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国会閉会中にも開催か

2008年06月07日
自民党人権問題等調査会は国会閉会中にも開催か
http://prideofjapan.blog10.fc2.com/blog-entry-1499.html

自民党人権問題等調査会が開催されたが、同じことが論じられ、また平行線で終わった。また来週の11日(水)に開催されるが、これでは時間の無駄でしかない。

中川昭一氏はこの議論はやめるべきと太田氏に迫るも拒否。衛藤せいいち議員はまずは、官(裁判所)に絞った人権救済を図るべきで、私人間に求めるべきではないと説得した。

太田氏は頷かないものの、岩永議員などの推進派は大きく頷いた。

いずれにしても、太田氏は会期中に何回も開催し、国会閉会中に反対議員が出席できないときに調査会を開催することを考えているのではないかと、ある議員は稀有していた。

そこまでするかも知れないと不安はよぎる。

来週は、百地章日本大学教授が太田私案に対するレクチャが行われるが、正論欄にその問題点が指摘されていますのでご参照いただければ幸いです。

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新・人権擁護法案の危険性      日本大学教授  百地 章

旧法案と本質変わらず

「『話し合い解決』等による人権救済法」(案)―。これが旧「人権擁護法」(案)に代えて自民党執行部(太田誠一・人権問題等調査会会長)が五月二九日に提出してきた法案である。「話し合い解決」などと一見、ソフト・イメージの法案だが、その本質は旧法案と全く変わらない。

 本法案では、旧法案にあった「一般救済」の対象を「憲法14条が定める人種等による差別」など五類型に「限定」、「特別救済」についても「話し合いによる解決」と名称を改め、対象を「公務員及び事業者・雇用主が行う差別的取扱い」など五類型に「限定」しており、「委員会」による権力の濫用や恣意的行使はあたかも抑制できそうに見える。

 しかしながら、前者について言えば、「憲法14条が定める人種等による差別」の中には当然「思想・信条」や「社会的身分」による差別を含め「一切の差別」が含まれるから(判例、通説)、「救済」の対象は旧法案と同様、際限なく広がり、その分、権力濫用の危険も増大する。

つまり、「任意」(強制力を持たない)とはいえ、行政委員会が常に国民に目を光らせ、人権侵害の申し立てがあればこれまでの法務局に代わってこの委員会が国民生活の隅々にまで介入・干渉することが可能となる。

実は、現在でも法務局は法務省訓令に基づき「任意の呼び出し」を行っており、知人のM氏は外務省の意見交換会で特別永住者制度を批判しただけで在日韓国・朝鮮人に対する差別であると訴えられ、この三月に呼び出しを受けている。

したがって法律が制定されれば、このような呼び出しが行政委員会の手で日常的に公然と行われることになろう。

実体は「言論弾圧法」 

 他方、「話し合いによる解決」であるが、これも名称とは裏腹に、極めて危険なものである。

というのは、仮に一方的な人権侵害の申し立てがなされた場合であっても、「話し合い」の場を設定するためには当然、「加害者」とされた者に対する「強制的な呼び出し」が必要となるからである。しかも行政委員会には「調査権」まで認められ、その内容は法案に示されていない。

したがって安易に本法案を承認してしまえば、「令状なしの出頭要請権」や「令状なしの立ち入り調査権」まで法律に盛り込まれてしまう恐れがある。そうなれば、旧法案とどこが違うというのか。

 この点、法案では救済の対象は「不法行為」に限定されるから濫用の心配はないという。

しかし、裁判所でもない一行政委員会が一方的に判断するわけだから、常に公正な判断を期待することなどできないであろう。したがって、条文に書かれているだけでは、何の歯止めにもならない。

 また、「話し合いによる解決」の対象の中には、「反復して行う差別的言動」が含まれており、本法案が自由な言論・表現活動を抑圧する危険な法律であることに変わりはない。確かに、法案では「反復して行う」との限定がなされており、その分だけ権力濫用の危険は押さえられよう。

しかしながら、「差別的言動」の中には、前に述べたように「一切の差別的言動」が含まれるし、何をもって「反復」というのかも明らかでない。

そのため、例えば政治家や学者・評論家などが自らの思想・信念に基づいて演説や執筆活動を繰り返した場合でさえ、「反復して行う差別的言動」に該当するとして行政委員会による強制的な「呼び出し」や「調査」の対象とされてしまうことも当然ありうる。

これはまさしく言論弾圧であって、これでは北朝鮮による日本人拉致問題や中国によるチベット人虐殺でさえ迂闊に批判できなくなる。それでも太田会長や塩崎恭久・会長代理さらに法務省は、憲法21条(表現の自由)違反には当たらないと考えているのであろうか。

メディアも等しく規制

 さらに、本法案については「メディア規制削除」と報道した新聞もあったが、これも正確ではない。というのは、メディア規制が削除されたとはいっても、それは「行き過ぎた取材活動を問題にする条項は設けない」

つまり、旧法案のように「特別救済」の対象にはしないというだけであって、「任意の人権救済」(旧法案の一般救済)の対象から外してしまうわけではないからである。

法案には「報道機関については特別な取扱いをせず法の下に平等な扱い」をするとあるから、メディアにも当然この法律が適用される。したがって、もし人権侵害の申し立てがなされそれが認められれば、マスメディアといえども行政委員会による「任意の呼び出し」や「是正勧告」等の対象となる。

それに、法案には報道機関を「話し合い解決」等の対象とするかどうかは「将来検討課題とする」とあるから、いつ強制的救済の対象とされるかも分からない。

 二九日の調査会には、初回以来、五ヶ月振りに古賀誠・選挙対策委員長や二階俊博・総務会長らが出席して睨みをきかせ、加藤紘一氏ら推進派の発言も目立つようになった。会期末まであと半月、自由社会を守るため反対派議員の方々の一層の奮起を期待したい。

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