« 2010年2月 | トップページ | 2010年4月 »

2010年3月に作成された記事

佐賀県内295世帯の「実態」 課題は市民的要求に拡げて闘うべき 

若年層の低学歴、低収入傾向強まる 被差別部落調査
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1579815.article.html
2010年03月17日更新

 佐賀県内の被差別部落住民を対象にした調査で、最終学歴が義務教育修了程度の若年層が増加し、年収200万円以下の世帯が4割を超えていることなど、学歴や所得の低下傾向が浮き彫りになった。調査に協力した大阪市立大の妻木進吾特任講師は「2002年に同和対策事業特措法が失効し、奨学金などの制度がなくなったことが背景にあるのでは」と分析。対策の必要性を指摘する。

 調査は2009年2月、部落解放・人権政策確立要求佐賀県実行委員会が、11地区の311世帯を対象に行った。回収率は95%(295世帯)。

 年代別の最終学歴は、中学校卒業程度の割合は、70代以上が81・7%で、40代は17・0%と減少傾向がみえるが、30代は28・2%、30歳未満は22・5%と、若年層は逆に割合が増えた。

 短大や高等専門学校、大学以上を卒業した割合は、すべての年代で20%未満。県全体(2000年国勢調査)では40代以下は高卒以上の割合は30%を超えており、被差別部落で暮らす40代以下の若年層ほど、格差が拡大する傾向もみられた。

 男性の平均年収は279万円と、佐賀県の男性の平均より94万円低い。特に200万円未満が36%と、県全体の男性より11ポイント高かった。

 妻木特任講師は、社会全体で格差が拡大した時期(2002年)に特措法が終了した点に注目し「この7年間、同和地区に特化した施策がほとんどなく、金銭面で進学を支える態勢が弱くなってきた」と話す。その上で、「若年層は今後より一層、生活が厳しくなる。この数字を、行政関係者らすべての人が受け止め、対策を考えることが必要」と話す。

|

和歌山県 中小企業高度化資金の債権放棄

2010年2月県議会 松坂 英樹 一般質問   2010年3月9日
1.中小企業高度化資金の債権放棄について
(1)「付帯決議」を受け止め、県民への説明責任を
   はたすものとなっているか
(2)ずさんな融資の問題点について
  ・坪56万円という高額な土地売買価格
  ・操業後すぐにゆきづまった経営計画
  ・滞納時以降の県の指導・回収姿勢
(3)延滞法人・破綻法人の状況と今後の対応

http://www.naxnet.or.jp/~w-jcpken/gikai_hokoku/1002/matusaka/1002matuipn.htm#1002matu1

―――――――――――――――――――――――――――――

1.中小企業高度化資金の債権放棄について
(1)「付帯決議」を受け止め、県民への説明責任をはたすものとなっているか
《質問》 松坂英樹 県議
 まず最初に中小企業高度化資金の債権放棄についてお尋ねします。同和対策事業として融資をされた中小企業高度化資金の債権放棄問題では、2年前の議会において、24億円もの無利子融資を受けながら、ほとんど返済されずに倒産した「プラスパフーズ」の案件等が全会一致で継続審議となりました。翌6月議会で議案が承認されたときには、県議会から今後の債権放棄案件については「貸付時及び債権回収過程における問題点について徹底的に調査、分析し、県民の理解が得られるよう充分説明を行うこと」等の付帯決議がつけられました。これはたいへん重い決議であると考えます。
 今議会の債権放棄議案も同和対策として新宮市の熊野食肉事業協同組合へ融資されたものです。土地建物あわせて3億6千万円もの無利子融資を受けながら、わずか1200万円、3.5%しか返さずに倒産。土地建物の競売をしても、わずか1300万円にしかならず、残りの3億3千万円を債権放棄するというものです。
 県は議案提案にあたって「調査結果」を議会に提出しています。この調査によると、貸付時の検討会と審査会が開催された公文書が存在しないことや、土地は当事者が直前に先行取得していたこと、建設工事の発注先が親族の企業であったことなど問題点が明らかになっています。プラスパフーズのときも、親子で土地売買をし、土地は2.5倍、建物は2倍高く購入していたのが思い出されます。
 この調査結果の弱点は、この間の調査の事実関係を明らかにしてはいるものの評価がないということなのです。今から検証してみればどうかということがなく、当時は適切であると判断していたとか、手続き的には一応やっていましたという、前回同様・従来型の表現にとどまり、一歩突っ込んだものとなっていません。そして調査の大部分は、債権回収会社による当事者の返済能力がないことの報告となっており、取れるものがないのならすみやかに債権放棄という事務的処理になっていると指摘せざるを得ません。むろん問題にフタをして先送りを続けることは許されず、適切な処理をすべきものですが、債権処理をするのなら県民の前に問題点を明らかにし、その総括をしてこそ理解が得られるものです。
 私は前回の債権放棄のときも、同和の融資については普通では通らないような甘い審査で通された、その結果として融資が焦げつき、債権放棄となってしまったと指摘しました。これはまさに、ゆがんだ同和行政の表れだと批判し、その姿勢こそを反省し改めるべきだと主張しました。
 知事にお伺いします。今回の債権放棄提案には、歴史的経過をふりかえった上で、「今思えば適正な融資だったと言えるかどうか」という評価なり反省・総括がありません。これで附帯決議を受け止め、問題点を徹底的に調査し、分析し、県民への説明責任をはたしたといえるのでしょうか。知事の見解を求めたいと思います。

《答弁者》 知事
   この中小企業高度化資金に限らず、県がもっております不良債権の処理につきましては、これはもうきちんとしようということで私は職員をリードしております。一般的ではございますが、ともすると過去の責任を追求されるのは嫌なものですから、嫌なことには蓋をしがちであります。で、職員が萎縮をしてしまうわけであります。いよいよ時効になると、なってしまいましたといって処理をする。これではいかんと思います。価値がないものをあるかの如く掲げておくということ自体問題でありますし、県民にオープンにしなければいけません。それから、返してもらえるものが少しでもあるならば、それは100%追求しないといかんわけであります。
   そういう考えかたで前回、平成20年の2月に私が就任してから第1回目の不良債権処理についての議案を提出させて頂きました。平成20年の6月議会におきまして附帯決議を頂きました。
   それは第1に貸付の際には十分に慎重にやりなさい。それから整理の際に取り漏らすことなくやりなさい、3番目は経緯等きちんと評価をして説明をしなさいということであろうかと思います。私共はこの附帯決議の重みを十分に真摯に受け止めまして、誠実に履行している所存でございます。
   第1につきましては、審査体制をその前も含めましてかなり充実しております。ただこの融資については新規はありませんので、他の分野への教訓としてこのことは活かしていきたいと考えております。
   2番目は、それこそ取り損ないがあるといけませんので、徹底的に調べあげて外部の専門家もお雇いして、どこか仮にいただけるものが残っていないかどうか。そういうものについて徹底的に調査をしているわけでございます。
   3番目に、議案とともに調査結果報告書を議会に提出させて頂いている所であります。その過去の系統の調査の内容につきましては、熊野食肉事業協同組合に係る貸付手続き、債権回収過程の状況、及び組合並びに連帯保証人等の返済能力について保存文書の精査を行うと共に、当時の担当者へのヒアリングを実施するなど徹底的に調査を分析し、それを紙にして開示した所であります。私は結果的に県民の税金を毀損しているわけでございますので遺憾に思っておりますけれども、だからといって臭いものには蓋というのではいかんと思うわけであります。
   今後とも萎縮することなく、債権が貴重な県民の税金であるという認識のもとに可能な限りの手段・手法を駆使して最大限の回収に取り組むとともに、組合資産の徹底的な調査、連帯保証人等への厳しい徴求を行って参りたいと考えております。そしてどうしてもこれ以上は絶対に取り立てられないということであれば、勇気をもってお示しし、報告書できちんと説明するということを今後ともやっていきたいと考えております。

