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障害者にとって治療や訓練で克服すべき対象とされてきた心身の疾患や損傷を、個性として尊重?

【社説】

障害者制度改革 共生社会へ転換図ろう

2010年7月5日
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2010070502000037.html

 政府は障害者権利条約の締結に向けて障害者政策全体を見直すための指針を決めた。障害をどうとらえるかという根幹にまで遡(さかのぼ)って既成の枠組みの転換を図る。改革を着実に前進させてほしい。

 この指針は「障害者制度改革の推進のための基本的な方向」とされ、昨年十二月に発足した政府の障がい者制度改革推進本部(本部長・菅直人首相)がまとめた。

 改革の目標は政府が二〇〇七年九月に署名した障害者権利条約の批准だ。障害者が自らの選択と決定で社会参加し、地域で自立して生活する。指針は条約のそんな理念に沿って国内法を整備するための土台となる。

 最大の特徴は障害のとらえ方の百八十度の転換だ。端的に言えば、障害者にとって治療や訓練で克服すべき対象とされてきた心身の疾患や損傷を、個性として尊重しようというわけだ。

 健常者ばかりを念頭に置いた社会の仕組みが障害者の生きづらさや息苦しさを生み出している。例えば公示中の参院選を見ても、障害者がきちんと選挙情報にアクセスできているか疑わしい。

 候補者のポスターやビラには点字やルビの表記が行き届いているか。政見放送や演説会での手話通訳や字幕の提供はやはり不十分と言わざるを得ない。外出の難しい障害者が候補者と触れ合う機会が少ないことは察しが付く。

 障害を負うリスクは誰にでもある。そのことを踏まえれば、障害者が健常者と等しく権利を行使できるよう社会の仕組みを改善していくことこそ重要だ。指針はそんな新しい視点に立ち国民全体の意識改革を求めていると言える。

 政府は条約の受け皿として障害者の人権を定める障害者基本法改正案を来年の通常国会に出す。身体や知的、精神といった旧来の障害の定義や差別の実態を洗い直し、障害者制度の“憲法”として生まれ変わることになろう。

 応益負担が批判された障害者自立支援法に代わる障害者総合福祉法(仮称)を一二年に、障害者差別禁止法を一三年に提案する道筋も示された。

 並行して障害の有無によらずすべての子どもが共に学ぶ教育制度や、自立生活を支える所得保障制度に加え、労働や雇用、医療など十一分野で抜本改革を目指す。

 高いハードルが幾重にも連なる構想だ。実現に向けた財源や人材の手当ては難航しよう。だが、まさに問われているのは、支え合い社会の将来像をどう描くかだ。

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