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2007年7月に作成された記事

ネット規制に道開くもの

情報通信法構想:自由制約、危惧も ネットに共通ルール
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/it/coverstory/news/20070627org00m300068000c.html

 通信・放送法制の抜本的な見直しを検討してきた総務省の研究会が「中間取りまとめ」を公表した。通信・放送の融合、連携を進めるために規制緩和をうたったはずの情報通信法構想は、放送や通信、インターネットのコンテンツ(情報の内容)に関与できる総務相の権限を強め、表現の自由を制約するのではないかと波紋を呼んでいる。論点を整理した。

 今月21日に東京・霞が関で開かれた日本弁護士連合会主催のシンポジウム「放送が危ない!」。その2日前に総務省の研究会が打ち出した情報通信法構想がさっそく取り上げられ、パネリストらからは懸念の声が上がった。

 テレビ朝日記者だった岩崎貞明・メディア総研事務局長は「いよいよ(番組内容も審査される)事業免許になるのか。いろいろ問題もある」と危惧(きぐ)の念を示した。

 現行のテレビやラジオの放送免許は、番組基準などを定めた放送法ではなく、無線局という施設の管理などについて規定した電波法に基づいて交付される。行政が番組内容の妥当性に踏み込まずに免許交付の可否を審査する仕組みにし、放送の自由を保障するための知恵だと考えられてきた。

 ◇番組内容審査、萎縮もたらす

 岩崎氏が懸念したのは、番組内容に踏み込みかねない「適合性審査」を中間取りまとめが打ち出したからだ。

 岩崎氏は「総務相が再免許に当たって直接、テレビ局の番組内容を審査する権限を持つことになり、非常に危険だ。恣意(しい)的な判断の余地が大きくなる恐れがある」と指摘する。また、ある民放関係者も「現在でも免許権を持つ総務省に対して、放送局ははっきりモノを言えない。さらに拍車がかかり、萎縮(いしゅく)効果は大きい」と懸念する。

 これに対して、総務省情報通信政策課は「適合性審査は、CSなど委託放送事業者に対する現行の審査のようなイメージで、規制を強化するものではない」と説明し、表現の自由を制約することはないとの立場だ。

 中間取りまとめで関心を集めているのが、公然通信(仮称)と名付けたホームページやブログへのコンテンツ規制だ。新聞社や通信社による記事のネット配信も公然通信に該当するという。

 現在、ホームページやブログ、掲示板などの記述は、一定の条件を満たせば、インターネット接続業者が悪質な書き込みの被害者からの求めに応じて、相手の氏名や住所を開示しても民事上の責任を負わないことなどを規定した「プロバイダー責任制限法」以外には、原則として規制のない分野だ。

 ◇有害情報や中傷、規制の要望強く

 その一方で、わいせつ映像や、音楽や番組、パソコンソフトの不正コピーなど違法コンテンツの流通、18歳未満の青少年に有害な情報、誹謗(ひぼう)中傷やプライバシー侵害に対する法規制を求める声も小さくない。

 このため中間取りまとめも、違法・有害コンテンツの流通に関する最低限の配慮事項として、関係者全員が順守すべき「共通ルール」の策定を提言した。接続業者らによるコンテンツの削除基準の法的な根拠とするという。また、都道府県が定めた青少年健全育成条例の有害図書販売規制を参考にした規制導入を検討することを求めた。

 しかし、こうした法的規制は、表現の自由を侵害するのではないかという指摘も出ている。

 日本ペンクラブ言論表現委員会委員長を務める山田健太・専修大准教授(メディア法)は、日弁連のシンポジウムで、会員作家の発言を大手接続業者が削除した例を挙げて「既に規制はグレーゾーン(の表現)に対しても相当強力に行われている」と指摘した。

 総務省と電気通信事業者4団体は昨年11月、違法情報の判断基準を定めたガイドラインを出した。山田准教授は「総務省が主導して業界団体と二人三脚で規制している現状では、放送番組規制にも入り込むのではないかと危惧せざるを得ない」と懸念を示した。

 大阪府青少年健全育成審議会委員の園田寿・甲南大学法科大学院教授(刑法、情報法)も「共通ルールといっても(事実上の)法的な義務が発生し、内容によっては、裁判所が判断する際の規範や、被害者らが裁判を起こす根拠規定になり得る。個人の情報発信に対し事前抑制的に働くだけでなく、お墨付きを得たとして接続業者が安易に削除する恐れがある。慎重にしないと過剰反応の引き金になる」と警告を発する。総務相が行政指導の根拠として乱用する恐れもある。

 これに対し、総務省は「共通ルールは、自ら守る規定をイメージしている。コンテンツに対する議論では表現の自由に配慮したい」(情報通信政策課)と話している。

 ◇中間取りまとめ公表、TV・HP個別に規制--総務省研究会

 情報通信法(仮称)は、政府と与党が06年6月に、通信と放送の融合を進めるための総合的な法体系について、「2010年までに結論を得る」と合意したことで検討が始まった。

 総務省は昨年8月に大学教授ら専門家による「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」(座長、堀部政男・一橋大学名誉教授)を設置。研究会は19日に「中間取りまとめ」を公表した。

 それによると、放送法や電気通信事業法など放送と通信を区分し無線や有線など事業形態ごとに定めている現行の9本の関連法を情報通信法に一本化する。放送番組のネット配信を容易にして、通信と放送の融合を促進させる狙いだという。

 コンテンツについては、新法に「コンテンツ配信法制」を盛り込み、社会的機能や影響力に応じて(1)地上波テレビなどの「特別メディアサービス」(2)衛星放送(CS)、ケーブルテレビなどの「一般メディアサービス」(3)ホームページ(HP)などの「公然通信」--に3区分し、それぞれに応じた規制に移行する。社会的影響力は▽映像・音声・データ(文字)▽テレビ受像機などの端末によるアクセスの容易性▽視聴者数--などの基準に照らして類型化する。

 情報通信法では、特別メディアサービスについては、「報道は事実を曲げないですること」などを定めた放送法の現状の規定を維持する。一方、一般メディアサービスについては、同法の政治的公平などを求めた条項、災害放送義務などを緩和し、新規参入を促すという。政党や宗教放送も視野にあるとみられる。

 公然通信は、インターネット上の違法・有害コンテンツ対策として、インターネット接続プロバイダー(ISP)やユーザーが配慮する「共通ルール」を盛り込む。

 一方、災害対策基本法や国民保護法に基づく指定公共機関や、NHKの役割については言及していない。

 研究会は7月20日まで、中間取りまとめに関する一般の意見を募集するとともに、関係団体のヒアリングを実施し、12月に最終報告書をとりまとめる。情報通信法案は地上波デジタル放送への完全移行(11年7月)に間に合うよう10年の国会提出を目指している。

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 ◆通信・放送の総合的な法体系に関する研究会メンバー◆ 安藤真・東京工業大大学院理工学研究科教授▽多賀谷一照・千葉大法経学部教授(NHK経営委員)▽中村伊知哉・慶応義塾大デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構教授▽長谷部恭男・東京大法学部教授▽浜田純一・同大学院情報学環教授▽舟田正之・立教大法学部教授▽堀部政男・一橋大名誉教授=座長▽村井純・慶応義塾大環境情報学部教授=座長代理▽村上輝康・野村総合研究所理事長(50音順)



通信・放送の総合的な法体系に関する研究会
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/tsushin_houseikikaku/

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社会権規約に関し外務省に意見提出

07年7月26日 木曜日
社会権規約に関し外務省に意見提出(全国人権連)


 外務省は「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」(社会権規約ともA規約ともよばれる)の第3回政府報告作成に関し、7月25日までの意見募集(下記参照)と8月7日に市民・NGOとの意見交換会を行います。
 第3回政府報告書の提出期限は06年6月30日でした。第2回の際には8年4ヶ月遅れでの提出でした。労働や災害、教育、障害者、被災者再建等多岐にわたり規約委員会から勧告がなされていました。

続きは全国人権連本部ブログで。
http://zjr.sakura.ne.jp/?p=142

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生保行政問題

生活保護問題対策全国会議
市民の力で貧困を絶つ!

 
http://seihokaigi.com/default.aspx
   

   
2007年7月26日午前11時に、生活保護問題対策全国会議副代表の竹下義樹弁護士(京都)と事務局長の小久保哲郎弁護士(大阪)が厚労省保護課にて質問状を手渡しました。質問状を手渡した際、厚労省は、記者クラブからの撮影要請を頑強に拒否し「期限までに回答するとも回答しないとも今この場ではいえない」としています。
 
その後、12時30分から厚生労働省記者クラブで記者会見を行い、反貧困ネットワーク準備会代表の宇都宮健児弁護士(東京)、首都圏生活保護支援法律家ネットワーク事務局長で元福祉事務所ケースワーカーの森川清弁護士(東京)や、DPI日本会議、難病の会、シングルマザーズフォーラム、自立生活サポートセンターもやいなどの団体のメンバーが参加しました。

直前に全国一斉闇金刑事告発を行ったばかりの宇都宮弁護士は、「これまでずっとサラ金・闇金を許せないと思ってと戦ってきたが、北九州市の生活保護行政は闇金より酷い。これは行政による殺人だ」と訴えました。
 

 
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公 開 質 問 状

2007年7月26日

厚生労働大臣 柳澤伯夫 殿
厚生労働省社会・援護局長 中村秀一 殿
(関連部署:同局保護課、同局総務課指導監査室)

生活保護問題対策全国会議

   代表幹事 尾藤 廣喜
   (連絡先)〒530-0047 大阪市北区西天満3-14-16
     西天満パークビル3号館7階あかり法律事務所
     弁護士 小久保 哲郎(事務局長)
     電話 06-6363-3310 FAX 06-6363-332

北九州市生活保護問題全国調査団 団長 井上 英夫
全国生活保護裁判連絡会    代表委員 小川 政亮
首都圏生活保護支援法律家ネットワーク
 共同代表 釜井 英法
 同   猪股  正

全国青年司法書士協議会     会 長  伊見 真希
特定非営利活動法人自立生活サポートセンター もやい
 理事長  稲葉  剛
フリーター全般労働組合    執行委員長 大平 正巳
東京都地域精神医療業務研究会  代 表 飯田 文子
首都圏青年ユニオン         委員長  伊藤 和巳
働く女性の全国センター       代 表  伊藤みどり
全国生活と健康を守る会連合会   会 長 鈴木 正和

1 私たちは、違法な対応が蔓延する生活保護行政の改善や充実に取り組む(あるいは、この問題に重大な関心を寄せる)民間諸団体です。
  本年7月10日、北九州市小倉北区において、52歳の独居男性の一部ミイラ化した遺体が発見されました。新聞報道等によれば、男性は、昨年12月から生活保護を利用していたものの、同区福祉事務所職員のたび重なる就労指導を経て、同年4月2日に辞退届を提出し、同月10日付けで保護を廃止されたということです。

2 「保護辞退届」については、福祉事務所による違法な保護打ち切りを糊塗する便法として悪用されていることが、かねてから問題とされてきました。
しかし、本来、
 ① 保護の受給要件を満たしている被保護者に対して、保護の実施機関の側から辞退を勧めることは、保護受給権の侵害につながり許されないものであり、
 ② 被保護者が、保護受給が継続できることを認識したうえで、任意かつ真摯に辞退を申し出たといえること、
③ 被保護者に経済的自立の目処(十分な収入が得られる確実な見込み)があり、保護廃止によって急迫した状況に陥ることがないこと、
④ 上記の②、③の要件充足性を確認するため、保護制度上、被保護者に保障された諸権利等を正確に教示し、辞退理由や、保護廃止後の生計維持方法等を聴取したり調査し、被保護者に誤解があれば正しい説明を行うなどの手順を踏むこと
 という要件が満たされない保護の辞退を理由とした廃止処分は、無効となるものと解されます。
  そして、このような考え方は、広島高等裁判所2006年9月27日判決(賃金と社会保障1432号)及び京都地方裁判所2005年4月28日判決(判例時報1897号88頁)、東京都生活保護運用事例集(問8-46)及び2005年5月19日付京都市保健福祉局長通知「保護廃止時における適正な事務手続について(通知)」などにおいても、当然のこととして認められています。
  
しかるところ、上記保護廃止決定は、男性に経済的自立の目処がなく、保護廃止によって急迫した状況に陥ることが十分予想される中でなされた点、また、そのような事態を回避するため、保護廃止後の生計維持方法等を聴取したり調査するなどの手順を踏んでいない点で違法であると私たちは考えています。
  さらに、保護の受給要件を満たしている被保護者に対して実施機関の側から就労指導の際に辞退を勧めたのではないか、男性が保護受給が継続できることを認識したうえで、任意かつ真摯に辞退を申し出たとはいえないのではないか、生活保護制度や男性に保障された諸権利を正確に教示されていないのではないかなどの強い疑念を抱かざるを得ません。

3 ところで、新聞報道(朝日新聞2007年7月14日)によれば、北九州市は、「自立の目途があるかどうか客観的に判断するという運用はしていなかった」ということです。そして、貴省は、上記判決等の内容を周知させるために各自治体に対する通知を発することを怠っていたということです。なお、上記広島高裁判決の事案においては、原告は提訴前に貴省に対して廃止処分の取消を求める再審査請求を行っており、貴省はこれを棄却しております(04年1月23日厚生労働大臣裁決)。したがって、上記広島高裁判決は、当該廃止処分を適法とした貴省の判断を否定したものでもあります。
  また、貴省の社会・援護局総務課指導監査室が行っている各自治体の福祉事務所に対する生活保護法施行事務監査では、ケース記録を詳細に検討することは保護受給中のケースについてしか行われていません。廃止処分が適正に行われているかどうかはヒアリングのみで済まされており、廃止されたケースの記録を直接検証することは行われていません。このことは、生活保護法第23条に定められた監査を通して第1号法定受託事務である生活保護法施行事務の適正な実施を確保し、市民の生存権を保障するという厚生労働省の職務を放棄したものと言わざるを得ません。
  私たちの認識では、恫喝まがいの不適切な就労指導とセットにした辞退届提出の強要が全国的に蔓延しています。上記新聞報道等を前提とすれば、今回の痛ましい事件は、貴省が、広島高裁判決等の内容を各地方自治体に周知することや、各自治体の廃止処分の適否を監査することを怠ることによって、こうした違法な辞退届提出の強要を黙認・温存してきたことの結果として発生したという側面があることを否定できません。

