社説:人権擁護法案 公権力の侵害救済策が先だhttp://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080214k0000m070140000c.html
すっかりしまい込まれていたはずの法案が再び息を吹き返すのだろうか。人権擁護法案のことである。
メディア規制条項などが批判を浴びて一度は廃案になり、さらに国会再提出の動きも封じられたにもかかわらず、またもや今国会への再提出を目指すという。自民党の人権問題等調査会が13日、党内調整に向け本格的な議論を始めた。鳩山邦夫法相は「白紙から出直したい」と意欲を見せ、党の議論を踏まえて法務省が法案を作り直す意向を示した。
それでも過去の法案がベースになるのは間違いないだろう。私たちはこれまで、法案が想定する「人権」の範囲があいまいで拡大解釈される恐れがあり、とりわけメディアを規制対象とすることは表現・報道の自由を著しく制約するとして反対してきた。そうした欠陥が放置されたままでは、新たな法案ができても到底容認するわけにはいかない。
そもそもこの法案が作られたのは、国連の規約人権委員会が98年、日本政府に、刑務所などでの公権力による人権侵害を懸念し、独立した人権救済機関の創設を勧告したのがきっかけだ。
このため独立行政機関として人権委員会を設置するのが法案の柱になったが、事もあろうに人権委を刑務所などを所管する法務省の外局に置くとした。法務省人権擁護局の職員を人権委の事務局に充てようという思惑だが、これでは身内の人権侵害に十分対応できるのか、大いに疑問がある。
また公権力による人権侵害の救済が主眼のはずなのに、法案は報道機関の取材・報道による人権侵害も同列に救済対象とし、人権委の調査を可能にした。これを許せば取材・報道への威圧となり、特に政治家や公務員の不正を暴く調査報道には打撃となりかねない。
最初の法案は03年に廃案になり、05年に修正が加えられたが、国会提出は見送られた。各地に置く人権擁護委員に国籍条項がなく、北朝鮮などの外国人も委員になる可能性があるなどと自民党保守系議員が反対したためだ。メディア規制条項は残したまま凍結とし、凍結解除には新たな法律を要するとしたが、姑息(こそく)な手段だと反発を招いた。規制しようとの狙いに変わりはなく、全面削除が不可欠だ。
さまざまな論点で批判の多い法案である。なぜ法案が必要とされたのか、今後はその原点に立ち返った議論を求めたい。何よりも公権力による人権侵害をいかに救済するかを最優先する必要がある。
法務省によると、06年に法務局などが人権侵害調査を開始した総件数は2万1000件余で、そのうち報道関係が9件に対し、公務員関係は2289件に上り、公権力による人権侵害がいかに多いかを物語る。しかし、刑事事件に発展するごくわずかを除き、救済が一向に図られない現状を関係者は認識すべきだ。
毎日新聞 2008年2月14日 0時02分
人権擁護法案:自民調査会、再提出へ向け議論http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080214k0000m010082000c.html
自民党の人権問題等調査会(会長・太田誠一元総務庁長官)は13日、いったん廃案となった人権擁護法案の今国会への再提出に向けた議論を再開した。古賀誠選対委員長ら推進派は、旧法案を修正してでも提出に持ち込む構え。しかし、反対派も譲歩の様子はなく、党内の路線対立の火だねとなっている。
「以前検討した法案をそのまま提出するわけではない。トゲがあるならどんどん抜いてもらい、政府提出にしたい」
鳩山邦夫法相は調査会でこう力説した。
しかし、反対派は「強行突破するつもりか」(萩生田光一衆院議員)などの発言が相次ぎ、太田氏は「党内の意見を踏まえて法律にしたい」と釈明に追われた。
法案はマスコミの取材活動を規制の対象とするメディア規制条項の扱いも焦点の一つ。推進派は提出最優先の立場から「国民の関心も高い。削除すべきだ」と提起したが、反対派は「立法府としての責任回避」(下村博文前官房副長官)などと反論。両派の溝は深く、調整のめどは立っていない。【竹島一登】