(2)ずさんな融資の問題点について
・坪56万円という高額な土地売買価格
《質問》 松坂英樹 県議
 次に、ずさんな融資の問題点について、具体的に3点にわたって商工観光労働部長にお尋ねをしたいと思います。
 まず1点目に坪56万円という高すぎる土地価格の問題です。新宮市の海沿いの大浜墓地の近くにある土地、これはいかにも高すぎます。これまで県は「不動産鑑定士による鑑定は行っていないが固定資産税の評価額を参考としている」と言ってきました。この土地の固定資産税評価額は坪15万円程度であり、4倍近い法外な価格で融資をしています。聞き取り調査では、「ここらは当時で良くて坪20万円くらいか、今なら坪10万円、いやもっと安いやろう」という近所の評判でした。
 今回の調査で、金融機関の「意見書」なるものが見つかったようです。議場に配布しております資料1表、資料1ウラがその意見書、加えて資料2表、資料2ウラが半年前に土地を先行取得したさいの売買契約書、資料3表、資料3ウラは意見書の半年後に組合が事実上の経営者から土地を買い上げた売買契約書です。これらを根拠にして、土地価格は適当であったと報告されていますが、「意見書」というのは鑑定書とは性格がちがい、参考ぐらいで根拠にはなりえない性格のものです。これらの書類は、高い土地価格取引を認めさせるために、無理に売買実績をつくり、銀行に書類まで作らせたという姑息な手段ではないでしょうか。
 実際、倒産後の競売評価額では20分の1の坪2万5千円としか評価されませんでしたし、売れた値段は坪1万7千円にしかなりませんでした。土地を通常では考えられないような高い値段に評価して高額の融資をしたことに問題はなかったのか、適正だったと言えるのかお答え願いたいと思います。

《答弁者》 商工観光労働部長
   組合用地の取得に関しましては、高度化事業に係る共同施設事業用地として、組合員が地元の土地所有者から昭和57年11月に先行して取得してございます。その後、組合が設立され、昭和58年10月に当該組合員と組合とで所定の売買契約により取引が行われ、所有権移転がなされたものでございます。
   議員ご質問の土地売買価格につきましては、当時、土地、建物、設備等全体の設備投資額を前提として、資金調達計画、販売計画、償還計画等包含した計画診断が実施され、概ね妥当とする診断結果がなされてございます。
   また、その取得価格については、当時の貸付事務要領におきましては、土地の鑑定評価を行うことまでは求められておりませんでしたが、近隣の金融機関から不動産評価意見書を徴取し、その意見書の評価額の範囲内であったというのを確認してございます。

・操業後すぐにゆきづまった経営計画
《質問》 松坂英樹 県議
 2つめに、ずさんな経営計画です。前回のプラスパフーズのときも、操業後わずか2年で経営が行き詰まったことを指摘しました。今回も操業後わずか2年で経営不振により返済が滞り、7年後に不渡りを出している。今回も見通しの甘い経営計画だったのではないか。当時の関係者が「経営は儲かうらんでもええんや、事業を起こすことが金になるんや」と言っていたと聞きます。経済環境の変化というだけでは、借りたお金のほとんどを返さないという事態の説明はつきません。甘くてずさんな事業計画でも審査を通したという実態があるのではないか。いかがでしょうか。

《答弁者》 商工観光労働部長
   熊野食肉事業協同組合は、新宮市内の小規模な食肉業者5名が、組合を設立し、食肉の共同加工、新商品の製造などを行い、併せて、業務運営の効率化や外商を活用した販路開拓を行うことにより、売上拡大とコスト節減による地域の食肉加工業界の発展を目指して、高度化事業を実施したものでございます。
   貸付手続きにつきましては、組合から提出されました事業実施計画書に基づき、昭和58年4月に当時の県の診断機関でございました中小企業総合指導所、商工企画課及び東牟婁県事務所産業課の三者により、販売計画、資金調達計画及び償還計画等を診断いたしてございます。
   当初、組合に対し、販売計画の更なる精査や資金計画の精度向上など改善点を勧告し、組合から勧告意見に対する回答を受理し、その回答が妥当と判断した後、修正計画書の提出を受け、当時の中小企業事業団(現在の中小企業基盤整備機構)の審査、承認をいただいた後、融資を実行したものでございます。
   しかしながら、融資実行後、当地域での経済環境の悪化、近隣スーパーとの競合の激化により売上が低迷したこと、新分野への進出計画が不調などの要因により、約10年の操業の後、残念ながら破綻状態となり、予定した計画の遂行が出来なくなったものでございます。

・滞納時以降の県の指導・回収姿勢
《質問》 松坂英樹 県議
 3つめに、ほとんど催促もしていなかったという問題です。2002年に共産党県議団が質問してこの問題が明らかになってからは、県は償還指導室を立上げて償還指導をし、貸付審査も改善しました。ところが県は、この問題が明らかになるまではまともに指導すらしていませんでした。記録を見せてもらいましたが、87年に延滞となってから、倒産する94年までの7年間にわずか8回しか面談していないし、返済が滞っていても滞納延滞金もまったく請求しませんでした。
 また当時新宮市は、同和対策の融資の利子補給としてこの組合に1700万円の補助金を別途支出しています。融資プラスそういう補助金までもらいながら、県への返済は1200万円と、そのもらった補助金より少ない額しか県に返済しなかったわけです。高度化3億5千万円とは別に、立上げ時の自己資金で約1億円、加えて運転資金も必要でしたでしょうから、あわせて2億円相当が準備されたと見られますが、どうやって工面したのか詳しい資料は残っていないし、登記簿をみると県信用保証協会が土地と建物に根抵当権をつけていたようですが、その融資はどうなったのかも定かではない。競売時の資料から類推すれば7000万円ほどの焦げ付きを県保証協会がかぶったのではないかと思われます。これもいわば県のお金にかかわるわけです。高度化資金融資も焦げつかせ、加えて自己資金の融資も焦げつかせているという実態です。
 融資滞納時以降の県の指導・回収姿勢はどうであったのか。またそもそもこの組合の自己資金、運転資金、市からの補助などがどういう実態であったのかよくつかんで正面から指導していたといえるのでしょうか。ご答弁を願います。