4 また、北九州市をはじめとする全国各地において、保護申請の意思を表明した方に対して、保護の適用を阻止するために、申請を認めないという違法な対応、いわゆる「水際作戦」が蔓延しております。日本弁護士連合会が昨年実施した全国一斉生活保護110番においても、福祉事務所に相談に行ったが保護を利用できていない方からの180件の相談のうち118件(約66%)が違法な理由で保護を拒否された可能性が高いという結果がでています。
申請権の保障については、貴省においても各種会議や通知等で自治体に対して指導をしておられるところではあります。しかし、生活保護法施行事務監査において保護受給中のケースの検討しか行われない結果、上記の廃止処分と同様に、面接相談についてもヒアリングのみで済まされており、面接記録票等を直接検討することは行われておりません。面接相談において申請権の侵害が行われれば、法定受託事務の処理が違法に行われ、市民の生存権が保障されないことになります。これを監査を通じて検証・指摘をしない取扱いをしていることは、貴省が本気で市民の申請権・生存権を守る意思がないのではないか、という強い疑念を抱かざるを得ません。

5 4で述べた申請権侵害の事例において、最も多くみられるのが、親族の扶養を保護の前提要件であるかのように説明し、扶養義務者がいれば保護が受けられないかのように誤信させ、申請を拒否するものです。
この点について、新聞報道(朝日新聞2007年7月17日)において、長年に渡り扶養を保護の要件として運用してきた北九州市の対応について、貴省は「間違い」と指摘し、貴省保護課は「要件と優先は異なる」とコメントしたとのことです。
生活保護法施行事務の処理基準である保護の実施要領では、申請後に福祉事務所が扶養義務者の存否や扶養能力を調査することを定めており、申請前に扶養義務者に扶養の可否を確認するようにという説明を相談者に対して行うことは誤りであります。しかしながら、このことを正しく理解・運用していない自治体は北九州市の他にも全国的に存在しております。
ついては、「扶養は保護の前提要件ではない」ということを各自治体に対して周知徹底することが、市民の生存権を保障するために不可欠だと考えます。

6 そこで、私たちは、貴省に対して、本公開質問状を送付いたします。ご多忙中とは存じますが、事件の重大性にかんがみ、以下の質問事項について、8月20日までにご回答をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

【質問事項】

1 上記広島高裁判決、京都地裁判決の内容を各自治体に周知させるための通知を発しなかったのはなぜですか。

2 上記広島高裁判決、京都地裁判決等を踏まえれば、辞退を理由にした安易な保護廃止を規制するため、2の①ないし④で指摘した要件が必要と考えますが、この点については、どのようにお考えですか。
  仮に、異なる見解をお持ちであれば、貴省のお考えになる辞退による保護廃止の有効要件とその理由をご回答ください。

3 上記広島高裁判決は、当該廃止処分を適法とした貴省の裁決を否定したものといえ、そのような間違った裁決を出したことについて、貴省は十分に反省されるべきであると考えますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。

4 本件と同様の悲劇を繰り返さないため、2の①ないし④で指摘した辞退を理由とする保護廃止を規制する解釈と、辞退に藉口した違法な保護廃止ケースについて、元被保護者が急迫状況に陥っていないかを速やかに調査することを求める通知を全国の自治体に対して発することが求められていると考えますが、そのご予定はありますか。もし予定がないとすれば、その理由をご回答ください。

5 貴省の社会・援護局総務課指導監査室が行っている各自治体の福祉事務所に対する生活保護法施行事務監査において、保護受給中のケースの検討しか行わず、面接相談記録や廃止されたケースのケース記録を直接検証しない取扱いにしているのはなぜですか。

6 「扶養は保護の前提要件ではなく、扶養に関する調査は申請後に行うもの」ということを、各自治体に対して通知を発出するなどして周知徹底することが、市民の生存権を保障するために不可欠だと考えますが、そのご予定はありますか。もし、予定がないとすれば、その理由をご回答ください。

7 申請権の侵害や違法な廃止処分を防ぎ、市民の生存権を保障するためには、貴省が率先して面接相談記録や廃止記録を徹底的に監査し、また、各都道府県・政令指定都市本庁に対して、管内の福祉事務所に対する監査において面接相談記録や廃止記録の監査を徹底して行うよう処理基準を定める必要があると考えますが、どのようにお考えですか。もし、必要がないと考えるのであれば、その理由をご回答ください。

8 北九州市においては、3年連続の生活保護にまつわる死亡事件が発生しており、背景に構造的問題があると考えざるを得ません。貴省として、今回の事件を含めた北九州市における保護行政の問題点について、検証委員会を設置するなどの方法で、徹底した検証を行うべきと考えますが、どのようにお考えですか。もし、その予定がないとすれば、その理由をご回答ください。

以 上



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歯医者も「格差」 最近よく聞く話だが。

歯医者もワーキングプア? 「月給25万」から「夜逃げ」まで(J-CASTニュース)
http://newsflash.nifty.com/news/ts/ts__jcast_9512.htm

今やコンビニより歯医者を見つけるほうが簡単だ
   歯医者は儲かる――そんなイメージはもう捨てた方がいいのかもしれない。歯科医の「100人中5人は所得ゼロ」、5人に1人は月間所得25万円でワーキングプア寸前、という分析もある。さらには、「夜逃げ」した歯医者もいるというから驚きだ。「格差社会」が、一般的に高所得が望めるとされてきた歯科医の世界にも到来した。

コンビニよりも歯医者のほうが多い
   背景には歯科診療所の過剰がある。厚生労働省によれば、医療診療所の数は6万7,441件(2006年調べ)。全国に4万店舗あるといわれるコンビニエンスストアの数をはるかに上回っている。さらに、人口10万人あたりの歯科医師数は全国平均72.6人(04年調べ)で、東京都にいたっては119.9人に上る。1975年に37.5人、98年に67.7人、今はそれからさらに増加し続けている。10万人あたりのコンビニ店舗数が33店舗前後(02年経産省、04年帝国書院調べ)であることを考えれば、その「多過ぎさ」が分かる。もはや、「コンビニよりも歯医者が多い」とは歯科医師からすれば「常識」だ。

   こうした過剰な歯科医師の数が、歯科医師に「格差」をもたらし始めている。

   厚労省が公表している「医療経済実態調査」(中央社会保険医療協議会調べ)によると、05年6月時点での個人歯科診療所の差額収支(医業収入から費用を引いた実質的な収入)は月当たり約135万円。個人歯科診療所の歯科医師数は平均1.2人。単純計算で月給100万円ほどになるが、これに歯科衛生士・事務職員などを加えれば、個人歯科診療所の構成員は4.2人が全国平均。歯科医の収入は100万から大きく遠のく。

   さらに、経済誌「月刊東洋経済」(07年4月28日・5月5日合併)は、この「医療経済実態調査」に『歯科医療白書』(03年、日本歯科医師会)の分析を加え、「5人に1人の月間所得は25万円程度」「100人中5人は所得ゼロ」であることを明らかにしている。つまり、20人に一人は「ワーキングプア」、5人に1人はそれに近い状態というわけだ。

   98年には厚労省の「歯科医師の需給に関する検討会報告書」で歯科医師の「供給過剰」について議論されたこともあったが、「未熟な開業医が多く排出される」という懸念に基づくもので、歯科医師の収入の「格差」についてはクローズアップされることはなかった。J-CASTニュースは厚労省に「収入の格差」について問い合わせたが、「それ(格差)についての特別な調査を行っていないため、(実態は)分からない」との返答が返ってきた。

他のことができないから、転職ができない
   激戦区東京都、なかでも歯科診療所が500近くある大田区の歯科医師・藤澤宗徳さんは、「患者が減少していない」珍しいケースだ。しかし、歯科医師界も「今はシビアになっている」と語る。

「先生によって違うでしょうが、今は厳しいでしょうね。厳しいと、日曜も開業したり、11時までやるところもある。これだと、生活がメチャクチャになりますよね。1日何百人の患者さんが来る先生もいますが、1日10人以下しか来ないところもある。歯医者は他のことができないから、転職することができないんですよ。(診療所を)閉めちゃって夜逃げしてしまったという、『悲惨な話』もありました」
   私大の歯学部を卒業するのには6年間で3,000万円以上の学費が必要とされる。しかも、歯科医師は開業するほかに歯科医師として食べていく道は限られている。さらに、開業にはテナントも必要で、相当な資金がかかる。莫大な投資をした末、「夜逃げ」となれば、結構「悲惨な話」だ。

[J-CASTニュース:2007年07月22日]

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「同和地区」呼称問題 大阪府市長会 全面見直しの時期

2007年7月20日(金)「しんぶん赤旗」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-07-20/2007072004_03_0.html

“同和継続”確認せず
大阪府市長会が決定

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 大阪府市長会は、同和対策特別法の終了後も「同和地区は存在し、同和行政は継続する」などとする見解を、市長会として確認しないことを決定しました。十七日開かれた市長会で、市長から「各市の取り組みに支障が出る」などの反対意見が大勢となったためです。

 この見解は、「解同」(部落解放同盟)の要望を受けた市長会が、大阪府と共同で「『同和地区』の位置づけ、呼称問題に関する研究会」を設置して「報告書案」としてまとめたもの。「報告書案」は「同和対策の法が失効しても同和地区は存在」「差別がある限り同和行政は継続」など「解同」の要求にそった内容となっていました。

 これにたいして、日本共産党大阪府議会議員団や、民主主義と人権を守る府民連合(「民権連」)、大阪労連、自治労連、大教組などが「同和行政、同和特権を永続化するもの」「部落問題は基本的に解決しており、行政が同和地区を固定化する重大な誤り」と批判、市長会として「報告書案」を確認しないよう求めて運動を強めていました。

 「解同」は、府下の自治体の一部が「法がなくなり同和地区はなくなったと混乱している」「地区を指定しなければ実態調査ができない」など、同和行政見直しの流れに強い危機感を持ち、市長会に確認を求めていました。

「解同」批判強さの表れ
 「報告書案」反対の運動をすすめてきた「同和行政の完全終結を求める府民実行委員会」の前田仁美・大阪自治労連副委員長は「市長会が確認しなかったことは、『解同』幹部の利権あさりなど同和特権に対する府民の批判の強さを証明したもの」として、引き続き同和行政終結の運動を強めるとしています。

 全解連を解消して結成された「民権連」の東延委員長は「報告書案の内容は、大阪府が市町村に押しつけている法後の府同和行政方針とほとんど同じものであり、大阪府も方針を撤回すべきだ」と話しています。

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鳥取条例 糾弾容認発言

鳥取県人権侵害救済条例廃止OFF29
http://sports11.2ch.net/test/read.cgi/offmatrix/1183455254/
yosimasa  皆さん御疲れ様です。遅くなりましたが、本日の委員会レポです。

本日は第15回目の検討委ということで、人権侵害の行為類型として
①虐待
②差別的取り扱いについて
③差別的発言
の三つを捕らえ直していくという形で議論が進行しました。

①の虐待については、人権条例の施行によって被害者の救済は図れないことが確認され、既存の法律制度を拡充させ、市町村の関係機関をバックアップしていく組織作りを進めることで解決を見出していくべきではないかといった結論に落ち着きました。


②の差別的取り扱いの類型については、主に就労関係について議論され、安田委員と大田原委員の意見が鋭く対立する場面がありました。結論からいえば、「職務の本質的な遂行能力」に対する認識の違いが浮き彫りにされ、安田委員は「職務の本質的な遂行能力」の有無を判断する企業側の合理的な能力差別と、障害者に対する能力差別は地続きになっているとし、何を根拠にして「職務の本質的な遂行能力」を定義するかは、企業の自由的経済活動の範疇だというものでした。一方の大田原委員は、「職務の本質的な遂行能力」の有無に関わる線引きは明確にさせるべきだとして、明らかに障害によって能力が欠如している場合(例えば、トラック運転手になりたいのに目が見えない等)と、障害者を雇用することによって過度の企業負担が生じる場合以外は、障害者に対する就労差別として認定するべきという論調でした。


③の差別的発言の類型について最後に取りあげられましたが、言論表現の自由、内心の自由に関わる問題は条例で取り扱うべきではないという意見で全員が一致しました。ただし、国歳委員は「部落差別を受けた人の思いとしては、何とか当事者に罪を認めさせたいというのがある。それが部落差別に対する救済と言い得る以上、この条例でそのようなことが取り扱えないのであれば糾弾会や確認会はぜひとも必要だし、どんどんやるべきだと私は関係団体に言っている」との爆弾発言が飛び出しました。大田原委員と安田委員はこれについて、「条例で取り扱えないからと言って、糾弾会や確認会の正当性まで認められるとは考えにくい」との見解を示していました。


以上、簡略ではありますが本日の委員会レポでした。次回は8月27日の開催です。答申がまとまる時期は恐らく9月か10月になると予想されます。

新井:ご苦労様です。解同代理人的委員の発言は、大問題です。罪であることを認めさせる、などと「仇討ち的」発想でとらえていますが、理解と共感が求められるもので、屈服・服従は、先の委員会で解同が主張していたこと。この条例は県民のためのものではなく、特定の人々の思惑・利便に使われる、公益性のない代物であることが、いっそう浮き彫りとなり、その危険な役割も明らかになりました。

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要求側の70%は同和問題など社会活動団体の関係者名乗って接触

暴力団の資金活動を特集 19年度の警察白書
http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/070717/jkn070717001.htm

 警察庁は17日、暴力団の資金獲得などを特集した平成19年度の警察白書を公表し、警察庁によるアンケート調査で建設業者の33.7%が暴力団やえせ右翼など反社会的勢力から、最近1年間に機関誌の購入や工事への下請け参入などの不当な要求を受けていたことなどが明らかになった。調査では、昔からの習慣として暗黙の了解のもとに暴力団に資金を与えている業者の存在を聞いたことがある業者も14.4%に上るなど、暴力団が建設業界を食い物にしている実態が浮かび上がった。

