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布川事件:再審無罪 無期確定から33年…検察主張退ける

布川事件:再審無罪 無期確定から33年…検察主張退ける
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110524k0000e040075000c.html?inb=yt

 茨城県利根町布川(ふかわ)で67年、大工の男性(当時62歳)が殺害された布川事件の再審で、無期懲役が確定し仮釈放中の桜井昌司さん(64)と杉山卓男さん(64)に対し、水戸地裁土浦支部(神田大助裁判長)は24日、強盗殺人罪について無罪(求刑・無期懲役)を言い渡した。

 開廷直前の同日正午前、2人はそろって地裁支部前で報道陣の取材に応じた。桜井さんは「なぜこうなったのか(裁判所が)検察の行為を的確に判断するかだけに注目している」と話し、杉山さんも「検察の証拠隠しにまで(判決は)踏み込んでほしい」と語気を強め、法廷に向かった。

 2人と事件を直接結びつける物証はなく、捜査段階での「自白」と、近隣住民の「2人を見た」との証言が確定判決の支えだった。いずれも再審開始決定で否定されたが、昨年7月から計6回の再審公判でも(1)「自白」(2)目撃証言(3)近くの女性の「別人を見た」との新証言--の信用性が主な争点となった。(3)の調書は第2次再審請求で証拠開示され、事件から43年後に初めて女性は法廷に立った。

 こうした経緯や、自白場面のみ記録した録音テープの編集痕などから弁護側は、警察・検察が自白を強要し、無罪の証拠を隠して有罪立証したと批判。「追認した裁判所も重大な責任がある」とし、名誉回復に加え冤罪(えんざい)を生んだ原因を判決で明らかにするよう求めた。

 一方で検察側は有罪立証を図り、新たな立証として、被害者周辺にあったタオルなどのDNA鑑定を請求したが地裁支部に退けられた。このため自白や目撃証言の信用性を改めて強調するのにとどまった。女性の証言については「変遷が激しい」と否定し、無期懲役を求刑していた。

 死刑か無期懲役が戦後確定した事件の再審は昨年3月の「足利事件」以来で7件目。DNA再鑑定で検察側も無罪論告をした足利事件をはじめ、過去6件はいずれも無罪が確定している。

 ◇布川事件

 茨城県利根町布川(ふかわ)で67年8月、大工の玉村象天(しょうてん)さん(当時62歳)が自宅で殺害された。県警は同年10月、桜井さんと杉山さんを別件逮捕後に強盗殺人容疑で再逮捕、2人は捜査段階で「殺害し現金約11万円を奪った」と自白。公判では否認に転じたが、78年に最高裁で無期懲役が確定、96年の仮釈放まで服役し身柄拘束は29年に及んだ。01年からの第2次再審請求で、別人を現場前で見たとの近所女性の調書などを基に「自白は信用できない」として09年12月に再審開始が確定。10年7月から再審公判が6回開かれた。

毎日新聞 2011年5月24日 13時31分(最終更新 5月24日 13時54分)

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