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2011年1月に作成された記事

同和対策課を廃止 - 水平社発祥地、反発も/御所市

同和対策課を廃止 - 水平社発祥地、反発も/御所市
2011年1月26日 奈良新聞

http://www.nara-np.co.jp/20110126144452.html

 御所市が、同和対策事業を所管する企画開発部の人権・同和対策課を3月末で廃止することが26日までに分かった。隣保館事業の廃止に伴うもので、同事業以外の業務は他課が引き継ぐかたちとなるが、水平社発祥の地である御所市で「同和対策」の名称が消えることになり、時代の流れを示すとともに、一部の市民らから反発もあるという。

 厳しい財政事情から早期健全化団体となった同市は、財政再建に向けた個別外部監査を実施。市内7カ所の隣保館事業は「同和対策事業の一環として設置されたが、同和対策事業が終了した現在は存続させる根拠が乏しい」とされ、財政健全化計画で今年3月末の廃止が盛り込まれ…

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江田大臣 人権救済機関をどうするか,検討を加速させようという指示を出した

1月25日(火) 閣議、説明、国のかたち、政務三役、袴田事件、松尾顧問、国賠訴訟、村上会長、中国メディア、モンゴル

http://www.eda-jp.com/

12時半から1時間弱、事務次官と官房長も出席して政務三役会議を開きました。前回の決定どおり、冒頭にマスコミの皆さんの取材も受けました。可視化、個人通報、人権救済と法曹養成につき、取り組み状況を確認しました。

法務大臣閣議後記者会見の概要
平成23年1月21日(金)
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00116.html
民主党のマニフェストに関する質疑

Q:昨日の政務三役会議でマニフェストに載っている可視化と,人権委員会,それから個人通報制度について,検討するようにということで指示を出されたということですけれども,昨年の参院選のマニフェストではいずれも継続されなかった内容なのですが,改めて2009年のマニフェストに立ち戻って検討するという意義についてどのようにお考えですか。

A:この間もちょっと説明しましたが,マニフェストというのが,心眼という言葉を使ったらちょっと冷やかされましたが,心眼で見るようなつもりで見たけれども,なかなかデータに基づいたマニフェストではなかったから心眼が必ずしも心眼でなかったということがあって,その後,政権を担当することによって得られたいろんな知識や経験を基にマニフェストを成熟させていくのが当たり前であるということを申し上げました。しかし2009年マニフェストというのが,これが基であることは間違いないので,そうした方向に基づいて行政の透明化であるとか,あるいは国民生活をしっかり支えるとか,あるいは人権のことであるとか,そうしたことを行っていくことは当たり前で,2010年マニフェストにそれがあろうがなかろうが,これは2009年マニフェストの大きな柱ですから,そこのところはその後の政権担当から見て,どうも人権救済についてはちょっとこれはうまくいかないなんていうことはありませんから,個人通報についてもそうですし,可視化についてもそうですので,これは2009年マニフェストに載っていることでもあり,また,今の法務省所管の事務の中で,日本で人権擁護がもっと徹底されるようにという立場から考えると,当然前向きに考えていかなければならないということで,人権救済機関をどうするか,あるいは個人通報をどうするか,これについても検討を加速させようという指示を出したということです。

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大阪府部落差別調査等規制等条例に企業はどう向き合うべきか

月刊「同和と在日」2011年2月号

http://tottoriloop.miya.be/

目次
●“ザル条例”大阪府部落差別調査等規制等条例に企業はどう向き合うべきか
・条例に抵触せずに同和地区の場所を調べる方法
・アイビー・リック事件と解放同盟による糾弾
・行政が無視したい“本物の”同和地区リストの存在
・人権擁護法と共通の危惧
・“本物の”同和に狙われた工業市場研究所
・対抗すべきは「“本物の”同和」
●内ゲバ発生! 反日御殿「ナヌムの家」のトホホ“お家騒動”
・水曜デモの前線基地、ナヌムの家
・“日韓の架け橋”ナヌムの家の研究員、村山一兵氏が解雇
・ナヌムの家が「これ以上、私たちと共に仕事ができない」と反論
・平和の理想郷、ナヌムの家の人間臭い労働環境
・水曜デモに向かう途中で事故、ハルモニたちと参加を決行
・女性国際戦犯法廷10周年のシンポジウム参加の裏側
・韓国の市民運動の「北」と「宗教」シンドローム
・解雇騒動、見守らざるをえない日本の支援者たち
●滋賀県同和行政バトル日記④特別編
・行政主導で同和対策事業を終わらせた高島市
・ふるさとは葡萄(ぶどう)とともに
・原告第1準備書面提出
●速報 部落解放同盟滋賀県連・建部(たけべ)五郎(ごろう)委員長が退任へ
●直方(のおがた)市の条例がネットから消えたのは、市の“自主規制”

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人権救済機関を大原則に沿ったものを。大臣閣議後記者会見

法務大臣閣議後記者会見の概要
平成23年1月18日(火)
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00115.html

今日は閣議がございまして,閣議の報告は官房長官からですよね。法務省関係については,今日は副大臣,政務官の任命のことくらいでした。私からは以上です。
法務大臣就任に関する質疑

Q:就任から数日経ちまして,先日引継ぎもされましたが,御自身の心境の変化であったり,あるいは実感などが湧いてこられたかという点と,週末に勉強会が開催されたようですが,そこで新たに重点的な施策の指示なり順位付けなりというのはあったのかという点をお聞かせいただけますか。

A:今日は18日であっという間の5日間で,めまぐるしく日々が過ぎました。就任のときも特にうれしくてしょうがないというわけではなくて,むしろどちらかというと,大変な責任を負って,しかも法務行政,今,課題山積で,よほど頑張っていかなければならないという思いでございましたが,今もその点は全く変わっていません。心境の変化とかいうことは,特にございません。ただ,議長のときより更にこれは大変だと,議長のときには時々,東京国立博物館のいろいろな特別企画なんかを見に行ったりとか,予定はずっと詰まっていても,気分的には楽なときもあったのですが,今回はそういうものは一切なしで,昨日なんかは2時間走り回って,私の携帯についている歩数計,1万1千いくらになっていまして,一生懸命やっています。それから全閣僚集中討議のことですが,これは通常国会を控えて,どういう決意で臨むかといったこととか,いずれの提出法案ももちろん重要ですが,その中で特に各省,各大臣から,これをみんなの共通の認識にしておきたいという説明がありました。法務省関係は特にそういったものはないので,私の方からは特に発言はしていません。