毎日新聞 2008年2月13日 20時10分
人権擁護法案 自民内の調整混迷 自民部会初会合(02/14 01:26)
自民党の人権問題等調査会(太田誠一会長)は十三日、今年初の会合を党本部で開き、政府が今国会への再提出を目指す人権擁護法案について本格的な党内調整に入った。だが人権侵害の定義があいまいなどとして会合は紛糾。推進派と保守派を中心とする反対勢力の溝が埋まる気配はない。(東京政経部 今川勝照)http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/75948.html
会合には鳩山邦夫法相も出席し「トゲがあるなら話し合いでどんどん抜いてもらいたい。議論はフリーでやってほしい」と理解を求めた。
従来の政府案に対しては《1》人権侵害の定義があいまいで、恣意(しい)的な解釈の恐れがある《2》人権委員会は裁判所の令状なしに出頭要請や立ち入り検査などができ、権限が強すぎる《3》外国人委員の就任を制限する国籍条項がない-などが問題とされてきたが、会合でも「広範囲な法律をつくれば表現や政治活動の自由が脅威にさらされる」(稲田朋美衆院議員)などの批判が噴出。児童虐待防止法などで対応すべきだとの声や、「刑務官や警察など公権力による人権侵害は見過ごされている」との指摘も出た。
同法案提出の動きは、政府が一九九八年、国連の規約人権委員会から独立した人権救済機関の創設を求める勧告を受けたことや、同和対策に代わる新たな人権対策の必要性が浮上したことが背景にある。しかし党内では安倍晋三前首相ら保守派を中心に、国籍条項がなければ在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)関係者が人権委員になれるなどと反発し、提出の動きを阻止してきた。
それが推進派の古賀誠選対委員長や二階俊博総務会長が党の要職を占めた福田康夫政権で状況は一変。公明党も大筋で賛同しているため、調査会は今国会が「成立の最後のチャンス」と意気込む。早ければ四月の提出を目指し、次期衆院選の公認権を握る古賀氏と側近の太田氏の威光を背景に、中間派の中堅・若手を取り込む動きも取りざたされている。
反対派も危機感を強め、中川昭一元政調会長が主宰する「真・保守政策研究会」は十五日に勉強会を開き、無所属の平沼赳夫元経済産業相とも連携して法案の徹底検証に着手する。首相は今のところ静観の姿勢だが、執行部側が法案とりまとめを急げば党内対立がさらに激化するのは必至だ。
人権擁護法案で再検討本格化・自民調査会、慎重意見が続出
自民党の人権問題等調査会(太田誠一会長)は13日、人権侵害を救済する手続きを定める人権擁護法案の今国会提出に向けた本格的な検討に入った。出席議員からは「人権侵害の定義があいまいだ」「新たな法律の必要性が理解できない」など慎重意見が続出。党内で賛否が割れる状況は変わらず、再提出できるか否かはなお不透明だ。
人権擁護法案は人権救済に強い権限を持つ法務省外局の「人権委員会」新設が柱で、政府が2002年に国会に提出。ただ取材・報道によるプライバシー侵害などを禁じる「メディア規制」に批判が集まって廃案となり、その後も再提出には反対論が強かった。福田政権で古賀誠氏ら推進派が党要職に就いたのを機に再始動した。http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080213AT3S1300R13022008.html(13日 22:02)
2008/02/13-19:18 人権擁護法案、調整は難航必至=再提出へ修正辞さず-自民 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2008021301004
