり取り扱うべきである、こういう考え方があるわけでありまして、我々は、今まで人権擁護局でやってきた、これは六十年以上にわたる歴史を持ってやってきた、このことを、法務大臣がその権限のもとに行うというよりは、むしろ政府から独立した第三者機関という立場に立った人たちが中立公正な立場で物事を進めていくということをまず第一に考えたい。

 権限について言えば、本当にありていに言えば、今まで人権擁護局がやってきたものについて言えば、法律的には設置法の根拠しかないような状況になっているわけですね。そういうものもしっかりと法律的な位置づけを明確にして、しかしながら、基本方針にも書いてありますように、強制的な権限を持ってやるとか、あるいは強制的な措置を講じるとかというような部分は、できるだけ今までやってきたことと並びの形で整理をしていきたい、こういうふうに考えているということでございます。

○城内委員 大臣は今、政府から独立したとおっしゃいますけれども、まさに法務省の外局ですよね。そして、いわゆる三条委員会という相当強い権限をもって、日本に住んでいるあらゆる人たちを対象にするわけですね。これは本当に、暴走をして、非常に危険な機関になる可能性があると私は思います。

 また、独立したとおっしゃいましたけれども、法務省の職員の方とかを配置がえして、あるいは先ほど窓口という話をされましたけれども、一本化された窓口が必要であると。そういう窓口というのであれば、地方の法務局が当然その窓口になると思いますけれども、別に抽せんで例えば人権委員会の委員を選ぶわけじゃなくて、国会の同意人事ですよね。そうしたら、当然、場合によっては与党の御用学者みたいな方が選ばれる可能性だってあるわけですから。

 私からすると、本当に政府から独立した機関をつくるのであれば、まさに裁判員のように、一般国民から募集するようなことであればまだしも、全然独立でも何でもなくて、法務省の影響が非常に強い、一見独立しているようだけれども独立していない、極めて強い権限を持っている三条委員会の機関にしか見えないんですけれども。反論していただけますか、私の今述べたことに対して。

○平岡国務大臣 委員の御指摘も、いろいろな角度から見た場合にはあるのかもしれませんけれども、例えば、今の日本にある三条委員会の委員の構成というものが、本当に特定の政党の、あるいは特定の政治勢力の強い影響下のもとに選ばれた人がそういう方針に基づいてやっているのかといえば、私は決してそんなことはないだろうというふうに思います。そこは、今までの三条委員会の委員の選任についての長年の蓄積の中で、やはりこういう組織にはこういう人がふさわしいんだという多くの方々の賛同が得られた方がついておられるということで御理解いただきたいというふうに私は思います。

 それから、三条委員会という強い権限を与えてというふうに言われましたけれども、三条委員会がどういう権限を持つのかという点について言えば、これはまた法律で具体的に規定をしていくわけですね。その中で、こういう組織の三条委員会にこういう強い権限を与えるのはおかしいじゃないかということであるならば、その権限はまた法律で弱めていくとか、あるいは与えないでいくとかいうこともそれは当然あるわけでありまして、基本方針の中に示させていただいている三条委員会が持っている権限というのは、私は、そんなに強い権限を与えてはいない。調査をするのに罰則で担保してやるとか、あるいは強制的な措置をさせるとかというようなことについては、それは中には含めさせていただいていないということでございます。

 さらに、こういう点について問題だということがあれば、それはまたしっかりと議論をさせていただきたいというふうに思います。

○城内委員 今そういうことをおっしゃいましたけれども、三条委員会でやること自体がやはり権限が強いんですよね。今、大臣が、特別調査とか救済措置については当面やらないと。だから大丈夫だということにはならなくて、これは悪意を持って、将来、まさに特高警察じゃないですけれども、こういう機関を使ってレッテルを張って、おまえは人権侵害をやった者だというのを恣意的にレッテル張りをして、政治生命を奪うようなことだってあるわけですよ。そういう可能性はあるわけですよ。

 私はドイツにおりましたけれども、ナチスの経験があるから、こういう危険な機関をつくるときには、非常に、例えば人権の定義を本当にしっかりして、利用されないようにするということをやはり歴史から学んでいるわけですから、本当にその点をよく検討していただきたいと思います。

 まだまだ質問したいことはたくさんありますけれども、もう時間がないのでこれで終わりますけれども、また次の機会に、この人権侵害救済機関について質問させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。















