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「差別」のもつ社会的仕組み、誰の利益なのかを学ぶ機会に

上諏訪中で人権教育授業 米国の現状と実態考える

http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=13192

 諏訪市上諏訪中学校3年生は23日、県総合教育センター外国語指導助手のデイビッド・ネトルズさんを講師に、英語科で人権教育授業を行った。オバマ大統領が就任した米国で、いまだに人種差別が根強く残っている現状と、徐々に修正されつつある実態を聞き、人権とは何かを考えるきっかけにした。

 同校3年生は英語科でキング牧師のスピーチを教材に、公民権運動時代の人種差別について学んできた。学習を通して、「人種差別は過去の出来事」という認識があることから、同校の吉越慎二英語教諭が、交流のあるデイビッドさんに、「アフリカ系、ラテン系、アジア系の米国人が、有形無形の差別に苦しんでいる現状を伝えてほしい」と、講師を依頼した。

 デイビッドさんはアフリカ系米国人で、ニューヨーク出身。「17世紀は、米国は白人、黒人が同じ立場で暮らしていたが、いつしか白人は人間の見方を狭め、黒人を奴隷として扱った」と年代を追って話を進め、バスの座席、公共の洗面所なども区別されていた実態を、スライドを交えて紹介した。今は法律で禁止されているにもかかわらず、家の売買や職業には差別が根強く残っていることも語った。

 「しかしオバマさんが大統領に就任し、徐々にだが変わってきたことを感じる。人を先入観で見ない、個々で見ることができるようになり始めた証し」と話し、「どんな人と接する場合でも、狭いイメージで判断することは決して好ましくない。広範囲の視点から見ることが大切」と強調した。

 生徒は終始真剣な表情で取り組み、「こんなに差別があることに驚いた」と感想を述べ、最後にデイビッドさんに拍手を贈った。

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