Q:先日,法務省内での訓示の中で,一般的な職員に対する心構えのほか,検察改革についてかなり重点的に語っておられたかなという印象なのですが,御自身の中での位置づけは,やはり検察の信頼回復というのは,かなり優先度の高い問題なのでしょうか。その辺をお願いします。

A:司法制度改革,法曹養成から始まって,菅首相から指示をされた6項目があるし,そのほかにも法務省の課題,いずれも重要で,優先順位とかというのは,ちょっとまだはばかられると,いずれもそれぞれのテーマごとに非常に重要な分野であるわけですが,そんな中である程度緊迫度といいますか,早く取り組んでいかなきゃいけないと考えると,やはり検察の信頼回復というのは,これはもう今ホットな事案でもあるし,また社会のいわゆる正義の感覚とか,法の支配の感覚とかという点からすると,これはもう大急ぎで取り組まなければならない課題であると,そういう意味で今現在一番早くとにかくこの点については取り組まなければならないと思っているのが検察改革だということです。
検察の在り方検討会議に関する質疑

Q:検察の在り方検討会議が,年明けからは週に1回のペースでかなり頻繁に行われているわけですけれど,そこに直接出向かれたり,あるいは千葉座長とお話になったり,そういう機会について何かお考えになっていることはありますか。

A:検察改革が重要だということはもちろん意識しているのですが,具体的にどういう検討が進んでいるかということについてはまだ十分に把握ができていないので,とりあえずこの直近の会議に何はともあれ出席をさせていただいて,御挨拶をし,ぜひ私からも皆さんにこのお願いをしなければいけないと思っています。座長は千葉さんで,これもなるべく早くお会いをして,そして,意見交換していきたいと思っております。いずれそう遠くない先に実現をさせたいと思っています。

Q:柳田元大臣が指示されたときには,今年の3月末くらいを目処に提言をというお話でしたが,その辺りのスケジュール感については,大臣が代わられて,変化というか,もう少し時間がかかるとか,こういう点について議論をもっとしないといけないとか,そいういうことはお考えでしょうか。

A:できる限り早くということで,日程的なところまでまだ詰めきれていないと思います。ただ,さっき申し上げたように緊急の課題ではあるんだけれども,かと言って,場当たり的というわけにもいかないので,検察の皆さんにも十分に納得いただかなければならないという課題でもあるし,作業のペースについての具体化というのは,まだできておりません。
被疑者取調べの可視化に関する質疑

Q:取調べの可視化のことが話題になっています。この前の会見では国家公安委員長と相談しながらとおっしゃいましたが,検察だけでできる部分もあると思うので,その部分を変更させて検討する,あるいは法律を改正しなくても任意の捜査で調べられる側が録音機を持ち込むということについては,千葉さんが大臣時代に前向きに検討をしたいとおっしゃったのですが,選挙の結果がああいうことになったので,それっきりになってしまったのですけれども,新大臣は録音機の持込で可視化をするということ,その辺については,法律の変更もいりませんし,何か御指示をなさることはありますでしょうか。

A:なるほどね。そうですね。持ち込んでですか。

Q:邪魔してはいけないと言えばもうそれで実現するんですね。今は検察が録音するなと結構言ったりすることが多いようなので,それを言わなければ,必要な人は自分でやるということで,かなりの任意の段階の問題が解決すると思うのですけれども。

A:正直申し上げて,可視化というものの必要性は十分分かっているつもりなのですが,その具体的な方法については,まだ私自身が申し訳ないけれど検討していないので,それはいろいろな提案を含めて今の可視化の勉強会でこれからこなしていきたいと思います。消極的な意味で言っているのではありませんけれども,なるほど,持ち込みね。それも一つの考え方かなと,そんな程度ですので,またいろいろ教えてください。
人権擁護法案に関する質疑

Q:昨日の仙谷前大臣との引継ぎの中でも,人権委員会についても検討をということであったと思うのですけれども,法務省の長年の懸案の人権擁護法案については,大臣はどのようなお考えですか。

A:人権救済機関を大原則に沿ったものを作らなければならないというのは,私,民主党案を作る責任者をしたりしていましたので,私の気持ちとしては人権救済機関というのはしっかりしたものを作らなければいけないと思っていますが,省内での取組というのが,この間政権交代以後,様々なことがあって,進んでいないのも事実でして,これは菅さんの指示の中にも人権の項目がありますので,努力していきたいと思います。今の段階ではちょっとその程度で。
政務三役会議に関する質疑

Q:政務三役会議がこれまで非公開だったのですが,公開されることが決まったと一部報道があったのですが,その狙いとか,今後どういった形で政務三役会議の結果を公表していくのか,内容とか含めて,その辺のお考えをお聞かせください。

A:一部報道に全政務三役会議公開というのが出ているのは拝見をしました。しかし,これはどこからもそういった意味での指示というのは受けていません。そういう指示でやることになるのか,あるいはそうではなくて,それぞれの各省,政務三役の意思決定で行うことになっていくのか,あるいはそのこと自体が正しい報道ではなかったことになるのか,ちょっとまだ分かりません。法務省としては政務三役のいろいろな意見交換までは自由にやらせて欲しいので,公開ということではないと思うのですが,政務三役の会議でいろいろなことを決めた場合の皆さんへのお伝えの仕方について,これは昨日も昼食をとりながら,小川副大臣,黒岩政務官と一緒にさあどうするかなといって,何かやっぱり,従来どおりのブリーフもしない,概要も出さないでいいのかなと,ちょっとこれは真剣に考えようというようなことにはしておりまして,これから鋭意検討して御期待に可能な限り応えたいと思っています。
ハーグ条約に関する質疑

Q:就任会見のときにも総理からハーグ条約についての指示があったと,こういう話だったのですけれども,そのときのお話でも訪米のときに何らかの言及をしたいというふうに総理は考えているんだろうというお話があったのですけれども,春にも予定されている訪米に向けて,これから各省庁との調整であるとか,法務省内での検討であるとか,どういうふうに進めていかれるお考えでしょうか。

A:まだどういうふうにというところまでは考えが煮詰まっておりません。ただ,国を開くということで,これはいろいろな形の,国を開く一番重要なテーマというのは関税の関係やなんか,貿易の障壁をどうやって取り除いていくかということですが,国際条約で日本が躊躇しているような問題もいろいろありますし,そんな中に一つハーグ条約というものも入ると思うので,ただ,これは党内にもいろいろな意見がありまして,子どもの権利条約を批准もしていない国からとやかく言われることはないやというような意見もあったりで,しかし,ハーグ条約ということにより親子関係をどうするかというのは国際的な一つのルールが条約という形であるわけですから,これは前向きに一つ検討をしていかなければいけないものだと思っています。まだ,具体的にはそんな段階です。
社会保障制度に関する質疑