《答弁者》商工観光労働部長
   当該組合については、昭和60年に工場が完成し、設備が稼働いたしましたが、新分野進出のための大手メーカーとの提携やブランド商品化の話も不調に終わり、さらに業況も好転せず、業績不振に陥り、昭和62年9月に延滞組合となったものでございます。
   県といたしましては、速やかな償還指導が必要である、との判断のもと、債権回収に入り、平成6年度までの間、少額ではございますが、4回の返済を得ているところでございます。
   その後、一段と資金繰りが厳しくなり、平成7年2月に銀行取引停止となり、組合は実質的に倒産に至ったものでございます。
   県といたしましては、当時の中小企業事業団(現在の中小企業基盤整備機構)と協議を行い、平成7年11月14日に残債全額に対し、繰上償還命令を出してございます。
   その後、組合の早期償還に向けて組合責任者と協議を進め、平成14年3月に競売申立の後、平成15年5月に最終的な資産売却を行い、配当を得てございます。また、その後につきましては、早期にかつ最大限に回収すべきであるとの観点から、資産調査を含む連帯保証人や相続人への徴求を続けていたものであり、今般、全ての方々に返済能力がないことが判明し、今回、債権放棄をお願いすることに至りました。
   なお、議員ご質問の「自己資金」につきましては、完了検査において、全ての投資案件に係る支出関係の領収書等の証拠書類が確認ができていることから、組合自体が借入金や自己資金を調達したものと考えております。
   「運転資金あるいは市からの補助」についてでございますが、高度化案件につきましては、当時、年一回、経営状況調査を実施しておりまして、添付された決算書の中で資金調達面を含む財務状況の把握に努めていたものと考えてございます。

(3)延滞法人・破綻法人の状況と今後の対応
《質問》 松坂英樹 県議
 この問題の最後に、高度化資金の現局面の全体像について伺います。前回の債権放棄は26億円。今回の3億3千万円を合わせると約30億円もの税金が泡となった計算です。延滞法人の経営状況を見ると、今後も債権放棄が続くのではないかと予想されます。今後のためにも、こんな不十分な総括で次々と債権放棄していっていいのかが問われているのではないでしょうか。
 この高度化資金融資は現時点で、どれだけの融資が延滞となり焦げついているのか、延滞法人数と延滞額を示されたい。またその延滞額の何割を同和対策の融資がしめているのかも明らかにされたい。
 また、返済がとどこおったものの中ですでに破綻したものはそのうちどれくらいあり、破綻予備軍ともいうべき、競売手続きが開始されたものはどれくらいあるのか。
 延滞法人・破綻法人の状況と今後の対応について商工観光労働部長より答弁を願います。

《答弁者》 商工観光労働部長
   まず、延滞法人・破綻法人の状況でございますが、現在、高度化資金貸付組合が41組合ございまして、平成20年度末の延滞組合は、28組合、延滞額約79億5,900万円となっており、このうち地域改善対策に係る延滞組合は、21組合、延滞額約63億9,900万円となってございまして、延滞総額の約80.4%でございます。
   今回ご審議いただいている熊野食肉事業協同組合を除く延滞組合は、27組合、延滞額約76億2,700万円となっており、このうち地域改善対策に係る延滞組合は、20組合、延滞額約60億6,700万円となっており、延滞総額の約79.5%となってございます。
   また、熊野食肉事業協同組合以外の破綻法人は、現時点で4組合となっており、事業を廃止し、競売手続に着手している延滞組合は、4組合となってございます。
   次に、延滞法人並びに破綻法人の今後の対応についてでございますが、破綻法人4組合につきましては、組合資産の売却が完了しており、今後は連帯保証人等の償還指導を早期に進め、可能な限りの債権回収を進めてまいりたいと考えてございます。
   また、競売手続中の延滞組合については、組合資産売却を行い、償還能力を徹底的に調査し、連帯保証人、相続人に対し強力に徴求を進めてまいりたいと考えてございます。
   いずれにしましても、今後は、附帯決議に基づき、考え得る最大限の債権回収措置を講じてまいりますが、債務者の返済能力が全くないと確認された場合には、今回と同様、貸付時及び債権回収過程における問題点を徹底的に解明を行った後、最終的には議会に議案を上程さして頂きたいと考えてございます。

《再質問》 松坂英樹 県議
 知事に債権放棄の説明責任と調査報告への姿勢について再質問をさせていただきますが、その前に、この問題で要望を1点しておきたいと思います。それは調査資料を整理して全容を議会に出していただきたいということです。
 今回の熊野食肉の案件については、2003年の情報公開請求でこれだけの分量の資料が公開されています。これに加えて、今回の調査により、銀行の「意見書」のような新たに発見された資料もありました。担当課は、私が資料提供をお願いしたものには、個人情報等のルールはしっかり配慮した上で「調査結果は包み隠さず明らかにすることになっています」と、丁寧に公開していただきました。その点は高く評価したいと思います。調査のまとめ的文書は、これはこれとして必要ですが、議会に対しては、今回の案件に関してこれだけの資料がありますと、新たな調査結果資料はこちらですと、議員全員にその一覧を配付し、本体はきちんとまとめて閲覧できるようにしてこそ、慎重審議ができるのではないでしょうか。
 なぜなら、破綻した食肉組合が山林を27筆、登記簿上の面積でも2万平方メートル以上の山林と雑種地を所有したままです。また組合員の中には、固定資産評価が630万円もある分譲墓地の一部の土地を所有したままです。この食肉組合の事実上の経営者は、食肉の仕事以外に、墓地の分譲や葬祭式場の事業にも手を出し、砂利採取や産廃にも手を出して事業をし、色んな問題をおこした人物です。まさにその痕跡だと思うのです。借りたお金も返さずに、肉ではなくて土地を次々に買いもとめていた熊野食肉への指導はどうだったのか。資産価値がないからと、こんなままで債権放棄していいのか。地方税回収機構では国保のわずかなお金が払えなくて差し押さえをされる県民が一方でいます。税と金融債権ではちがいますが、なんともやりきれない気持ちなのは私だけでしょうか。
 この資料をととのえること、これはすぐできることです。まだまだ委員会審議もあるわけですから、議会と県民の前に、全貌を名実ともに明らかにしていただくようこの場で要望するものです。
 さて、再質問として、知事に土地価格の総括にしぼって伺います。知事はこの調査報告を知事として受けて、当時の固定資産評価額との大きな差、加えて銀行の意見書なるものをわざわざつけているという特殊な状況、その意見書の内容を見てどう感じましたか。当時としての手続きはととのっていた、では済まされない問題ではないでしょうか。
 わざわざ資料配付させていただきましたが、銀行の意見書は、熊野食肉から銀行に求めて提出されたものです。表のページには立地条件がいいと色々持ち上げておいて、裏のページの結論部分では、市内の土地は「坪14万15万を下らないといわれている」なんて書いていますが、これは市内の便利なところをさした一般的な評価であって、今回の海沿いの大浜墓地の近くにあるこの土地の個別評価ではありません。そして「付近での取引事例はないが」云々と、明確な根拠はないことをなんと自ら告白しながら、1平方メートルあたり18万2千円(坪60万円)は妥当だと、結論だけははっきり書いているんですね。
 これは論理的に無理があります。一般的に新宮の土地は高いですよ、でもここは実績がないですよ、だから値段は坪60万円、この3段論法は通りません。これは無理やり作ったものですよ。銀行にとっては、意見書を書いたからといっても、意見書ですから責任は問われません。よく考えたなと私は思います。そんなに固定資産評価と実態に差があるものを審査で認めてもらおうというのなら、義務ではなくても鑑定をとったらよかったんですよ。意見書ですませたところがミソだと思うのです。他の案件で銀行の意見書なんてとっているところないでしょう。特別あつかいですよ。
 また土地を直前に先行取得している問題でも、2段階の売買契約書を配布させていただきました。よく見ると、なんとどちらの契約書にも日付が入っていないんですね。手付金1500万円の領収書のかわりにするなんて書いてあるのに日付がないというのもどうなんでしょうか。不動産屋さんも入っていないようですし、資料2なんか日付を消したのではないかと思えるような痕跡が、うっすらとありますね。
 わざわざ先行取得せずとも、組合が直接買えばよかったんです。それをせずに事実上の経営者が先に買った形にしてある。これは「組合員もこの値段で買っています、組合員が買ったその値段からは高く買っていません」という、いわば審査を通す書類上のテクニックではないでしょうか。こんなことをする合理的な理由が、審査の中でも調査の中でもないのです。
 私は、高い土地売買価格を合理化するために、売買実績を作り、銀行にも無理を言って意見書を書いてもらった、かなり知恵をつかったと見ています。知事はこれちょっと問題だなと思いませんでしたか。私は県の調査にはこう書いてしかるべきだと思うのです。「実態よりも高い土地価格の評価と融資が、破綻時の担保不足と多額の欠損を生んだ」と、なぜ素直に総括できないのか。ご答弁願います。