自民党は13日、人権問題等調査会(会長・太田誠一元総務庁長官)の総会を開き、人権擁護法案の再提出に向けた党内論議をスタートさせた。推進派は、以前に政府が出した法案の大幅修正も辞さない「協調姿勢」を示している。しかし、反対派は法案の提出そのものを認めない考えで、意見集約は難航必至だ。
「法案をまとめる気持ちになっていただくようお願いする」。総会で、太田氏は反対派にこう協力を求めた。鳩山邦夫法相も「とげがあるなら話し合いで抜いて、いい法案を作っていただきたい」と訴えた。
同法案は、差別や人権侵害に対する調査・指導を行う人権委員会の設置が柱。2002年に国会提出され、03年の衆院解散で廃案となった。古賀誠選対委員長ら推進派は05年に再提出を目指したが、当時の安倍晋三幹事長代理らの反対で断念した経緯がある。
総会では、反対派が次々とマイクを握り、衛藤晟一参院議員は「障害者や児童虐待に対する(人権侵害)問題は個別法で対応できる」などと主張した。反対派は(1)人権侵害の定義があいまい(2)人権委員会の権限が強すぎる-などを問題視している。
人権擁護法案「白紙から見直す」鳩山法務大臣
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/index9.html?now=20071115150742_300k#m0
2005年に自民党内の対立で提出断念に追い込まれた人権擁護法案について、自民党は、13日、今年最初の議論を行いました。出席した鳩山法務大臣は、法案を白紙から見直す考えを示しました。
鳩山法務大臣:「再提出と言うと、前のものがそのまま出る形になる。どんどん話し合いをして、とげがあるなら話し合いで抜いて頂いて、皆さんに良いものを作って頂いて、それを法務省で受け取る」
人権侵害による被害者の救済を目的とした人権擁護法案をめぐっては、2005年にも国会への提出を目指して検討が行われましたが、安倍前総理大臣や平沼元経済産業大臣ら保守系議員の反対論が強く、取りまとめを断念しました。13日の会合でも、「今ある法律で対応できるのではないか」、「人権侵害の定義があいまいだ」などと慎重論が相次ぎました。自民党の人権問題調査会は、今の通常国会への提出を目指して議論を続けますが、自民党の保守系議員は、15日に会合を開いて反対意見をまとめる方針で、とりまとめは難しい情勢です。
鳩山法相、人権擁護法案提出に改めて意欲
2008.2.13 11:00http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080213/stt0802131100003-n1.htm
鳩山邦夫法相は13日午前、自民党の人権問題調査会(会長・太田誠一元総務庁長官)の会合で「人権を守る基本法がないのは、非常に残念なことだ。話し合いでとげを抜いていただき閣法(政府提出法案)の形にする。(廃案になった)前の法案をベースにしないで、自由に議論をしていただきたい」とあいさつした。人権擁護法案の提出に改めて意欲を示した発言だ。
同法案の推進派は今国会中の法案提出を目指しているが、会合に出席した議員からは「人権の定義がはっきりしない」「この法案が必要かどうかから議論すべきだ」などの反対論が続出。党内の意見集約は難航が必至だ。
<人権擁護法案>自民調査会、再提出へ向け議論
2月13日20時10分配信 毎日新聞
自民党の人権問題等調査会(会長・太田誠一元総務庁長官)は13日、いったん廃案となった人権擁護法案の今国会への再提出に向けた議論を再開した。古賀誠選対委員長ら推進派は、旧法案を修正してでも提出に持ち込む構え。しかし、反対派も譲歩の様子はなく、党内の路線対立の火だねとなっている。
「以前検討した法案をそのまま提出するわけではない。トゲがあるならどんどん抜いてもらい、政府提出にしたい」
鳩山邦夫法相は調査会でこう力説した。
しかし、反対派は「強行突破するつもりか」(萩生田光一衆院議員)などの発言が相次ぎ、太田氏は「党内の意見を踏まえて法律にしたい」と釈明に追われた。
