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弊害ばかりのネット規制法

私たちは青少年ネット規制法案に反対します
http://miau.jp/1208861775.phtml
インターネット先進ユーザーの会(略称「MIAU」)

インターネットの劇的な普及と発展により、私達は以前よりも多くの情報を入手し、活用し、そして発信する手段を獲得しました。またビジネスにおいても、情報の収集、利用、発信や、取引への利用など、インターネット無くしてはビジネスが成り立たないほどの社会基盤となろうとしています。これらによってビジネスのスピードは加速し、また、論文やデータ等の公開・共有による世界的な知の発展も、今までになく加速しようとしています。

その反面、あらゆる人々がどんな情報でも発信できることから、猥褻や犯罪などといった、青少年に「有害」とされる情報も多く飛び交っているとの声もあります。そのため、青少年の犯罪とインターネットとの関連性を指摘する声が挙がり、現在、インターネット全体を広く規制しようという法案が、自民・民主両党によって検討されています。

私たちは、青少年が犯罪に巻き込まれないように努力するという社会的・倫理的な必要性を、とても強く認識しています。 また、インターネットを経由して行われる犯罪を防止するための積極的な取り組みも、大切だと考えていますし、明確に、かつ極めて限定的に定められた、現状の違法情報への取り組みを否定するものでもありません。

しかし、青少年を保護するためとはいえ、健全な情報を発信する個人や、それを支えるインターネット関連企業などにまで、情報発信・公開についての制限をかけてしまうことは適切でしょうか。インターネット上の広汎な情報を、単に青少年にとって有害であるとして法律によって規制することは、どんな手段であっても、結果的に国家による検閲に繋がりかねず、情報の発信やコンテンツの制作を萎縮させていきます。また、事業者に対して法律によって「有害情報」への対応を義務づけると、その経済的な負担は、零細事業者の多いインターネット関連企業の経営を直撃し、新たな官製不況を招き兼ねません。さらには消費者の PC 等にプリインストールされるというフィルタリングソフトウェア等のコストは、最終的に消費者に転嫁されることになり、フィルタリングを必要としない人にまでコスト負担を負わせることになります。

青少年を本当に保護するためには、インターネットを大幅に規制することではなく、早期の教育で青少年に正しい知識を教え、適切なインターネットの歩き方を体得させることが、より優れた手段ではないでしょうか。何よりも、「有害」な情報に全くアクセスできない状態で成人した青少年は、どこで情報の取捨選択や主体的な判断といった情報への対応、すなわち「情報リテラシー」を学ぶのでしょうか。受動的な教育を受けさせるだけでは、興味本位で「有害情報」のサイトを作成する青少年や、成人してから多くの犯罪に巻き込まれる、「情報弱者」の 18 歳が生まれるだけではないかと危惧しています。

私たちは、「有害情報」への対処について、国家によるインターネットの制限ではなく、教育による情報リテラシーの向上と、民間事業者による自主規制の強化で対応することを提案します。

現在、「情報」という授業は高校でしか行われておらず、義務教育での情報教育は貧弱なままです。青少年を犯罪から守るためには、小学生の頃から、情報リテラシーについてのきちんとした教育を行うことが大切でしょう。また、既に携帯電話においては通信事業者を中心とした自主規制団体が作られているところであり、事業者による社会的な対応も行われていきます。

我々は、拙速な議論で結論に飛びつくのではなく、事業者と利用者、そして青少年の意見を、日本のインターネット政策に正しく反映させることを求めます。そして、その結論は、インターネットを国家によって規制するものではなく、青少年がインターネットを使いこなすことによって、より情報社会の発展に繋がるようにするものであると確信しています。

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