Q:先日,菅首相が社会保障の関連で,年金について全額税方式の最低保障年金の導入を見直す考えを示唆したのですが,民主党案をもし導入するとなれば消費税増税は避けられないような状況になっています。現行制度のほうはそれを避けられるということでそれを継続したほうが良いのではないかという意見が出ていますが,大臣はこの点についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。

A:これは全くの所管外ですから,所管の皆さんの議論に委ねるしかありませんが,これも私は党にいるときに,全額税方式による基礎年金で3つの年金制度,公的年金制度を一元化するという方式を当然支持して有権者にもそういう訴えもしてまいりましたので,それが間違っているとは当然思っておりません。ただ,年金改革というのは突然ぱっと変わるものではなくて,民主党案の一元化のほう,これもかなりの長い年月がかかるわけですよね。25年とかというようなことで次第に成熟させていって新しい制度に移っていく,スウェーデンなんかもそういうことで新しい年金制度にしているので,だからイチかゼロか,税方式か社会保険方式かというどちらかの二者択一の選択ではなくて,いろいろな組み合わせをやっていきながら年金制度を移行させていく,その中で解決していくことなんだろうと思いますが,個人的には,しかしいずれにしても所管外のことですので,私の意見がどうということはそう意味がないかなと思います。
民主党のマニフェストに関する質疑

Q:6月に向けてマニフェストの見直しを始めていますが,見直して変えることについて,大臣御自身はやるべきか,もしくはもう少しこれまで示した案を進めていくべきなのかということなんですけれども,どのようにお考えでしょうか。

A:いろいろ話していると長くなるのですが,日本の選挙公約というのは従来,選挙が終ればもうペロッとはがしてもよろしいというものみたいな感じで来たので,それではいけない,やっぱり有権者との具体的な約束で,具体的な公約をしてそれを次の選挙のときにちゃんとどこまで実現できたか確認できるものにしようということで,民主党はそういうマニフェスト文化というのを取り入れてきたんですね。ですから,マニフェストというのは非常に重要な,そういう意味で選挙の文化を変える重要な民主党の取組であったと思います。今のところ私が見る限りマニフェストという言葉自体は随分盛んになってきましたけれども,そういう意味の具体的に,将来,検証可能な形で提案をしているのは,民主党以外にもそれはあるかもしれませんが,民主党が一番先行してやってきていると思うのですね。ところが,イギリスなんかは私の聞く限りで言えば,だいたい予想される選挙の一年から一年半くらい前というんですかね,役所のほうが,政権をかけて選挙で争う与野党両方に,いろんな資料も全部出して,そして役所,行政のプロから言うと,それぞれの政党の選択肢のこれは実現できますよと,国民が選択するなら,こっちにもこれは実現できますよ,国民が選択するなら,というような形で,マニフェスト自体が,政権を競う政党の非常に成熟したマニフェストになっていると聞いています。しかし,2009年マニフェストというのは我々は政権にいないときに,しかも大変申し訳ないけど霞が関のほうが民主党のほうには十分な情報を提供していただけていない,そんな中で心眼で見るとこうじゃないかということで作った部分がありますから,必ずしもそれがそのまますぐに実現するには,いろいろな,実は隠れた障害がこんなにあったんだというようなことがあったんだと思います。私は参議院議長をしていた当時ですから,その辺の議論の中には加わっていませんがね。2010年参議院選挙のときのマニフェストは2009年のときより変わったんではないかということを言われた時期がありますが,私はそこは1年足らずとはいえ,実際に政権を担当していろいろなことが分かってきたからマニフェストを進化させていく,より成熟させたものにしていくというのは当たり前のことだということで昨年の参議院選挙ではそういう御説明をしてまいりました。その後も,ずっと政権を担当してきているわけで,政権担当二年がまもなく来るわけですから,二年のいろいろな経験とか知識とか,あるいは世の中の状況の変化もありますよね,リーマンショックなど。そうしたことを踏まえてマニフェストについて一度きっちり点検をして,そしてこれはこういうふうにより成熟させていくという部分があればそういうことにして,国民の皆さんにしっかりと説明をするということでよいのだと思います。
拉致事件に関する質疑

Q:大臣はかつて拉致事件実行犯の辛光洙元死刑囚の釈放を求める嘆願書に署名されていますが現時点での認識を伺えますか。

A:これはもう,申し訳ない。そのことについては間違いであるとお詫びをするしかありません。
難民政策に関する質疑

Q:難民の問題でお伺いしたいのですが,以前大臣は,2002年くらいだと思うのですが,難民問題小委員会の委員もされておられたと思うのですが,民主党のマニフェストで難民保護制度の確立を掲げてから二年間経つわけですが,昨年の10月に難民問題作業チームができました。その間,やはり難民申請件数はどんどん増えていますし,昨年から第三国定住難民ということで,三年間のパイロットプロジェクトが始まったわけです。難民制度が開始して30年経ったわけですけれども,そろそろ難民制度全体を見直す時期にきているのではないかと思うのですが,この点について大臣の御所見あればお伺いしたいのですが。

A:もちろん日本は難民に対して大きく門戸を開く国になりたいと思っています。やはり国際社会から日本は必要な国だ,信頼できる国だといって,頼りにされるようになっていかなければ日本が生きる道はないと思います。そのためには,世界中いろんな国がありますから,あるいはいろんな事情もありますから,そういうところから逃れて日本で人間らしい暮らしをしたいと思う人たちには門戸を開きたい。もちろんそうでない形で難民の格好してくるようなケースもあるかもしれませんから,そこは厳正な審査が必要だと思いますが,厳正だということと,国を大きくそういう人たちに対して開いていくということは違うので,難民に開かれた国にしていきたいと思っております。ただ,これをどう具体化していくかというのは,今の状況について私も十分な意見交換もしていないので,これからだと思います。

(以上)

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〈久しぶりに訪朝して-①-〉[朝鮮新報 2011.1.19]

〈久しぶりに訪朝して-①-〉 マスコミの北報道を鵜呑みにしない

http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2011/05/1105j0119-00004.htm

(部落解放同盟兵庫県連合会事務長・川端勝)
(訪朝記は4回にわたって掲載します。編集部)

[朝鮮新報 2011.1.19]

予断を排し、自らの頭で判断する

3度目の訪朝

 「日朝友好兵庫県民の会」が、昨年8月27日~31日の日程で朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)に2度目の親善訪朝団を派遣した。