 調査は、土木や建築など不当要求の対象となりやすい建設業者3000社の担当者を対象に調査票を郵送。60.7%に当たる1820人から回答を得た。

 要求の内容で最も多かったのは、「機関誌などの購読」で44.6%。次いで、「下請け参入」の32.4%。また「資材・プレハブの納入」(29.5%)や「自販機の設置・弁当の買い取り」(25.9%)なども目立った。

 要求側の70%は同和問題など社会活動団体の関係者名乗って接触、右翼団体関係者を名乗るケースも24.8%あった。

 一方、業界の実情を尋ねたところ、33.8%が「暴力団と何らかの関係がある建設業者がいると聞いたことがある」と回答。そうした会社について、回答者の37.7%に当たる232人は「役員や社員が暴力団と個人的なつきあいをしている」と回答。暴力団と関連する建設業者があると聞いたことがある業者は、近畿地方が54.2%で最も高い割合だった。

 暴力団などへの資金提供が暗黙の了解の習慣となっていると聞いたことがあるとした業者に対し、資金提供の趣旨を尋ねたところ、建設工事に関するトラブルの解決の見返り名目が59.5%を占め、トラブル解決に暴力団を積極的に利用している業者の存在が暴力団を増長させている実態をうかがわせる結果となった。

(2007/07/17 10:18)

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大阪府市長会 住民構成が変化し特別対策も必要ない地域を「同和」と規定することはない。

大阪府市長会「同和地区」めぐり紛糾、異例の保留
7月15日 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070715-00000912-san-pol

 ■行政用語…特措法は失効…報告書案の承認を見送り

 同和対策事業が行われていた「同和地区」の位置づけや呼称が特別措置法の失効で混乱しているとして、大阪府市長会と町村長会の研究会が「『同和地区』という呼称は特別対策以前から使用されており、使用することは特別対策終了と何ら関係するものではない」などとする報告書案をまとめた。これに対し、複数の首長から慎重論が相次いで5月の市長会では承認が見送られ、議論は持ち越された。市長会が結論を保留するのは異例で、7月の市長会でも報告書案を承認するかどうかは微妙になっている。

 研究会の設置は18年5月に行われた部落解放同盟大阪府連の申し入れがきっかけ。特別措置法による同和対策事業は終了したが、府連は「旧同和地区」などの表記では、部落差別が解消したような印象を広げるとして危機感を持っており、「部落差別や同和地区がなくなった訳ではないのに、法失効後の地区の位置づけや呼称問題が混乱している」として市長会などに現在の認識を質問した。これを受け、市長会は町村会、府とともに同年7月に研究会を設置、協議を続けてきた。

 今年5月に研究会が示した報告書案では、12年、17年に実施された府民意識調査などを根拠に、「部落差別は社会の一部に存在し、明確に同和地区に対する忌避(きひ)という形で意識されている。行政として差別解消に向けた施策を推進しなくてはならない」と総括した。
 そのうえで、被差別部落という概念に対し、行政用語として登場した同和地区という呼称は特別対策以前から使用されており、特別対策終了と何ら関係するものではない-としている。さらに問題解決のためには、課題がどう推移しているかを検証するため、同和地区の実態を把握する必要がある、などとする基本認識を示した。

 一方、報告書案に対し、首長のなかには「行政が『同和地区』という呼称を使い続けるべきかといった基本認識を、市長会として改めて確認することには慎重であるべきだ」といった意見があり、5月の市長会では承認を見送った。7月17日には修正案が研究会から報告される予定だが、市長会として承認するかどうかは微妙な状況だ。

 これに対し、部落解放同盟府連は、機関紙の解放新聞大阪版(6月18日付)で「『同和地区』という地域は法律がなくなったからといって消滅するというものではない」とし、「財政状況が厳しい時代に一般対策を活用して、どうすれば差別をなくすことができるのかということが考えられなければならない。報告書案が、市長会、町村長で了承されるよう働きかけたい」としている。

 一方、全国部落解放運動連合会大阪府連が前身の「民主主義と人権を守る府民連合」は「部落問題は基本的に解決している。法的には存在しない『同和地区』を自治体側が復活させ、地区の固定化と同和行政の永続化を図ろうとするもの」と承認に反対している。

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生保打ち切り餓死事件。相談できる住民運動組織をメディアは事件とともに広報すべきだ。

生活保護、不法に廃止 収入など調べず 北九州の孤独死

2007年07月14日
http://www.asahi.com/national/update/0714/SEB200707130072.html?ref=goo

 辞退届によって生活保護を廃止された北九州市小倉北区の男性(当時52)が孤独死した問題で、同市は「収入などを調べずに受給を廃止するのは不法」とした06年の広島高裁の確定判決を知らずに、収入などを調べることなく男性の生活保護を不法に廃止していたことがわかった。厚生労働省はこの判決を各自治体に通知していなかった。

 この裁判は、広島県東広島市の女性がパートに就くことを理由に調査を受けないまま生活保護の辞退届を書かされ、保護を廃止されたとして、東広島市を相手取って廃止処分の取り消しと慰謝料を求めた。

 06年9月の高裁判決によると、女性の実際の収入は月5、6万円だったが、市は給与などの調査もせずに「自立のめどがある」として辞退届の文案を作り、女性に出させた。高裁は「自立のめどがあるかどうか客観的に判断せずに保護を廃止したのは不法」として市の処分を取り消し、慰謝料30万円の支払いを命じた。市側は上告を断念し、判決が確定した。

 北九州市の小林正己・地域福祉部長は「判決は知らず、『自立のめどがあるかどうか客観的に判断する』という運用はしていなかった。生活保護法の趣旨にもとるような運用は改めないといけない。だが、今回の件では男性の自発的な意思に基づいて廃止を決定した」と話している。

 判決を通知しなかったことについて厚生労働省は「辞退届については法律などに規定がないため推移を見守ることになった。北九州市は当然認識していると思っていた」と説明する。

 孤独死した男性は昨年12月、病気で働けないとして生活保護を認められた。その後、北九州市側から働くことを勧められ、4月2日に辞退届を提出。同月10日付で保護は廃止された。7月10日、死後約1カ月の遺体が自宅で見つかった。

 大友信勝・龍谷大教授(社会福祉学)は「辞退届はそもそも強制で違法に近い。市の対応は高裁判決に照らしても正当性を欠き、生存権の保障を放棄したといえる。司法判断を知らなかったことは生存権を扱うプロとして怠慢だ」と指摘する。

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大阪府・市 飛鳥会見逃しの様か?

http://www.nhk.or.jp/osaka/lnews/04.html
元理事長による巨額の横領事件が明らかになった大阪の財団法人、飛鳥会が、大阪市の補助金を不正に流用したとして、返還を求める裁判を起こされていますが、その前に、資産価値の高い繁華街のビルを売却し、大阪市が仮差し押さえできなくなっていたことがわかりました。

飛鳥会は売却にあたって監督官庁の大阪府の承認を受けていて、行政同士の連携の悪さが浮き彫りになっています。

飛鳥会は、大阪市が同和対策事業として設けた共同浴場を運営していますが、改修のための補助金を不正に流用して浴場の上にマンションを増築し、賃貸して利益をあげていたことがわかりました。

部落解放同盟の支部長だった飛鳥会の元理事長による巨額の横領事件がきっかけになり発覚したもので、大阪市は先月、飛鳥会に1億7000万円余りの返還を求めて裁判を起こし、所有する土地や建物の仮差し押さえを行いました。

ところが、飛鳥会が所有していた不動産の中で最も資産価値が高いと見られた大阪の北新地にあるビルが、監督官庁の大阪府から必要な承認を受けた上で売却され、提訴の2か月前の今年4月に所有権が不動産業者に移って、大阪市が仮差し押さえできなかったことがわかりました。

これについて大阪市生活福祉部の妹尾一郎課長は、「訴訟は資料がそろわず、提訴まで1年近くかかった。その前に、資産価値の高いビルが売られ、複雑な心境だ」と話しています。

ところが大阪府健康福祉部の矢追武課長は、「手続き上問題がなかったので売却を承認したが、大阪市から連絡があれば、承認を待ったかもしれない」と話していて、行政同士の連携の悪さが浮き彫 りになりました。一方、飛鳥会は、「責任者がいないので売却の事情はわからない」と話しています。

http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/40577.html
【2007年6月19日】
大阪市、飛鳥会を提訴──補助金など1億7000万円返還求め、地裁に
(6月19日)

 財団法人「飛鳥会」を舞台にした業務上横領事件で、大阪市は19日までに、同会に対し交付した補助金の一部など約1億7000万円の返還を求める訴えを大阪地裁に起こした。

 市は飛鳥会が運営する共同浴場「あすか温泉」に対し、老朽化に伴う回収名目で、市飛鳥人権協会を通じ1996―97年度に約2億4000万円を補助。同会の計画は一部2階建てへの改修だったが、実際には賃貸住宅を含む3階建てを建設し、賃貸収入を得ていた。

 市はマンション建設が補助金の流用に当たると判断、補助金の一部と無償貸与していた市有地の使用料の返還を求めることにした。

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乱脈同和行政はなぜ放置されたか?

大阪同和帝国の正体
http://tkj.jp/book/book_01594401.html

衝撃の書き下ろしノンフィクション!


乱脈同和行政はなぜ放置されたか?
飛鳥会事件、芦原病院経営破たん、同建協、官製談合事件、
奈良・京都の幽霊公務員…

同和不正事件と関西地下社会の黒い相関図!!


同和の名刺か?ヤクザの代紋か?
事件の背後で蠢いた黒幕の所業!
第一章 飛鳥会事件と大阪地下帝国
第二章 芦原病院経営破たんの黒幕
第三章 同建協・官製談合のカラクリ
第四章 幽霊公務員たちの饗宴
第五章 部落解放同盟「存亡」の危機
第六章 政・官・財・暴・警・労

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不謹慎だが「逮捕」とは。脅迫メール。

脅迫メールで元教諭逮捕=自民幹事長に「拳銃で襲撃」-織田信長ら名乗る・警視庁(時事通信)


 自民党の中川秀直幹事長あてに脅迫する電子メールが送り付けられた事件で、警視庁捜査1課と麹町署は12日、脅迫の疑いで、茨城県城里町徳蔵、元公立小学校教諭山口栄容疑者(64)を逮捕した。
 同容疑者は「安倍(晋三)首相や中川幹事長が日本の政治を悪くしていると思い込んで、頭にきて送った。自分一人で考えてやった」と供述しているという。
 調べによると、山口容疑者は6月29日から7月8日の間、自宅のパソコンから中川幹事長のホームページに、織田信長らを名乗ったメールを5回送り、「選挙期間中、身辺に気を付けろ。必ず刺されるぞ。拳銃で襲撃する」と脅迫した疑い。 

[時事通信社:2007年07月12日]

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社会権規約で意見募集と「意見交換会」開催案内

経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約
第3回政府報告作成に関する市民・NGOとの意見交換会について

平成19年7月4日

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/event/iken_0707.html

 このたび、外務省総合外交政策局人権人道課では、「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」(社会権規約)政府報告の作成に当たり、同条約の規定に関し広く意見を募るために、標記会議を開催することとしました。
 ついては、下記要領により意見を募集するとともに、会議参加希望者を募集しますので、ご希望の方は所定の方法によりお申し込みください。

 なお、会場スペースの都合上、希望者多数の際は、参加をお断りすることもありますのであらかじめご承知おきください。

I 意見の募集要領
1.募集受付期間
 2007年7月4日(水曜日)~7月25日(水曜日)18時(必着)

2.内容・様式
経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約の実施状況に関する要望・意見であること。
様式は、こちら(PDF形式 、MS WORD形式)から入手してください。
3.送付先
メール: 
cescrhoukoku@mofa.go.jp
※上記(2)の様式に内容を書き込みメールに添付してください(なお、添付ファイルは計500KBを目安とし、それ以上の場合は分割して送付願います)。
※件名を「意見・要望送付」としてください。

郵便:
 〒100-8919 東京都千代田区霞が関2-2-1
 外務省総合外交政策局人権人道課(社会権規約意見交換会担当)
※封筒に「意見・要望送付」と朱書きで明記してください。


II 会議の開催要領
1.日時
 平成19年8月7日(火曜日) 16時30分~18時30分

2.場所
 外務省 会議室(東京都千代田区霞が関2-2-1)

3.内容
 意見募集及び集められた意見に対する可能な範囲での回答、質疑応答、意見交換

4.参加登録要領
(1)参加会議登録

様式は、こちら(PDF形式 、MS WORD形式)から入手してください。
メールもしくは郵便にてお申し込みください。
こちらからの返信のメールもしくは郵便が当日入場の際に必要となりますので、ご来場の際に身分証明書(運転免許証やパスポート等、顔写真付きの証明書)と併せて持参してください。
参加登録申し込み期限は平成19年7月27日(金曜日)18時(必着)とします。
※参加登録されていない方の参加はできません。
※なお、いただいた個人情報につきましては、適切に管理し、本件目的にのみ使用いたします。

(2)申し込み送付先

メール: cescrhoukoku@mofa.go.jp
※上記4.(1)の様式に内容を書き込みメールに添付してください。
※件名を「参加登録」としてください。

郵便
 〒100-8919 東京都千代田区霞が関2-2-1  外務省総合外交政策局人権人道課(社会権規約意見交換会担当)
※封筒に「参加登録」と朱書きで明記してください。

(問い合わせ先)
 外務省総合外交政策局人権人道課(社会権規約意見交換会担当)
 電話:03-3580-3311(代表・内線3925)

 ※電話での申し込みはできません。

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新井の家から20分 赤城農水。何に使った金か?