法案はマスコミの取材活動を規制の対象とするメディア規制条項の扱いも焦点の一つ。推進派は提出最優先の立場から「国民の関心も高い。削除すべきだ」と提起したが、反対派は「立法府としての責任回避」(下村博文前官房副長官)などと反論。両派の溝は深く、調整のめどは立っていない。【竹島一登】
最終更新:2月13日20時10分
人権擁護法案:再提出へ議論再燃 今国会も自民二分、メディア規制は「こだわらず」http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080204ddm012010047000c.html
人権擁護法案を通常国会に提出する動きが政府・与党内に出ている。人権侵害を救済するための人権委員会創設を目指すが、メディア規制などをめぐり報道側からの批判は強く、法案をめぐる与党内の評価も真っ二つだ。議論の行方は依然、見えてこない。【佐藤丈一、野口武則、坂本高志、臺宏士】
◆保守派「阻止」
◇国籍条項に反発、一部に柔軟意見も
人権擁護法案の再提出を目指す自民党の人権問題等調査会(会長・太田誠一元総務庁長官)は昨年12月、約2年半ぶりに活動を再開した。法案に反対した安倍晋三前首相が退陣したのを機に、推進派の古賀誠選対委員長らが福田政権で復権した。調査会は2月6日から本格的な議論を始める。
「与党内でもさまざまな議論がなされており、それを踏まえつつ、引き続き真摯(しんし)な検討を行っていく」。福田康夫首相は1月23日の参院代表質問で、そう答弁した。推進派は、この答弁を「反対一辺倒だった安倍政権とは風向きが変わった」と受け止め、党内をまとめれば提出に踏み切れると勢いづく。
02年5月に発足した調査会は、初代会長、野中広務元幹事長を中心に法案成立を目指したが、取材活動を人権侵害と位置づけたメディア規制条項に報道各社が反対。03年10月の衆院解散を機に廃案となった。
野中氏から会長職を引き継いだ古賀氏が再提出を目指したが、安倍氏ら保守系議員と対立した。安倍氏らは北朝鮮による拉致問題と絡め、「法案に国籍条項がなく、朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)関係者が人権擁護委員になれる」「人権侵害の定義があいまいで、拡大解釈される」と反対して提出断念に追い込んだ。
対立構図は現在も変わらない。中川昭一元政調会長が会長を務める「真・保守政策研究会」は、法案提出阻止の勉強会を予定。若手保守派の「伝統と創造の会」は、「政治活動を萎縮(いしゅく)させる平成の治安維持法だ」(会長の稲田朋美衆院議員)として、執行部への意見書提出を検討している。
複数の調査会幹部は「法案の成立が第一なので、メディア条項は削除しても構わない」と明言する。「保守派が、反対して見せ場を作ろうとしているだけ。国籍条項は設けてもよい」との声もあり、本格的な議論を前に争点を解消する柔軟姿勢を示唆する。
公明党は「今国会で成立させたい」(北側一雄幹事長)と前向きだが、国籍条項の設置には消極的だ。
自民党が法案の再提出を見送った05年8月、民主党は独自の法律案をまとめた。人権委員会を内閣府の外局に設置し、メディアに関しては、自主的な解決に向けた取り組みを努力義務で規定することが柱だ。
与党審査を経て提出が見込まれる政府案をベースに、付帯条項や見直しなどを求めていくべきだとの声は強い。自民党と民主党の協議では、法務省からの独立性が担保されるかも焦点の一つとなりそうだ。
◆見守る法務省
◇修正案提示し、異論には配慮
「国会再提出をめざすべきものと考えているが、与党内でもさまざまな議論があり、ご意見を承りながら真摯に検討を進める」
同法への法務省の現在の姿勢は、昨年10月の衆・参法務委員会で鳩山邦夫法相が述べた表現に集約されている。再提出への意欲をにじませながらも、与党内の激論が続いている以上、「出すとも出さないとも言えない」(幹部)のが現状だ。
ただ、これまで一定の見直しの検討は進めてきた。杉浦正健元法相は06年9月、人権擁護委員の選任要件に「地方参政権があること」を追加する修正案を与党側に提示した。自民保守派に根強い「外国人が委員になるのはおかしい」との異論に配慮したものだった。