 朝鮮の首都平壌、関西空港から空路直行だと3時間かからないだろう。しかし、日本と朝鮮の間で国交が結ばれていない現状では、北京経由で丸1日かけないと行くことができない。関西空港を出発して平壌空港に降り立つまでの時間の長さが、現在の日本と朝鮮の政治的関係を如実に表している。

 私にとっては今回で3度目の訪朝であったが、知人から「北朝鮮なんかになぜ行くのか」という言葉をよく聞かされた。私の身を心配してのことだろうが、そのたびに日本のマスコミ報道がいかに偏ったものなのかを思い知らされる。そもそも、「北朝鮮」という呼び方も気に入らない。朝鮮半島の北に位置するので「北朝鮮」と呼ぶなら、南に位置する韓国は「南朝鮮」であろう。少なくとも、国連加盟国である独立国家の国名くらいは正確に使用すべきであり、大韓民国を「韓国」と呼ぶなら、朝鮮民主主義人民共和国をせめて「朝鮮」と呼んでもいいのではないか。

 私が訪朝したいと思った一番の動機は、マスコミに対する不信感だ。朝鮮に関する報道が真実を伝えているのか、自分の目で見てみたいということであった。「偏見は無知から生まれる」。私たち被差別部落出身者は、この言葉の意味を肌身で思い知っている。確かに、すべてを見ることはできないかもしれないが、行ってもみないでマスコミ報道を鵜呑みにするわけにはいかない。もちろん、私はこの地球上に楽園のような国家など存在しないと思っているし、朝鮮のすべてが素晴らしいとも思っていない。しかし、予断を排し、自らの目で見て、自らの頭で判断することこそが、何よりも大切だと考えている。

北京で一泊

 今回の親善訪朝団は、「県民の会」の杉田哲幹事長を団長にした11人で、初めて訪朝するメンバーが5人いた。私たちは、8月27日午前10時発の全日空159便で一路北京へ。以前は、関西空港から中国の瀋陽を経由し、その日の夕方には朝鮮に入ることができたが、採算が取れないとして全日空は瀋陽便を廃止していた。2時間余りのフライトで北京国際空港に到着した後、ビザ発給申請のため朝鮮大使館へ直行。結局、そのまま北京市内のホテルにチェックインし、この日の日程は終了ということであった。

 翌日の午前中、天壇公園を参観した。私としては何度か訪れた場所ということもあり、さほど珍しくもなく、一刻も早く朝鮮の地を踏みたいとの思いであった。午後、北京空港で出国手続きを済ませ、やっと平壌空港行きの高麗航空機に搭乗することができた。高麗航空が保有している旅客機は、すべてが旧ソビエト製かロシア製だ。2年前に乗った時は、「こんな飛行機で大丈夫なのか」と思ったものだが、今回は機内もきれいで、ソファーもゆったりしていた。きっと新型機だったのだろう。

 余談だが、2年前に同行していただいた総連兵庫県本部の金相行国際統一部長(当時)が、不安そうな顔をしている私に「わが国のパイロットは、現役の空軍パイロットなみなので腕は確かですよ」と冗談半分に言った言葉が思い出された。

朝鮮の地を踏む

 午後4時、私たちが乗った飛行機はようやく平壌国際空港に降り立った。関西空港を飛び立ってから、およそ30時間かけて到着したことになる。現役の空軍パイロットかどうかは知らないが、ほとんど衝撃のないランディングは心地よく、確かに腕はよかったように思う。

 私にとっては2年ぶりの平壌。タラップから真っ先に目に入ったのは、空港ビルの正面に掲げられた金日成主席の大きな肖像写真だ。「ああ、朝鮮に来た」という実感が湧き上がってきた。入国手続きを済ませると、朝鮮対外文化連絡協会(対文協)の李河進さん、金明日さん、呉星宇さんが出迎えてくれた。李河進さん、金明日さんのお2人は、2年前にもお世話になった方々で、私に気付いた李河進さんが「あっ、川端さんでは…」と、笑顔で手を差し出された。私たちは、2年ぶりの握手で再会を喜び合った。

 その後、対文協が用意してくれた専用バスで、宿泊先の普通江ホテルへと向かった。平壌市内には大同江という大河が蛇行して流れている。普通江ホテルは、その名のとおり大同江の支流にあたる普通江のほとりにあった。まわりを木々が囲み、目の前を普通江がゆっくりと流れる景色は、なんとなく風情があり、私たちをほっとさせた。

 今回で訪朝歴10回を数える友井公一先生によると、以前は京都の老舗旅館のような趣きがあったという。今は改装されて9階建ての近代的なホテルになっているが、環境の良さは平壌随一だろう。

街並みを眺めながら

 平壌市内に向かう車中で金明日さんの説明を聞いた。平壌は朝鮮半島の西北部に位置する低地帯にあり、「平らな土地」ということから「平壌(ピョンヤン)」と名付けられた。古くは、高句麗の都として栄え、柳の木が多いことから「柳京」とも呼ばれていたという。朝鮮戦争のとき、米軍の空爆で一面焼け野原にされたが、国をあげて復興に取り組み、現在のような整然とした街に生まれ変わった。

 市民の交通手段は、おもに地下鉄とトロリーバス。交通渋滞はまったくないが、2年前に来た時には交差点の真ん中で交通整理をしている女性の姿があった。あのキビキビとした交通整理の様子を期待していたが、今は信号が設置されて彼女たちの姿を見ることはできなかった。

 市街地に入ると、民族衣装に身を包んだ若い女性たちが歩いていた。朝鮮にもいろいろな記念日があり、ちょうどこの日(8月28日)は「青年節」とのこと。きっと、若者たちがおしゃれをして、さまざまな行事に参加した帰りだったのだろう。

 久しぶりの平壌の街を見て、2年前の記憶が少しずつよみがえってきた。ひときわ目につくのは、大同江の東岸にある高さ170メートルのチュチェ思想塔だ。金日成主席の生誕70周年を記念して建設されたものだとのこと。街並みの様子は、以前とほとんど変わっていなかったが、1992年から工事が中断されていた柳京ホテルの建設が再開され、三角錐型の巨大な建造物が空に向かって銀色に輝いていた。完成すれば105階建の超巨大ホテルとなり、2012年のオープンを目指しているという。

