« 大阪教育改革 橋下さん考え直しては | トップページ | 部落解放蛇草地区消費生活協同組合(コープながせ)に施設を貸すなど優遇 »

人権救済機関/独立性が高まるか疑問だ

神戸新聞社説

人権救済機関/独立性が高まるか疑問だ 
http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/0004442357.shtml

 差別や虐待などの人権侵害の解決にあたるために、政府が設置を目指す救済機関についての基本方針が公表された。

 新組織は公正取引委員会などと同様、国家行政組織法の第3条に基づく「三条委員会」として位置付ける。政府からの独立性を高め、強い権限を持たせるためだという。今後、法制化に向けた作業を進め、来年の通常国会に法案の提出を目指す。

 人権侵害の事例は後を絶たない。適切に対応する救済組織の必要性に、誰も異論はないだろう。

 ただ、政府の方針には気掛かりな点がある。

 最大の懸念は、法務省の外局として設置することだ。地方で起きた問題については、各都道府県の法務局が対応する。

 既存組織や人員の活用を考えてのことだろう。だが、刑務所や入国管理局など法務省の関係施設で起きる人権問題を、いわば身内が対応することになる。こうした仕組みで、公平に判断し、迅速に対処していけるだろうか。

 民主党は政権公約で、新機関は内閣府の外局とするとしていた。より高い独立性を考えると、再検討すべきだ。

 救済機関をつくる法案は、自民党政権時代の2002年にも提出された。だが、立ち入り調査や加害者への勧告・公表などの強い権限を与えようとして批判を浴び、廃案となった。今回は任意調査に一本化し、調査拒否に罰則を設けないとしたが、実効性が課題となる。

 公権力による表現の自由の侵害が懸念された報道機関に対する規制については「自主的取り組みに期待し、特段の規定を設けない」とした。

 集団的な過熱報道への反省から、新聞やテレビなど報道各社はガイドラインや第三者機関を設けるなど、それぞれに取り組みを進めている。報道する側も人権意識をより高めていきたい。

 人権救済機関は、国連の自由権規約委員会が1998年、日本政府に独立した機関を設けるよう勧告したことから議論が始まった。入管施設などで相次いだ暴力や虐待事件について、調査や救済する機関がなかったためだ。

 政府は08年にも救済機関の早期設立を求める勧告を委員会から受けている。

 課題山積の野田新政権だが、国際的に取り組みが遅れているこの問題を、いつまでも先送りすることは許されない。懸念される問題について十分に議論した上で、しっかりとした組織づくりのための法制化を進めるべきだ。

(2011/09/06

|

« 大阪教育改革 橋下さん考え直しては | トップページ | 部落解放蛇草地区消費生活協同組合(コープながせ)に施設を貸すなど優遇 »

つれずれ」カテゴリの記事