農水相・事務所費問題 一国の首相が「800円」連呼(J-CASTニュース)
http://www.j-cast.com/2007/07/09009132.html

安倍首相は「月800円で辞任要求するんですか(笑)」と述べた(フジテレビより)
   赤城徳彦農水相の事務所費問題で、安倍晋三首相はテレビ出演し、「光熱費は月800円ですよ(笑)」「月800円の光熱費おかしいんですかね(笑)」と、「800円」を半笑いで強調した。これには、同席していた野党党首から「いじましい感じ」と反発される一幕もあり、苦しい立場が浮き彫りにされた形だ。

野党党首から「罷免すべきだ」との指摘
   赤城農相の政治団体「赤城徳彦後援会」の事務所経費に、10年間に約9,000万円を計上していた問題が2007年7月9日に放送された「報道2001」(フジテレビ)「NHK討論」(NHK)の党首討論でも話題になった。
   この問題は、赤城農相の実家を「赤城徳彦後援会」事務所として、96年から10年間にわたって計上された約9,000万円の事務所費に対する「疑惑」。当初、赤城農相の両親も「事務所として使っていない」などと発言。さらに、後援会会長の元自民党県議も自身が後援会会長であることすら認識していなかった、とした。農相は07年7月7日の会見で、実家である事務所に活動実態があったなどと釈明している。

   「報道2001」で、安倍首相は、赤城農相の会見での釈明について「しっかり説明したと思っている」と発言。野党党首からの罷免すべきだとの指摘には、

「光熱費は月800円ですよ。月800円で辞任要求するんですか(笑)」「光熱費800円ですよ(笑)」
と「800円」を強調。しまいには、「光熱費800円の人を辞めさせるんですか?他の人の事務所経費はどうなっているんですか」と今度は怒りに近い口調で、「民主党には人件費を数千万円使っている人もいる」などと民主党批判に摩り替える一幕もあった。

   安倍首相の説明によれば、03年~05年について、事務所経費の書類を自ら確認したところ、光熱費は月800円だったということらしい。にもかかわらず、10年間で9,000万円にまで膨らんでいることについては、「かつてはたくさんの人を雇っていたんだと思う。中選挙区時代には私(安倍首相)の事務所にも倍くらいいた」と弁明している。

問題のすり替えに過ぎない?
   安倍首相は「NHK討論」でも「17年度の光熱費は月800円ですよ」「月800円の光熱費、おかしいんですかね」とここでも「800円」を半笑いで繰り返した。これには、野党党首から、

「1999年(の事務所経費)は年間1,915万円。この時は、800円どころじゃなく、水光熱費だけでも年間131万円だったわけで、全体がまともな支出だったのか。(安倍首相の「800円」は)公表された分だけ仰られたわけで、不明な点がないというなら領収書を付けて出す必要がある」(共産党・志位和夫委員長)
「一国の首相が『800円』という金額、そこまで説明したのはいじましい感じがして、悲しいです。1円の税金を大事にするという話と違う」(新党日本・田中康夫代表)
といった声が聞かれた。これに対し、安倍首相は「ポイントは領収書でなく、付け替えているかどうか」などと返している。

   共産党・金権・腐敗政治追及委員会責任者の佐々木憲昭議員はJ-CASTニュースに対し、安倍首相の「800円」発言について「あまり問題を大きくしないという意図なんでしょう」と指摘。さらに、安倍首相の「法律に則って~」という発言については、「法律では過去の分が公表ができなく、問題のすり替えに過ぎない」と語る。

「10年間で9,000万円という事務所経費の中身がまだ明らかになっていない。疑惑を持たれたら潔白を証明することが大事。もう1つは、(過去の領収書による証明が)できないというなら、そんなことも明らかにできないひとをなぜ大臣に任命すべきでなかったということになる。罷免すべきだ」
   さらに、赤城農相の事務所費問題の報道後の7月8日から赤城農相の両親が一転してマスコミに対して「事務所として使っていた」などと主張し始め、後援会会長の元県議も発言を翻しはじめた。このことについて、佐々木議員は「赤城農相のための辻褄あわせという感じがする」としながらも、「今後も事実関係を公表するよう大いに主張し、徹底追及する」との考えを明らかにしている。

[J-CASTニュース:2007年07月09日

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同和行政終結が自治体の責務 大阪・丸野氏

大阪府市長会は「『同和地区』の位置づけ、呼称問題に関する研究会」の「報告書」を確認すべきではない

2007年06月15日
  「解同」が要求し、「同和行政と同和地区復活・永続化」の確約につながる「報告書」
 丸野 賢治(まるの・けんじ 日本共産党大阪府委員会自治体部長)

一、 はじめに

 大阪府と府市長会が、 同和対策特別法の終了後も 「差別される地域=同和地区は存在し、 同和行政は継続する」 ことを確約することを眼目とする研究会 「報告書」 を、 市長会として確認しようとしている問題は、 5月7日の市長会で継続課題となり、 この7月にもあらためて審議されることになっています。
 この問題は単なる、 同和対策法で指定されていた 「同和地区」 を法後にどう呼称するのかという問題でなく、 行政が 「同和地区」 を固定化するという部落問題上の重大問題であると同時に、 国の法律終了後も同和行政・特権を永続・固定化しようというねらいがあります。 根源には、 同和利権の一掃、 同和行政終結を求める世論のたかまりのなかで、 「解同」 と一体で 「同和行政・同和特権」 を継続させている大阪府同和行政の重大な誤りがあります。

続きは http://www.jcp-osaka.jp/2007/06/post_254.html



日本共産党大阪府議会議員団
http://www.jcp-osakahugikai.com/katudou/2007/2007-06/20070611.html
「同和地区」の呼称を使わず、同和行政の完全終結を
市長会、町村長会へ申し入れ
大阪府への市町村への同和行政推進働きかけやめよ

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「解同」・行政の「差別の再生産」 いまも「解放月間」とは。

月刊『思想の科学』一九九二年一月号
http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~nadamoto/work/199201.htm

   解 放 運 動 の 解 放

                        灘 本 昌 久

   はじめに

 

 部落解放運動は、今後部落大衆にとって、とりわけ今の一〇代、二〇代の若い部落の人たちにとって、精神的なささえでありつづけられるだろうか? そもそも、今の部落の若い人たちにとって、現在の部落解放運動は魅力あるものだろうか? もし魅力に欠けているとしたらそれは既に部落解放運動が歴史的役割を終えたためしかたのないことなのか、それとも運動が新しい方向をみいだせていない結果なのだろうか。この見極めはけっこうむつかしい。前者であれば部落解放運動は悪あがきせずに自然死すべく身をつつしまねばならないし、後者であればいま一度奮起して新しい道をさぐらなくてはならない。私自身の日頃の実感からいえば、部落解放の歩みは七割がたかたがつき、多くの部落民にとってその生死を左右するほどのものではなくなっているが、運動の店をたたむには今すこしゴールに手がとどきかねているところではなかろうか。すくなくとも大多数の部落の若い人が、心安んじて人生を送ることができるような状態ではないように思う。

 

   「糾弾」の快感

 

 およそ社会運動というものは、そのもっとも光輝いている時には人を引きつけてやまない魅力がある。たとえば、はじめての部落民自身による自主的な大衆運動とされる水平社運動の発足当時がそうである。一九二二年(大正一一)に全国水平社が創立された当初のこの運動の魅力は、今の我々からは想像のつかないものであった。私の母方の祖父は水平社の創立当初自分の部落に水平社運動を起こし、短い期間運動に参加していたが、その祖父が水平社の演説会にでかけるときは、あまりのうれしさにピョンピョンと半分宙を飛ぶように小躍りして歩き、文字どおり足が地に着かない風情であったという。私の知っている祖父は、威厳に満ちて喜怒哀楽を外には出さない人だったので、その祖父の体から天にも昇るような快感が溢れていたと聞くと、ちょっとばかり苦笑を禁じ得ないが、水平社運動というものはよくよく参加者の心を引きつけてやまない魅力があったのだろう。

 この水平社ができる以前、けっして運動がなかったわけではなく、むしろ古いタイプの部落解放運動が表面上はピークを迎えていた。その運動とは、現在では同情融和運動といわれるもので、ひとことでいうと劣った部落民たちへの心優しき優者の気遣いの運動であった。古い改善運動家たちはそうした運動にまだ命があると思っていたのだ。しかし、当時の先進的な若い部落青年たちは、古い同情融和運動には辟易し、なんとか「解放」の感覚が表現できる、体感できる運動を望んでいた。そうしたとき、登場したのが全国水平社であった。水平社の思想は、水平社宣言に凝縮されている。

 

    宣   言

 全国に散在する吾が特殊部落民よ団結せよ。

 長い間虐められて来た兄弟よ、過去半世紀間に種々なる方法と、多くの人々とによつてなされた吾等の為めの運動が、何等の有難い効果を齎(もた)らさなかつた事実は、夫等のすべてが吾々によつて、又他の人々によつて毎(つね)に人間を冒涜(ぼうとく)されてゐた罰であつたのだ。そしてこれ等の人間を勦(いたわ)るかの如き運動は、かえつて多くの兄弟を堕落させた事を想へば、此際吾等の中より人間を尊敬する事によつて自ら解放せんとする者の集団運動を起せるは、寧(むし)ろ必然である。

 兄弟よ、吾々の祖先は自由、平等の渇仰者であり、実行者であつた。陋劣なる階級政策の犠牲者であり男らしき産業的殉教者であつたのだ。ケモノの皮剥ぐ報酬として、生々しき人間の皮を剥ぎ取られ、ケモノの心臓を裂く代価として、暖い人間の心臓を引裂かれ、そこへ下らない嘲笑の唾まで吐きかけられた呪はれの夜の悪夢のうちにも、なほ誇り得る人間の血は、涸れずにあつた。そうだ、そして吾々は、この血を享けて人間が神にかわらうとする時代にあうたのだ。犠牲者がその烙印を投げ返す時が来たのだ。殉教者が、その荊冠を祝福される時が来たのだ。

 吾々がエタである事を誇り得る時が来たのだ。

 吾々は、かならず卑屈なる言葉と怯懦(きょうだ)なる行為によつて、祖先を辱しめ、人間を冒涜してはならぬ。そうして人の世の冷たさが、何んなに冷たいか、人間を勦はる事が何であるかをよく知つてゐる吾々は、心から人生の熱と光を願求礼讃するものである。

 水平社は、かくして生れた。

 人の世に熱あれ、人間に光あれ。

   大正十一年三月三日                 全国水平社

 

 ここにみられる「エタである事を誇りうる時が来た」というフレーズは、今でこそ聞くほうも語るほうも強い違和感のあるものではないが、当時の人は「穢多」と「誇る」という言葉のとんでもない組み合せに度肝を抜かれたに違いない。ひどい貧困が集中し、家はあばら屋、子どもは学校にいけず、税金の滞納で粗末なタンスまで差し押え、そして、それに輪をかけて致命的なことにはなんと「穢多の末裔」ときた。当時、部落民であることが恥ずかしいことであり触れるべきでないというのが部落の内外を問わず本音であったはずで、「穢多」のうしろに「誇り」という言葉を据えた思想の力には驚嘆せずにはおられない。古い改善運動家にとってこの新しい思想は理解し難いものであった。水平社の綱領から「特殊部落」という賎称語をとりのぞこうとした改善運動家と、あくまで「『特殊部落』を誇りある名にまで向上せしめん」とした水平社の若者のあいだでかわされた激論はその断絶をよく物語っている。

 この水平社運動の最大の売りは「徹底的糾弾」であった。糾弾とは、差別事件の報告をうけた水平社が中心となって差別者に反省を求める行動である。水平社のメンバーが差別した人をお寺や集会所に呼び出し、大衆の前でその非を明らかにするのだ。「畏れ多くも先帝陛下におかせられましては、四民平等の詔勅を・・・」、と明治四年の部落解放令をもちだして、相手に反省を求めるのだ。当時としてはまったく新しい試みであった。それまで、日常生活の中で差別を受けても、運命だと思ってあきらめるか、訳もわからず暴力に訴えるしかなかったのが、組織的に差別に抗議する方法を与えられたわけだ。そして、その抗議の方法には「糾弾」という名前までついている。水平社宣言が部落民自身をささえる思想的ベースであれば、この「糾弾」はそれを物質化する方策であった。それまで部落民にとって不快ではあるが、どう手をつけたらいいかわからなかった風景としての差別を、「糾弾」は手の届くところへ引き寄せる力があった。「今度水平社という組織ができて、糾弾とかいうことを始めたらしい。なんかあったら、水平社に言うていけば差別するやつらをやっつけてくれるそうな。」水平社の思想と糾弾闘争は、部落民の口から口へと伝えられ、糾弾闘争をとおして文字どおり燎原の火のごとく広がっていった。賎民たる自己の存在の重みに耐えきれなかった部落民の心は、今や部落民に包囲され自分の前で縮みあがっている憎むべき差別者のひ弱な姿の前で解放されていく。

 

   行政闘争の快感

 

 しかし、ほどなく徹底的糾弾闘争はその絶大な歴史的意義にもかかわらず行きづまる。たしかに糾弾闘争によりそれまでのような露骨で公然たる差別発言はそれなりになくなっていったが、本当の意味での差別意識は強く温存されていた。部落の惨めな生活を放置しておいて、いくら人間の平等をといても、大多数の部落大衆にとっては、飽きのくる美辞麗句と感じられただろう。同じ人間だと胸をはるにはあまりにも貧相だ。こうして、徹底的糾弾闘争は、一九二〇年代後半から数年の低迷を経たのち、一九三〇年代から行政当局にさまざまな施策を要求し部落の生活の向上をめざす行政闘争へと方向転換していく。そして、戦後一九五〇年代から行政闘争が大衆闘争として闘われるようになる。

 闘いの対象は、水平社時代の直接的差別者から行政当局者へとかわったが、この新しい行政闘争もまた部落民の心を引きつける快感があった。それまで部落の貧乏は部落民個人の責任で、貧乏だから差別されると部落民に全責任が転嫁されていたのが、一八〇度転倒し貧乏は部落差別の結果で、部落差別と貧困の循環をなくすために行政は部落の生活を向上させる責任があるとされた。こうして、部落の生活を実際に向上させるきっかけができた。

 この時期を回想してある部落の婦人は語る。小さい掘ったて小屋のような家から2Kの同和住宅に移ったときには、電気がまぶしくて昼間のようで、御殿にでもいくような気分だったと。また、使い古された感のあるエピソードであるが、次のような識字学級で字を覚えた老婦人の作文は、やはり自分自身が解放されていく確かな実感を表現しているだろう。「わたくしはうちがびんぼうであったので/がっこうへいっておりません。/だからじをぜんぜんしりませんでした。/いましきじがっきゅうでべんきょうして/かなはだいたいおぼえました/いままで、おいしゃへいってもうけつけでなまえをかいてもらっていましたがためしにじぶんでかいてためしてみました。/かんごふさんが北代さんとよんでくれたので/大へんうれしかった。/夕やけを見てもあまりうつくしいと/思はなかったけれど じをおぼえて/ほんとうにうつくしいと思うようになりました(下略)」

 要求の実現、生活向上の一歩一歩が部落解放への確かな足どりを感じさせ、部落差別を堀り崩していく快感にあふれていたに違いない。学校の友達を呼んでくるにもあまりに悲惨な生活、字を書く場面に遭遇するたびに「老眼で字が見えない、云々」とあらぬ言い訳をして身を縮めなくてはならない惨めさ。そうした生活ともオサラバだ。そして、子どもや孫たちの代にはそんな生活はしなくてもすむのだ・・・。

 

  同対審闘争勝利、そしてどうする?

