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「話し合い」に訴訟援助?、企業内女性差別も「話し合い」でというのか?、わざわざ話し合い法とは如何に。

ADRによる「話し合い解決法」素案を提案しました
太田誠一 at 2008/5/30 07:53:18
http://www.election.ne.jp/10829/59289.html

5月29日、人権問題等調査会を開きました。これまでの議論を踏まえて11項目の私の素案を皆さんに提案しました。その内容は、以下の通りです。

①法案の名称は、名は体を表わすこととするため「話し合い解決」法とした。

目的は、②人権尊重社会の実現などといった大上段に振りかぶった目的とせず、「法の支配の下で人権紛争を解決する」こととした。

人権救済の対象を限定し、③人権の定義や人権侵害の定義を行わず、人権侵害の類型を列挙して、それらだけを救済の対象とする法律とした。④任意の救済の対象から、“近隣との紛争”のようにいずれか一方が優越的立場にあるとは言えない類型を除外した。⑤「話し合い解決」の対象から具体的な内容を明示しない条項(バスケットクローズ)を除外し、差別的言動を反復して行われるものに限定して「言論の自由を妨げる」とする懸念に応えた。

制度の濫用を防止するため、⑥勧告など申し立てられる側に不利益な措置の対象を、「不法行為」に限定することにより、「委員会」は過去の判例によってしか判断することができなくなる。⑦申し立てられる側が申し立て自体を不当として人権侵害の救済を求めることができるとしたことは、濫用に対する強い牽制となる。

その他に、⑧民間ADRを活用するとは、行政各部から独立して設けられる「委員会」に『話し合いによる解決』を進める際、調停仲裁については「委員会」の責任において民間弁護士に委託してもよいということ。⑨差別的言動に関しては委員会の調査を拒否した場合においても過料を課さないこととし、「言論の自由を妨げる」とする懸念に応えた。⑩報道関係も「法の下に平等」とし、行き過ぎた取材活動(メディアスクラム)を問題にする条項は設けないこととする。⑪人権擁護委員の制度を現行通りとすることにより、外国人は除外される。

以下、素案の原文です。

(略称)話し合い解決法
「話し合い解決」等による人権救済法(案)

Ⅰ.目的:差別や虐待など人権侵害に対する現行の救済制度を明文化し、加えて「人権侵害を行ったとされる側との話し合いによる解決」等の新たな救済制度を導入し、人権問題を法の支配の下に置く。

Ⅱ.人権救済対象の限定
 現在でも行っている援助など任意の人権救済の対象を、憲法14条が定める人種等による差別、障害疾病による差別、及び職務上の地位を利用して行う性的な言動、優越的な立場においてする虐待などの人権侵害、及び名誉毀損・プライバシー侵害に限定する。
 人権救済の対象のうち「話し合い解決」等の対象となる類型を次のものに限定する。
  公務員及び事業者・雇用主が行う差別的取扱い
  公務員が行う虐待、児童虐待、施設内虐待他
  反復して行う差別的言動
  職務上の地位を利用して行う性的な言動のうち、被害者を畏怖困惑させるもの
  差別的取扱いを誘発する差別助長行為、及び差別的取扱いの意志表示
 ただし「話し合い解決」等は、事実の確認(調査)に基づく調停仲裁・勧告・訴訟援助等を言う。

Ⅲ.制度濫用の防止
 [制度濫用の防止]申し立てられる側に不利益となる措置は、その対象を、合理的に正当化できない行為(不法行為)に限定し、勧告に対しては不服申し立てができる。
 また、特定の歴史観に基づく被害申し立て等救済の対象から除外すべき類型を列挙する(別紙参照)。
 [申し立てられる側の保護]申し立てられる側が、申し立て自体を不当として対抗措置をとれることとする制度を創設し、同一の救済手続きの中で処理するものとする。

Ⅳ.その他
 1.「話し合い解決」等は委員会の責任で行い、随時民間ADRを活用する。
 2.差別的言動に対する調査については、過料の制裁を除く。
 3.報道機関については特別な取り扱いをせず法の下に平等な扱いとし、「話し合い解決」等の対象とするかについては、将来検討課題とする。
 4.人権擁護委員については現行制度を維持する。

(別紙)救済の対象から除外すべき類型
次のような場合には、人権侵害の申出があっても、救済の対象から除外する事を法律に定める。
 ①申出の内容に、次のような事情が認められるとき
 A学術上の論議、歴史上の事象又は宗教上の教義についての見解を根拠・前提として被害を受けたと主張するもの
 B法令が憲法に違反する旨の見解を根拠・前提として被害を受けたと主張するもの
 Cこれらのほか、その性質上、人権救済機関の調査・措置に馴染まないもの
 ②不正な利益を得る目的、他人の名誉を毀損する目的その他の不当な目的でされたと認められるとき
 ③被害が発生しておらず、かつ、発生するおそれがないことが明らかなとき
 ④名誉毀損については、公共利害事実に係わり、かつ、公益目的であったと認められるとき

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