《再答弁者》 知事
   ただいまの資料提供についての見解でありますが、松坂議員が読まれなかった所がありまして、全部読みますと「新宮市は平地が少なく昔より比較的地価の高いところであり、現在、自動車の進入出来る道路に面しておれば住宅地で平方米当たり14~15万円を下らないといわれて居り、附近での取引事例はあまり聞かれないが、当該物件は幹線道路に面しており将来性を見越して売り物も少ない状態であり、不動産業者の風評及び、他地区との諸条件をくらべて本物件の1平方米あたり182,000円を妥当なものと考える。」と書いてある。私はこの文書を読むと、議員がおっしゃったように、明らかに間違いとかごまかしとかそういう風には文章上はとれないと思います。
   ただ附帯決議にございますように、それから私自身がその時にこれをみて審査を担当してたわけではないので、貴方はこれを見て真実と思ったかどうかについてはなかなかお答えしにくいわけです。しかしながら、まさに附帯決議の御議論もありましたように、単にこういう文書がでてきた時につじつまが合ってて論理的である、ということだからもういいということではなくて、もっと別の専門家にも調べてもらおうとか、そういう慎重審議はやった方がいいということは正しいと思います。
   したがって、今は少なくともそういう形に体制が整っていて、今後こういうものが出てきたら、それを色んな角度から正当性を評価できるようにはなっているということを申し上げておきます。

(要望) 松坂英樹 県議
 知事の再答弁をいただいたわけですが、納得いく答弁はいただけませんでした。
 高度化資金全体の焦げつき結果からみても、同和対策の融資が通常融資よりもずさんな融資の実態があったという点、また今回の個別案件についても、貸付時と債権回収過程の具体的な問題点の解明と評価にはメスを入れられていない、このことを厳しく指摘して終わります。

|

ネット上の人権侵害、前年比52.6%増加

ネット上の人権侵害、前年比52.6%増加

 法務省は26日、全国の法務局など人権擁護機関が扱った人権侵犯事件の状況を公表した。2009年の新規救済手続開始件数は2万1218件で、前年から0.9%減少。一方で、インターネットを利用した人権侵犯事件は過去最多の786件で、前年から52.6%増加した。

 インターネットを利用した人権侵犯事件の内訳は、名誉毀損が295件、プライバシー侵害事案が391件で、この2つの事案が全体の87.3%を占めている。また、特定の地域が同和地区であるとといった書き込みなどの差別助長行為事案は24件あった。

 これらの事案のうち、人権擁護機関がプロバイダーなどに対して削除要請を行ったものは81件。事例としては、ネット上の掲示板に何者かが被害者本人を名乗った上で、実名やメールアドレスだけでなく、被害者の私生活に関わる不実の内容が掲載され,その書き込みを見た交際相手の両親から結婚を反対されたケースが挙げられている。

 人権侵犯事件全体では、「暴行・虐待」に関する事案が5099件と最も多く、全体の24%を占める。特徴的な動向としては、児童に対する暴行・虐待が725件で前年に比べて15.6%増加したほか、雇用情勢の悪化などにより労働関係の人権侵犯事件も1257件と前年比で11.0%増加した。

http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken142.html


|

3月16日参議院法務委員会 部落問題の定義など質疑

3月16日参議院法務委員会
中継録画
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
千葉大臣と松岡議員
(私的に要約すると)
松岡議員 人種差別撤廃委員会で部落問題について、カーストなのか、民族差別ではないのかなど質問が多々出された。政府は同対審答申を引用し、外務省は人種差別の対象外といって会議は混乱した。法務省が担当になって部落問題の定義を明確にすべきだ。さらに今日の政府の方針は96年意見具申というならば、部落問題の実態、課題、残された課題を明確に。

大臣 政府として同和問題について、どう対応してゆくか、窓口の問題についても全体で考えてゆく。仕組みも考えてゆかないとならない。


(以下参考のために)
高知民報
2009年5月24日

http://www11.ocn.ne.jp/~jcpkochi/minpo/topic/2009/090524kaidokenren.htm

解同県連 県知事部局と4年ぶり交渉 尾崎県政「属地・属人調査はしない」 橋本前県政と同じスタンス堅持
 部落解放同盟県連(野島達雄委員長)と県人権課との交渉が5月13日、高知市内で開かれ、解同側は「同和行政のPDCAのための実態調査」実施を繰り返し求めましたが、県側は「特定の地域や人を特定した調査はできない」と応じず、尾崎県政下でも前橋本県政時代と同様の同和行政へのスタンスが明らかになりました。解同県連が知事部局と交渉を持つのは2005年4月、南海大震災誌復刻版に不適切な記述があるとして行われて以来。県教委とは毎年交渉が続けられてきましたが、知事部局とは4年ぶりで、県側大崎富夫・文化生活部長、吉良正彦・人権課長ら、解同県連側は野島委員長、山戸庄治書記長などが出席しました。