 

 こうして四〇年近く行政闘争が闘われた。同和施策を要求する行政闘争は、日本の高度経済成長ともあいまって部落の生活を画期的に引き上げた。狭い路地しかない密集不良住宅地区は一変し、高校進学率は急速に向上する、半失業状態があたりまえの就業状態は解消し、若い世代は社会のさまざまな領域に進出を開始する。

 以前、運動の幹部は、要求は目的ではなく手段であると口を酸っぱくしていったものだ。貧乏だから物を要求するのではなく、部落差別をなくすための基礎として必要である。物がとれて運動が終わるのではなく、それからが本当の部落差別をなくす闘いであると。そして、今やその時が訪れたのだ。たしかに、一部地域に生活の向上、環境改善の遅れているところがあるのも事実であり、今後の課題でもあるが、大部分の部落では差別をなくすための外的条件はととのっているとみるのが常識的だろう。家賃の値上げは、差別がなくなってからにしろ、などというたぐいの発言を運動の幹部が行政交渉の場でいうのはどうしたことだ。差別をなくすための下準備であるのだから、一定の生活レベルに達したら同和事業が縮小し始めるのはあたりまえで、そのときに部落差別が残存するのは、初めから予定ずみだ。統計的には、収入や進学率(とりわけ大学進学率は全国平均の半分くらいにとどまっている)の面で格差は残っているのだが、もはやこの格差が部落差別を存続させる主要な要因ではありえなくなっている。たしかに、家が廃屋同然のあばら屋で、雨もりに畳が腐っているような生活は、実感としても差別を助長していただろう。また、義務教育を満足に終えられない子どもたちにそのことは重くのしかかったに違いない。あばら屋から2Kの小さなアパートへの引っ越しは、月面着陸のように大きな一歩だったのはたしかである。しかし、3DKの住宅から4LDKの住宅に住みかえることが同じように部落差別をなくすことにつながると考えるのはばかげたことだ。

 

   部落の三〇代

 

 一九九〇年に実施された大阪府の部落の生活実態調査によると、三〇歳代をみた場合、世帯主の収入が三〇〇万以上五〇〇万円未満の家庭が三八・四パーセント、五〇〇万円を越える家庭は二八・一パーセントにのぼる。実際の収入は妻の収入が数十万円から三〇〇万円程度はこれに合算されるはずだ。すると四〇〇万円以上の家計収入の世帯が三分の二ほどをしめることになる。もちろん地方によってばらつきはあるだろうが、すくなくともこうした裕福でなくとも暮しに困るわけではない階層が、若い世代に着実に増えてきている。彼らは、部落外の青年たちと同様に、自家用車を持ち、人によっては休日にサーフィンにでかけたりもする。楽しみはいくらでもあるのだ。そうした彼らに、行政闘争型の部落解放運動に魅力を感じ主体的に参加せよといっても、無理な話だ。むしろ、人にあなどりを受けない程度の生活レベルに達している人にとっては、要求闘争中心の現在の部落解放運動は、あまりにも物欲しげで貧乏臭い「闘い」だろう。

 部落にいまだ存在する「低位な生活実態」に置かれている人をなんとかしようというのは、課題としては設定できても、そうでない普通の生活の部落民はどうすればいいのだろう。今のところそうした人たちは、手持ち無沙汰でいるしかない。若い人なら、いくらでも楽しいことは他にあるのだから、部落解放などというこむずかしいことにかかずらっていずに、ウィンター・スポーツやマリン・スポーツに打ち込んでいても不思議はないのだ。

今の解放運動でもっとも欠けているのは、この三〇年間で格段に改善された部落の生活の中から生み出されている、ごく普通のレベルの生活をしている部落の人たち、とりわけ若い人たちにとって、自分たちがどう生きることが部落解放への道のりであるのかということをさぐる営みである。この歴史的な転換期に際し、部落解放の道筋に関する議論がなお貧困の克服に比重がおかれすぎているために、一定の力をつけてきた若い層に魅力ある言説が本当にとぼしい。とりわけ、行政闘争の展開にもっとも功績のあった部落解放同盟がいまだに部落の低位性の強調で同和施策のさらなる継続、獲得に力点を置いていることはなげかわしく、「同対審しがみつき路線」と命名するしかない(同対審とは同和対策審議会のことで、一九六五年に現在の同和行政の出発点となる答申を行なった)。

 

   同和施策も啓発も重荷だ!

 

 私は、ここ六年ほど大学の同和教育にたずさわっており、今も四つの大学で部落問題を教えていて、部落内外の学生、夜間部の場合は勤労青年と触れる機会が多い。彼らにとって、既存の同和施策はどんな意味があるだろうか。具体的には、奨学金などの個人給付や同和公営住宅の低家賃政策などだ。京都市の場合、大学に進学した部落の学生には、公立で月額三六、〇〇〇円、私立六四、〇〇〇円程度の奨学金がある(年学費の月割り相当分)。部落の市営住宅は最近「大幅に」値上げされたとはいうもののなお五〇〇〇円前後、例外的に高いところで一万三〇〇〇円である。また、保育料は収入により一〇段階に区分されているが、最高でも五〇〇〇円までである。普通の市民にとっては、教育費は子どもが生まれたとたん考えなくてはならない重大事だ。大学入学時に一〇〇万円を用意しようとして郵便局の学資保険にはいったら、子どもが生まれた月から毎月五〇〇〇円ぐらいを一〇数年間にわたって積み立てなくてはならない。むろん子どもが増えればそれにしたがって負担も増える。家賃も普通の市営住宅で四、五万円、公団住宅なら八万から一〇万円ぐらいは払うことになる。保育料は、所得税が一円でもかかっていたら最低八、四〇〇円、夫婦が二人ともフルタイムで働いたらすぐに最高ランク近い料金になり、三人の子どもをあずけ給食費を払ったら、七万円は軽く突破してしまう。

 同和事業関係の公共料金が低く抑えられてきたのには、もちろん部落の生活実態の極端な低さがあったわけだが、それでもただ安ければいいと考えられていたわけではない。一九五三年に完成した市内同和住宅の家賃は当初八〇〇円であったが、この金額は当時の失業対策事業(いわゆる「ニコヨン」といわれ日当二五四円からこの通称がきている)の日当三日分を基準にしていた。貧乏していても、それぐらいは納めないと人間としての誇りを投げ捨てることになると考えたのだ。現在の物価に換算すれば、普通の人で日当一万円をとっているとすると、三日で三万円だ。ところが、今はそうした精神も忘れられ、安かろう良かろうに堕してしまっている。同和事業の低料金政策の見直しをどうすべきかの具体的な話は、機会をあらためてするとして、ここで確認しておきたいのは、現在運動が維持しようとしているこうした安さ第一の政策は、一定の生活レベルを達成している人にとって、「私は普通の人となんの変わりもないただの一市民ですよ」と語ろうとしたとき、障害になるということだ。かりに部落出身の青年が公務員として勤めていて、同じ給与体系で月給をもらっていたら、一月あたり一〇万円を越えるような公共料金の負担の差は、説明に困るだろう。まして、自家用車でももっていたらなおさらのことだ。どう理屈をつけても、普通に生活している部落の青年がそこまで特別に保護されなくてはいけない理由はみあたらない。正常な金銭感覚、社会常識をもっていたら、過剰な優遇政策・保護政策は、かえって生きる上で精神的重荷になるだろう。

 また学校や地域社会でなされている部落問題の啓発活動は、こうした同和事業を正当化するために、部落の低位性をことさら強調することに力点が置かれていることが多い。同和地区の人たちは、長年の差別のため、かくかくしかじかの低位性を背負っている。たとえ部落の人と部落外の人が、見かけ上同じ境遇にあったとしても、部落民に対しては歴史的経緯の分だけ割り引いて考えるべきだと。もし、そこに普通に暮らしている部落民が同席していたら、顔を上げられないのではないだろうか。親が人に侮られない程度の生活をしている学生が、同じ程度の生活レベルの友達と話をしていて、自分の受けている同和施策の理由付けをさがすのは決して楽しいことではないだろう。差別をなくすのが目的の政策を維持するために、自分の歴史的負性を強調するなどということは、本末転倒というしかない。まして、かりにも「おいしい話」を享受し続けるために部落民をひとくくりにマイナスの存在に描きあげようとするならば、差別を商う行為といわなくてはならない。

 こうした低位性強調型の啓発教育への反発として、部落の誇り型啓発教育もある。部落は貧しいとか低位であるとかばかりいわれるが、そうではない。賎民こそ日本文化をになってきた輝かしい歴史があるのだと。しかし、これもかなり無理のある主張だ。確かに、室町時代に連歌の上手な河原者がいたり、『蘭学事始』を著わした杉田玄白たちに刑場で人体解剖をしながら内臓の説明をしたのは穢多のおじいさんで、けっこう穢多の先祖が活躍していたのも確かなのだが、だからといって、それで今の若い部落の人たちが生きていくうえで、どれほどの支えとなるのかは疑問である。一度聞く分には面白いが、二度、三度聞いていると、文学を解しない無粋なおのれを省みて、かえって辛くなろうというものだ。まぁ、それは冗談としても、誇りある賎民の歴史の強調も、現実の生活にあまりとりえのない時代、過去の一縷の光明にすがってなんとかプライドを持ちこたえさそうという苦肉の策であったというほかない。

 

   次の「快感!」、それはどこからやってくる?

 

 「解放」とは解き放たれていく感覚がともなわなければウソだ。水平社による糾弾闘争の話を聞いて、嬉しさのあまり空に舞い上がりそうになる感覚。あばら屋から2Kの同和住宅に移り住んだとき、今では当り前の電灯がシャンデリアのように見え、これからは人にさげすまれなくていいんだと心はずんだあの瞬間。どれも解放の名にふさわしい一歩だったはずだ。運動は、「正しい」以前に参加者個々人が受ける「快感」がなくては成り立たない。一定レベルに達した部落の若い世代は、どんな運動にであれば参加していて心地よい感情をいだくのだろうか。もし、新しい運動がうまくそれにピントがあったら、彼らの生活はより光あるものになるに違いない。実際、これからの部落解放運動は、こうした台頭しつつある、生命力のある若い人たちの支えになるような運動でなくてはならないだろうし、また、そうでなくては運動の拡大どころか、単純再生産でさえおぼつかない。

 最初に私は、今の部落問題の状況が「すくなくとも大多数の部落の若い人が、心安んじて人生を送ることができるような状態ではないように思う」とのべたが、それは部落差別が厳しいのでそうなのだといいたいわけではなく、部落の若い人たちの主体的問題が未解決であるためにそうだと感じている。差別とどうむきあうか、それが問題だ。普通に生活している部落の若い人が部落差別を感じるのは、職場や地域社会での自分の存在について漠然とした不安をもっているからではないだろうか。日本社会、日本文化の中で、自分はマイナスの存在であり、否定的存在であると。それを打ち破るために、いきなり日本社会の部落差別を一掃しようとするのはあまりにもたいへんだし、無理な相談だ。それにたとえひどく差別的な人がいても、その人が会社の人事権をもっていたり地域社会をリードしていなければたいした問題ではない。むしろ、自分をとりまく環境・人間関係を強化し揺るぎないものにしていくほうが、よりよく生きるためには重要だ。

 じゃあ、そのために何が必要だろうか。そこがずばり処方箋として書ければいいのだが、なかなか名案がない。事業でも、啓発でもない新しい運動・・・。参加している人が、それ自体を楽しめるような行動・・・。

 

   ブレークスルーをめざして

 

 最近、経済問題とりわけ技術開発の話題の中で、ブレークスルー(breakthrough) という言葉をよくみかける。これは、技術の発展の中で小さな改良の連鎖の途中、ある種の発見・発明により劇的な進歩がなされることをいう。いちどブレークスルーが達成されると、既存の技術のかなりの部分は捨て去られ、残る技術も新たな技術を核に徹底した再編がなされる。蒸気機関の発明で人力が駆逐されたり、トランジスタが真空管にとってかわったように、いまは遺伝子工学や超伝導技術の実用化が既存の技術体系を根本から変えようとしている。こうした技術の発展とおなじように、社会運動や思想にもブレークスルーというものがある。水平社による糾弾闘争の開始がそうだし、行政闘争の開始もそうだった。事後的にみると、ごく自然な移り変わりのようにみえるが、そのときなされた飛躍はとてつもなく大きなエネルギーを発揮して、過去の思想や運動を陳腐化する。そして、今や第三のブレークスルーをめざすときが来た。同和行政や啓発事業の量的拡大が部落民を解放に導く時代は過ぎ去った。普通の生活をしている普通の部落の若い人たちが参加し、その個々人に安らぎをあたえるような思想と運動の創出がめざされなくてはならない。それが達成されれば、今までの部落解放運動を支えてきた理論は、大部分捨て去られ、残る部分も新しいパラダイムにそって、大きく再編成されるだろう。ブレークスルーというのは、それ自体をやろうとしてできるわけではない。いろいろな悪戦苦闘の中から突如として姿をあらわすものだ。水平社の糾弾も、戦後の同和事業もそれなりの試行錯誤の中から生み出されてきたもので、あらかじめ存在したものを発見したわけではない。しかし、ともかく今度で最後だ。このブレークスルーで、部落解放へむかう最後かつ最大の飛躍が約束されるのだ。

