« 独立した子どもの人権機関5年以内に | トップページ | 日弁連の提案する国内人権機関の制度要綱 »

鳥取条例の本質的問題点 松本弁護士の指摘

【司法の現場から】

自由を妨げる法許さぬ 松本光寿弁護士
2008年11月27日
http://mytown.asahi.com/tottori/news.php?k_id=32000320811270001



 44年、旧船岡町(現八頭町)の出身。68年、司法試験合格。趣味は食べ歩き。松本光寿法律事務所。



 某テレビ番組での出題である。新幹線で隣り合わせた乗客Aが、乗客Bに某駅で起こしてくれるよう依頼、Bはこれを承諾した。ただBは起こすのを失念、寝入ったAは下車予定駅を乗り過ごした。AからBへの損害賠償請求は認められるか。

 弁護士のコメントに耳を疑った。両者の間には契約とみるべき約束が成立し、BはAに対する債務不履行で、相当因果関係にある損害を賠償する責任があるという。

 しかし、司法が救済する権利は、権力によって強制的に実現することが求められる法的権利である。もっぱら倫理的、道徳的な非難にとどめるべき紛争に、司法が加担することは許されない。その一線の画しかたは微妙で困難な問題だが、Bの責任は、格別の事情のない限り道義的責任にとどめるべきではないか。

 ところで、県人権救済条例は、批判的世論により施行が停止されているが、その問題点はこの例と一脈相通じるものともいえよう。権力、特に行政権力に私的人間関係の摩擦の解決を安易に頼ってはならない。その解決には当事者の穏当な対話と説得が望まれるし、すべての摩擦を解決できるわけではない。

 民主主義社会を守り発展させる原動力として、何よりも言論、表現の自由が不可欠である。私たちは、その自由を萎縮(い・しゅく)させるような法、制度を許してはならない。

|

« 独立した子どもの人権機関5年以内に | トップページ | 日弁連の提案する国内人権機関の制度要綱 »

つれずれ」カテゴリの記事