第4号 平成23年12月6日(火曜日)
衆議院法務委員会議事録


○城内委員 次に、人権救済機関の設置の問題について、十二月二日にちょっと時間が足りなかったので、残された課題について質問させていただきたいと思います。

 会期は九日までということのようですが、このまま閉会となればきょうが最後の質疑の機会となります。次は来年の通常国会での議論となりますが、二日の法務委員会で大臣は、法案提出の時期について、「個人的には遅くとも来年の通常国会には提出したい」中略「この段階に至っておりますと、遅くともという言葉が多分もう実務的にも事実上も難しい状況になってきているのかな」と、何か非常にあいまいにおっしゃられました。いつ法案提出となるかという質問は、私自身も、恐らく法務省にも数多く来ていると思うんですね。国民の関心が非常に高い問題です。いつなのか。

 そこで確認ですけれども、遅くともという言葉が難しいということはどういうことなんですか。断念しているわけじゃないんですが、もう少し議論を深めて、もっともっと、一年、二年後にするということなんでしょうか。あるいは、早ければやはり来年の通常国会に提出したいということなんでしょうか。はっきりとお答えいただきたいと思います。

○平岡国務大臣 私がこの前ここで答弁させていただいたことは、実は、たしか九月の十二日だったと思いますけれども私がインタビューに答えて言ったときに、遅くとも来年の通常国会にはということを個人的には思っていますということで、そのときには、臨時国会も念頭に置いて、早ければ臨時国会、遅くとも来年の通常国会ということでございました。早ければ臨時国会というのはもう選択肢としてなくなったということなので、先ほどの遅くともという言葉がもう使えなくなったということをこの委員会で答弁申し上げたということでございます。

 逆に言えば、そういう状況になったということであれば、個人的には早ければ来年の通常国会にもというふうには思いますけれども、ただ、今の作業状況等を考えますと、今法務大臣として確定的にこのときまでにということが言えるような状況ではないということも承知しているところでございます。

○城内委員 早ければ来年の通常国会ということですが、やはりこの問題は国民全員あるいは日本に居住している外国人全員にかかわる非常に大きな問題ですから、しっかりと時間をかけて、拙速を避けていただきたいと思います。

 次の質問に移りますが、改めて、人権救済機関を設置したらお金がどれだけかかるのかと私は何度も何度も質問しているんですけれども、大ざっぱな数字すら出てこないんですね。

 大臣は、十月二十五日の法務委員会で私の質問に対して、人権擁護局の人権擁護施策について年間約三十億円の費用がかかると。これは、人件費を除いて、要するに給与を除いて多分人権啓発等にこれだけかかっているということですが、実際幾らかかるのかというのは、やはり費用対効果もあります。私は、よもや、これは法務省のOBの天下り先として、法務省のOBの人権ならぬ人件費を捻出して救済する機関、国民の人権救済機関じゃなくて法務省のOBの方々の人件費捻出救済機関になるんじゃないかなと。非常に皮肉を込めて言っているんですけれどもね。

 まず、人件費も含めて、どれだけの組織をつくって幾らお金がかかるのかというのを、これは三条委員会なんですから、強力な権限を持っている機関ですから、何か人権擁護局の隅っこに机を一つ並べてという話じゃないわけですから、それをはっきりと出していただきたい。

 そして、本当にそんなどでかい組織をつくって、人をいっぱい、そして給与を手当てして、でも年間一、二件しか相談に来ないなんということになったら、これは公務員のまさに人件費捻出救済機関みたいになってしまいますから、私はこれは冗談で言っているんじゃなくて、まずこういうことにもっと真剣に皆さんの方で理論武装してくださいよ。そういう説明が全くないから、こんなのは必要じゃないという声がインターネットを初め国民の中から出てきているんですよ。

 大臣、どうですか。

○平岡国務大臣 どれだけの費用がかかるのかということについて言えば、今現在、新しい組織をつくる場合の組織権限の詳細とか、あるいは救済手続のあり方とか、引き続き検討を要する事項が少なくないので、今検討を進めているという状況のもとでございます。予算や人員に関しては、関係省庁との協議が必要であることから、確定的なことは申し上げられないということは御理解いただけるんだろうというふうに思います。

 確定的なことは申し上げられないということを前提でお答えいたしますれば、この前、八月に法務省政務三役で基本方針というものを示させていただきました。それを大まかに、ある程度こんなことになるんではなかろうかということを想定しながら申し上げるわけでありますけれども、現在の法務省の人権擁護局の所掌事務をすべて新たな人権救済機関が所掌することになれば、新たな機関の設置に伴って人権擁護局は廃止されることになるであろう。そして、人権救済機関の地方組織については、基本方針において、全国の法務局、地方法務局及びその支局の組織の活用、充実を図ることとしている、その方針に沿って今検討を進めている。さらに、基本方針では、全国の人権擁護委員についても、現在の委員及びその組織体を活用し、活動の一層の活性化を図るものとしているということでございます。

