猿回しと村崎さん
猿回し復活、山口県・光の部落については、故村崎義正さん等が何冊も本にまとめている。弟の故村崎勝利さん(全解連や全国人権連の副議長歴任)も「ひとすじの道」等を著している。
今回、義正さんの子息・太郎さんの再婚の経緯が、フィクションになった。一気に読ませる筆運びだが、ノンフィクションと混ざり合っているので、その線引きが困難だった。
この本では披露宴も婚姻も解消し、子どもだけ宿ったことになっている。実際は子どものことはわからないが、披露宴を行い、婚姻も継続してるようだ。
「歴史とたたかう結婚」とアエラは見出し記事を掲載しているが、いわゆる全国水平社当時「6000部落300万人」と唱えられたが(1993年調査では同和地区100万人)、以降、人々は様々な営みをしてきた。
本の内容は、刹那である。個々人の「差別」の反映は、その地域、生き方、性格、対応も含め万別。40代半ばの人物を描く本の有り様は、それでしかないが。
この本は、「破戒」の丑松と、全水の「宣言」と、彼の「苦悩」を同レベルで捉えているが、義正氏の言動以外、なにかやけに「悲劇のヒーロー、ヒロイン」ばりに「ドラマ化」していて、すっきりと共感できるものではなかった。
猿回しのあり方にいろいろ意見があるようだが、子どもらに笑顔を、その目的に異論はないだろう。
歴史とたたかう結婚
http://www.aera-net.jp/summary/081026_000438.html
太郎が恋をする頃までには… (単行本)
栗原 美和子 (著)
単行本: 332ページ
出版社: 幻冬舎 (2008/10)
ISBN-10: 4344015762
ISBN-13: 978-4344015760
発売日: 2008/10
商品の寸法: 19.2 x 13.2 x 2.8 cm
尊敬する母親の心を2度殺さなければならない彼女のドグマ, 2008/10/29
By プリンスみかん "レモン" (東京都)
一気に読んだ。フジテレビの「オレたちひょうきん族」で有名だったY元プロデューサーの薫陶により、彼の庇護のもとでかつてそれなりに一世を風靡した彼女も、いまや単なるアラフォーのオバタリアンだ。生意気な女だと批判されても、仕事だけは頑張ってきたつもりだった。しかし現実は、順調に出世していく同期男性社員のそれと比べてあまりにも厳しかった。その差は歴然としており、もう二度と彼らに追いつくことは出来ないのだ。一人暮らしのマンションで、妻子ある男性上司の連絡をただ侘しく待つだけの負け組み女の身のはかなさ。自分で望んだ道だったのに、解っているつもりだったのに、寂しい夜をただ一人だけでワインを飲み干す彼女の姿はあまりにも痛々しい。そんな彼女の前に現れたのが猿回しの“はじめ”だった。
同和利権問題で浅田満氏が裁かれたりする時代となった今日でも、被差別部落問題は軽々しく話せる話題ではない。入籍の報告を兼ねて新郎を泊りがけで両親に紹介しに来た自慢の娘が、その一月後に再び重大な話があると実家を訪れ、いきなり「この前は隠していたけど、実は彼は被差別部落出身の男性なの」と言った場合の両親の衝撃度は如何ほどのものであろうか。この本には、その時のことが包み隠さず書かれている。この本は小説である。しかし表紙写真の夫婦は事実である。この小説の内容に書かれていることが“事実”であるならば、おそらく彼女の母の心はそのことによって一度死んでしまったと読み取ることができる。ここまでならば、まだ彼女の母は親族間の隠された秘密として、その事実を心に仕舞い込んだことであろう。そしていつかまた復活できる機会があったのかもしれない。しかしこの本が全国出版され、その秘密がこうして日本国中に暴露されたことによって、彼女の母は二たび殺されてしまったのだ。よくぞこのような本が出版されたものだと、幻冬社の見城社長の手腕に驚くとともに、彼女はこの小説に書かれているような離婚の道を歩むことは無いのだろうかと今後の行く末を心配してしまう自分がいる。是非とも続編を読んでみたいと思わせる私小説である。
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