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何でも民営化の小泉路線の罪は重大 たしかに。

http://newsflash.nifty.com/news/tk/tk__gendai_02032328.htm

何でも民営化の小泉路線の罪は重大(日刊ゲンダイ)
 介護報酬の不正請求や幽霊ヘルパーで厚労省から“退場処分”を受けたコムスンの解体が始まった。

 当初、訪問介護事業は大手のニチイ学館、老人ホームなどの施設介護事業は居酒屋チェーンのワタミが引き受けるとみられていた。しかし、「おいしいところ取りはさせない」とばかりに、30社程度が買収に名乗り。争奪戦が過熱している。

「コンビニのファミリーマートも事業提携を申し入れた。シルバー向けに弁当を宅配すれば、うまみがあると踏んだからです。ワタミも同じで、外食産業のノウハウを生かして、シルバービジネスを展開したい思惑がある。今後も買収に手を挙げる企業は増えますよ」(経済ジャーナリスト・岩波拓哉氏)

 来年4月以降をメドに、親会社のグッドウィルは介護ビジネスから完全撤退することになる。

 しかし、これで一件落着かといえば、とんでもない話だ。

 譲渡先としていち早く名前が挙がったニチイ学館は、コムスンと同じく、介護報酬の不正請求をして東京都から改善勧告を受けている。コムスンを狙っているジャパンケアサービスも不正請求の「仲間」だ。

「3社に限らず、不正に手を染めてきた有象無象の介護事業者はいくらでもいる。不正な介護報酬の返還請求額は、05年度までに総額55億円を超えた。倒産したり逃げた業者もたくさんいて、実際に返還されたのはそのうち4割程度です」(厚労省事情通)

 介護ビジネスはかくもデタラメ、いい加減なのである。

 そうこうしている間に、介護が必要な老人の数は激増している。厚労省の試算では、高齢者人口が3500万人に達する2025年には、介護保険の給付額は現在の3倍、19兆円になるという。

「老人の数が増えるせいだけではありません。介護ビジネスに群がった業者が老人を薬漬けのごとく介護漬けにして、給付をふんだくっているんです」(介護問題に詳しいライターの三橋淳人氏)

 厚労省は慌てて昨年4月に介護保険制度を改正。介護認定を厳しくし、利用者には負担増を決めた。しかし、そうしたら、施設に入れない“介護難民”が続出、民間の試算では「7年後には200万人が介護難民化する」と言われている。介護保険制度はもうムチャクチャなのである。

●国民はボッタクリ詐欺にあっているようなもの

 こうなると、介護保険の存在意義を問いたくなる。介護保険の財源は、40歳以上の国民から強制的に徴収する介護保険料だ。これで財源の半分をまかない、残りを国と地方自治体が折半して負担する。

 国民が負担する保険料の額は増え続けている。保険料は自治体によって違うが、現在、65歳以上の平均保険料は4090円(月額)で、直近の改定前に比べると24%もアップした。月額6000円以上を取っている自治体もある。

「保険料は原則として3年ごとに見直します。自治体が介護事業計画を立てて、コストを計算し、徴収する保険料を算出します。それを議会にかけて、条例を変えるわけです」(厚生労働省)

 国会と違って、地方議会なんか、ニュースにもならないから、国民が知らない間にどんどん保険料は上がっていく。それでも財源が足りないから厚労省は「40歳以上」から徴収するシステムを「30歳以上」あるいは「全所得者」にする案を画策、有識者会議に検討させたりしている。このままでは国民負担は青天井で上がり続けることになるのである。

 もちろん、それでも高齢者が安心した老後を送れるのであれば、ある程度の国民負担もやむを得ない。しかし、厚労省がやっているのは、保険料だけ値上げし、サービスはどんどん低下させるというボッタクリ詐欺だ。デタラメ厚労省に任せていたら、国民はボラれるだけボラれ、コムスンのような悪徳業者だけが笑うことになるのである。

●責任逃れと国民負担を目論んだ厚労省の悪辣

 厚労省が介護保険に乗り出した動機はハッキリしている。責任逃れと利権である。介護問題に詳しいジャーナリストの中里憲保氏はこう言う。

「厚生労働省は、介護保険制度という新たなシステムを導入することで、増え続ける高齢者医療の財源を国民に転嫁させることをもくろんだのです。そこに小泉政権の地方分権の流れと『官から民へ』の方針が重なり、デタラメが加速化した。介護保険の運用は地方自治体に放り投げ、いつでも保険料を値上げできる仕組みにし、5兆円市場とか言って、業者の参入を煽った。そうしたら、地方には介護保険をきちんと運用、チェックする機能がないのをいいことに怪しい業者がどっと新規参入してきたわけです」

 そこには利権の腐臭もプンプンする。東大名誉教授の多田富雄氏(免疫学)は月刊文芸春秋7月号でこう書いている。

〈設備も人員も、新設には金がかかる。そこに群がる介護業者には事欠かない。新たな利権が生まれる。(中略)岡光序治元厚生事務次官と「彩福祉グループ」との癒着も、同じ文脈の中にあった。(中略)介護保険への強引な誘導に、そんなことがなければいいがと危惧している〉

 識者には厚労省の悪辣な企みは見透かされているのである。

●小泉構造改革がすべての元凶

 ついでにいうと、こうした規制緩和利権に群がったのはコムスンだけではない。長らく「規制改革・民間開放推進会議」議長を務めた宮内義彦会長率いるオリックスの動きも怪しい。改革会議が老人ホームの食費や家賃などを利用者負担にすべきだと提言し、それが受け入れられ、業者の参入が容易になると、オリックスの有料老人ホームがオープンした。

 気がつけば、今、介護をビジネスにして儲けているのはコムスンやオリックス、ワタミなど異業種ばかり。既存の業者を買収して、一気に業界地図を塗り替えてしまった。彼らに介護の志があるのかどうか。そんな業者を儲けさせるのになぜ、国民の税金や保険料が使われるのか。

 鹿児島大法科大学院教授の伊藤周平氏は「介護サービスは税金でまかなった方がいい」と書いている(東洋経済2006年5月27日号)。どうしても民間にやらせたいのであれば、民間の保険でやればいい。

 儲からなければ、平然とサービスの質を低下させる民間業者に老後の命を託せるのか。個人の選択なのに、保険料が強制徴収という形でいいのか。こんなデタラメ制度を後押しした小泉構造改革の罪は限りなく重い。

[日刊ゲンダイ:2007年06月19日 10時14分]

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