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「君が代」起立強制条例に反対

「君が代」起立強制条例に反対
大阪労連など7団体

2011年5月27日(金)「しんぶん赤旗
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-05-27/2011052701_07_1.html

 全大阪労働組合総連合など労働・法曹7団体は26日、大阪市内で記者会見し、「大阪維新の会」(代表・橋下徹府知事)が府議会に提出した「君が代」起立・斉唱強制条例に反対する共同アピールを発表しました。

 アピールは、「憲法19条が定める思想・良心の自由は、国家や権力者が侵してはならない国民に保障された権利です。教職員と子どもたちとの全人格的なかかわりの中で営まれる教育には、教職員の専門性と自主性の尊重が不可欠であり、条例や規則、命令によってがんじがらめにされてはならないもの」だと指摘。「条例は、教職員の思想・良心を条例や職務命令で縛ることによって、子どもと教育を支配しようとするものだといわざるをえない」と強く批判し、「君が代」起立・斉唱強制条例をつくるなとの願いを橋下知事と府議会に届けましょうと呼びかけています。

 アピールを出したのは、大阪労連のほか、子どもと教育・文化を守る府民会議、憲法改悪阻止府各界連絡会議、自由法曹団大阪支部、民主法律協会、国民救援会府本部、大阪教職員組合です。



会長声明集 Subject:2011-5-26
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/110526.html

公立学校教職員に君が代斉唱の際に起立・斉唱を強制する大阪府条例案提出に関する会長声明橋下徹大阪府知事が代表を務める「大阪維新の会」府議団は、本年5月25日、大阪府議会議長に対し、政令市を含む府内公立学校の入学式や卒業式などで君が代を斉唱する際、教職員に起立・斉唱を義務づける条例案を提出した。さらに、橋下府知事は、「国旗・国歌を否定するなら公務員を辞めればいい」と述べ、政令指定都市の教職員も含めて、起立・斉唱しない教職員について免職処分の基準を定める条例案を9月の府議会で審議する意向を示している。

地方自治体の首長が当該自治体の教職員に対し、免職を含む処分の制裁を公言して君が代斉唱時の起立・斉唱を求め、これを条例によって強制することはかつてない事態であり、思想・良心の自由等の基本的人権の保障に加え、教育の内容及び方法に対する公権力の介入は抑制的であるべきという憲法上の要請に違反するものとして、看過できない。

個人の内心の精神的活動は、外部に表出される行為と密接に関係しているものであり、自己の思想・良心に従って君が代斉唱時に起立を拒否する外部的行為は、当然、思想・良心の自由の保障対象となる。そして、君が代については、大日本帝国憲法下において天皇主権の象徴として用いられた歴史的経緯に照らし、現在においても君が代斉唱の際に起立すること自体が自らの思想・良心の自由に抵触し、抵抗があると考える国民が少なからず存在しており、こうした考え方も憲法19条の思想・良心に含まれるものとして憲法上の保護を受けるものと解されるから、国や地方自治体が、教職員に対し君が代を斉唱する際に起立・斉唱を強制することは、憲法の思想・良心の自由を侵害するものと言わざるを得ない。なお、地方公務員である教職員は、「全体の奉仕者」ではあるが、そのことが、公務員の職務の性質と無関係に、一律全面的に公務員の憲法上の権利を制限する根拠となるものではないことは言うまでもない。

また、国旗・国歌法制定時には、上記の過去の歴史に配慮して、国旗・国歌の義務づけや尊重規定を設けることは適当でない旨の政府答弁が国会でなされ、同法に国旗・国家の尊重を義務づける規定が盛り込まれなかった経緯がある。こうした立法経緯に照らせば、君が代斉唱時に起立を義務づける条例は、条例制定権を「法律の範囲内」とした憲法94条に反するものである。