要請の中で解同側が強調していたのは①同対審答申(1965年)、地対協意見具申(96年※)に対する認識、②同和問題解決の課題を明らかにするための実態調査の実施でした。

①について解同側は「同対審答申には部落差別解消にむけた取り組みは行政の責務と書いてある」、「地対協意見具申には部落差別がある限り従前にも増して和対策を続けなければならないとある」などと主張。

②については「現実の部落差別は、地域や人を特定して起こっている」、「同和行政にもPDCAが必要」などと旧同和地区や関係住民の「低位性」を引き出すことを念頭に置いた実態把握を繰り返し求めました。

県は①について、「同対審答申は歴史的に意義深い文書。地対協意見具申は現在の施策の基本になっているが、33年間同和行政に取り組み、これ以上特別対策を続けることは差別解消につながらないとしており、県としても地域や人を限定せず課題ごとに対応している」という認識を述べました。また県人権条例で定期的に公表することとされている県民を対象にした人権意識調査については、「10年スパンで考えている」と述べました(前回公表は2003年)。

県営住宅の使用料が、一定以上の所得がある世帯が「収入超過」となり値上げになることに関連して、「かつて同和対策で建築した住宅は、他の住宅と違って一過性ではない。これまでの事業の趣旨、『地対協意見具申』を十分踏まえて部落問題解決という考え方で配慮してほしい」と山戸書記長が発言。「これ以上、具体的には言わない」とぼかしたものの、旧同和住宅については一定の所得水準があっても一般住宅より使用料を低くするよう求める内容でした。 これに対し高橋宏幸・県住宅課長は「(旧同和住宅の住民は)一過性ではない言うが、どこの団地でも長く住む人が多い。公営住宅は法に基づき低所得者向けとなっている」と回答しました。

※解同県連は96年の地対協「意見具申」を持ち出し、「部落差別がある限り同和行政が必要」と主張しているが、「意見具申」の中心的内容は「特別対策をこれ以上すすめることは差別解消につながらず、特別対策を終了させる」ことであり、文書の一部を抜き出して、今もって同和行政永続化の根拠になるかのような主張は通用するものではない。

--------------------------------------------------------------------------------
「不信感ある」 苛立ち隠せぬ解同

解説  2007年に解同県連の推薦を受けた尾崎正直・県知事が誕生してから初めての県知事部局と解同県連の交渉でしたが、尾崎県政下でも橋本前県政時代と同様の同和団体への対応方針が堅持されていることが改めて確認されました。

橋本大二郎・前知事は「モード・アバンセ事件」の要因に同和団体の圧力と主体性を喪失した県の姿勢があったとして、2001年度、全国の先陣を切って同和行政を基本的に終結させ、地域や人を特定する施策を行わない方針を確立。県政に「解同タブー」は急速に払拭され、解同側も知事部局へのアプローチは「サジを投げ」て03年、04年の連年知事選で橋本県政打倒に全力を投入していました。

解同側の県への要求の基本は旧同和地区や属人を特定し、「部落の低位性」を明らかにする調査の実施。過去にも毎回の交渉の度に時間の大半を割き、同じ要求を繰り返していますが、県の「属地・属人の対応はしない」という回答は一貫してブレていません。

ただ県の部落問題についての現状認識には「部落差別はまだ残っており、県民の差別意識をなくしていく取り組みが必要(吉良正彦人権課長)」という弱点が今もってあることから、「差別意識」の実例が児童の校内での発言や特定人物による落書きに過ぎないにもかかわらず、「実態を調査せず施策は打てない」、「PDCAの手法を取らないのはおかしい」などと解同に言い寄られるような状況があります。実態に即して「部落差別は基本的に解決されている」という認識に立つ以外、このループを断ち切ることはできません。

5月13日の交渉で解同幹部が「差別があるのに差別を見ようとしない県行政に不信感がある」と発言していたように、知事が交替したにもかかわらず、前県政時代と変わらない対応をする県の姿勢に解同側が強い苛立ちを感じているのは確か。政治家である尾崎知事が解同にリップ・サービスはしていても、現状では基本方針にブレは見られません。、そもそも今日「属地・属人」を特定するような施策の復活が許されないことは、誰が考えても分かることですが、今後も県の姿勢が後退することのないよう、しっかり注視していくことが必要になっています。(2009年5月24日)

|

解同の企業名公表要求に応じず 四万十市。高知民報より

高知民報より

四万十市で「報告学習会」 田中市長が出席 主体性堅持 解同の企業名公表要求に応じず
http://www11.ocn.ne.jp/~jcpkochi/minpo/topic/2010/100131shimanto.htm

四万十市は2008年10月に同市内の民間企業内であった部落問題に関する「差別発言」(※)についての「報告学習会」を1月21日、同市文化センターで開催しました。報告学習会には田中全市長が出席し「差別発言の発生は申し訳ない」と陳謝したものの、市側が司会を行い、部落解放同盟の執拗な企業名公表の要求に応じないなど、市としての主体性を堅持した対応をとりました。

報告学習会の主催は四万十市。同市は事前に日程を市民や市議会議員、各種団体、市職員、教員、報道機関などに公表して市民にオープンな形で開かれ、四万十市の田中市長、杉本整史副市長、沢田俊典・人権啓発課長に加え、宿毛市と黒潮町の幹部も出席。解同県連や同地区連絡協議会の構成員、市職員など約100人が参加しました。「報告学習会」は市職員や教職員の「自主研修」として位置づけられていましたが、「動員はかけていない。来ていたのは10数人程度ではないか(沢田課長)」。 

冒頭あいさつで田中市長が「部落差別が今なお本市に存在している現状から人権教育・啓発に新しい事業を工夫し展開していく」と発言し、沢田課長が「差別発言」の内容を詳細に確認する報告が行ないました。

会場の最前列には山戸庄司・県連書記長ら部落解放同盟幹部が並び、市の報告が発言があった企業名を伏せていることに対し、『企業名を公表すべき」、「日を改めて再度『学習会』を開催せよ」などと繰り返しましたが、市側は「相手企業の了承がなく公表はできない」、「これで終わりにしたい」と拒否。「企業側も反省して改善の努力をしている。さらに制裁を加えるようなことを市としてすべきでない」(田中市長)

解同側の参加者が立ち上がって「今から電話をかけて企業を呼んでこい」などと大声を出す場面も一部にありましたが、公開の場であることもあり、取り立てて威圧的な言動はみられませんでした。

※2008年10月に四万十市内の民間企業内で黒潮町で起こした客とのトラブルに関連し、差別的な発言があったというもの。同年11月から09年1月にかけて宿毛市、黒潮町、四万十市の担当者が同社に聞き取り調査を行い、企業側から「表現が適切でないことを痛感する」、「従業員の教育ができず迷惑をかけた。職員の学習の場作りに努める」という反省の弁を得ており解決済の問題。
(2010年1月31日 高知民報)



