集会所の不法占拠にほおかむりし、移転補償をとり、また集会所を占拠とは
集会所解体、無料入居なのに補償3千万円 福岡・築上
2009年2月26日
http://www.asahi.com/national/update/0225/SEB200902250001.html
福岡県築上町で、県道工事に伴う町集会所の解体の補償金として、県が町に支払う約6千万円のうち3千万円を、集会所に無料で入居していた部落解放同盟豊前築上地区協議会が受け取ることが分かった。この支出を計上した町の予算案はすでに町議会で可決されているが、県は、無料の入居者への補償に疑問を呈している。
町や県豊前土木事務所、協議会などによると、集会所は71年、国の同和対策事業の一環として合併前の旧椎田町が建設。鉄筋コンクリート2階建て、面積258平方メートル。協議会の事務局が1階に入り、2階を集会所として使っていた。県道の歩道設置工事に伴い今年1月に解体。解体に先立ち協議会は08年5月、約5キロ離れた別の町集会所に移転している。
移転に伴い県と町は08年3月、土地や建物などの買い取り費として県が約6千万円を町に支払う契約を結んだ。町と協議会は06年9月から6回話し合い、補償費のうち3千万円を協議会に移転補償費として支払うことで合意した。この予算案は08年3月と6月の2回に分けて町議会で可決された。町は残りの補償費を建物解体費や集会所の再建費などにあてる。
新川久三町長は「建物も土地も町のものだが、同和対策事業のため維持管理は協議会に委ね、協議会の活動の拠点でもある。会は引き続き活動するので、拠点確保は町が考慮する必要があり、そのための移転補償は必要。議会の議決も得ており、補償は適正だ」と話している。
また、協議会の吉元秀成書記長は「集会所は長年利用している。移転補償は県道工事に協力したもので、こちらから求めたものではない。補償金の増額要望や、反対して金額をつり上げたことなどもない」と言う。
一方、福岡県市町村支援課は「集会所は住民が誰でも使用できる行政の財産で、通常は借りている団体に権利は発生しない。県内で集会所を管理している自治体が、借りている団体に(補償などで)金銭を支払ったケースは今までに聞いたことがない」としている。
解放同盟に移転補償 築上町が3200万円 無料入居の町施設解体http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/79355
福岡県築上町で、県道拡幅に伴って町集会所が解体された際、県が町に支払う補償費約6000万円のうち約3200万円を、集会所に無料で入居していた「部落解放同盟豊前築上地区協議会」が受け取ることが24日、分かった。この配分は町議会も承認したが、公共施設の入居者に行政が移転補償するのは極めてまれで、県や識者から疑問の声が出ている。
■「長年使用、高くない」解放同盟
集会所は国の同和対策事業の一環で1971年に建設された。鉄筋コンクリート2階建て、延べ床面積は約260平方メートル。協議会が1階に入居し、2階を地域の集会所として同和教育などを行ってきた。1月に解体され、協議会は約5キロ離れた別の町所有の集会所に移転した。
県や町によると、解体に先立って県豊前土木事務所が土地や建物の買い取り価格として5400万円の補償費を町に提示。その後、町と協議会が2006年9月から計6回にわたり補償費の配分を話し合った。町によると、協議会から補償費増額を求める要望書が町に2回出される一方、県も補償費を3回に分けて計約600万円上積みした。
その結果、県から町に約6000万円が支払われることになり、うち協議会が約3200万円を受け取ることを町議会も承認した。町は約2800万円のうち、1000万円で集会所を解体し、1800万円で木造の集会所を建設する予定。
補償費の配分について新川久三町長は「協議会との話し合いで決定された。議会も承認しており金額は適正と認識している」と説明。
協議会の吉元秀成書記長は「われわれの先輩が国から勝ち取った集会所で、長年協議会の施設として使用してきた。補償費が高いとは思えない」と話している。
これに対し、県市町村支援課は「集会所は行政の財産であり、通常は賃借人に権利はない。県内で行政が借地人に金銭を支払ったケースは聞かない」としている。
解放運動を長年研究している藤田敬一元岐阜大教授は「大阪市が市施設からの退去を解放同盟側に求めたケースでは移転費は支払われていない。同和対策事業としての歴史があるにせよ、無料で使用しており、補償の対象になるのか疑問だ」と指摘している。
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