 そういうことで考えますれば、新たな人権救済機関の予算や人員については、既存の組織を改廃、活用する方向での検討状況を踏まえて、これから引き続き検討していくことになるわけでありますけれども、せんだって私が申し上げましたように、平成二十三年度の法務省の人権関係の予算は、人件費を除いて約三十三億円ということであり、人権担当職員の定員が二百六十二名ということでございますので、これに人件費一人当たりどのぐらいかというのを掛ければ、二十億円程度ぐらいなのかなというふうにも思います。合わせれば五十三億円、これが平成二十三年度でありますけれども、今私がるる申し上げたような仕組み、あるいは人員というものを考えていきますれば、この数字と大きく変わるようなことは余りないであろう。

 先ほど、委員が法務省のOBの人件費捻出救済機関ではないかというふうに言われましたけれども、OBというふうに言われた趣旨がよくわかりませんけれども、特にOBをこの組織のために新たにどんどん取り込んで、そこに人件費を払っていこうという発想は、今の検討の中では特に私としては聞いていないところでございます。

 なお、先ほど九月十二日のインタビューと言ったのは、九月十三日の間違いでございますので、訂正させていただきます。

○城内委員 ですから、今大臣まさにおっしゃったのは、既存の組織を使って、それで人権擁護局を廃止してというようなお話がありましたけれども、やはり人が足りなければ、例えばOBの活用も含めていろいろと、では、裁判員みたいに人権救済機関の職員を急に抽せんで選ぶんですか、そうじゃないと思いますよ。やはり法務省のOBとかそういった方々も含めて、これははっきり言うと焼け太り作戦のような感じですから、そういうことを実際やるのかどうかということをちゃんと国民に提示していただいてやっていただかないと、私は国民の理解は得られないというふうに思っております。

 そしてまた、既存の組織を使うというのであれば、どこが政府から独立した機関なのか。形だけ、形式的に独立しているように見えても、実際は、人権擁護局はそのまま廃止になって、新たな巨大な人権救済機関という組織ができて、人員がふえて予算もふえているということを多分目指しているんじゃないかなと私は推測をしますけれども、そうしたとしても、やはりきちんと、どういった組織をどの程度つくるのかという、財務省に要求する概略ぐらいは示していただきたいなと思います。

 ほかにもまだ聞きたいことはたくさんありますけれども、きょうはこれで私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

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どのような行為が人権侵害か   和歌山県知事議会答弁

人権救済機関:知事、設置の必要性認める /和歌山

http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20111213ddlk30010485000c.html

 仁坂吉伸知事は12日の県議会で、国の人権救済機関設置について「人権に対する番人は、国の中で強力な行政機関としてあった方がいい」と述べた。県人権政策課によると、仁坂知事が同機関の必要性を公で発言したのは初めて。

 同機関設置については政府が次期通常国会で法案提出を目指している。仁坂知事は吉井和視議員(自民)の一般質問に対し「(機関は)政府がやるべきだ。政府ができないから第三者機関に、行政委員会にというのは、政策に対する重みが分かっていないのではないか」と答弁した。

 法相が8月に発表した人権救済機関の創設に向けた基本方針については「どのような行為が人権侵害か、具体的にどう対応していきたいと国が思っているのか明らかになっていない。人権侵害の定義などを示してから国民的議論に及んでいくべき」と述べた。

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国内人権機関設置に関するNGO諸団体との意見交換会の開催

日本弁護士連合会
国内人権機関実現委員会  

国内人権機関設置に関するNGO諸団体との意見交換会の開催について

準備会
2011年12月20日

意見交換会
2012年  1月24日

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法務省提出法案の国会審議に関する質疑について 12月9日