 この日の夜は、普通江ホテルの食堂で対文協の方々を交えて朝鮮料理に舌鼓を打った。久しぶりの再会と朝鮮に来ることができたという安堵感から、ついついアルコールもすすんでしまったが、夕食が終ると「カラオケでも歌いに行きましょう」と李河進さんからのお誘い。カラオケが設置された一室へ案内されると、日本製のカラオケ機器がでんと据えられていた。金明日さんは、「ビールをあけろ、底まで飲もう…」と、少し古いが日本の歌謡曲を大声で歌って私たちを和ませた。もちろん、団長の杉田哲先生、副団長の今西正行先生、同行していただいた総連兵庫県本部の康永洙副委員長にも自慢ののどを披露していただいた。

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「社会保障基本憲章と基本法」

「社会保障基本憲章と基本法」で
新自由主義に立ち向かう

http://www.tokyo-syahokyo.net/html/torikumi.html

 新自由主義に対抗するために、渡辺治氏・二宮厚美氏・井上英夫氏・後藤道夫氏・竹下義樹氏を中心メンバーとした研究会が2010年10月24日にシンポを開き、「社会保障憲章2010」「社会保障基本法2011第1次法案」が公表された。
 その「社会保障基本法」は、「第9条(ナショナルミニマム保障の原則)」「第10条(国及び地方自治体の責務)」で、国家と自治体は、ナショナル・ミニマムを守る義務があることを条文化した。
 これは、90年代の自民党「地方分権改革」と09年からの民主党「地域主権改革」とは、違う。すべての人の人権保障(無差別平等)とそれを実行する責務が、国家と地方自治体にあると規定してある。

 ①基本法案草案解説
「301022kihohou_souanKaisetu.pdf」をダウンロード

 ②社会保障基本法草案
「301022syaho_souan.pdf」をダウンロード

 ③社会保障憲章2011第1次草案
「301024syaho_kenshouAn01.pdf」をダウンロード


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人権啓発劇:教諭と地域住民「最後」の劇。何はともあれ終わった。

人権啓発劇:教諭と地域住民「最後」の劇--きょう、東山で /京都
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20110115ddlk26040482000c.html

 京都市東山区の市立弥栄中と白川小の教諭らが地域住民と作る人権啓発劇「生きる6~希望とともに」(主催・三条まちづくりフェスタ実行委員会)が15日午後1時半、同区の三条コミュニティセンターである。この取り組みは、15年続いてきたが、4月に両校が他校と統合するため、今回が最後となる。入場無料。

 「生きる6」は同和問題シリーズの完結編。同和地区で生まれ育った母に出自を告げられた主人公の中学生が自身の問題と向き合う中で人権感覚を研ぎ澄まし、クラスのいじめを解決していく物語。

 主人公を演じる弥栄中卒業生の京都大4年、前田智宏さん(22)は「さまざまな境遇の下でも、自分たちの問題から逃げずに生きている人々の姿を感じてもらえれば」と話している。

 今年4月の統合後は、教師を役者やスタッフに派遣することが困難になるため、人権劇の幕引きとなった。住民からは「今後も続けたい」との声もあるが、新年度以降の取り組みは未定という。【林由紀子】

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江田法務大臣 2001年12月座長として、民主党の国内人権救済機関設置の中間報告をまとめる

江田五月 法務大臣

http://www.eda-jp.com/index.html
座長として、民主党の国内人権救済機関設置の中間報告をまとめる

2001年12月6日、民主党の国内人権救済機関設置WTの座長として、中間報告をまとめた。国連人権委員会決議(パリ原則)に基づいて、いわゆる3条委員会として政府とは独立した、準司法的機能を持つ人権救済機関(人権委員会)を設置する内容だ。

政府が検討している案では、この機関は法務省に設置することになっていて、権能も弱い。民主党案は、内閣府に設置して、法務省(検察・入管行政・刑事施設等)などの公権力による人権侵害も対象とし、調査権限や尊重義務のある提言機能も持つ強力な機関で、救済訴訟を起こすこともできる。





2001年12月6日

民主党「国内人権救済機関設置」についての中間報告」
NC特命担当総括副大臣(人権・消費者担当) 石毛 えい子
国内人権救済機関設置WT座長          江田 五月
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1.「国内人権救済機関」設置に向けた取り組み

度重なる人権侵害事件や国際機関からの勧告を受け、我が国での人権侵害救済機関設置が急務の課題とされる中、民主党は、国内での人権救済制度の法案化について、本年2月より「人権救済機関設置WT」での検討を重ねてきました。

そうした折、5月25日に、法務省人権擁護推進審議会より「人権救済制度の在り方について(最終答申)」が発表されました。民主党は、石毛えい子 男女共同参画・人権・消費者ネクスト大臣(当時)・江田五月 国内人権救済機関設置WT座長連名により「『人権救済制度の在り方に関する最終答申』について(談話)」を同日公表し、基本的な姿勢・方向性を示しました。

その後も関係団体等からのヒアリングや討議により、党内で様々な議論を重ねていますが、皆さんのご意見をいただくことで、より建設的な法案づくりに取り組みたく思っています。

2.「国内人権救済機関設置についての中間報告(案)」
 ※党内では「国内人権救済機関」として検討してまいりましたが、以下は法務省の検討する「人権委員会」という名称に統一いたします。

(1)人権委員会の設置
法務省は、人権委員会を法務省の外局として設置しようとしています。しかし、入管行政や収容施設における虐待といった公権力による人権侵害に対して身内である法務省の下の組織で対応することは問題があります。

民主党は、中立公正性を制度的に担保した独立した実質的な人権委員会とするために、国家行政組織法3条に基づき(いわゆる3条委員会)内閣府に設置することを求めます。内閣府に設置することにより、すべての省庁に縦断的に対応することが可能となると考えます。

(2)組織
人権委員会の組織のあり方として、民主党は以下の2類型を検討しております。

分権型
中央に人権委員会を設置し、国会が委員を選任する。
都道府県・政令指定都市ごとに地方人権委員会を置き、地方議会が委員を選任する。

集権型
中央に人権委員会を設置し、国会が委員を選任する。
人権委員会の下に、中央事務局・地方事務局を設置(法務省人権擁護局・地方の法務局を改組する。但し、法務省の影響を除くため復帰は認めない)。

いずれの組織を選ぶにしても、委員選任については、ジェンダーバランスへの配慮や、解任事由の限定など手続きの透明性・公正性の確保などを検討事項とするべきです。

(3)禁止される差別事由
禁止される差別事由として、以下の項目を検討します。

人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産、収入、年齢、言語、宗教、政治的意見、性的指向・性的自己認識、皮膚の色、婚姻上の地位、家族構成、民族的又は国民的出身、欠格条項、身体的・知的障害、精神的疾患、病原体の存在、遺伝子