    (1991.11.21)

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鳥取条例議事録 同和問題など

http://www.pref.tottori.jp/jinken/jorei-kyusai_minaosi.html
第12回人権救済条例見直し検討委員会議事録

1 日時等

(1)開催日時 平成19年4月27日(金)午前10時から正午まで

(2)開催場所 鳥取県庁第22会議室(鳥取市東町)

(3)出席者名 永山会長、相澤委員、朝倉委員、大田原委員、國歳委員、田村委員、長井委員、中村委員、樋口委員、安田委員部落解放同盟鳥取県連合会、鳥取県同和教育推進協議会長島と鳥取を結ぶ会、鳥取大学大学院教授藤井輝明さん瀧山総務部長、柴田総務部次長、磯田人権局長、安田人権推進課長

(4)議事 
 ア 人権救済制度(同和問題、疾病のある方などの人権問題)の状況について
 イ 次回の開催等について

(5)その他 ア 公開又は非公開の別 公開
       イ 傍聴者数約15人

2議事

(1)人権救済制度(同和問題、疾病のある方などの人権問題)の状況について

○(会長)出席者から人権救済条例の必要性の有無、その理由を実際の事例を挙げて説明願いたい。

○部落問題に関わる差別事象は全国的に続発しており、県内においても差別事象が相次いでいる。犯人不明のハガキや投書、インターネットによる差別書き込みも増えており、解決困難な事案は多い。運動団体として被害者からの相談に応じ事実確認を行い対策を講じているが、被害者は被差別部落出身であることが明かになることをおそれており、運動団体ではなく公的機関に解決してほしいと望んでいる。条例が施行されれば数多くの未解決事案が解決されると期待している。また、この条例は過料や公表などの問題点ばかりが指摘されているが、本来の趣旨は差別の再発防止と被害者の救済、加害者に対し理解を求め人権意識の高揚を図ることである。この条例の趣旨を踏まえ早期に施行してほしい。

○県同和教育推進協議会は同和問題に関する相談・救済機関ではなく同和教育を推進する組織である。毎年開催する全県民対象の部落解放・人権確立の研究集会の中に人権問題を特別に討議する分科会があり、本日この委員会に提出している事例は過去の分科会で取り上げられた事例である。県が2005年に行った同和地区の実態調査では、過去に被差別部落出身を理由として差別を受けたことのある人が全体の29%、そのうち5年以内に差別を受けた人が23%であり、そのときの対応は「黙って我慢した」が49%、「身近な人に相談した」が30%である。差別事案が多数発生するにもかかわらずなぜ相談・救済機関が利用されないのかをよく考える必要がある。同和問題に関しては教育、啓発に力を入れる必要があり、条例で人権救済委員会が設けられれば当事者にとって力強い味方となる。条例に様々な問題点があるのは承知しているが、被差別の立場に立って検討をされ早期に条例を施行してほしい。

○ハンセン病元患者にとってこの条例は待ち望んでいたもの。当事者は黙って耐え声も出せずに亡くなった人が多い。

ハンセン病元患者への支援活動の中で、声を出したくても出せないことを知り、差別の強さに圧倒された。我々の活動に対し“そんなことをしているとあなたが差別される”とか、“あの家はハンセン病の蔓(※つる:血筋の比喩)だから結婚してはいけない”といったことを耳にする。平成15年には熊本県黒川温泉のホテルで元ハンセン病患者に対する宿泊拒否事件があった。国による隔離政策で当事者は強制的に療養所へ連れて行かれ、残された家族は周囲から差別されそこに住めなくなり何処かへ移る。しかし定職に就けないなどの理由で転居を繰り返す。ハンセン病元患者の子は、自分が患者の子どもということを誰にも言うなと言われ育っている。ハンセン病と同和問題との違いは、ハンセン病は家族が故郷に住み続けることができない、定職に就けない、職場で噂され仕事を辞めざるを得ないということである。ハンセン病以外の病気では当事者が集まって手を取り合い活動することができるが、ハンセン病に関しては本人は施設で隔離され、家族は身を潜め、親戚も表に出ようとしない。これがハンセン病の怖さである。ハンセン病に対する差別をなくす運動は長く続ける必要がある。差別はすぐにはなくならない。

○自分は海綿状血管腫という皮膚の下の血管の壁が盛り上がってくる病気で外見上病気であることがわかる。ハンセン病の場合の人権侵害はもっと深刻だが容貌という点で共通点がある。病気、疾患はたくさんあり、行政はそういう人々の声をくみ取ってほしい。県が条例をつくり救済に取り組もうとする姿勢は高く評価するが、条例制定には十分な議論が必要。人間の血を通わせる条例をとするためには、当事者の声を反映することが必要であり、そのプロセスを大事にしてほしい。疾病に関しては本日の出席者以外に多くの病気があり当事者がいることを強調しておきたい。

○疾病に関しては当事者だけでなく家族もいるし疾病が既に完治している人の問題もあるので「疾病のある方の人権問題」ではなく「疾病に関わる人権問題」であると感じる。

○私人間における人権侵害について行政の委員会が介入し過料、公表といった手段を用い救済を行うことがこの条例の基本的な枠組みである。しかし、出席者の方々が提起されている問題は、まず第一に行政の施策の問題であると感じる。ハンセン病の問題は行政の施策で行われた人権侵害に国民が続いてしまったもの。まずは行政がその姿勢を正すべき問題である。出席者の方々は条例に期待されているが、条例が行政による人権侵害に対して機能するか疑問。

○熊本の菊池恵楓園で自治会長の方などから“鳥取県の条例はどうなったのか。 ”“あの条例は我々にとってとても大事なもの”“人権救済条例があれば自分たちも声を出すことができた。声を出すこともできず隔離された”という話を聞いた。黒川温泉の宿泊拒否は宿泊者が集団であったため人権問題として取り上げられた。しかし、現在でもあるレストランや旅館での利用拒否に対し、被害者1人、2人だけでは声を上げても受け入れられない。そういった場合に人権救済条例が必要だと思う。

○端的に言えば差別禁止の条例が必要ということであろうか。

○自身も賤称語を用い名指しされた差別投書の被害にあった。もう一人障害のある者も名指しされていた。初めは大変ショックを受け、犯人が誰かわからないという恐怖を感じた。またこの差別は自身だけにとどまらず家族にも影響が出た。妻は怖くて郵便受けを見られない、受話器も取れないといった状態であったし、子どもに対しても何かされるのではないかと不安になる状態であった。名指しされた障害者も同様な恐怖を感じていた。現在事案から5年以上経つが、妻は今でも朝起きられない、発熱するなど精神的な影響が続いている。警察へ相談したが、警察は指紋を採取することが精一杯で「犯罪性がない」とされ、それ以上介入できないということであった。法務局へ相談したら名誉毀損で訴えることはできるということであったが、相手が不明のため訴えなかった。自分は運動に関わっていたため警察や司法へ相談し、また運動として世の中に明らかにしていくことができたが、相談したいがどこへ行っていいかわからない人が多くいる。条例で救済委員会ができれば気軽に相談できるし、不安の解消につながる。

○差出人の分からない投書による事例のほか県同和教育推進協議会から提出された事例に匿名の電話による差別というものがあるが、これらに対して人権救済条例で本当に救済できるのか。救済するためにはどのようにすればいいと考えるのか出席者の方に聞きたい。例えば事実確認のために捜査機関を作ってほしいなど、具体的な考えがあって条例を望んでいるのかどうかを聞きたい。闇金融の被害に関してこれは完全に犯罪であると思われる電話や手紙もあるが、警察も完全に取り締まれていない。警察が解決できていないものを一体どうすれば条例で解決できるのか、司法に携わる弁護士も良い案が浮かばない。

○(会長)捜査権限も能力もない人権救済委員会に何を期待されるのかということだが出席者の方はいかがであろうか。

○加害者がわからない人権侵害の事案は警察も扱えない。今の法律で認められている権限以上の権限を人権救済委員会が持つとなると条例は国の法体系、条例制定権の限界に違反することになる。ハンセン病に関する人権侵害においてはらい予防法による措置に対し国家賠償による救済が行われた。これは立法そのものが不法行為であるという判断であった。しかし、こうした国の行為に対して発言できるような条例、救済委員会は限界を超えるものであり、過度に期待すべきでない。

○被害者は加害者の捜査を人権救済条例に求めているのではなく、差別された被害者を支援してくれることを期待している。

○人権救済条例は被害者をケアする条例ではない。

○加害者を特定することは現行の人権救済条例ではできないが、事実を確認したい、話を聞いてほしい、そのために相談機関が必要だということだと思う。そのときに、加害者が不明のものは相談を受けられないとするのか、そうではなく相談を受け話しを聞くのかという問題だと思う。被害者は加害者を特定して裁くことを望んでいるのではないと思う。運動体は加害者が特定できない場合であっても関係機関等を相手に改善要望、糾弾等を行っているが、この条例で行うのは無理と思う。しかし被害者の声を聞いてほしいという意見については、これまで行政が行ってこなかったものであり傾聴すべきと思う。県同和教育推進協議会から提出された事例に小学校内での事例や結婚における差別がある。これらを条例で救うことができるのか考えるべきであると思う。

○学校内における差別事例については、条例の手続きによると人権救済委員会が子どもあるいは担当教員を呼び出し調査、勧告を行うことになるが、学校内での差別事例は教員も努力をした上での問題であって、それでも教育現場へ介入した方がいいという考えであろうか。

○差別にはいろいろな形がある。確かに加害者が不明なものもあるし教育現場での差別もある。条例で加害者を見つけるために捜査権を持つことはできないということや教育現場での条例による救済は不適当であるということだけを理由に条例は不必要だと結論づけるのではなく、実際に被害に遭い困っている人をどう救済するのかということを考えながら検討してほしい。条例があるというだけで啓発効果は大きい。条例に求めるのは被害者へのケアや加害者への説示により本人自らが反省することである。部落差別が存在するのは生活実態に地区と地区外の格差があるためであり、格差により差別意識が存在し、また差別意識が存在する以上格差はなくならない。人権救済委員会が差別事象を通じてなぜ差別がなくならないかを考え、格差是正は行政の責任だということを気づかせることが大事である。ハンセン病に対しては私も過去は大変な偏見を持っていた。しかし療養所を訪問し、当事者からこの病気は感染力が弱く、完治した人からは感染しないと言われ握手をした。そのときは本当に感染しないだろうかと多少の不安があったが、実際に感染していない。このように実体験を通じて差別意識は解消される。運動団体も差別を無くするために活動しているが、被害者の救済のためには人権救済委員会が相談を受けてほしい。その場合、警察権力を超えるものはできないとしても、悪質な事案に対しては過料、公表といった手続は必要である。実際に用いなくても一定の強制力になる。人権侵害はたとえそれが 1人だけの問題であっても放置できないと思う。条例ができないという前提で議論するのではなく、できることを議論してほしい。

○司法ではなく準司法的な機関に求められるのは簡易・迅速に行うことである。問題はそのために罰則を科すことも含め行政が救済を行うべきかどうかということであるが、はたしてその救済が本当に被害者にとっての救済になるのか疑問を感じる。被害者が行政に求めているのは準司法的な救済ではなく、別のもののように感じる。条例と期待との間にギャップを感じる。

○加害者が不明な場合には、教育、啓発によって社会全体として人権意識を高めていくことしか方法がない。また、学校現場で起きたものについては子どもの将来のことを考えて慎重に対応しなければならない。被害者は被害に遭ったときどうすべきか悩んでいる。そのときに相談できるところがあればよい。法務局や弁護士会も人権相談を行っているが相談する人は少ない。理由の 1つに周知されていないということもあり、条例ができれば人権救済委員会に相談すればよいということが県民に周知される。委員は条例では何もできないといわれるが、条例ができるだけであっても被害にあった場合に相談ができることが皆に周知される。

○法務局でも人権相談を行っているが、そこでは加害者がわからないものは対応できない。これらの既存の相談と人権救済条例の相談とのどこに違いがあるのか。被害者は相談窓口を知らないから相談しないのではなく、相談しても解決しないことがわかっているから相談しないのではなかろうか。

○相談というのは実態である。相談解決を積み上げていくことを通して、人権基準を積み上げてきた歴史があるし、これからもそうでなければならない。これは人権問題に取り組んでいる者たちの責務である。行政などでさまざまな相談窓口があるが横の連携がない。実態を把握し何をするべきかを考えるためにも人権救済条例は必要だと考える。

○法務局、県弁護士会ともに加害者に対し勧告をしているが、勧告には法的な拘束力がない。しかし、様々な機関がこれは人権侵害だという判断を積み重ねていく努力は必要。1ヶ所が判断したら終わりではなく継続的な実践が必要である。

○人権侵害を起こしやすいのは国家、行政である。自分はじん肺訴訟に関わってきたが、司法は国の責任を判示したが国は認めようとしない。国が政策としてやったものは仕方がないという考えがある。この事実からも一番問題なのは国家、行政による人権侵害である。人権救済委員会には行政からの独立と政策提言能力が必要だと思う。この条例は公権力からの侵害の救済という面では全く役に立たないのみならず逆に人権侵害が発生するおそれがあると考えられ、マスコミ、弁護士会は反対した。条例を廃止するか手直しで済むのかという点は委員の間でも現在議論が分かれるところである。らい予防法における国家賠償の事例のように国が過ちを認めるのは稀である。政策提言の問題についてこの条例は役立つと思われるか。国の施策に対し提言していくことは有効と思われるか。

○(会長)この検討委員会では根本的には人権救済条例が役に立つのかどうかの見直しを行っている。

○相談を解決できない相談機関であっても必要な理由として実態把握を挙げられたが、相談だけで終わってよいのか。もしくは実態把握を積み重ね啓発、政策提言にまでつなげることを期待するのか。また専門家ではない委員に相談することになることはそれでよいのか。

○この条例には第16条に相談の規定があるが、相談に応じた後にどうするのかが規定されていない。
○相談といっても相談機関である自治体は公権力である。公権力に対して人権侵害の有無の判断を委ねる
ことは効果もあるが危険も大きい。
人権救済委員会は被害者に寄り添うべきか、そのような機関を行政が作れるのか、また、他機関を紹介するとした場合どういう機関までなら紹介できるのか、よく検討する必要がある。