法務大臣閣議後記者会見の概要

平成23年12月9日(金)

http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00231.html

法務省提出法案の国会審議に関する質疑について

【記者】
 今日で臨時国会が閉会されるわけですけれども,法務省提出の閣法二本はほぼ通らないと思うのですが,今国会を振り返って大臣の受け止めをお願います。
【大臣】
  法務省から二つの法案を出させていただいて,いずれも成立に至らなかったということで大変残念に思っています。一つは司法修習生の修習資金の貸与制か給費制かという問題でしたけれど,これは,昨年11月に衆議院の法務委員会で今年10月末までに措置を講じなさいと自ら言っていた話であって,私たちは若干国会の開催の時間的なものでずれ込みましたけれども,その法務委員会の決議に基づいて提案をさせていただいていたので,そこは法務委員会で自ら定められた政府に対する指示というものについては尊重していただいて,しっかりと対応していただきたかったなと,その辺が少し残念だったなと思います。もう一つの刑の一部執行猶予の導入に関してですけれども,これは参議院先議で行いまして,参議院では全会一致で可決されたわけですね。そういうものが衆議院の段階で審議入りにも至らなかったということは,やはり私にとってみても大変残念であったと思います。いずれにしても,次期通常国会においては,今回継続審議になるであろうこの二つの法案,それからこれまでに継続審議となっているいくつかの法案,それに加えて大変大事な法案というものもいくつか提出させていただくことになるだろうと思いますけれども,充実した審議が,国民のために本当に必要なのか必要でないのか,あるいは国民のためにどのような中身があるべきなのかということをしっかりと議論をしていただけるようなそういう運営になってほしいと思いますし,法務省としてもそういうことが国会でできるように,できる限り適切に対応してきたいと思っています。

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全国人権連 隣保館「実態調査」に反対

11年12月7日 水曜日
全国人権連
全隣協などによる「今後隣保館が取り組むべき地域福祉課題を明らかにする実態調査」に係わって反対の立場を明らかにします。
http://zjr.sakura.ne.jp/?p=731

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部落解放同盟全国研究集会での組坂委員長の講演

平成23年11月9日から11日まで開催された部落解放研究第45回全国集会(部落解放同盟中央本部などの実行委主催)での組坂­繁之委員長の人権侵害救済法案についての講演

http://genyosya.blog16.fc2.com/blog-entry-2075.html

内容は、
法務省批判もあり、法務省トップは検察庁だから駄目だとかそんな発言もありました。

懸念される人権侵害救済法案については、

「小さく産んで大きく育てる」とか
「臨時国会で仕込みをやる」

「人権庁をつくる。5年後に内閣府へ移行させる」

など彼らの戦略をあけすけに語っています。

「自民党のタカ派、安倍晋三さんは話をしても意味がない」
(いうことをきかないから)とか
「民主党は法案を出しているのだから党議拘束をかけるべき」
と、民主党内の反対派をけん制する発言をしています。




http://www.google.co.jp/部落解放同盟全国研究集会での組坂委員長の講演

「小さく産んで大きく育てる」という。

「地方人権委員会」の人数を減らしてほしいと内々に話が来ているといい、法務省や民主党政府はやる気満々です。

内閣府は金がないから「無い閣府」とかくだらんダジャレをいっています。通したら人権庁、人権対策局を作ろうといっています。

それは旧民社党出身の中野寛成議員の案だそうです。

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法務省 Q&A(新たな人権救済機関の設置について)

法務省 Q&A(新たな人権救済機関の設置について)
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken03_00041.html

平成23年12月6日

平成23年8月2日に法務省政務三役が公表した「新たな人権救済機関の設置について(基本方針)」に関して,ご意見やお問い合わせが数多く寄せられました。そこで,幾つかの点について,一問一答の形でご説明をさせていただくこととしました。

「000082072.pdf」をダウンロード


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事業シート(概要説明書) - 埼玉県深谷市ホームページ

事業シート(概要説明書) - 深谷市ホームページ

www.city.fukaya.saitama.jp/zaisei/pdf/jigyosiwake/2_03.pdf

「2_03.pdf」をダウンロード



人権教育及び人権啓発の推進に関する法律. 深谷市運動団体 ... 同和問題をはじめとするさまざまな人権問題の解消をめざす運動団体が行う事業の経費. 予算事業名. 昭和44年度. 差別意識の解消に取り組んでいる運動団体の事業経費に対して補助金を交付することにより、. 同和問題を .... じめとした様々な人権問題の解決に向けた施策の展開を図り、人権尊重社会を実現するための民間. 運動団体( ... 【運動団体への対応方針等】 ...