「子ども会」の違い強調 同和問題の「壁」再生産 高知市教研

http://www11.ocn.ne.jp/~jcpkochi/minpo/topic/2010/100207kodomokai.htm

高知市教育研究会(前田志郎(追手前小校長)会長、以下市教研 ※1)が1月20日、高知市内で開いた教科外部会で、人権学習指導案として校区内の旧解放子ども会(※2)と、それ以外の子ども会との「違い」を児童に教え込もうという授業が提案されました。「違い」を強調し、教育の側から壁をつくる授業には見学した教員から「具体的に何を学ばせたいのか。かみ合っていない」という意見が出されるなど戸惑いもみられました。

教科外部会は市内各学校に一斉に分散して特別活動、図書館教育、進路指導、生活指導、視聴覚教育、教育相談、学校給食などの課題で研究活動が取り組まれ、人権教育部会では、「子ども会」を題材に小学校高学年を対象にした授業が、同部会に所属する教員40人が見学する中で提案されました。

授業テーマは「○○子ども会(旧解放こども会、実際には実名)について知り、自分たちにできることを考える」。指導の留意点は「○○子ども会とそれ以外の子ども会の違うところを確認する」などとされています。

クラスでは、この日までにクラス内で子ども会ごとに発表をさせ、子ども会所属が子ども同士に判別できる状態にしておいた上で、教員が授業で「○○子ども会だけ、少し違うということに気が付きましたね」などと繰り返し、ことさらに「違い」を強調しました。

授業後の意見交換会では「子どもには難しい。何を学ばせたいのか。かみ合っていない」という意見が出され、雑談の中では「何十年も前と同じ。まだこんなことをやっているのか」、「こんな授業ならやる必要ない」などという声も聞かれる一方、「中学校での『核心指導』(賎称語を教える)への土壌を耕す実践に感心した」と高く評価する教員もいました。

※1 市教研 高知市内の大半の教職員が参加して授業研究を中心に取り組んでいる団体。事務局は市立教育研究所内、会員が納める年会費(1500円)と、市教委の補助金288万円(2009年度)などで運営される官製研究会で、行事は校内研修として教職員が公務として参加。

※2 解放子ども会 部落の完全解放を担う人間をめざすことを目的にする「部落の子」で組織される子ども会。

--------------------------------------------------------------------------------
解説 提案授業で強調された旧解放子ども会と、それ以外の子ども会との「違い」。この日の段階では遠まわしにしか語られていませんが、「違い」とは、「部落差別を受けてきた子ども会」であるということに尽きます。

このような授業が市教研の場でモデル的な実践として今日も提案されていることは、平等を教えるはずの人権教育の場で、教育が「違い」をことさら強調し、同和問題の壁を再生産して子どもに注入する「解放教育」の残滓が、高知市の教育現場にいまだに根強いことの表れといえます。

最大の問題点は、子どもや保護者の考え方とかかわりなく、教員が授業を通じて、学校教育とは別個の営みである旧解放子ども会に属する子どもを一方的にクラス内で公表していくこと。かつてまかり通っていた教員による児童への「立場宣言」の事実上の強要と同質の性格を帯びるものです。

同和教育に詳しい市教委関係者は「このような実践は聞いたことがない。この子ども会が、被差別の立場にあるだけにとどまらず、差別をはねかえしていく運動に取組んできたことも教えねばならない。提案授業は高知市教委の人権教育の流れの中にあるものだと思う」と「被差別の立場」を教えることに問題はないという認識を示しました。(2010年2月7日 高知民報)



広報で偏見を拡散 県人権共闘が南国市に申し入れ

http://www11.ocn.ne.jp/~jcpkochi/minpo/topic/2010/100214nakoku.htm

南国市広報「なんこく」に掲載された同和問題特集に偏見を広げる不適切な記述があるとして2月4日、県人権共闘(窪田充治代表)は藤村明男・副市長に是正を申し入れました。

問題になったのは昨年の広報12月号。内閣府の「同和問題に関し、現在、どのような人権問題が起きていると思いますか」(下線は高知民報)との意識調査結果を用い、現在も部落差別が頻発していると断定して、インターネット上の差別的な「噂」を事実であるかのように紹介した個所でした。

鎌田伸一・副議長が「調査は『思い』を質問しているのに、広報では実際に部落差別が『起きている』と書いている。いつどこでおきているのか」と指摘。「実際には児童生徒の落書きや一部の不心得者の発言ばかりで南国市民に部落差別がまかりとおる状況はない。終結宣言(※)をした南国市が広報で偏見をまきちらし、解決に向かっている意識を引き戻すことをすべきでない。善意であっても逆効果だ」と強調しました。

藤村副市長は「記事は人権啓発広報委員に頼んで書いてもらっており訂正はできないが、意見を聞かせてもらい是正すべきところがあれば是正していく」。担当者は「ネット上の不正確な情報を鵜呑みにしないようにという意味で載せた」などと述べました。同市教委生涯学習課によると人権問題のページの執筆は市役所内外(高専教授、中学校教員、市職員)5人の人権啓発広報委員に委託しています。 

※平成8年6月議会で「同和行政の終結、人権と民主主義の確立に関する決議」として全会一致で議決している。(2010年2月14日 高知民報)





|

部落問題を担当する公的機関がないと批判 国連人種差別撤廃委。96年以降の経緯が理解できていないものだ

朝鮮学校無償化除外の動きに懸念 
国連人種差別撤廃委
2010年3月17日4時11分

http://www.asahi.com/international/update/0317/TKY201003170003.html


    

 【ロンドン=橋本聡】ジュネーブにある国連の人種差別撤廃委員会は16日夜(日本時間17日未明)、日本の人権状況についての見解をまとめた報告書を公表し、朝鮮学校を高校無償化の対象から除外する動きについて「懸念」を表明した。

 国際的な差別問題の専門家18人でつくる同委員会は人種差別撤廃条約に基づき、加盟国の人権状況を審査。日本の審査は2001年以来9年ぶりとなる。

 報告書は、在日コリアンや中国人の子弟の学校が「公的支援や補助金などの面で差別的扱いを受けている」と指摘。朝鮮学校の除外問題についても「子どもたちの教育に差別的な影響を及ぼす行為」の一つとして言及した。これらを踏まえ、教育の機会を差別なく与えるよう日本政府に勧告した。

 委員会はまた、被差別部落の問題について「就職や結婚などで差別が続いている」とし、部落問題を担当する公的機関がないと批判。インターネット上の差別的な書き込みを防ぐことを含む幅広い対策を政府に勧告した。

 一方、北海道のアイヌの人たちを政府が先住民族と認めたことは歓迎したが、アイヌ民族の代表が地位向上の施策作りに十分かかわっていないと指摘し、生活状況調査をするよう強く求めた。沖縄については「琉球語や民族性、歴史、文化が独特」と認めたうえで、基地の過密配置に言及。政府に対し、アイヌ語や琉球語を義務教育で教えるべきだと勧告した。

