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人権救済機関 2011年09月02日 宮崎日々新聞

人権救済機関

2011年09月02日 宮崎日々新聞
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=40474

政府からの独立性が最重要

 差別、虐待など人権侵害の解決に当たる人権救済機関について法務省政務三役が法務省の外局として設置するとの基本方針を公表した。法的位置づけは、国家行政組織法3条などに基づき、政府から独立した権限を持つ「三条委員会」になる。

 人権救済機関の創設は1993年の国連総会決議(パリ原則)で加盟各国に要請された。その後、国際人権規約などが設けている政府報告書の審査の際、日本に設置を促す勧告が再三出されている。先進国でこの機関がないのは日本だけだ。

 法務省が新設に向けて動きだした直後に新政権発足という事態になったが、新首相の下でも、この重大な懸案事項の解消に向け努力してほしい。

■入念な制度設計を■

 この機関は政府からの独立性が命だ。慎重な配慮が必要であり、法務省の内部機関に終わらないよう、入念な制度設計をしなければならない。政府は2002年、人権擁護法案を作り、差別・虐待からの救済を行う人権委員会を置くとした。しかし強制的な手続きやメディア規制が反発を招き、廃案になった。

 今回の基本方針によると、新たな人権委員会は人権侵害が疑われる場合、当事者の訴えを受けて特別調査に当たるが、強制力は持たせず、任意調査に一本化する。侵害が確認されれば相手方に中止の勧告などを行う。強制的な調査には弊害も伴うので、妥当な方向といえるだろう。

 地方の業務は各都道府県の法務局を活用。地方組織の委員には、日本国籍を持たない外国人は就けないとしている。

■理想は「会計検査院」■

 メディア規制条項は盛り込まないことに注目したい。人権擁護法案の廃案以降、メディア内部では事件・事故・犯罪被害者の報道について指針やガイドラインなどが設けられている。法律で罰則付きの規制をかける根拠は失われたといえる。

 救済機関の在り方で最も重要なのは独立性だ。外国では国会の下に置いたり、政府の中でも司法省とは切り離して内閣直属にしたり、いろいろな形がある。理想としては内閣に対して独立の地位を持つ会計検査院のような組織が望ましい。しかし人権擁護任務を自負する法務省には抵抗感がある。内閣府に置く案も有力だが手足となる職員がいない。三条委員会としての設置は速やかに発足できる現実的な利点がある。もし、この道を選ぶならば、人権委を法務省の影響力から距離を置いた姿にするしかないだろう。

 問題は委員の人選だ。中立性と公正さはもちろん、専門性も備えた民間有識者が望ましい。

 基本方針では政府に対して人権状況についての意見を提出する任務を持たせるが、意見にとどまらせず、勧告を行う権限に高めてもよいのではないか。




もっと知りたい ニュースの「言葉」

人権委員会(2002年4月24日)人権擁護法案の中で、人権侵害の救済を担当する新設の機関。公正取引委員会などと同様、国家行政組織法3条2項に基づく組織とされた。法務省の外局として位置付けられ、人権委の事務局は法務省人権擁護局を改組する予定で、政府からの独立性が問題視されている。委員は首相から任命され、委員長を含めて5人で構成し、常勤は2人。

人権救済機関(2001年6月6日)人権擁護推進審議会(会長・塩野宏東亜大通信制大学院教授)が五月二十五日に法相に提出した答申で新設を提言した独立行政機関。公正取引委員会のような合議制の「人権委員会」(仮称)を想定し、事務局は法務省の人権擁護部門を改組、二○○三年設置を目指す。「差別」「虐待」「公権力による人権侵害」「マスメディアによる人権侵害」を積極的救済の対象とする。調査を拒むと罰金を科すなどの権限を持ち、一部の差別被害には裁判所に差し止め命令を申し立てるなど強制的な手法も導入する。メディアについては任意調査にとどめるが、調査...

人権擁護法案(2007年12月29日)差別や虐待など人権侵害行為に対応する「人権委員会」を法務省の外局に設置し、侵害を受けた人への助言や加害者への指導、調停・仲裁、訴訟援助などを行う法案。政府は2002年に国会に提出したが、人権委の独立性やメディア規制をめぐる批判を受け、03年秋に廃案となった。05年にはメディア規制部分を凍結し再提出を目指したが、自民党内で意見がまとまらず、見送った。

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