(4)人権侵害の類型
民主党は、人権侵害の類型化について、対象ごとに以下のように捉えています。

公権力による人権侵害
法務省は、差別・虐待に限って救済の対象としていますが、民主党はあらゆる事象を対象とします。

私人間による人権侵害
「自ら人権を守るのが困難・裁判手続きの利用が困難な場合」に加え、「程度が甚だしく、他に簡易迅速で実効的な手段がない場合」も積極的救済の対象とします。

メディアによる人権侵害
個別企業の自主規制ではなく、業界機関による自主規制を優先とします。それでも解決が図られない場合、相談・あっせん等の救済を行うことは可能とします。

(5)権能

積極的救済の内容
法務省の検討する「相談、あっせん・指導等、調停、仲裁、勧告・公表、訴訟援助」に加えて、強制的手法を含む救済訴訟を盛り込みます。

強制的調査権限
公権力による人権侵害は、強制調査権限の対象とします。私人間についても、一定の厳格な要件で強制調査権限を与えます。

代理
当事者は、資格を有する代理人を付することができる旨、明記します。

提言機能
法務省は「助言」にとどめるとしていますが、民主党は、人権委員会に「提言機能」を与え、立法・行政に尊重義務を課します。

(6)その他

人権擁護委員会の改組
人権擁護委員会については、実質的な知識を持たせるため研修体制を整備すること、責任を明確化するため有給職とすること、現存の委員数(約14,000人)を縮小することを検討します。

市民・NGOとの連携
関係を明確化した上で、恒常的かつ対等で実質的な参加を盛り込みます。

(7)差別禁止法の新たな制定については、人権・消費者調査会で引き続き検討します。


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菅第2次内閣 TPP承認・消費増税・地域間格差拡大 対抗軸明確に

基本方針

(平成二十三年一月十四日閣議決定)


各閣僚を始めとする政務三役は、次の方針に基づき、職務に専念するものとする。

一、政権交代の原点に立ち返り、国民の皆様にお約束した政策を政治主導・官邸主導で実現するため、政府与党が一丸となって邁進する。

一、本年を平成の開国元年ととらえ、明治維新や戦後に続き、貿易自由化や若者が参加する農業の再生などにより日本人全体が世界に向かって活躍することを目指す。また、貧困や失業問題、 社会保障への国民の不安等を払拭し、「最小不幸社会」を実現する。さらに、国民にとって「不 条理」と思えるような問題をただすことを基本姿勢とする。

一、国民が未来に対し希望を持てる社会を創るため、経済・財政・社会保障の一体的建て直しに誠心誠意取り組むとともに、「新成長戦略」の着実かつ早急な実現を図る。

一、明治以来の中央集権体質から脱却し新しい国づくりを進めるため、一括交付金制度の拡充や国の出先機関の原則廃止など、地域主権改革を積極的に推進する。

一、各閣僚は、国民の代表である国会が選んだ菅内閣の一員として、国務大臣としての総合的な立場から、省益にとらわれることなく、菅総理の指示の下で一体となって、内外の政策課題に 取り組む。

一、限られた人材・予算を有効に活用する観点から、行政の無駄遣いを根絶するほか、情報公開を更に進めることにより、「行政の透明化」を推進する。

一、政務三役と官僚は、それぞれの役割分担と責任を明確にし、相互に緊密な情報共有、意思疎通を図り、政府全体が一体となって、真の政治主導による本格的な政策運営に取り組む。

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法相に江田氏 第2次改造内閣の陣容

17閣僚固まる 法相に江田氏「与謝野経財相」は税制・社会保障担当も兼務
産経新聞 1月14日(金)10時50分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110114-00000539-san-pol

 菅直人首相が14日午後に発足させる第2次改造内閣の陣容が固まった。

 参院で問責決議を受けた仙谷由人官房長官の後任には民主党の枝野幸男幹事長代理が就任。仙谷氏が兼務していた法相には江田五月前参院議長、岡崎トミ子国家公安委員長の後任に中野寛成元衆院副議長をあてる。中野氏は拉致担当相も兼務する。

 たちあがれ日本を離党した与謝野馨元財務相は経済財政担当相に内定し、税制・社会保障改革担当、少子化対策、男女共同参画を兼務する方向。海江田万里経済財政担当相は経済産業相に、大畠章宏経産相は参院で問責決議が可決された馬淵澄夫国土交通相の後任にそれぞれ横滑りする。

 再任するのは野田佳彦財務相、前原誠司外相、片山善博総務相、玄葉光一郎国家戦略担当相(党政調会長を兼任)、蓮舫行政刷新担当相、鹿野道彦農水相、高木義明文部科学相、細川律夫厚生労働相、北沢俊美防衛相、自見庄三郎金融・郵政改革相、松本龍環境相。

 また、古川元久官房副長官が交代し、後任に藤井裕久元財務相の起用が固まった。福山哲郎副長官は再任する。

 党人事では、岡田克也幹事長、玄葉政調会長が留任し、空席の代表代行に仙谷氏が就く。鉢呂吉雄国対委員長の後任に安住淳防衛副大臣の就任が固まった。

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瞠目すべき『異形の日本人』の生き様

2011年1月12日(水)
瞠目すべき『異形の日本人』の生き様
~合言葉は「くそたれめ、馬鹿にすなッ」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20110107/217853/

『異形の日本人』上原善広著、新潮新書、714円

 2010年11月、大卒の就職内定率が57.6%と過去最悪を記録したことが報じられ、「超就職氷河期」だ「就活デモ」だなんだと、年末にかけてテレビや新聞、あるいはネット上でやたらと騒がれた。

 そういうのを見ていると、「あー、オレらんときはこんなふうに構ってもらえなかった気がするなー」などと不貞腐れつつ、「生まれた時代が悪かった」とか「オレだってバブル期に就職してればよー」とか、そんなくだらないことをつい考えてしまう。

 けれど、2003年といういまに負けず劣らず氷河期に、どうにか中堅の出版社(エロ本だけど)に就職しながら、その後いろいろあって利の薄いフリーライターに落ち着いている己を省みるに、一応ここまでは自分のやりたい仕事を自分で選んできた結果であって、いつ生まれようが結局いまの状況と大差ないポジションに収まるんだろうなと、そんな気分も一方にある。

 さて、本書の著者・上原善広氏は、被差別部落出身のノンフィクション作家であり、前著にあたる『日本の路地を旅する』(文藝春秋)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞している。「路地」とは被差別部落のことで、そう呼んだのは中上健次である。『日本の~』に代表されるように、著者は路地について書くことが多いが、それと並行して各分野のマイノリティや「異端」とされる人たちの取材も行ってきた。