 この見解について、NGO「外国人学校ネットワーク」は「勧告に反して朝鮮学校外しを強行するなら、国際的批判を浴びるだろう」との声明を出した。




国連:人種差別撤廃委、日本の問題議題に9年ぶり開催
http://mainichi.jp/select/world/news/20100225k0000e030065000c.html

 【ジュネーブ伊藤智永】国連の人種差別撤廃委員会(事務局・ジュネーブ)で24日、日本において人種差別撤廃条約がどの程度守られているかを審査する会合が、9年ぶりに開かれ、高校無償化法案をめぐり、拉致問題などを理由に、在日朝鮮人の子弟が通う朝鮮学校を、財政支援の対象から外そうとする動きが起きている問題などが取り上げられた。

 各国の専門家が2日間の日程で、アイヌ民族・在日外国人・被差別部落・琉球諸島など、日本における差別問題の実態や改善状況について、日本政府代表団に質疑を行い、3月12日に委員会としての見解を示す。

 24日は日本政府代表が、01年審査後の大きな改善として、アイヌ民族を先住民と認めた取り組みなどを報告。各国委員からは、日本が人種差別禁止法を制定しようとしないと指摘する意見が出た。

|

道アイヌ協会:不適切会計処理

道アイヌ協会:不適切会計処理 道・道教委、711万円を返還請求へ /北海道
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20100223ddlk01040216000c.html

 ◇財団と協会に
 道から補助金が支出されたアイヌ民族の文化財保存・伝承活動事業で不適切な会計処理があった問題で、道と道教委は、財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構と北海道アイヌ協会に計約711万円の返還を求めることを決め、22日の道議会環境生活・文教の両委員会に報告した。道と道教委は今後、同機構と同協会に厳重注意するとともに、改善策の策定を求める。

 道と道教委は昨年11月、同協会釧路支部で不適切な会計処理が道議会で指摘されたのを受け、書類が保存されている04~08年度の事業を対象に調査。その結果、道が同機構に助成した事業のうち、七つの支部・団体が実施した48事業中38事業に、行事に参加していない人の架空領収書など、約469万円の不適切な支出があった。道アイヌ協会釧路支部が126万円だが、網走、美幌、厚岸の3支部の285万円も事務処理を代行する釧路支部に振り込まれていた。道教委分の不適切支出は釧路支部など3支部の約242万円。釧路支部が212万円で最も多く、釧路支部は適正に事業を行ったとしているが、実施した形跡がなく、旅費などに充てていた疑いがある。

 道アイヌ協会の加藤忠理事長は「大きな責任を感じている。返還金請求に速やかに対応し、抜本的な再発防止策を検討したい」とのコメントを出した。事業委託費の監査方法や支部の運営体制の見直しを図る検討委員会を外部のメンバーも含めて発足させる方針。

 また、道や道教委が求めている釧路支部の体制刷新が焦点になる。同協会は秋辺得平支部長の辞職勧告を決め、役員の一新を模索している。しかし、秋辺支部長は辞職勧告に応じておらず、支部運営の立て直しが課題となっている。

 一方、同財団事務局は「道に指摘されるまで不適切な会計と気付かなかった。指摘を重く受け止め、指導に従って早急に改善を図りたい」とコメントした。

|

日弁連 院内集会3月19日 国内人権機関設立実現を

日弁連院内集会 国内人権機関設立を実現するために!
http://www.nichibenren.or.jp/ja/event/100319.html

千葉景子法務大臣の就任記者会見で、国内人権機関の設立が、実現すべき課題の一番目に挙げられました。

また、2010年2月3日の参議院本会議では、鳩山由紀夫内閣総理大臣が、政府からの独立性を持った人権救済機関の創設をできる限り早期に図りたい旨、答弁したところです。

日弁連でも、政府から独立した国内人権機関の設立が喫緊の課題であると認識し、その実現に向けた取組みを行っています。

つきましては、日弁連の提案する制度要綱についてのご説明及び今後の展望についての意見交換をさせていただきたく、院内集会を開催することといたしました。

2010年3月19日(金)12:00~13:30
場所 参議院議員会館第1会議室 (会場地図)
(千代田区永田町一丁目7番1号)
参加費等 参加無料・事前申込制
プログラム(予定)
1 開会挨拶
行田博文 会員(日弁連副会長)
2 早急な国内人権機関の設立を目指して~パリ原則に基づく機関を!~
未定 (国内人権機関実現委員会委員)
3 講演
山崎公土 氏(人権市民会議代表兼神奈川大学教授)
4 質疑応答 
5 閉会挨拶
藤原精吾 会員(国内人権機関実現委員会委員長)

|

国連人種差別撤廃委員会 「部落民」で混乱 人種概念理解の差異

COMMITTEE ON ELIMINATION OF RACIAL DISCRIMINATION CONSIDERS REPORT OF JAPAN
25 February 2010
http://www.unog.ch/unog/website/news_media.nsf/(httpNewsByYear_en)/2FA47473BC5A6427C12576D500422390?OpenDocument

|

言論表現の自由 都条例改正に反対多し

都の条例改正案に募る危機感

- 2010.03.12

http://news.cocolog-nifty.com/cs/article/detail/blog-201003111642/1.htm

2月24日に東京都が都議会に提出した青少年育成条例改正案に対し、出版社や漫画家・作家をはじめ、一般の人たちからも危惧する声が高まっている。今回の改正案では、漫画やアニメに登場する18歳未満と思われるキャラクターを「非実在青少年」と定義し、それらが性的に描かれていれば不健全図書に指定される可能性もあるからだ。

あるブロガーは、今回の提案に含まれる問題点として「児童ポルノと異なり、被害児童が存在しない」「“有害”を誰が決めるかが不明確」「性表現を含んでいるというだけで優良作品が市場から消える」を挙げている。

ネットでも基準があいまいな点を問題視する人が多い。ある藤子不二雄ファンは「『ドラえもん』や『エスパー魔美』も対象になりかねない」と不安を語り、見る側の主観によって捉え方が変わる以上、東京都の都合のいいように自由に規制できてしまうではないかと憂慮している。

芸術の衰退を懸念する人も少なくない。「元来、芸術にはエロティックな要素は欠かせない」とし、これらを規制すれば芸術作品は生まれなくなると心配する。直接規制されなくても、「このような提案がされるだけで“自主規制”の名の下に数々の作品が葬られてしまう」と、具体的な影響を論じる人も。

