« 部落にある企業をHPで中傷容疑で逮捕。「差別書き込み」の認定ではなく。 | トップページ | 部落解放運動の目的は? いま進めている「運動」との関係は? 自己の利益が中心ではないか。 »

奈良市 問題先送りで課題山積み

同和行政の基本方針についての見解          

http://www.jcp-nara.com/dan/douwa/page074023.html
2007.5.25  

日本共産党奈良市会議員団 

 奈良市は3月30日、「奈良市の同和行政を真に人権行政にするための検討委員会」の提言を受けて、市の基本方針を発表した。この中には「今後の検討課題」とする部分も多く含まれているが、同時期に出された部落解放同盟の質問書に対する回答と合わせて見ると、市の基本的な姿勢がここに現れている。

 基本的姿勢について
 いまなお市民の中に、「部落に対する差別意識が存在する」という認識の下に、「これまでの同和対策の一環として取り組んできた事業の中に、有効性や透明性・公平・公正性の確保の面で不充分な点があるので是正をする。
 今後は、同和行政を人権行政と一体のものであることを『理解させ』(※市民に)、教育・啓発の取り組みを進めていく」としており、人権の名でひきつづき同和を残し、市民に対して部落差別に対する教育・啓発をつづけるという姿勢は、これまでとなんら変わるところがない上に、解放同盟に極めて配慮する内容となっている。こうした姿勢は「部落差別は基本的に解消されており、同和行政の早期終結を求める」という我が党議員団の立場とは、大きくかけ離れている。
 また、部落解放同盟奈良市支部協議会の質問に対する回答をみても、病休職員、とりわけ中川問題は「中川個人の不祥事であり、それを許してきた休暇制度や、こうした行為に毅然と対応できなかった職場風土に問題があった」とし、これまで助役の通達まで出して、部落解放同盟奈良市支部協議会という特定の団体と「窓口一本化」の関係を続けてきたことが、病気休暇問題だけでなく、職員の加配、解放同盟への多額の補助金支給、市営住宅の入居募集や管理、ヤミ専従の雇用問題等々、市政の広範囲にわたって解放同盟いいなりで、同和優先の市政になっているが、こうしたことに対する総括は何もない上に、平成5年に出した助役の依命通達の廃止には当然のことながら触れられていない。
 また一連の文書の中で、旧同和地域をいまだに「同和地区」、「地区内」などと表現しているが、これこそ行政の側に同和を固定化する姿勢があると言わなければならない。

1.個別、具体的問題について
○個人給付的事業
 固定資産税、国民健康保険料の減額(還付)については18年度より廃止、保育料の減免については19年度より廃止。ただこの事業については、これまでの我が党議員団の議会での追及で、すでに運動団体とも話がされ1、いずれ廃止の方向が決まっていたものである。

○職員の加配
 教員や保育士の加配については、同和地区偏重を改め全市的に対応することになった。

○部落解放同盟奈良支部協議会への支援
・補 助 金
  いったん廃止を決めたが、今後については「同和問題は人権問題全体の中でも大きな課題である」などと、これまでの「同和問題はいくつかある差別問題のひとつ」という議会答弁を超える認識の下に、この団体を「市民啓発の一翼を担う当事者団体」と持ち上げ、何らかの名目をつけて補助金の支出を継続するという姿勢を変えていない。
・人権ふれあいスポーツ大会補助金、人権問題少年講座・青年講座は廃止。
・人権啓発センターの目的外使用
「今の時点では市民の理解が得られないので、解放同盟の事務所として使用許可しない」と言いな
がらも、「解放同盟が民主的に運営され、行政から自立した団体として市民の理解が得られるならば、改めて検討する」となっており検討委員会の提言より後退している。つまりこれは、「ほとぼりが冷めるまで、ひとまず辛抱してくれ」といった程度のものであり、県下の市町村でも例がない。
・非常勤嘱託職員(ヤミ専従)の雇用
 2名の雇用については更新しないことになった。ただ、これまで事実上のヤミ専従という実態がありながら、議会やマスコミで追及されるまで雇用を継続していたことは、解放同盟いいなりで主体性のなさを浮き彫りにしている。

○委託事業
・人権啓発関連委託事業
  「公募方式に切り替える」としているが、はたしてこの事業が必要なのかどうかの検討がいる。
・子ども会指導員設置委託事業
  「別途協議の場で検討」となっている。

