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人権救済機関 独立性の高い仕組みに

人権救済機関 独立性の高い仕組みに 08月29日(月)
信濃毎日新聞社
http://www.shinmai.co.jp/news/20110829/KT110827ETI090002000.html


 人権侵害事件に対処するため政府が新設を検討している人権救済機関について、江田五月法相が基本方針を発表した。政府からの独立度が高く、強い権限を持つ三条委員会として設けることをうたっている。

 差別、虐待など、人権をめぐる問題が後を絶たない。救済機関の設置は急務である。

 基本方針でいちばんの気掛かりは法務省の外局としていることだ。これでは警察や刑務所、入国管理局など、法務省関連の機関でしばしば起きる問題に十分な対処ができるか疑問が残る。

 新しい機関は法務省でなく内閣府に置くのがいいだろう。外部の意見を聞きつつ、透明で実効性が期待できる仕組みにすることを目指したい。

 救済機関の議論が始まって10年以上になる。国連規約人権委員会が1998年、刑務所などでの人権侵害を念頭に、新たな機関を設置するよう日本政府に勧告したのがきっかけだ。

 その後、報道機関による集団的過熱取材(メディアスクラム)の問題に自民党内などで関心が高まり、2002年、メディア規制を盛り込んだ「人権擁護法案」が国会に提出された。言論統制の心配などから慎重論が強まり、廃案になった経緯がある。

 法相が発表した基本方針にはメディア規制はうたわれていない。報道をめぐる一連の問題については、新聞、テレビ、出版各社とそれぞれの業界団体による取り組みが進んでいる。規制を見送るのは当然だ。

 三条委員会とすることも妥当だろう。公正取引委員会などほかの三条委と同様、政府から一線を画した運営を目指したい。

 残る問題は二つある。一つは救済機関をどこに置くかだ。

 法務省の外局とすると、警察や刑務所で起きる人権問題にいわば身内が対応することになる。公正、公平で迅速な救済につながるか疑問が残る。

 地方で問題が起きたときは地方の法務局が対応する。現場の実務はこれまでと同じ機構、スタッフが担うことになるだけに、司令塔の独立性は重要だ。法務省に置くことには賛成できない。

 問題の二つ目は機関の権限だ。基本方針では調査に強制力は持たせない。調査を拒否された場合にも罰則は設けない。

 頼りがいのある機関にするには権限をもっと強める必要がある。独立性の確保は強い権限が適切に行使されるためにも欠かせない。

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