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失業中のローン対策や保険給付期間の大幅延長など抜本的見直しも必要

自動車減産で解雇通知、「不当だ」熟練期間工が仮処分申請へ

 米国の金融危機の影響で大幅な減産と人員削減を余儀なくされている自動車業界。トラック大手のいすゞ自動車では、820人の派遣労働者だけでなく、熟練工として直接雇用されている期間従業員580人も、雇用期間中の今月26日に全員解雇されるという異例の通知を受けていた。

 同社栃木工場(栃木県大平町)の期間従業員160人のうち、6年前から働いている男性(48)は先月、工程責任者のライン長と労務担当の課長から会議室に呼び出され、雇用期間を3か月以上残して解雇すると告げられた。2人とはゴルフ仲間だったはずなのに、ライン長は目を合わせようとしなかった。

 男性は鹿児島生まれで独身。高校卒業後、自動車部品の販売など車にかかわる仕事を重ね、6年前から同社川崎工場で働き始めた。初めは派遣労働者だったが、栃木に移った後、2年前、2か月~半年単位で契約を更新する期間従業員として採用された。

 この6年、大量の部品が入った箱からエンジンの種類に合わせ必要なものを選び出す作業を担当してきた。今ではエンジンの型式を書いた予定表が渡されると、一目で何が必要か頭に浮かび、自然に手が動くまでになった。欠勤や遅刻はゼロ。今年3月からは期間従業員の正社員への登用も始まり、「そろそろ自分の番」という手応えもあった。正社員としてさらに技術を磨き、後輩にも伝えたいという思いもあった。

 そんな夢や希望をあきらめていいのか。同僚に相談しているうち闘うことを決意し、賛同した仲間3人と3日、労働組合を結成。4日には、このうち1人と、「契約期間中の不当な解雇」だとして解雇予告の効力停止を求める仮処分を宇都宮地裁栃木支部に申請する。「声を上げることで、勇気づけられる人がいるはず」。男性はそう信じている。

 期間従業員との契約について、3月に施行された労働契約法は「やむを得ない事由がある場合でなければ契約期間満了までの間、労働者を解雇できない」と規定する。ただ、厚生労働省は「何を『やむを得ない』とするかまで行政は踏み込めない。司法が個別の事例について判断するもの」としており、異議があるなら裁判を起こすしかない。同社広報部は「会社業務の都合で雇用の必要がなくなった時は、直ちに契約を解除できると契約書に明記しており、法律上の問題はないと考えている」としている。

 同社藤沢工場(神奈川県)では解雇予定の期間従業員が420人に上る。

 北海道に家族を残して働いている男性(49)もその一人。6年前、もっと稼ぎたいと地元を離れ、同工場に派遣労働者として勤め始めた。車体の溶接の正確さと早さは誰にも負けないと胸を張れるまで技術を磨き、2年前には期間従業員になった。半年ごとにもらえる慰労金42万円がありがたかった。

 高校3年の次女(18)は来春、専門学校に進学する。千葉県内で就職している長女(25)の結婚資金も用意したいが、それどころではなくなった。

 「懸命に仕事を覚えても正社員でないとこんなに簡単に切り捨てられるのか」。次の仕事を見つけたいが、男性にはハローワークに行くぐらいしかすべがない。
(2008年12月4日03時20分  読売新聞)

派遣社員を正社員にすれば100万円助成…与党PT

 与党の「新雇用対策に関するプロジェクトチーム」(座長=川崎二郎・元厚生労働相)は3日、追加雇用対策として、派遣社員を正規社員として採用した企業に1人当たり100万円(大企業は半額)を支給する制度を導入することを決めた。

 製造業を中心に、派遣社員や期間従業員などの非正規雇用者を削減する動きが広がっていることを受け、派遣社員らの正規雇用を促進する狙いがある。

 また、派遣社員は派遣先に住み込みで働いていることが多い。職を失ったことで社員寮からの退去を余儀なくされたケースについて、引っ越しに伴う敷金や礼金を貸与したり、厚生労働省の独立行政法人が運営する雇用促進住宅への一時入居を可能にする。

 追加雇用対策は、内定取り消し対策として、〈1〉内定を取り消した企業名を悪質なケースに限り公表〈2〉ハローワークに特別相談窓口を設置――などの施策も盛り込む。高齢者の雇用創出のため、シルバー人材センターなどに事業を発注する「緊急高齢者雇用創出事業」(仮称)も創設する。

 与党は5日に追加雇用対策を決定し、来週、麻生首相に報告する予定だ。
(2008年12月3日20時25分  読売新聞)

雇用対策1兆円規模
与党素案「3年で100万人」目標

 与党が近くまとめる追加の雇用対策の素案が2日、明らかになった。景気後退に伴う雇用情勢悪化に備えるため、新卒予定者の内定取り消し対策や派遣労働者の打ち切り対策、地方の雇用創出策が柱となっている。3年程度で100万人の雇用の確保を目指し、雇用保険を主な財源に事業規模を1兆円程度とする方向だ。

 与党の新雇用対策に関するプロジェクトチーム(座長=川崎二郎・元厚生労働相)は素案をもとに5日までに対策をまとめ、政府と調整する。

 内定取り消し対策では、事業を縮小する企業が従業員に職業訓練などを実施して雇用を継続する際に受給できる雇用調整助成金について、現在は「6か月以上の雇用保険加入」としている助成条件を緩和し、採用直後から受給できるようにする。倒産による内定取り消しに関しては、別の企業が採用した場合、特別奨励金の支給対象とする。

 派遣打ち切りなど非正規労働者対策では、企業が非正規労働者を直接雇用に切り替えた場合に助成金を支給する仕組みを新たに創設する。失業手当の受給期間の延長など失業給付も拡充、雇用保険に未加入で失業給付を受給できない労働者の支援策を検討する。
(2008年12月3日  読売新聞)

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