〈そうした人々の物語や、一種タブーとされてきた出来事の中にこそ、日本人の何かが隠されていることがあるのではないかと思ったからだ〉
春團治が看板に固執したワケ

 『異形の日本人』と題された本書は、近親婚により障害を持って生まれた「ターザン姉妹」、部落解放同盟に糾弾された劇画作家・平田弘史、無頼派アスリート・溝口和洋、筋萎縮症を患いながらワイセツ裁判を闘った女性、股から火を噴くストリッパー・ヨーコ、「古典落語の破壊者」といわれた初代桂春團治(かつら・はるだんじ)の、6篇の物語からなる。

 このなかで路地と直接のかかわりがあるのは、噺家の桂春團治(かつら・はるだんじ)。(※劇画作家の平田は部落差別をモチーフに『血だるま剣法』を描いたが、彼自身は路地出身者ではない)。本名を皮田藤吉といい、明治11年(1878)、大阪市高津に生まれた。本書によると「かわた」はもともと大阪の路地の者を指すのだという。

 藤吉は18歳で桂文我に弟子入りし、入門から8年目の明治36年(1903)に春團治を襲名した。本当は「春團治」などという無名に近い人の名ではなく、「名跡」と呼ばれるかつての名人たちの名を継ぎたかったが、「かわた」の彼にそれは叶わなかった。

〈春團治を襲名した頃から、春團治は看板の上位に異常にこだわるようになる。(中略)いくら噺家として工夫して笑いをとっても、春團治という名が名跡でない限り、看板は他の者が上にくる〉

 あるとき、二代目小団治という素人上がりの噺家の名が自分より上にあるのを見た春團治は、怒りに任せて彼の乗った人力車を襲撃したそうだ。しかし、小団治だと思ってぶん殴ったのが実は師匠格の文団治で、春團治はほとぼりが冷めるまで京都に潜伏するという見事な下げ(落ち)がつく。また、ある看板のお披露目会では、格下ながら名跡を継いだことで上位に書かれた噺家の名を、大きな筆で塗りつぶしたという。

 なぜ春團治はそこまで看板に固執したのか。やはり「かわた」という生まれから、格や身分に対して特に敏感だったのだろうと著者はみている。

「くそたれめ、馬鹿にすなッ」

 これは春團治の口癖だ。路地の者だからと虐げられてきた悔しさを、言葉にして吐き捨てることで前向きに転化し、落語家として大成することに傾けてきた。そして、とうとう「春團治」という何者でもなかった名を、一代で大名跡にしてしまったのだ。

 そんな春團治は、落語家としては当代一の稼ぎを誇りながらも、それ以上に浪費を重ね、膨大な借金を残してこの世を去った。享年57歳。大阪市天王寺区にある一心寺に葬られたが、墓もなく、無縁仏として他の遺骨とともに骨仏となって納骨堂の隅ですすけているそうだ。寺の僧侶にすら、春團治がそこに弔われていることは知られていないという。

ところで、この春團治の「くそたれめ、馬鹿にすなッ」的な精神は、カタチや背景は違えど、本書に登場する人たち(ただし昭和27年の毎日新聞の記事を追った「ターザン姉妹」は除く)に共通して備わっているように思われる。

 たとえば、現役時代からタバコを吸い、食事は「ホカ弁にラーメンライス」、引退後はパチプロに転身した“現”やり投げアジア・日本記録保持者の溝口和洋。彼は、当時のトレーニング理論をガン無視したオーバーワークや奇異な投擲フォームで異端視され、陸上界から黙殺されたが、「記録さえ出せばええやろ」というシンプルな信念のもと、やり一本で世界的な名選手になった。溝口はこうも語っている。

「ハングリーとか、たしかにそういう要素があったら『便利』やろうけど、べつに俺には必要ない。育った環境とかも関係ない。(中略)強いて言えば、なにくそーっていうのが俺の原動力。それだけで練習できる。それがエネルギーの元になる」
生まれた環境は選べないのだから

 あるいは、炎のストリッパー・ヨーコ。高知市にある彼女の実家は置屋(売春宿)を営んでおり、父がそこの主人(という名のヒモ)をし、母は色街で呑み屋をやっていた。そんな境遇にあったヨーコだったが勉強はよくでき、地元でも有名な私立小学校に入学。しかし彼女が6年生のときに両親が離婚し、母とともに親戚のいる大阪へ逃げることになったため卒業を目前に中退してしまう。

 大阪で公立の中学校に入ったヨーコは教師とソリが合わず、わずか3カ月で義務教育を放棄し、年齢を偽り13歳からショービジネスの世界へ。一方で、大学には行きたかった彼女は大検の準備をするが、母はまったく興味を示さず、高知の父に電話すると「どこにそんな金があるんじゃ。行きたかったら自分で働いて行け」と怒鳴りつけられた。それならばと、もっと稼げる新地の高級クラブでホステスをはじめた。

〈稼いだ金は母に預けて管理してもらっていたのだが、しばらくして金のことを訊ねると、全てパチンコと男に貢いでいて、一銭も残っていないことがわかった。(中略)ヨーコは「もうええわ、一人で生きてこ」と思った〉

 それから水商売を転々としたのち、花電車芸人としてストリップデビューを飾る。30歳になっていたヨーコは「これは天職だ」と思ったそうだ。著者は、前著『日本の路地を旅する』のなかで以下のように書いている。

《生まれた環境は選べないのだから、それを嘆くよりも、これからどう生きていくのかが最も重要なことになるのではないだろうか》

 自らの不幸の原因を差別や貧困、障害、家庭事情に求めることは容易い。けれど、自分がどのような知識を得て、誰に出会い、どこへ向かうのか、その選択権は自分自身にあると著者は続けている。これは著者が路地を歩く過程でふと巡らせた考えだが、路地の外でも、似たような複雑な問題は転がっている。

 本書『異形の日本人』は、それを具体的に例示するとともに、自らの選択に自ら責任を持ち、なり振り構わずタブーや偏見に突っ込み蹴散らしていった人たちの姿を生々しく描いている。

(文/須藤 輝、企画・編集/連結社)

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学力のすすめ:「読み書き計算が学力の基礎」 弁護士・宇都宮健児さん

学力のすすめ:「読み書き計算が学力の基礎」 弁護士・宇都宮健児さん
http://mainichi.jp/life/today/news/20110104mog00m100016000c.html

 「最低限の読み書き計算ができない子が増えているのではないか」。日本の子供たちに必要な「学力」とは何か。第4回は、多重債務者、子供の貧困問題などに取り組む弁護士の宇都宮健児さんに聞いた。

--社会に出るまでに、必要な「学力」とは何でしょうか。

 いろいろ考えたが、(答えるのは)なかなか難しいね。日本の社会で生きていくために、よく言われる「読み書き計算」は、最低限の基礎学力として必要じゃないか。戦後生まれの僕たちと比べて、特に算数ができないまま、社会に出ている人が増えているという印象があります。そのうえで、他人を思いやる想像力、他人の痛みが分かる力が、ほかの雑多な知識より重要だと思います。

--算数の力が落ちていますか?