○救済という言葉が広く捉えられ期待が大きくなっている現状がある。話を聞くだけでもケアになるかもしれないが、この条例は被害者のケアに関しては何の規定もない。被害者のケアを人権救済委員会に求めるのであれば新たに条項を追加する必要があるが、具体的にどのようなものを期待されるのか。

○行政から独立している機関が相談を受けあっせんや助言をする必要があるが、その方法を充分に練らなければいけない。

○療養所で生活している人たちと話をすると、自分たちには相談する場所がないのでその場所が必要であると言われる。しかし相談はできても解決できないのでは被害者は困る。相談を受けたあとどのように救済していくのかを救済委員会は考えていただきたい。ハンセン病に関しては問題が風化する懸念があり、行政は風化させないよう啓発に努めてほしい。6月に啓発週間がありパネル展などしているが、それだけの活動では不十分だと思う。啓発活動をしても集まってくる人はいつも同じ人達で固定化してしまっている。すそ野が広がっていかない。

○人権侵害、差別について、相手に話し合いの気持ちがある場合には人権救済委員会に取り上げられるまでもなく当事者間で話し合いをしてよいが、相手が開き直り話し合いにも応じないような場合には人権救済委員会が取り扱うということが必要。

○加害者の明らかな場合の例で結婚や就職の差別が救済されていない理由は、救済機関がないからではなく差別禁止法がないからではないか。法律があれば民事訴訟で争える。そういう解決が必要だと考えるのであれば条例の救済機関を求めるのではなく差別禁止法を求めるべきではないか。

○鳥取県には人権尊重の社会づくり条例があるが、これはただの組織法であって具体的な差別禁止のための手法を有していない。差別禁止についての議論がされないまま人権救済条例ができたことが問題。

○人権救済条例を作っても機能しないし既存の相談機関があるのだからそれでいいではないかということだろうがそうではない。人権救済条例には加害者への説示の規定がある。加害者への啓発は既存の機関でもできるといわれるが、人権擁護委員、民生委員などは部落差別という問題になると相談を受けつけてくれない。取り上げるのは部落解放同盟しかないが、被害者は自分の出身を明らかにすることになるため相談はしても相手方への啓発などの対応は望まない。加害者にも話をすれば心を入れ替えて反省する人はいる。まずは人権救済条例を施行し、条例の不備が明らかになれば手直しをして強化する、行き過ぎがあれば見直しをするという対応ができるのではないか。

○この見直し検討委員会は意見を聞きながら検討をしているのであって、決して条例を否定してかかっているわけではない。

○この委員会は、どうすればこの条例が機能するものとなるのかを検討しているところである。

○今日の出席者は日々差別と向き合っている。今ある人権救済条例は基本条例として、個別事例については別にきめ細かい個別の差別禁止条例をつくってはどうか。

○(会長)条例の見直しには選択肢があり、どうしていけばよいかを検討しているところ

○この条例は人権救済の条例として広く報道されその名称から期待が膨らんでいったが、その中身については詳細に検討しなければ期待に添うことができないので現在見直しの検討を行っている。相談窓口の充実の必要性をいわれるが、その際に相談機関は被害者に寄り添うようにするのか。個別の事例により求められる対応は違い、事例によって例えばカウンセリング能力といった専門性が必要だが、きちんと対応できる専門家はいるのか。1人の専門家では無理であれば何人が必要なのか。相談窓口において個別救済について準司法的に判断するのであれば窓口にも法律の専門家が必要となる。また相手
が話し合いに応じない場合に強制的に連れてきて話し合うのか。それとも和やかな方法で行うのか。制裁手段はどうするのか。これらをどうするかで救済委員会に求められるものは違ってくる。しかし、すべての期待、要望に対し救済機関が対応することは無理。そこで被害者は何をもって救済されたと感じるのかということを知りたい。


○先ほどの発言にあった問題点をひとつひとつ検討していくことが必要である。委員を増やし、難しい事案があればその分野の専門家を招いて勉強をすればよい。委員がこれは難しいからできないということでは被害を受けている人たちは報われない。そういう人たちの思いをくみ取ってほしい。そういうことであればわれわれも喜んで検討に協力したい。

○委員会だけで対応するのではなくいろいろな団体とネットワークを作っていかないと機能しない。

○人権に関わる機関はたくさんあればあるほどよく、これ以上必要はないということはない。この条例の救済機関ができればさらによくなる。相談する人には話を聞いてもらうだけで満足する人もいるし満足できない人もいる。満足できない人にとっては公的機関へ相談しても対応してくれないことは問題。

○求める救済は個人によって違うと思うが、差別をした相手が差別をしたことを認めてもらいたい。司法で争って慰謝料の支払いを受けても相手が差別を認めたかどうかはわからない。相手が差別したことを認め、謝罪してくれることが一番望まれるものである。そのためにも教育、啓発が重要になってくる。

○出席者が望んでいる救済が被害の回復ではなく加害者からの謝罪ということであれば、それは加害者とされる人を呼び出し考えを変えさせるということであって、極端に言えば思想を変えさせることになり、思想信条の自由に反している。危険な発想と捉えられる。それはたとえ司法であってもしてはいけないことである。となれば最初から相手が和解に応じるか、そうでない場合であっても和やかな説得の場を設けることしか方法はなくなるわけでありそれが限界といえるが、現実には困難ではないか。

○無理矢理に謝罪させることを望んでいるのではなく、可能な限り啓発、説示ということを望んでいる。啓発、説示であれば他に機関があるかもしれないが、それでも人権救済条例で行うことに意義がある。国に差別禁止の法律はない。地方にできることに意義がある。

○(会長)内心の自由は法律、条例で変えさせることはできない。それを説示でどこまで踏み込むことができるのか検討が必要である。

○現行の救済制度が徹底されることは必要だが、人権救済の新たな取り組みは幅広く市町村単位でも進めてほしい。また策定に当たっては県民にヒアリングを実施してもらいたい。委員会の独立性の問題があるが取り組みは進めてもらいたい。

(2)次回の開催等について次のとおり開催することが決定された。
 ア 日程等 平成19年5月31日(木)
       午後1時30分から3時30分まで県庁第22会議室

(※後に5月31日(木)午後2時30分から4時30分までに訂正された。)
 イ 検討内容人権救済制度の状況について(子どもの人権問題について)

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部落解放運動の目的は? いま進めている「運動」との関係は? 自己の利益が中心ではないか。

「週刊ポスト」
http://www.h7.dion.ne.jp/~k-fujita/
藤田敬一ホームページ

「週刊ポスト」(07/7/6)の特集「部落差別とニッポン─俺にもいわせろ大論争」に、わたしのコメント(「マイナスイメージの記憶と伝承の連鎖」を断ち切ってこその再生)が載りました。

 被差別部落をめぐる実態は大きく変わり、教育と啓発が進められている。にもかかわらず05年の大阪府の府民人権(意識)調査では5割を超える人が被差別部落の人々を「怖い」と思っているという。そのマイナスイメージが沈殿していて、飛鳥会事件などが起きると攪拌されて広がり、「マイナスイメージの記憶と伝承の連鎖」となっていく。これまでの部落問題の解決は国の責務だといわれてきたが、その行政責任論に基づく同和対策が、実際に同和問題の解決につながるかどうかを検証しなかった。かつて私も「当事者でないのに何がわかるか!」といわれたが、それでは最初から議論が成り立たない。部落解放運動85年が「マイナスイメージの記憶と伝承の連鎖」を断ち切ることができなかったことを踏まえて、自分の周りから人と人との関係を人間らしいものに変えていく努力をするしかない。そうしない限り部落(解放)運動の再生はできないと思っている。
 もちろん、「俺にもいわせろ」と圧力をかけたわけではありませんよ。編集部から「話が聞きたい」と電話があったのです。JR岐阜駅構内の喫茶店で1時間半の取材を受けたのが6/19の夕方。講演先の高山グリーンホテルにファクスで届いたコメント原稿にそそくさと目を通しOKの電話を入れたのが6/21の午後。そんなこともあって「部落問題」と「同和問題」が混在し、「部落解放運動」が「部落運動」となるなど校正ミスが生じました。またアンカー(最終稿執筆者)の判断で「部落民」が「当事者」に替えられているのには苦笑。顔写真のキャプションが“「差別意識は何も変わっていない」(藤田敬一)”となっているのにはがっくり。わたしなら「マイナスイメージは何も変わっていない」とするんですがね。「写真がよくない」という批評も聞こえてきますが、「実物で勝負!」がわたしの信条。アッハッハ。そんなこんなで不満なコメントではありますが、「部落解放運動はマイナスイメ-ジの記憶と伝承の連鎖を断ち切ることができなかった」という核心部分が載っただけでよしとすべきでしょう。

 それにしても“大論争”とは大仰な見出しです。中味は放言特集で、論争にもなっていない。これを「羊頭狗肉」と言う。田原総一朗、井沢元彦、島田裕巳ほかの面々のコメントには言いたいことが山ほどある。とりわけ部落解放・人権研究所所長友永健三さんのコメントには怒りすら覚える。「小西さんの事件はやはり個人犯罪とはいえないでしょう。そういう人を支部長として長い間、置いていて、彼が借りているマンションで4代目山口組の竹中正久氏が殺害されたり、飛鳥会の事務所にピストルが撃ち込まれたこともありました。となると、普通は解放同盟の支部長としていかがなものかと問題になるわけで、その時に手を打っておくべきだったと私は思っています」とある。編集部がまとめたものであるにしろ、友永さんはゲラ(校正原稿)に目を通しているはずだから、コメントにはそれなりの責任がある。部落解放・人権研究所と言えば、部落解放同盟中央本部や大阪府連と一体の組織です。その所長が他人事のように批評している。「知りながら、気づきながら、何もできなかった自分」を語るべきなのに。友永さんのコメントには誠実さが感じられない。しかも飛鳥会事件は小西邦彦被告の「個人犯罪ではない」と言うにいたっては、明らかに大阪府連の見解と食い違っている。どうも部落解放同盟の中枢部は混乱しているようです。混乱しながらの「総点検と改革」では、前途は暗いなあ。(07/6/30記)




ふじた けいいち
一九三九年、京都市生まれ。元岐阜大学教授。月刊誌『こぺる』編集人。学生時代、京都や大阪の被差別部落に出かけて部落問題を学ぶ。中国近代史の研究と教育に携わりつつ、部落問題解決のための取り組みに関わった。現在は、小学校一年生から九六歳の人にまで「よく生き合おう」と語りかける講演活動で各地を飛びまわっている。著書・共著に『同和はこわい考』『「部落民」とは何か』、私家版『「同和はこわい考」の十年』などがある。

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奈良市 問題先送りで課題山積み

同和行政の基本方針についての見解          

http://www.jcp-nara.com/dan/douwa/page074023.html
2007.5.25  

日本共産党奈良市会議員団 

 奈良市は3月30日、「奈良市の同和行政を真に人権行政にするための検討委員会」の提言を受けて、市の基本方針を発表した。この中には「今後の検討課題」とする部分も多く含まれているが、同時期に出された部落解放同盟の質問書に対する回答と合わせて見ると、市の基本的な姿勢がここに現れている。

 基本的姿勢について
 いまなお市民の中に、「部落に対する差別意識が存在する」という認識の下に、「これまでの同和対策の一環として取り組んできた事業の中に、有効性や透明性・公平・公正性の確保の面で不充分な点があるので是正をする。
 今後は、同和行政を人権行政と一体のものであることを『理解させ』(※市民に)、教育・啓発の取り組みを進めていく」としており、人権の名でひきつづき同和を残し、市民に対して部落差別に対する教育・啓発をつづけるという姿勢は、これまでとなんら変わるところがない上に、解放同盟に極めて配慮する内容となっている。こうした姿勢は「部落差別は基本的に解消されており、同和行政の早期終結を求める」という我が党議員団の立場とは、大きくかけ離れている。
 また、部落解放同盟奈良市支部協議会の質問に対する回答をみても、病休職員、とりわけ中川問題は「中川個人の不祥事であり、それを許してきた休暇制度や、こうした行為に毅然と対応できなかった職場風土に問題があった」とし、これまで助役の通達まで出して、部落解放同盟奈良市支部協議会という特定の団体と「窓口一本化」の関係を続けてきたことが、病気休暇問題だけでなく、職員の加配、解放同盟への多額の補助金支給、市営住宅の入居募集や管理、ヤミ専従の雇用問題等々、市政の広範囲にわたって解放同盟いいなりで、同和優先の市政になっているが、こうしたことに対する総括は何もない上に、平成5年に出した助役の依命通達の廃止には当然のことながら触れられていない。
 また一連の文書の中で、旧同和地域をいまだに「同和地区」、「地区内」などと表現しているが、これこそ行政の側に同和を固定化する姿勢があると言わなければならない。

1.個別、具体的問題について
○個人給付的事業
 固定資産税、国民健康保険料の減額(還付)については18年度より廃止、保育料の減免については19年度より廃止。ただこの事業については、これまでの我が党議員団の議会での追及で、すでに運動団体とも話がされ1、いずれ廃止の方向が決まっていたものである。

○職員の加配
 教員や保育士の加配については、同和地区偏重を改め全市的に対応することになった。

○部落解放同盟奈良支部協議会への支援
・補 助 金
  いったん廃止を決めたが、今後については「同和問題は人権問題全体の中でも大きな課題である」などと、これまでの「同和問題はいくつかある差別問題のひとつ」という議会答弁を超える認識の下に、この団体を「市民啓発の一翼を担う当事者団体」と持ち上げ、何らかの名目をつけて補助金の支出を継続するという姿勢を変えていない。
・人権ふれあいスポーツ大会補助金、人権問題少年講座・青年講座は廃止。
・人権啓発センターの目的外使用
「今の時点では市民の理解が得られないので、解放同盟の事務所として使用許可しない」と言いな
がらも、「解放同盟が民主的に運営され、行政から自立した団体として市民の理解が得られるならば、改めて検討する」となっており検討委員会の提言より後退している。つまりこれは、「ほとぼりが冷めるまで、ひとまず辛抱してくれ」といった程度のものであり、県下の市町村でも例がない。
・非常勤嘱託職員(ヤミ専従)の雇用
 2名の雇用については更新しないことになった。ただ、これまで事実上のヤミ専従という実態がありながら、議会やマスコミで追及されるまで雇用を継続していたことは、解放同盟いいなりで主体性のなさを浮き彫りにしている。

