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「差別の揺り戻しが起きている」???

部落解放運動:課題と展望 友永健三さんに聞く/上 /大阪

http://mainichi.jp/area/osaka/news/20090414ddlk27040444000c.html

 ◇法的枠組みの整備不可欠 差別禁止などの「基本法」制定を
 情熱を抑え、理路整然と部落問題の方向性を示してきた友永健三さん(65)が、部落解放・人権研究所長を3月末で退任し、同研究所理事に就任した。その姿勢は評価が高く、活動の第一線から退くことを惜しむ声が多い。2回にわたって、友永さんに部落解放運動の課題と展望を聞いた。【聞き手・戸田栄】

 --42年間の活動に区切りをつけての退任ですが、心残りはありますか。

 ◆部落解放基本法を実現させられなかったことです。今年は国連の人種差別撤廃条約が発効して40年の節目の年です。条約には差別の禁止や被害救済が盛り込まれている。日本も加入しているが、政府は「部落問題は対象外」という立場を崩さない。条約には、差別の事由に、人種差別などのほか、decent(世系)という規定があり、国連の人種差別撤廃委員会は部落問題やインドのカースト問題のことを指すとしている。政府の考え方をただし、部落解放基本法の制定を望んでいます。

 --以前と比べ、部落問題を巡る状況はかなり改善されたはずです。今も基本法は必要でしょうか。

 ◆確かに状況は、当時とは違います。問題解決のためには、33年間やってきた同和対策特別措置法(特措法)による部落の改善事業に加え、教育・啓発、罰を伴う差別禁止と被害救済が必要と考えてきました。教育・啓発については、00年12月に人権教育・啓発推進法ができ、禁止と救済の部分が残って宿題になっているわけです。

 --実態的に部落差別はなくなったという意見もあります。改めて禁止と救済が必要でしょうか。

 ◆私はここ数年、逆に差別が厳しくなっていると感じているんです。各種調査で、部落に対するマイナスイメージが大きくなっている。差別事件で深刻なのは、06年にフロッピーディスクに入った部落地名総鑑が調査会社から回収されたことです。インターネットにも流されました。電子データ化しているとなると、根絶は困難でしょう。さらにネット上には、部落差別の書き込みが多数あります。こうした状況を食い止めるには、法的枠組みの整備が不可欠と考えています。

 --なぜ状況が悪くなったのですか。

 ◆特措法が02年3月に終了したことで、部落問題はなくなったと間違った考えを抱く人が多い。部落の生活改善が一定程度、進んだことも背景にあります。さらに、部落解放同盟員による不祥事が続き、大きなマイナスイメージが残った。新たな貧困が部落にも影響していることと合わせ、差別の揺り戻しが起きていると考えます。

毎日新聞 2009年4月14日 地方版

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