 約30年、多重債務問題に取り組んできましたが、被害の大きな原因の一つは高金利です。借りたお金に対して何割の金利がついて、自分の収入から毎月いくらを返済にあてなければならないのか、基本的な計算ができない人が増えていると感じます。家計をきちんと管理するにも、そういった計算力がないとだめでしょう。闇金融が増えた時、10日で4割、5割の金利をとる業者がかなり横行しました。実は、取材に来たテレビ局のスタッフも、10日で4割が1年でどのくらいになるのか、スムーズに計算できなかった。

--学校で教わっても身についていないのでしょうか。

 学校では「無駄遣いをやめましょう」といった抽象的なことは教えますが、社会で必要なのは具体的な知識です。例えば、派遣労働のように非正規で働く人が安易にローンを利用して、多重債務者になってしまった時に相談する先や、解決法についてはほとんど教えられていない。教員自身が多重債務に陥って、どうすればいいか分からないケースも多いのです。

 また、憲法には、健康で文化的な最低限度の生活を認めた生存権の規定(25条)があり、これは学校で教えるし、入試にも出ます。でも、生活保護の具体的なことについては教えていない。厚生労働省によると、生活保護水準に満たない家庭で、生活保護を受給しているのは約3割です。あとの7割は権利を行使していない。労働基本権についても同じで、働いている人が自分の権利を行使できない場合、どのように苦情申し立てをすればよいのか教わっていない。基礎的な読み書き計算の力がないと、こういった情報にコンタクトすることも、なかなかできない。

--どうやって学べばよいでしょうか。

 学校によっては、子供たちが畑で野菜や米を作って販売し、費用を計算して、利益を分配するといった経験をさせています。また、生活保護家庭が多くて、生徒の多くがアルバイトをしている高校で、アルバイト先から労働契約書をもらってこさせて、労働基準法を教えている先生もいます。生徒自身が働いているから、体験と結びついて、いろいろ考える。分かりやすいのではないかと思います。

--若者にお薦めの本を紹介してください。

 推薦したいのは、僕が大学時代に読んで、弁護士になることを決断した本。「わたしゃそれでも生きてきた 部落からの告発」(東上高志編、部落問題研究所)と、「小さな胸は燃えている 産炭地児童の生活記録集」(芝竹夫編、文理書院)の2冊で、絶版になっているんだけど、古本で買えたら読んでみてほしい。

 「わたしゃ~」は部落で育った女性12人の手記です。この中に、52歳の女性がひらがなで書いた文章があります。この人は貧しくて学校に行けなかったんですね。字を知らなかった。載っているのは「あいうえお」を教わって最初に書いた文章です。当時の僕の両親と同じくらいの年齢で、両親も貧しかったけど、字は書けた。世の中に字が書けない人がいることを初めて知りました。

 もう1冊の「小さな~」は、炭鉱の子供の作文や詩をまとめた本です。エネルギー政策の転換で、炭鉱が縮小、閉山した時代、炭鉱労働者の子供たちの生活がすさんでくる。そんな生活で感じたことをありのままに書かせた。例えば、小学校5年生の「どろぼう」という詩では、学校の先生はどろぼうはいけないと教えているのに、自分の父親はどろぼうしてこいという。銅線を盗んでこいと。でも、やりたくないと訴えている。僕の家も、漁村で開拓農家で苦しかったので、将来は官僚になるか、大企業に入って、なんとか貧乏から脱出しようと思っていたんですが、自分以外にも苦しんでいる人がたくさんいる。自分だけが抜け出すのではなく、そういう人たちのためになる仕事がないかと思って、弁護士になった。そう決めたのはこの2冊を読んだからです。【聞き手・岡礼子】
 ◇略歴

 1946年愛媛県生まれ。68年、司法試験に合格し、東大法学部を中退。71年弁護士登録。2010年4月から日本弁護士連合会会長。全国ヤミ金融対策会議代表幹事、オウム真理教犯罪被害者支援機構理事長、「反貧困ネットワーク」代表などを務め、長年、多重債務や暴力団対策問題などに取り組む。著書に「弁護士、闘う 宇都宮健児の事件帖」(岩波書店)、共著に「反貧困の学校--貧困をどう伝えるか、どう学ぶか」(明石書店)など。

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「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例の一部改正(案)【概要】」に対する府民意見等の募集について。不当に言論表現を規制する条例はそもそも廃止すべきもの。

「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例の一部改正(案)【概要】」に対する府民意見等の募集について

http://www.pref.osaka.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=5656

提供日 2010年12月27日
提供時間 14時0分
内容  
   大阪府では、部落差別につながる調査・報告等をなくし、府民の基本的人権の擁護に資することを目的とした「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例」の一部改正を検討しております。
 つきましては、下記のとおり、本条例の一部改正案の概要に対する府民の皆様からのご意見・ご提言を募集します。

(改正の経緯)

 本条例では、府民のみなさまには、部落差別につながる調査の依頼などをしないように求めるとともに、興信所・探偵社業者には、部落差別事象を引き起こすおそれのある調査、報告などをしないように義務付けています。

 しかしながら、2007(平成19)年、不動産会社がマンション建設等に先立ち、その建設予定地に係る土地調査を広告会社に依頼し、広告会社を通じてリサーチ会社等が同和地区の所在等を調査し、報告していた事実が発覚しました。

 このような土地調査は差別助長行為であるにもかかわらず、現行条例では規制できないため、標記条例を一部改正することで対応するものです。

 

     記

1 募集対象項目

 大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例の一部改正案(概要)

2 募集期間

 2010(平成22)年12月28日火曜日から2011(平成23)年1月27日木曜日まで

3 提出方法

 関連ホームページをご参照ください。

関連ホームページ
   府民意見等の募集について(12月28日0時公開)
http://www.pref.osaka.jp/jinken/measure/ikenbosyu.html

  部落差別調査等規制等条例


大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例の一部改正案(概要)

http://www.pref.osaka.jp/attach/1419/00061557/gaiyou.pdf


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