○委託事業
・人権啓発関連委託事業
  「公募方式に切り替える」としているが、はたしてこの事業が必要なのかどうかの検討がいる。
・子ども会指導員設置委託事業
  「別途協議の場で検討」となっている。

○ そ の 他
・市営住宅・改良住宅
 家賃や募集方法、共益費、駐車場、等について「奈良市改良住宅家賃等検討委員会」を立ち上げた。
 検討の方向はこれからだが、検討に時間をかけ実施予定は平成21年度からと、事実上の「緩和期間」をとり解放同盟など関係者に配慮する形になっている。

・職員の派遣
 人権文化センターや児童館への職員の派遣は、別途協議となっている。

・市県民税の出張受付
 「申告率の向上と促進を図るため」と、同和地区優先の出張受付サービスを継続する上、「周辺地域の人々も利用できるようにする」と同和地域がまだ残っているという認識に立っている。

・人権文化センター・児童館・共同浴場・運動場・駐車場等
 「別途協議の場で検討」となっており、今後の課題。

・部落解放同盟とのセクション交渉
 解放同盟との交渉を「人権問題について自由な意見交換の出来る場」と位置づけ、交渉時間や参加人数などに制限を設けながらも交渉は継続する。また、「他の人権団体との交渉・協議にも適用する」としており、今後、市民団体・民主団体との交渉も従来より後退させられることも考えられる。

・皆保育については、「就労の場を確保するようにしてもらう」と議会で答弁。

・研究集会などへの職員の出張参加
 引き続き公費で参加させるという姿勢を変えていない。

3. まとめ
 以上みて来たように、我が党議員団の議会での追及や、マスコミ、市民の声に押されて今回、廃止や見直しがされたものもあるが、「検討委員会」での検討や「別途協議」という形で、今後に残されたものも少なくない。
 我が党議員団は、昨年12月本会議でこの「検討委員会」の委員長が解放同盟と関係の深い人物であることから、「この委員会に何を期待するのか」と指摘したように、検討委員会の提言と奈良市の基本方針の全体を通してみれば、奈良市の姿勢はあれこれと理由をつけて人権の名で同和を残し、部落解放同盟奈良支部協議会の活動を引き続き援助するものとなっている。
 また基本方針は、「検討委員会」の提言を100%受け入れ、むしろ一部では提言より後退するなどきわめて不充分で、これでは行政の側から将来にわたって同和問題・同和行政を残そうとすることになり、大きな問題である。
 これではとうてい市民の理解が得られるものではないし、公平・公正な仕事をしたいと思っている職員の期待に応えられるものではない。この点では市長の断固たる姿勢が求められている。言うまでもなく、今回の病気休暇職員の問題は部落問題ではなく、奈良市が部落開放同盟言いなりで、長年、不公正な同和行政を続けてきた結果起きたことであり、旧同和地区住民のあずかり知らないことである。
 我が党議員団は、ひきつづき奈良市の同和事業を早期に終結させ、市民の理解の得られる公平・公正な市政の実現に向け引き続き奮闘する。

                      以  上


「病欠」元職員に給与など2300万円返還命令──奈良地裁(7月6日)
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/40891.html

 病気を理由に5年10カ月間に10回しか出勤しなかった元奈良市職員、中川昌史被告(43)=職務強要罪で公判中=を相手に、市と市職員互助会が給与など約2300万円の返還を求めた訴訟の判決で、奈良地裁(坂倉充信裁判長)は5日、被告に全額の支払いを命じた。

 中川被告は6月の第1回口頭弁論に欠席。答弁書も提出せず市側の主張を認めたとみなされた。

 判決確定後も返還されなければ、市は強制執行をする方針だが、中川被告は賃貸の市営住宅に住み、乗っていた高級外車は他人名義だったことが判明。回収のメドは立っておらず、市は裁判所に中川被告の財産開示を申し立てるかどうか検討するという。

 判決によると、中川被告は2001年1月から昨年10月まで、関節炎やヘルニアなど計71通の診断書を提出して46回の病気休暇を取得。この間に10回しか出勤せず、働いたのは8日と6時間だった。(共同)


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部落にある企業をHPで中傷容疑で逮捕。「差別書き込み」の認定ではなく。

被差別部落にある企業、HPで中傷容疑 無職男逮捕
2007年07月05日

http://www.asahi.com/national/update/0705/NGY200707050003.html

 被差別部落にある企業をホームページ上で中傷したなどとして愛知県警は5日、名古屋市守山区守山2丁目、無職大谷大三郎容疑者(26)を名誉棄損容疑で逮捕した。

 調べでは、同容疑者は今年2月、自宅のパソコンからインターネット上にホームページを開き、愛知、三重、岐阜各県の被差別部落の地名をあげ、部落内の企業名を名指しして名誉を傷つける内容を掲載した疑い。


名誉棄損:男逮捕 被差別部落内企業をネットで中傷 愛知
 インターネットのサイトに愛知県の被差別部落内の特定企業名を記載し、中傷したなどとして、県警情報管理課と津島署は5日、名古屋市守山区守山2、無職、大谷大三郎容疑者(26)を名誉棄損の疑いで逮捕した。大谷容疑者は「いたずらでやった」などと容疑を認めている。

 調べによると、大谷容疑者は今年2月ごろ、自宅のパソコンでホームページ(HP)を開設し、愛知県の被差別部落の実名を記載。さらに、同県内の特定企業を名指しして「怪しげな工場。悪臭をまき散らしている」などと中傷する書き込みをして同社の名誉を棄損した疑い。県警がサーバー管理会社などの接続記録を分析した結果、大谷容疑者が浮上した。

 大谷容疑者は、自ら調べた被差別部落の地図や、デジタルカメラで撮影した愛知県内の特定企業の社屋などをHPに掲載した。読者が匿名で書き込める掲示板も設け、東海地方全体の被差別部落の情報を収集、公開していた。掲示板には岐阜県と三重県の被差別部落の実名も記載されていたという。

 HPは、名古屋法務局の要請を受け、サーバー管理会社が今年2月、削除した。それまでに1万件を超えるアクセスがあったとみられ、部落解放同盟愛知県連合会が「(HPに記載された)企業と従業員に精神的苦痛を与え、悪質極まりない」などとして今年3月、被疑者不詳のまま、県警に同容疑で告発していた。

毎日新聞 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20070705k0000e040069000c.html





 部落解放同盟愛知県連合会が今年3月、被告発人不詳のまま、同容疑で県警に告発していた。


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肉の偽装・不正問題、根源は?

ミートホープ 
 6月29日第1回団交 全従業員の解雇撤回勝ち取る

 (苫小牧ローカルユニオンニュース№1より)

 苫小牧ローカルユニオン・ミートホープ分会(横岡リツ子分会長)は29日、食肉の偽装表示などを行ったミートホープ(北海道・苫小牧市、田中稔社長)と団体交渉をミート社本社で行い、同日付けの解雇を撤回させました。
 団交には、全従業員の過半数を超える45人が参加し、全労連、道労連、札幌ローカルユニオン“結”のノーステイック分会から2人、苫小牧地区労連から10人、計16人が出席して開かれました。ミート社側からは、田中社長、専務、弁護士、社会保険労務士が出席しました。

  会場を圧倒した、横岡リツ子ミートホープ分会長の訴え

 「会社は偽装や詐欺的な問題など、全国の消費者のみなさんに、言葉に表せないほどのご迷惑をかけたこと、これは私たちも本当に心が痛みます。しかしだからといって、会社が倒産したわけでもないのに、問題が起きてからわずか1週間あまりで全員解雇を通知しようとする。私たちには家族がいます。病弱の主人も抱えています。みんながそれぞれ精一杯生きているんです。自分たち(会社)の事情ばかり主張するのでなく、私たち従業員のことをどう思っているのか、誠意ある態度を見せて欲しい。それが人間として当然のことじゃないですか」と迫りました。

 会社側、あくまで29日付での解雇方針を主張したが …

「営業を続けることができない」の一点張りで、「解雇を認めて欲しい」とくり返す会社側。また、解雇予告手当は1カ月分しか出せないとし、締め日の6月15日から本日までの給料については、日割りで支払うとするもので、組合は、財務状況も明らかにしないなかでの一方的なものであり、「解雇理由に合理性がないこと」を整然と主張、ついに会社側が折れ、「全従業員の解雇を撤回する」という回答を引き出しました。
合意事項は、① 解雇は撤回、ただし個人的事情で退職を希望する従業員については会社都合での解雇とする、② 次回団交まで雇用を継続し、社会保険も継続する、③ ミート社は、解雇せざるをえない資産・損益状況について、次回団交までに出来る限り資料を出す、④ 次回団交は7月6日13時から、ミート社本社で行う、⑤ 就業規則は労組に送付する ― の5点を確認しました。

「私たちの生活を守りたい」…
 譲れない一念で組合を結成した従業員のみなさん

 その日の夜開かれた地区労連の単産代表者会議で、分会長の横岡リツ子さんは、切々と思いを語り支援を訴えました。これはまさに、労働者をボロ切れのように使い捨てにする、日本の今日の状況を反映しています。地区労連とローカルユニオンの、いまこそその真価が問われています。

週刊現代7月14日号には溝口敦「食肉の帝王と暴力団」の記事が掲載されている。腐敗の構造は、どちらも明らかにはなっていない。協畜の問題も氷山の一角に過ぎない。同和食肉にメスがはいらなければ、問題は闇のまま。新井





協畜元社長に懲役3年、罰金6億の判決…

豚肉関税の脱税で
7月2日 読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070702i405.htm

 食肉卸大手「協畜」(愛媛県四国中央市)などが輸入豚肉の差額関税約119億円を脱税した事件で、関税法違反の罪に問われた同社元社長、曽我部登被告(53)ら2人の判決が2日、東京地裁であった。

 朝山芳史裁判長は「巧妙かつ組織的な犯行。東京国税局による捜索後も証拠隠滅工作をするなど、規範意識も低い」と述べ、曽我部被告に懲役3年、罰金6億円(求刑・懲役3年6月、罰金7億5000万円)を言い渡した。

 また、同社元部長、南本浩一被告(38)には懲役1年4月(同・懲役2年、罰金700万円)、同社には求刑通り罰金2億円を言い渡した。

 判決によると、曽我部被告らは2002年4月~04年9月、デンマーク産豚肉を輸入した際、仕入れ価格を差額関税がかからない価格にまで水増しした虚偽の輸入申告書を計1378回、税関に提出し、差額関税計約119億円を免れた。 

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寺澤「運動の達成は何をめどとするのか」。しかり。

提言まとめを年内に
小委たちあげ論点整理


「解放新聞」(2007.07.02-2325)
 第3回部落解放運動に対する提言委員会(上田正昭・座長)を6月21日午後、京都市内の京都会館でひらいた。今回は、元全同数委員長の寺澤亮一さん、元テレビ朝日審査局長の丹羽俊夫さん、筑波大学教授の菱山謙二さんがプレゼンテーションをおこない、その後討議し、今後の予定などを決めた。
3委員が提起

http://www.bll.gr.jp/news2007/news20070702-2.html

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奈良と大阪の「解同」に組織的統一性はないのか

市センターから撤退-解放同盟奈良市協事務所  (2007.7.3 奈良新聞)
http://www.nara-np.co.jp/n_soc/070703/soc070703a.shtml

  部落解放同盟奈良市支部協議会(奈良市協)が市人権啓発センター(同市佐保台西町、大谷正己所長)の一部を事務所として使用していた問題で、同市協が先月30日、同市大安寺一丁目の県解放センターにある部落解放同盟県連の事務所内に移転していたことが2日、分かった。市は同和行政の見直しの一環で、本年度からセンターの事務所使用を認めない方針を示したものの、移転先が決まらずこの間契約を更新。市協は「早期にセンターから撤退する」としていた。

 市人権啓発センターは、市人権問題啓発活動推進本部(現・市人権教育啓発活動推進本部)の拠点施設として平成4年4月にオープン。奈良市協はその翌月から2階の一室に事務所を置き、市は「公益性が高い」との理由から使用料については減免措置を取ってきた。その率は平成13年度までが50%、14年度は40%、15年度20%、17年度からは10%減免で、18年度の使用料は59万9400円

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福岡の解同がらみで歪んだ教育を自公県議は黙認?

福岡の教育現場を歪める同和教育  教育オンブズマン 近藤将勝


「正論」8月号 産経新聞社の月刊誌。

http://www.sankei.co.jp/seiron/wnews/0707/mokji.html

雑誌「正論」8月号での推薦する3本の論文
http://masa-n.at.webry.info/200706/article_21.html

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京都市 職員の勤務形態 まだ甘いのか

職員の不祥事が相次ぎ、組織改革を進めている京都市が、
実際には達成されていない改革項目を達成したかのように見せる
嘘の資料を議会に提出していたことが分かりました。

京都市では昨年度、ゴミ収集を担当する環境局の職員を中心に不祥事が相次ぎました。
勤務時間中に、職場に持ち込んだ私物で遊ぶ姿も見られました。

京都市は、ゴミの収集作業が終わる午後2時から退庁時間の午後4時半まで、
ほとんど仕事がないという甘い勤務体系に問題があると認め、見直しに着手しました。
その結果、標準的な作業終了時刻を以前より1時間遅らせた午後3時10分だとする資料を議会に提出。
職員が勤務時間内にしっかり仕事をするようになったとアピールしていました。

しかし、ANNの取材では、午後1時半に始まった作業は最も早い場合、わずか5分で終了。
最も遅い場合でも、以前と同じ午後2時には終わっていることが分かりました。
さらに、退庁時間前の職場で釣り具の手入れをするなど、
相変わらず仕事には関係のないことをしていました。

京都市は、「実態を隠そうとしたわけではない」と釈明していますが、
議会に虚偽の報告をしていたことで市の改革の信用性が問われています。

http://www.home-tv.co.jp/news/
6/28

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