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埼玉県本庄市が同和行政終了方針を発表

埼玉県本庄市が同和行政終了方針を発表

2011年12月4日

http://www.e-jinken.com/cat82/post_44.html


 昨年12月の神川町に続いて、本庄市が運動団体との対応と「同和行政基本方針」等を11月29日をもって終了することを発表しました。
 11月28日付で本庄市長から埼玉人権連会長宛に送られて来た「貴会への対応について(通知)」の文書「同和問題に関する民間運動団体への対応について」の中で「あらゆる運動団体との関係を終了し、対応及び人権行政を次の通り変更いたします」として同和行政終了方針が示されています。

 同文書は11月29日の本庄市議会全員協議会でも配布され、吉田市長から同和行政終了方針が発表されました。

 本庄市は同文書で、運動団体が行なう話し合い、研修会、総会等一切の事業への対応と、「今後の同和行政基本方針」「同和教育基本方針」「人権・同和行政実施計画」を11月29日をもって廃止するとし、集会所事業、隣保館事業、人権保育を今年度をもって廃止、今後は人権教育・啓発法に基づいて、同和問題も人権問題の中の一つとして教育・啓発を中心に取り組みを進める、としています。(詳細は『人権のひろば』12月号に) 



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衆議院法務委員会ニュース

衆議院法務委員会ニュース
平成23.12.2 第179 回国会第3号

http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_rchome.htm

12 月2 日(金)、第3回の委員会が開かれました。

城内実君(国守)
・新たな人権救済機関の設置についての検討の進捗状況に
ついて、法務大臣に伺いたい。
・新たな人権救済機関は、当初は野党が受け入れやすい形
で設置し、その後権限を強化していくことを考えている
のではないか、法務大臣に伺いたい。
・新たな人権救済機関の委員の人事は国会同意人事である
ので、時の政権・政府からの独立性は弱く、それなのに、
強力な権限を持った国家行政組織法の3条委員会になる
のではないか、法務大臣の所見を伺いたい。

時間は、11:00~11:30の30分間である。「衆議院TV」
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php

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韓国で初の産業災害認定

求職者70%が採用過程で差別を感じる
2011/11/28(Mon) 12:26

http://contents.innolife.net/news/list.php?ac_id=2&ai_id=141522

国家人権委員会がソウル市内の求職者545人を対象に実態調査を行った結果、回答者の70.4%が採用過程で差別を感じたと答えた。差別を感じた時点は面接が25.3%で最も多く、書類選考23.5%、求職情報検索段階11.4%、入社願書作成段階が7.7%等で後に続いた。差別を感じた理由には、支援条件を制限する場合が多いという回答が34%で最も多く、差別を受けたと感じた項目は年齢、学歴、身体条件、社会的身分の順だった。人権委はまた千人以上の大部分の企業で、特定学校や学歴で書類選考を通過させたり、学校を等級化して加算点を与えると明らかにした。




セクハラ:医学的被害が立証できれば労災認定
韓国で初の産業災害認定

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/26//2011112600447.html

 セクハラで精神疾患にかかった女性労働者が、韓国で初めて、産業災害(労働災害に相当)認定を受けた。

 勤労福祉公団の関係者は25日、現代自動車牙山工場の下請企業で働いていた非正規職の女性従業員パクさん(46)が「職場内でのセクハラにより、精神疾患にかかっている」として提出した産業災害認定申請を、公団が受け入れたことを明らかにした。

 パクさんは、現代自牙山工場で品質検査要員として14年間働いたが、2009年4月から、会社の幹部2人からセクハラを受けるようになった。このため昨年9月、国家人権委員会に陳情を行い、人権委はこの2人に対し、それぞれ300万ウォン(現在のレートで約20万円、以下同じ)と600万ウォン(約40万円)の損害賠償金を支払うよう勧告した。パクさんは「俺○○大好き」という文字メッセージを送りつけられ、深夜に「俺の個人的な考えなんだが。そっちに行くと眠れるだろうから、そうしようと思う」などという電話がかかってきた、という陳情書を人権委に提出した。

 パクさんが産業災害認定申請に当たって添付した医師の診断書には「職場でセクハラを受け続け、激しいストレスにさらされた結果、何度もセクハラの場面を思い出しておびえやすくなり、不眠・うつ・不安の症状を訴えている。心理的安定のための治療が必要」という内容が含まれていた。産業災害認定により、パクさんは今後、治療費の一部や再就職のための各種支援を受けられるようになる。

 今回の決定で、職場でのセクハラ被害者による産業災害認定申請が相次ぐという見方が出ている。しかし、職場でのセクハラを産業災害と認めてもらうのは、容易なことではない。雇用労働部(省に相当)の関係者は「今回の決定は、非常に厳格な医学的判断を基にして下された。生活に支障がなく、事案が軽微な場合、産業災害とは認定されにくい」と語った。

 公団側は「セクハラというものはとにかく広範囲で、規定するのが難しいが、パクさんの事件は、国家人権委員会で事前にセクハラと判定された上、医師の厳格な診断があったため、産業災害との判断を容易に下すことができた」と語った。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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