さらに、教師と子どもとの間の直接の人格的接触を通じてその個性に応じて行わなければならないという教育の本質的要請に照らし(1976年5月21日旭川学力テスト事件最高裁大法廷判決)、子どもの学習権充足の見地からは、教育の具体的内容及び方法に関して、子どもの個性や成長・発達段階に応じた教師の創意や工夫が認められなければならない。したがって、子どもの学習権に対応するため、教員には、公権力によって特定の意見のみを教授することを強制されないという意味において教育の自由が保障されている。この趣旨は、教育行政の独立を明確に定めた教育基本法16条1項にも現れている。

ゆえに教員の思想・良心の自由及び教育の自由に対する強制は特に許されず、教育の内容及び方法に対する公権力の介入も抑制的でなければならない(当連合会2007年2月16日付け「公立の学校現場における『日の丸』・『君が代』の強制問題に関する意見書」、2010年3月18日付け「新しい学習指導要領の問題点に対する意見書」、2011年2月9日付け「『国旗・国歌』を強制する都教委通達を合憲とした東京高裁判決に対する会長声明」)。

当連合会は、上記観点に立って、大阪府議会に対し、提出された条例案が可決されることのないように求めるとともに、大阪府議会及び府知事に対して、府内公立学校の教育現場に介入して、教職員に対し君が代斉唱の際の起立・斉唱を含め国旗・国歌を強制することのないよう強く要請する。

2011年(平成23年)5月26日

日本弁護士連合会
会長 宇都宮 健児



神戸新聞社説
  http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/0004109114.shtml
君が代起立斉唱/条例で強制すべきことか 
 先の大阪府議選で単独過半数を占めた「大阪維新の会」の府議団が、式典などでの君が代斉唱時に教職員に起立・斉唱などを義務付ける条例案を提出した。

 議員提案とはいえ、維新の会代表を務める橋下徹知事の主導だろう。数の力を背景に、全国的にも例のない条例が近く可決される見通しだ。

 何かと注目を浴びる知事だが、こうまで強引なのかとさえ思えてくる。教育現場には以前から批判的な発言をしていた。動きが表面化してから提出まで10日余り。即断には驚くばかりだ。

 大阪の再生を訴えて議席を得た維新の会内部でも不協和音が出ているといわれる。条例案提出にあたって会派内で十分な議論が行われたのだろうか。何より、丁寧な説明が求められる。

 条例案は、府内の公立小中高校などの教職員らを対象に国旗国歌法などの趣旨を踏まえ「学校行事で行う国歌斉唱は起立により斉唱する」などと明記した。

 罰則はないものの、知事は、校長の職務命令を拒否し続けた場合は懲戒免職処分とするのが妥当との見解を示しており、処分基準を定める別の条例制定を9月議会でめざしている。起立しない教員の氏名公表も検討しているという。

 指導に従わない教職員を、法を盾にいわば力ずくで排除する。そう受け取られても仕方ないような姿勢である。

 維新の会以外の各会派が疑問を呈し、弁護士団体なども「思想信条の自由の侵害だ」と反対している。持論を実行しようとする前に、こうした声にも謙虚に耳を傾けてほしい。

 1999年の国旗国歌法成立時も政府は強制ではなく、自然な形で定着させたい旨の見解を示した。これを受け、斉唱の仕方などは現場の判断に委ねられ、府教委は起立を求める通達を出して指導していた。こうした努力こそ尊重すべきで、これでは現場が混乱するだけだ。

 国旗国歌をめぐる教職員処分の訴訟では、2007年に最高裁が「職務命令は思想良心の自由を侵害せず合憲」と判断した一方、今年3月には東京高裁が不起立の都立高教職員らの懲戒処分を取り消した。司法判断も分かれている。

 憲法問題にも触れる微妙で重要な問題に、異論をはねのけてまで対処するようなことが適切かどうか。弁護士出身の知事なら今一度考えてもらいたい。

 大切なのは起立強制などで教育現場の規律を徹底させるより、子どもたちが地域に愛着が持てるよう育てることだ。知事には、強制より寛容を求めたい。

(2011/05/27)

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