また、メディア規制条項について、杉浦元法相は報道被害への包括的な対応窓口の設置を条件に、削除する考えを示した。鳩山法相も、凍結を含むメディア条項の存置に固執する雰囲気はうかがえない。
政府関係者の一人は、自民党の調査会での議論について「これで合意に至らなければ、法ができる可能性はさらに遠のくだろう」とみる。しかし、同党内の摩擦が収まる見通しは立っておらず、今国会提出への道は険しいとの見方が少なくない。
◆「干渉」に反対
◇新聞や放送、過熱取材へ対策
02年3月に政府が国会提出した旧人権擁護法案は、人権侵害を「不当な差別、虐待、その他の人権を侵害する行為」と定義。報道機関による活動も規制対象とし、「過剰な取材」を名目に報道・取材への不当な干渉に道を開いたことが特徴だ。報道活動を狙い撃ちにした法規制は国際的にも極めて異例で、メディア側は「公人取材が制約されかねない」などとして反対している。
同法案は、国連の規約人権委員会から再三、独立した人権救済機関の必要性について勧告を受けたことや、同和対策事業の柱だった地域改善対策特別措置法が02年3月に失効し、新たな法制定を部落解放同盟などが求めたことが背景にある。
ところが、公権力による人権侵害の監視という本来の趣旨から外れて、人権委員会を法務省の外局とし、メディア規制条項も盛り込まれたため当初の立法目的はゆがめられた。
旧法案はいったん廃案となったが、05年に自民党内で、メディア規制条項は凍結することで、新法案提出を構える動きが浮上した。
しかし、党内からあいまいな人権侵害の定義や、人権擁護委員資格に国籍条項がないなど反対論が出て見送られた。
日本新聞協会はメディア規制条項に反対するとともに、01年には集団的過熱取材を防ぐための順守事項を定めたほか、02年には「集団的過熱取材対策小委員会」を設置。北朝鮮による拉致被害者取材などに生かされた。NHKと民放は97年に第三者機関として「放送と人権等権利に関する委員会」(BRC)を設け、日本雑誌協会は02年、共通の受付窓口として「雑誌人権ボックス」と名づけた専用ファクスを開設している。
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◆人権擁護法案をめぐる主な動き
98年11月 国連規約人権委員会が「最終所見」で、公務員による暴力、虐待の実態を指摘し、政府から独立した調査救済機構の設立を日本政府に勧告。
99年 9月 法相の諮問機関「人権擁護推進審議会」(塩野宏会長)が人権救済機関の検討を始め、00年11月に強制調査権を含む人権救済機関の創設を求める「中間取りまとめ」を公表。
01年 5月 審議会が「人権救済制度の在り方について」を答申。
02年 3月 政府が人権擁護法案を国会提出。地域改善対策特別措置法(時限立法)が失効。法案は11月に参院法務委で審議入りし、法務省はメディア規制条項について凍結する修正に言及。
03年10月 人権擁護法案は衆院解散に伴い審議未了のまま廃案。
04年11月 与党の「人権問題等に関する懇話会」(古賀誠座長)が、メディア規制条項の凍結を含めて見直す方針を決める。
05年 4月 自民党の反対派議員が勉強会「真の人権擁護を考える懇談会」(平沼赳夫会長)を発足させて批判を強める。自民党内の意見がまとまらず、政府は8月、法案再提出を見送り。
06年 4月 杉浦正健法相が、人権擁護法案の再提出に向けた検討チームを省内に設置することを表明。
07年12月 自民党の人権問題等調査会(太田誠一会長)が約2年半ぶりに活動を再開し、今国会での人権擁護法案の提出を目指す。
(肩書はいずれも当時)
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◆旧法案のメディア規制条項の概要
<救済対象の人権侵害>
▽(救済対象者を)報道するに当たり、その私生活に関する事実をみだりに報道し、その者の名誉または生活の平穏を著しく害すること