○ そ の 他
・市営住宅・改良住宅
 家賃や募集方法、共益費、駐車場、等について「奈良市改良住宅家賃等検討委員会」を立ち上げた。
 検討の方向はこれからだが、検討に時間をかけ実施予定は平成21年度からと、事実上の「緩和期間」をとり解放同盟など関係者に配慮する形になっている。

・職員の派遣
 人権文化センターや児童館への職員の派遣は、別途協議となっている。

・市県民税の出張受付
 「申告率の向上と促進を図るため」と、同和地区優先の出張受付サービスを継続する上、「周辺地域の人々も利用できるようにする」と同和地域がまだ残っているという認識に立っている。

・人権文化センター・児童館・共同浴場・運動場・駐車場等
 「別途協議の場で検討」となっており、今後の課題。

・部落解放同盟とのセクション交渉
 解放同盟との交渉を「人権問題について自由な意見交換の出来る場」と位置づけ、交渉時間や参加人数などに制限を設けながらも交渉は継続する。また、「他の人権団体との交渉・協議にも適用する」としており、今後、市民団体・民主団体との交渉も従来より後退させられることも考えられる。

・皆保育については、「就労の場を確保するようにしてもらう」と議会で答弁。

・研究集会などへの職員の出張参加
 引き続き公費で参加させるという姿勢を変えていない。

3. まとめ
 以上みて来たように、我が党議員団の議会での追及や、マスコミ、市民の声に押されて今回、廃止や見直しがされたものもあるが、「検討委員会」での検討や「別途協議」という形で、今後に残されたものも少なくない。
 我が党議員団は、昨年12月本会議でこの「検討委員会」の委員長が解放同盟と関係の深い人物であることから、「この委員会に何を期待するのか」と指摘したように、検討委員会の提言と奈良市の基本方針の全体を通してみれば、奈良市の姿勢はあれこれと理由をつけて人権の名で同和を残し、部落解放同盟奈良支部協議会の活動を引き続き援助するものとなっている。
 また基本方針は、「検討委員会」の提言を100%受け入れ、むしろ一部では提言より後退するなどきわめて不充分で、これでは行政の側から将来にわたって同和問題・同和行政を残そうとすることになり、大きな問題である。
 これではとうてい市民の理解が得られるものではないし、公平・公正な仕事をしたいと思っている職員の期待に応えられるものではない。この点では市長の断固たる姿勢が求められている。言うまでもなく、今回の病気休暇職員の問題は部落問題ではなく、奈良市が部落開放同盟言いなりで、長年、不公正な同和行政を続けてきた結果起きたことであり、旧同和地区住民のあずかり知らないことである。
 我が党議員団は、ひきつづき奈良市の同和事業を早期に終結させ、市民の理解の得られる公平・公正な市政の実現に向け引き続き奮闘する。

                      以  上


「病欠」元職員に給与など2300万円返還命令──奈良地裁(7月6日)
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/40891.html

 病気を理由に5年10カ月間に10回しか出勤しなかった元奈良市職員、中川昌史被告(43)=職務強要罪で公判中=を相手に、市と市職員互助会が給与など約2300万円の返還を求めた訴訟の判決で、奈良地裁(坂倉充信裁判長)は5日、被告に全額の支払いを命じた。

 中川被告は6月の第1回口頭弁論に欠席。答弁書も提出せず市側の主張を認めたとみなされた。

 判決確定後も返還されなければ、市は強制執行をする方針だが、中川被告は賃貸の市営住宅に住み、乗っていた高級外車は他人名義だったことが判明。回収のメドは立っておらず、市は裁判所に中川被告の財産開示を申し立てるかどうか検討するという。

 判決によると、中川被告は2001年1月から昨年10月まで、関節炎やヘルニアなど計71通の診断書を提出して46回の病気休暇を取得。この間に10回しか出勤せず、働いたのは8日と6時間だった。(共同)


|

« 部落にある企業をHPで中傷容疑で逮捕。「差別書き込み」の認定ではなく。 | トップページ | 部落解放運動の目的は? いま進めている「運動」との関係は? 自己の利益が中心ではないか。 »

つれずれ」カテゴリの記事