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人権救済機関/拙速な取り組みは禍根残す

人権救済機関/拙速な取り組みは禍根残す

http://www.worldtimes.co.jp/syasetu/sh110824.htm

世界日報  - ‎2011年8月23日‎


 江田五月法相が人権侵害救済機関の創設に向けた基本方針を示している。法務省の外局として設置するが、独立性を高めるため国家行政組織法に基づく「3条委員会」とし、人権侵害の調査は任意、罰則規定は設けず強制性を弱めるとしている。
 だが、同案には人権擁護の美名の下で不当な弾圧を招きかねないとの批判が相次いでいる。確かにそうした疑念が解消されていない。拙速な取り組みは禍根を残すだけだ。

恣意的運用の恐れ残る
 国連は国際人権規約に基づき1993年、「国内機構(国内人権機関)の地位に関する原則」(パリ原則)を採択し、人権侵害救済のため国内機関の新設を促した。98年には国連規約人権委員会が政府から独立した人権救済機関の設立を日本政府に勧告、それで人権擁護法が必要とされ、自公政権時代に同法案がまとめられた経緯がある。
 だが、同法案は「人権侵害」の定義が曖昧で、恣意的運用の恐れがあるばかりか、警察官にもない裁判所の令状なしの家宅捜索や押収を認め、罰則も加える強制力を付与した。また各市区町村に設ける人権擁護委員には国籍条項がなく、北朝鮮や中国の工作員が委員に就きかねないなど疑問が噴出した。

 こんな強制力を持つ人権委の設置は国連の勧告にもなかったものだ。パリ原則が示した人権機関は「政府、議会その他の機関」に対し「人権擁護に関する意見、勧告、提案、報告」を行う機関にすぎず、令状なしの家宅捜査などの強制権限は念頭になく、機関の「独立性」は「財政的な独立性」としただけだ。勧告は主に警察や出入国当局、刑務所など公権力による人権侵害の救済措置を求めており、一般国民を対象に強制権限を持つ人権委を想定していない。

 ところが今回の江田案も勧告から逸脱している。相変わらず公権力の人権侵害を主眼に置いておらず、強制性を弱めたものの人権侵害の定義は曖昧なままで恣意的運用の恐れが残る。委員は「地方参政権を有する者から選ぶ」とし、将来の定住外国人への地方参政権付与を前提にしているかのような規定だ。これでは疑念は晴れない。

 一部の「人権団体」は自治体の戸籍係が「同性結婚」を拒むのを人権侵害とし、公立学校長が卒業式で国歌斉唱を「強制しない」と事前に生徒に説明しなかった行為や、過激な性教育を行った教員の処分も人権侵害としている。「天皇制」を身分差別と断じる団体すらある。こうした歪められた「人権」を救済機関によって闊歩させるようなことがあってはなるまい。

 差別や虐待、暴力など人権侵害が生ずれば速やかに救済するのは民主国家においては当然のことだ。まず必要なのは、現行の刑事司法制度の下で、人権侵害の救済が十分機能しているか、熟考することだ。信仰をめぐって拉致などの暴力行為がまかり通っている事態は許されるものではない。

真に何が必要か論議を
 人権救済を掲げて新たな人権侵害をもたらす過ちを犯してはならない。真に人権侵害からの救済に何が必要か、論議を深めていく必要がある。

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