▽(救済対象者が)取材を拒んでいるにもかかわらず、次のいずれかに該当する行為を継続的にまたは反復して行うこと
(1)つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他通常所在する場所の付近で見張りをし、またはこれらの場所に押し掛けること
(2)電話をかけ、またはファクシミリ装置を用いて送信すること
毎日新聞 2008年2月4日 東京朝刊
2月 13, 2008 http://ganbare-kiuchi.com/2008/02/13/94
本日開催、人権問題等調査会Post by 新三
草莽崛起 ーPRIDE OF JAPAN では、人権問題等調査会が本日開かれるまでの経緯から書いておられる。是非読んでいただき、拍手ボタンを押して頂きたい。どれだけの人が関心を持っておられるかが、可視化できる非常に意味のある行動である。
「法案をまとめる気持ちになっていただくようお願いする」。総会で、太田氏は反対派にこう協力を求めた。鳩山邦夫法相も「とげがあるなら話し合いで抜いて、いい法案を作っていただきたい」と訴えた。
人権擁護法案、調整は難航必至=再提出へ修正辞さず-自民 より引用
どうやってもいい法案にはならないと言うのが未だに分かっていないようである。衛藤晟一参院議員は「障害者や児童虐待に対する(人権侵害)問題は個別法で対応できる」と発言したが全くその通りだと思う。問題だらけの法案を修正してもとんでもない法律には変わりないわけである。平沼元経産相を中心とした反対派は、人権問題調査会の太田会長の賛成してほしいとの懇願を断ったそうである。
1月30日、人権問題等調査会の太田会長がわざわさ゛日本会議国会議員懇談会の平沼赳夫議員の事務所を訪ね、法案についての理解を求めに来ました。もちろ ん、平沼会長は「断固反対する」と明言され、同日午後、議員会館で開催された「人権擁護法案反対」のための日本会議国会議員懇談会の勉強会で、改めて反対 で奮闘するよう呼びかけられました。
草莽崛起 ーPRIDE OF JAPANより引用
郵政民営化に反対した議員は、人権擁護法案にも反対していることが多い。すなわち良識がある議員であれば、賛成できる代物ではないと言うことである。郵政民営化にしても、参議院で否決されたものを衆議院を解散し最終的には可決させてしまった。もし、当時小泉総理が、どうしても人権擁護法案を可決したいと思っていたら可決させることは可能だったのではないだろうか。単純に関心が無かったのかそのようにはならかなったが、今考えると当時の国会と世論は異常だったと思わざる終えない。そのような異常がもたらした自公政権は本当に民意を反映した状態と言えるのだろうか。早期に解散して現在の民意を国民に問うてほしい。
2月 10, 2008 http://ganbare-kiuchi.com/2008/02/10/86
人権擁護法案(加筆再掲載)Post by 新三
今日は、簡単ではありますが、人権擁護法案の何が問題なのかというところを書きたいと思います。画像は、危ない人権擁護法案というタイトルの書籍です。城内(きうち)さんも米田健三さんと対談する形で、参加されております。私の文章で物足りなければ、書籍を読んで頂くか、サルでも分かる?人権擁護法案や人権擁護法案ポータルwikiを参照して頂きたいと思います。最後に城内実さんの説明と、簡単に分かるフラッシュを追加しました。なぜ、再掲載したかというと自民党人権問題等調査会が2月13日に開催されるからです。また、話題に上ると思います。