改正案は今月18日前後に都議会総務委員会で審議・採決され、30日の本会議で採決が行われるそう。本会議で可決となれば、10月には施行される予定だ。

明らかな表現規制と拡大解釈可能な定義
http://d.hatena.ne.jp/nakakzs/20100228/1267302518


東京都議会の条例 改正案と現在の比較ページ
http://tokyo.cool.ne.jp/jfeug/siryou/togikai2010/togikai2010.html

|

隣保館などの相談員の資格要件を明確に 鳥取の例から

人権相談員(鳥取県非常勤職員)の募集について

http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=124069

(1)受験資格

 人権尊重の視点に立って県民からの相談に豊かな人権感覚と人権問題に関する幅広い知見に基づき熱意をもって当たることができ、次のいずれかに該当する者

* ア 事業所や公的機関等で人権擁護に関わる指導又は相談活動の業務に従事した経験がある者

* イ 社会福祉士、保健師又は教員の資格を有し、社会福祉施設等で実務経験を有する者

|

白山神社の由来について

白山神社の由来について

http://tottoriloop.blog35.fc2.com/blog-entry-300.html

|

「働き」にみる日本の根本の人権 この人権侵害救済が課題にならずに何の救済機関か。

参議院予算委員会でNTTの「50歳退職・賃下げ再雇用制度」ついて

日本共産党の山下よしき議員が質問

「201038.pdf」をダウンロード



|

人権侵害救済法。まず法案を提出したうえで議論する。 これは民主の数の横暴だ。

部落解放同盟:全国大会 運動方針案採択し閉会

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100305ddm012040054000c.html

 東京都千代田区で開かれていた部落解放同盟第67回全国大会は4日、今夏の参院選での勝利や「人権侵害救済法」の早期制定などを掲げた運動方針案を採択して閉会した。

 中央書記長の松岡徹参院議員(民主)は閉会後の会見で「政権が交代し、今国会での人権侵害救済法の成立を望む。まず法案を提出したうえで議論する必要がある」と述べた。

毎日新聞 2010年3月5日 東京朝刊

|

部落解放同盟会員名簿流出の怪

「正論」4月号が発売されました。(定価740円)

253ページ目

「  部落解放同盟会員名簿流出の怪  」
~滋賀県連合会の内部でなにがあったか~

http://buraku.iku4.com/Entry/26/

|

人権擁護法案の成立に反対することに関する請願

衆議院法務委員会
請願名「人権擁護法案の成立に反対することに関する請願」の情報

http://www.shugiin.go.jp/itdb_seigan.nsf/html/seigan/1740202.htm

国会回次     174
新件番号     202
請願件名     人権擁護法案の成立に反対することに関する請願
受理件数(計)     1件
署名者通数(計)     10,471名
付託委員会     法務委員会
結果/年月日    
紹介議員一覧     受理番号 202号 下村 博文君



参議院法務委員会
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/seigan/174/yousi/yo1740177.htm
第174回国会 請願の要旨
新件番号     177    
件名     人権擁護法案の成立に反対することに関する請願
要旨      次の事項について実現を図られたい。

一、正当な市民の言動が差別的言動として介入・規制される人権擁護法の成立に反対すること。

   理由
 (一)人権擁護法は差別、人権侵害の定義があいまいであり、恣意(しい)的な運用をされる危険性がある。人権擁護法で設置されることとなっている人権委員会が、被害者とされる人の申告により、差別、人権侵害と断定すれば差別となり人権侵害となり罰則を科すことができ、差別をしたとされる人の保護規定がなければ、市民の言動にまで介入するこの法律により、逆に重大な人権侵害が起こる。市民の正当な表現行為であっても差別、人権侵害であると恣意的に認定され、規制され罰則を受けるおそれがあり、国民の言論、表現の自由を抑圧する。人権擁護法は、表現の自由を保障した憲法第二一条に抵触し違反する。
(二)健全な国民が何か表現する際に、それが法に触れるのではと考えなければならない社会は、自由闊達(かったつ)な言論・表現を萎縮(いしゅく)させ、前近代的な社会の風潮へ逆行させる。
(三)人権委員会に差別、人権侵害の申出があれば、被害者とされる人からの申告だけで、だれの家でも令状なしで捜索し拘束する権限があるというもので、これ自体が大きな人権侵害を起こす危険性がある。そして、強い権限を持った人権委員会を抑制する機関がないことは重大な問題である。
(四)不当な差別や人権侵害など存在しない、健全な社会・人間関係を築くよう努力すべきであるが、これは教育や、一体感のある家庭の構築などに解決策を求めるべきであり、既存の法律以上の強権的な立法で罰則を科したり取り締まったりすることは、社会にゆがみをつくる。

|

2月23日衆議院法務委員会 大臣説明

平成22年2月23日(火曜日)
衆議院法務委員会

http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm

法務行政等の当面する諸問題について、法務大臣から説明を聴取いたします。
千葉法務大臣。

 法務行政は多岐にわたっております。その中で、私が法務大臣に就任して早急に検討に着手したのは、人権救済機関の設置と個人通報制度導入のための体制整備、そして被疑者取り調べの可視化の問題です。

 我が国は、憲法において、国民の一人一人に基本的人権が保障されることを明確にしています。しかし、依然として社会の中では、虐待や差別など数々の人権侵害が繰り返されております。

 現在、法務省において、人権侵犯事件の調査・救済活動に努めているところではございますが、より実効性のある救済を実施するためには、政府からの独立性を有する人権救済機関の創設が必要です。そこで、大臣政務官が中心となり、その組織のあり方などについて検討を続けているところでございます。

 また、人権諸条約に基づく個人通報制度については、その導入に向けて、外務省が主催する関係省庁研究会に参加しつつ、通報事案への具体的対応のあり方や体制整備等について協議、検討を進めております。

 これら制度の導入に向けた検討に加え、人権尊重の輪を社会全体に、より一層広げていくため、地域社会のネットワークづくりを進めつつ、人権啓発活動を効果的に行ってまいります。

 

|

久留米市立高校教諭の偽計業務妨害事件について

10年3月2日 火曜日
久留米市立高校教諭の偽計業務妨害事件について

  福岡県地域人権運動連合会(会長 平塚新吾)、筑後地区地域人権運動連合会(会長 松崎辰義)は連名で、2010年3月1日、久留米市教育委員会あてに 「久留米市立高校教諭の偽計業務妨害事件についての真相の究明と事件を理由にした「同和」教育強化に反対する申入れ」を行いました。

 申し入れ事項
1 市立高校教諭による脅迫、偽計業務妨害事件の背景をふくむ真相の徹底的な究明を求める
2 事件の善後策については、外部の団体等に判断を委ねるのではなく、あくまでも市教委及び学校が主体 的に対処されたい
3 事件を理由にした「同和偏重」の教育及び研修にならないよう厳に戒められたい

http://zjr.sakura.ne.jp/?p=552

|

第6回地域人権問題全国研究集会(5/29.30岡山市)

第6回地域人権問題全国研究集会(5/29.30岡山市)

2010年5月29日、30日、岡山市民会館をメイン会場に開催

-メインテーマ-「憲法を暮らしに活かし、住みよい地域社会に」

-サブテーマ- -貧困と格差をなくし地域社会に人権を確立しよう-

主催 全国地域人権運動総連合・岡山県実行委員会
後援 岡山県・岡山市

全体会  2010年5月29日(土) 13時30分~16時45分

分科会 2010年5月30日(日)9時00分~12時30分閉会

http://zjr.sakura.ne.jp/?p=18

「20100226-1.pdf」をダウンロード

「20100226-2.pdf」をダウンロード


|

« 2010年2月 | トップページ | 2010年4月 »