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公権力による人権侵害に限定した組織を

人権問題調査会、太田私案を提示
2008.5.29 23:04
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080529/stt0805292304007-n1.htm

 人権擁護法案の成立を目指す自民党人権問題調査会(会長・太田誠一元総務庁長官)は29日、現体制となり12回目の会合を開き、新設される人権委員会の権限を大幅に縮小した修正案(太田私案)を示した。古賀誠選対委員長らを中心とする推進派、安倍晋三前首相らを中心とする反対派ともに若手・中堅議員を大量動員し激しく応酬し、議論は平行線をたどった。調査会では今国会中に法案をまとめる方針だが、反対派は断固阻止する構えを見せており、緊迫の度合いを増している。

 「『話し合い解決等による人権救済法案』に名前を変えたい。大上段に構えず、人権紛争の調停・仲裁を淡々とやる法律だ」

 太田氏は40分間にわたり私案の概要を説明した。

 私案は反対派の意向を受けて人権委員会の権限を大幅に縮小した。「人権侵害の定義があいまい」との批判に応え、救済対象を「公務員、事業主らによる差別行為」などいくつかの類型に限定。学術、歴史、宗教に絡む申し立てを救済対象から外し、制裁措置の対象は民法上の「不法行為」に限った。「差別的言動」の調査では過料制裁を除外し、制度乱用を防ぐため不服申し立て措置も設けた。

 しかし、省庁と同格の「3条機関」として人権委員会を新設し、言動をめぐる争いに公権力が介入する枠組みは踏襲された。

 このため、反対派には「人権委員会の権限が縮小されても一度委員会が設置されればジワジワ権限を拡大していく可能性が大きい」と不信が根強い。「『話し合い解決の場』ならば家裁や地裁がある。なぜ人権委員会を作る必要があるのか」(稲田朋美衆院議員)との声も上がった。

 このため会合は2時間近く紛糾。初めて会合に出席した加藤紘一元幹事長は「一体どうしたんですか。こんなに怒鳴りあうなんて33年も議員をやっているがこんなのは初めてです」と戸惑いを隠さなかった。

  今回の会合に先立ち、太田氏は反対派の衛藤晟一参院議員らと水面下で接触し、「このままでは鼎(かなえ)の軽重を問われる」と妥協点を探ってきた。だが、衛藤氏は「そんなに人権委員会を作りたいならば公権力による人権侵害に限定した組織をつくるべきだ」と譲らず平行線をたどった。公権力に限定すれば最大のターゲットは刑務所や警察となり、法案を所管する法務省は飲めなかったようだ。

 法案の社会的反響は大きく賛成、反対両派の背後にそれぞれ支持層が形成され、「お互い引けない状況」(自民中堅)となっている。加えて民主党も賛否は分かれ、社民党は大筋で賛同、共産党は断固反対-と与野党の足並みはバラバラだ。新党構想を掲げる平沼赳夫元経済産業相(無所属)は反対派の急先鋒(せんぽう)であり、自民党の内紛がこのまま続けば、政界全体に波及する可能性もある。

人権擁護法案、新素案にも異論相次ぐ 自民党
2008年05月29日20時29分
http://www.asahi.com/politics/update/0529/TKY200805290292.html

 自民党の人権問題等調査会(太田誠一会長)は29日、人権侵害に対する救済制度を定める人権擁護法案の新素案について議論を始めた。素案の方向性を支持する声が出る一方、法案そのものを不要とする反対論もあり、引き続き意見集約を図ることになった。

 素案は「話し合い解決等による人権救済法」との名称。会合では、年明けから調査会で続けてきた論点整理に沿った内容であることから、「手直しする部分はあるかもしれないが、基本的に賛成」(加藤紘一・元幹事長)、「これまでの論点を吸収して改善した点は評価できる」(中谷元・元防衛庁長官)といった声が上がった。

 一方で、若手を中心に「何のために法をつくるのかいまだにわからない」(稲田朋美衆院議員)、「個別法の救済制度が不十分なら改善していけばいい。新法ではなく現行法の改正から議論すべきだ」(近江屋信広衆院議員)と異論が相次いだ。伝統や文化を重視する「保守派」が慎重な姿勢を崩していない表れだ。

 会合後、太田氏は記者団に「今国会中に何らかの結論を得るように進めたい」と語った。調査会幹部を中心とした推進派は今国会中にも政府による新法提出を求めている。ただ、反対論はくすぶり続けており、党四役の一人は「いま無理をする理由はない。状況次第だ」と様子見の構えだ。

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