こ の法案で最も問題なのが、人権擁護法によって設置される人権委員会と人権擁護委員です。人権委員会は5人、人権擁護委員2万人によって作られ、被差別者、 障害者などが優先して選ばれることになっています。人権委員会や人権擁護委員は、裁判所と警察を併せ持った公権力の発動が可能になります。令状の発行もな しに、差し押さえなどが可能です。さらに、人権委員会は5名しかいないので、実務には2万人の人権擁護委員が当たることになります。人権擁護委員が、各市 町村を担当すると言ったほうが良いでしょうか。人権擁護委員は、市町村長が、市町村の住民で人格が高潔で人権に高い識見を有する者の中から選ぶとなってい ます。具体的に書くと、弁護士会や人権団体のメンバーから選ぶということになります。特定の考えに偏った人物が、人権擁護委員になった場合、それに対立す る団体が、排除されかねないと言うことです。人権擁護法案の問題点は、非常に曖昧な法律でありながら、非常に強力だということです。運用でどんな風にでも なる法律とはどんなものでしょうか。
◎ 政 治 ◎ 「人権擁護法案再び」(再録)2008-02-10 00:00 by 城内 実 ・ カテゴリ» ピックアップ, 政治
http://www.m-kiuchi.com/2008/02/10/jinkenyougohouanfutatabi-2/
一度つぶれた「人権擁護法案」が再び国会で審議され、実現しそうな風向きである。前回の郵政解散総選挙では、私、城内実は、人権擁護法案に反対の立場をとったため、党最高幹部のT氏、N氏や閣僚のT氏、I秘書官らから徹底的に報復された。これぞ文字通りの意趣返しである。郵政売国法案と同じく、人権擁護法案も国民の知らない密室での一部権力者による出来レースだったことはほぼ間違いない。
人権擁護法案(=人権侵害糾弾「特高」法案)のポイントは、人権侵害の定義があいまいで、人権委員会に対して公正取引委員会(いわゆる行政法上の三条委員会)なみの権限を与え、日本国中の全ての国民及び外国人がその対象になるという、とてつもないおばけのような法案である。
「著しく不快」や「困惑」しただけで、人権侵害になる。例えば、クラス会の酒の席である同級生に対して「おまえは小学校の時におしっこもらしてみんなから笑われたよな。あのときが懐かしいな。」といった悪気のない発言であっても、この発言によって言われた本人が「著しく不快」に感じた場合(第42条第二項)、地元の人権擁護委員を通じて人権委員会に「人権侵害案件」として事実上の提訴が行われる可能性があるのだ。
いやまさかという方がいたら、是非とも人権擁護法案を最初から最後まで目を通していただきたい。私が振り込め詐欺師であったら、そんなリスクを負うよりも、合法的にあいての言葉尻をとらえて示談に持ち込む(合法的なかつあげ)。
例えば、こんなことになるのである。 「A君なあ、あんたさっきわしのことをあほよばわりしおったなあ。あんたのように小学校の頃わしは生徒会長もしとらんし、中学校出てから苦労してその筋の世界に入って、これでも今では所帯は小さいが50人の子分をかかえておるんや。そのわしに向かってみんなの前でよう恥をかかしおったな。わしのメンツは丸つぶれやないか。最近人権擁護法案という誠に結構な法律が成立しおってなあ、これによると、「著しく不快」に感じた場合人権侵害として認定されるんや。A君なあ、あんたも今や市議会議員としてバッチつけて地元の代表として活躍しているところや。もしもやなあ、新聞にA議員人権侵害の疑いで人権委員会が調査中なんて記事出てみい、あんたの家族も支援者のみなさんも困るやろ。ここはなあ、わしも顧問弁護士と良く相談してみるがな、おたがい水に流して、示談ということにせえへんか。わしも血気盛んな子分をかかえているさかいに、わしは良くても子分どもは親分のメンツがつぶされたとなったらなにするかわからんで。」その後、双方の弁護士を通じて100万円で示談が成立する。
ちょっとした何気ない、半分冗談のような発言であっても、相手がどう受け止めるかで、地獄を見ることになる。ましてや、インターネット上のあらゆる表現活動、メディアの報道は全て人権擁護法によって監視の対象になる。
今一度、みなさんに問いたい。「人権擁護法案通しますか、それとも民主主義やめますか?」
詳しくは、城内実の関連文章等の「人権擁護法案の危険性」をご覧になっていただきたい。
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