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運動自身のもたらしている害悪に反省なし 展望描けず

部落解放運動:課題と展望 友永健三さんに聞く/下 /大阪

http://mainichi.jp/area/osaka/news/20090415ddlk27040356000c.html

 ◇枠を超えた人権運動を 「海外の差別解消にも寄与できる」
 前部落解放・人権研究所長の友永健三さん(65)は、解放運動の今後の発展には、部落の枠を超えた人権運動へ進むことが重要と考えている。さらに、カースト制度による差別が根強いインドなど、海外へ運動の経験を伝えることも大切と説く。【聞き手・戸田栄】

 --42年間、運動に携わっての思い出は。

 ◆85年に府部落差別調査等規制等条例を作ることができました。75年に部落地名総鑑の存在が分かり、糾弾だけでなく、法的に対処できる仕組みが必要と主張しました。法律は難しかったので、まず大阪で条例を求め、全国で初めて部落差別に「規制」という考え方を入れたものができました。

 --差別はなぜ起きるのでしょう。

 ◆「抑圧の転移」ということが言われます。最近では、大学を卒業後、公務員試験にことごとく落ちた男性が、うっぷんのはけ口として脅迫のはがきを400通も解放同盟員に送る事件がありました。

 --明治以前からの差別観の中心であった「穢(けが)れ意識」に基づく差別は、なくなったのでしょうか。

 ◆近ごろ多いのは、部落と他地域との境界が薄れる中で、たまたま近所に住んだ人が、部落民とみなされたくないとし、自分は違うという言動に走るような行為ですね。根源に「根強い穢れ意識」をみる説と「従来の差別が薄らいだところに新たに発生した差別」とみる向きがあります。

 --部落解放運動の今後の方向性は。

 ◆部落の生活実態がひどいころは「部落だけをなんとか」という要求にも社会性がありましたが、ある程度向上したのは事実で、貧困の問題などで類似した所と接点を作り、ともによくなっていくスタイルを目指すべきでしょう。同和対策特別措置法(特措法)の終了にあたり、部落出身者向けだった高校奨学金を、一般向け対策として残すよう国と交渉し、実現させました。既存の奨学金と違って進学後の成績にあまりこだわらず、高校に受かれば受給できます。運動の成果が一般に広がった一つの例です。

 --海外の差別問題に運動経験を伝える試みもあります。

 ◆アジアやアフリカには、差別にただ耐えるしかないと思っている人たちがいます。日本も昔、そうでした。しかし、解決を目指せることを、私たちは伝えられます。方法も伝えられる。世界の人権運動に、日本が寄与できるのです。

 --将来の運動への懸念は。

 ◆特措法が解放運動の求心力となってきた面は否定できません。今後は何を原点にし、運動をもり立てていくかが改めて問われます。

毎日新聞 2009年4月15日 地方版

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