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大阪教育改革 橋下さん考え直しては

大阪教育改革 橋下さん考え直しては 08月26日(金)
信濃毎日新聞社
http://www.shinmai.co.jp/news/20110826/KT110825ETI090003000.html

 橋下徹大阪府知事が代表を務める「大阪維新の会」が、府議会に「教育基本条例案」を出す準備をしている。

 教育に対する政治の関与を明記し、首長に強い権限を持たせるものだ。重大な問題をはらんでおり、見過ごすことはできない。

 公表された条例案の概要によると、知事ら首長が、学校の目標を定める。目標実現の責務を果たさない教育委員については、議会の同意で罷免できる。

 教育委員会は、戦後に発足した制度だ。学校の管理や教科書採択など幅広い権限を持つ。政治からの中立性を保つため、独立組織と位置づけられている。

 形骸化が、かねて指摘されてきた。教育長には首長部局の幹部が就くことが少なくない。予算編成権は首長が握っている。文部科学省を頂点とする上意下達機関ともやゆされる。改革が必要なことは確かだ。

 いまの教育に民意が十分に反映されていない、という維新の会の主張には一理ある。ただ、その解決の道を、政治の介入に求めるのは間違っている。

 民意を反映させたいなら、住民の投票で教育委員を選ぶ公選制の復活や、公募などの道もある。

 教育委員会の独立は、時の権力にほんろうされ軍国主義教育に走った戦前の反省に基づく。「教育は、不当な支配に服することなく」行われるべきだとする教育基本法の文言は、2006年の改正後も引き継がれた。公権力の介入を戒めるのは、学問の自由、国民の教育を受ける権利を定める憲法の要請でもある。

 府議会で単独過半数を占める維新の会は、6月議会で「君が代起立条例」をスピード成立させた。教育基本条例案には、職員の分限処分や職務命令違反に対する処分の指針も盛られている。

 維新の会は11月に見込まれる大阪市長選、知事選の「ダブル選」でも条例案を争点とし、民意を問うという。11月などと期限を切らず、橋下知事も、府議も、広く深く意見を聴いてほしい。

 この条例案では、首長が変わるたびに学校教育が右往左往しかねない。「教育への不当な支配」を招かない歯止めは見えない。

 “橋下流”の教育改革を、府民は望んでいるのか。数の力にものを言わせる議会運営の手法を、是としているのだろうか。

 条例案の内容にも、橋下知事の手法にも、危うさがつきまとう。小さき声にも耳を傾け、じっくり話し合ってもらいたい。

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